1. ピョン吉の航星日誌
  2. #1430 このマンガを推したい!..
2026-01-27 07:51

#1430 このマンガを推したい!『性悪猫』『しんきらり』やまだ紫さんの話

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水城真琴さんの企画「このマンガを推したい!」に参加回です。

「人生を変えたマンガ」の話……のはずが、正確には「人生の見え方そのものを変えられた漫画家」の話です。
月刊ガロで活躍した、やまだ紫さん。
マンガなのか詩なのか分からない表現、等身大すぎる女性の視点。
高校生だった自分は、『性悪猫』『しんきらり』に完全にうちのめされました。
男性と女性は、こんなにも違う世界を生きているのか。
ガロ初心者だった自分にとって、唯一「安心して読めた」衝撃の存在。
静かで、優しくて、でも確実に価値観を壊してくる――そんな漫画体験の話です。

サマリー

今回のエピソードでは、山田紫さんの影響について語られており、彼女の作品がどのように人生観を変えたかが紹介されています。特に『性悪猫』と『しんきらり』を通じて、女性の視点や感性が描かれていることが強調されています。

山田紫との出会い
はい、おはようございます。本日の放送は、2026年の1月27日火曜日です。 本日は第1430回目のお話となります。
このチャンネルは福島県郡山市在住の特撮アニメ漫画大好き親父のピョン吉が、日々気になったことをだらだらと話をしていくという番組です。
よろしくお願いいたします。
今回はですね、企画会に参加しております。 いつもはフリートークで、好き勝手思いつくまま大体話が脱線して終わるこの番組が、果たして企画に馴染めるのか?
内心ですね、これ間違いだったらどうしよう?と、こじかのように震えながら参加しております。 完全に装飾系ポッドキャスターです。
今回参加しているのは、推し勝2次元ライフラジオを配信されている水城真琴さん主催の この漫画を推したいというリスンスタイルの企画。これがまためちゃくちゃ懐が深い。
これ語らせてほしいという作品がある人、布教したい気持ちがもう抑えきれない人、人生に影響を与えられた作品がある人、今の自分を作った漫画がある人なら、もう誰でもどうぞというスタイル。
しかのですよ、新作、旧作、連載中、完結済み、全部OK。 つまり条件はただ一つ、愛があること。
いやもう、オタクのために作られた企画としか思えません。 今回の参加番組は全部で15番組。
すでに10番組がそれぞれの推しを全力で語っておりまして、自分は11番目。 ここ地味にプレッシャーのかかる位置です。
後半戦に突入したあたりで急にハードルが上がる。 みんないい話してるなぁ、自分大丈夫かなぁ、と収録前から絵がキリキリしております。
健康診断だったら確実に引っかかるやつです。 改めまして水城さん、毎回楽しい企画をありがとうございます。本当に貴重な存在です。
というわけで今回は自分の人生を変えた漫画についてお話しさせていただきます。
と言いつつですね、正確には人生を変えた作品というより、人生の見え方そのものを変えられた漫画家、 その人の話になります。
その方の名前が山田紫さん。 山田はひらがな、紫は漢字。ここ地味に大事なので言っておきます。
ご存知の方もいれば、初めて聞いたという方も多いと思います。 山田紫さんは月刊ガロなどで活躍された女性漫画家さんです。
ここでですね、だいたいガロって何?ってなりますよね。 月刊漫画ガロという伝説的な漫画雑誌がありました。
西林堂から出ていて、編集長は永井勝一さん。 白人三平さん、三木茂さん、杉吉晴さん、後に巨匠と呼ばれる人たちがゴロゴロ載っていたとんでもない雑誌です。
ただ自分がガロを手に取った1980年頃にはですね、もう雰囲気がだいぶ独特で、 漫画雑誌というより面白ければ何でもありなサブガル雑誌、他の雑誌では絶対載らないような作品。
漫画なのかエッセイなのか、正直電波なのかよくわからないものまで載っている。 終えてある場所も独特で、本屋のレジ横じゃない。
奥の方のひっそりした棚、SM雑誌や同性愛者向け雑誌の横。 もうその時点で初心者お断り感がすごい。
杉吉晴を育てた雑誌という情報だけで興味本位でも読んではみたものの、正直自分にはきつかった。
立読みはする、でも買う勇気は出ない。 結果ガローは一度も買わず、気に入った作家さんの単行本だけを買う。
非常にずるい読み方をしていました。はい、逃げです。 そんなガローの中でここなら安心して読める、そう思えた少ない存在。
それが山田紫さんだったんです。 当時の自分、少女漫画もいろいろ読んでいました。
ハゲオモトさんや竹宮圭子さんなど。 でも山田紫さんはそれともまた違う。女性が描いているのに男性漫画家が描く女性とも違う。
かといって少女漫画の女性とも違う。 えっ、これ何?と頭を殴られたような感覚でした。
当時としては珍しい等身大の女性がそこにいたんです。 ガローで連載されていた小ある猫、その音のしんきらり。
もう打ちのめされました。男性と女性ってこんなにも生きている世界が違うんだ。 その事実を初めて突き詰められた気がしました。
それが自分が高校生の時の話です。 山田さんは21歳で手塚治虫プロがつけた雑誌コムでデビュー。
作品の影響と人生観
その後ガローに作品を発表して24歳でメジャーで人気漫画家がひしめき合うビッグコミックにも掲載。
当時としてはかなり珍しいキャリアです。 ですがここで結婚出産を機に発動休止。
その後復帰してガローで発表したのが小悪猫。 猫のイラストに詩のようなモノローグのような言葉。
これ漫画?という新鮮さ。 猫が空を見上げている絵にお日様1個あるだけでいいという言葉。
あー、しみる。 こんな感性、自分の当時は衝撃でした。
後になって知るのですが山田さんは結婚相手からドメスティックバイオレンスを受けていました。
手乱で漫画を書くことすら許されなかった。 娘たちを守るために耐え続け最終的に離婚。
子供を抱えた漫画家生活の始まり。 その現実が作品の隅々までにじみ出ているんです。
33歳で発表した新キラリ。ごく普通の主婦が子育てから少し解放され自分を取り戻していく話。
第1話で子供が成長して外出するときに手を繋がなくていいことに気づいて驚く。
え?そこ書く?そこが漫画になる? 自分が知っていた漫画社会とは全く別物でした。
36歳の時のゆらりうす色。 寄婚男性を好きになってしまった女性の視点。悪女ではないどこにでもいるような女性。
その描かれ方が自分の女性を見る目、社会を見る目を根こそぎ変えてしまいました。
その後山田さんは子供たちが大きくなったということで54歳で再婚。お相手は17歳年下の男性。
衝撃。旦那さん自分とほぼ同世代です。じゃあ理論上自分もワンチャンあったの?と一瞬思ったんですが、しかし残念ながら自分その頃も結婚していました。
山田さん幸せな時間は長く続かず色々と病気があり山田さんは60歳で脳出血により高い。
旦那さんもその7年後に亡くなります。 実は1998年山田さんは当時珍しい個人サイトをネットに開設していて、自分は掲示板で少し交流させてもらっていました。
池袋パルコでの個人店山猫店4にも足を運び直接お話もさせていただきました。 小柄でとても可愛らしい方でした。
山田紫さんが日本の漫画界に残したもの。 正直うまく言葉にできません。でもここにもドラマがある。そういうことを教えてくれた人です。
もし少しでも気になった方ぜひ呼んでみてください。 それではまたもしよろしければピョン吉のお宝話にお付き合いくださいね。
本日もお聞きくださいまして誠にありがとうございました。
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