映画の背景と登場人物
さて、今日はですね、送ってくれた方が教えてくれた情報がありまして、1974年の沢田研二さん主演映画、「炎の肖像」について、ちょっと深く見ていきたいなと思ってます。
ああ、炎の肖像、はいはい。
福島県の郡山市でロケがあったっていう話なんですよね。
そうですね。
当時のジュリーの人気とか、あとこの映画がどういう背景で作られたのか、そして郡山のシーンがどういう意味を持つのか、その辺りを探っていきましょうか。
はい、ぜひ。面白そうですね。
まず、そもそもなんですけど、1974年当時の沢田研二さん、ジュリーの人気って、もうほんとすごかったわけじゃないですか。
いやー、すごかったですね。まさに国民的スターっていう。
ザ・タイガース解散後もソロでヒット曲連発してて。
寺内勘太郎一家で、注目キリンさん当時は有機地方さんでしたけど。
はいはい。
あのジュリーって見戻り入れするシーン、あれがお茶の間で大人気で。
ありましたね。あれはもう社会現象と言ってもいいくらいでしたよね。
まさに、その頂点にいた時期にこの炎の肖像が作られたと。
そうなんです。だから単なる人気に乗っかったアイドル映画っていうだけじゃなくて、何か新しい一面を見せようとしたのかなとか。
あー、なるほど。
イメージチェンジみたいな。そういう意図があったのかもっていうのが興味深いところですよね。
映画の内容自体は沢田さんの役名が鈴木二郎。でもあだ名はジュリーなんですよね。
そうそう。そこがまた面白いところで。
現実とフィクションが入り混じるような感じだったんでしょうか。
送ってくれた方の資料にもありましたけど、ワイルドでちょっとダーティーな男への脱皮みたいな。
そういう狙いがあったようです。だから結構荒っぽいセリフとか、激しいラブシーンなんかもあったみたいで。
へー。共演は中山麻里さん。それから妹役に原田美恵子さん。
はい。
あと友人役で、これ福島県いわき市出身の秋吉久美子さんも出てるんですね。
そうなんですよ。豪華なキャストですよね。
ただ。
ただ?
ストーリーは見た人によるとかなり難解だったっていう声もあるみたいなんですよね。
なんだろうこれはみたいな。
あーなるほど。ちょっと前衛的な感じだったんですかね。
かもしれませんね。でここで重要になってくるのが、制作したのが日活だっていう点なんですよ。
日活ですか?
ええ。当時の日活って1971年からいわゆるロマンポルノ路線に大きく恥を切ってた時期で。
あーはいはい。そういうイメージありますね。
でこの炎の肖像はその中で一般向けのお正月映画として企画された作品だったんです。
地域の記録と作品の意義
へー一般向けだったんですね。
そうなんです。でもやっぱり日活っていう看板がかかってる映画館にそのジュリー目立ての若い女性ファンがじゃあ気軽に行けたかったっていうと。
あーなるほど。そこはちょっと抵抗があったかもしれないってことですね。
ええそうなんです。当時の映画館って配給改正である程度カラーが決まってましたからね。
うーん。じゃあ作品の内容とか以前にその配給のシステムとか日活のイメージみたいなものが結果的にそのファン層との間にちょっとズレを生んで知名度があまり上がらなかったみたいな可能性もあるわけですか?
それは十分に考えられると思いますね。当時の映画工業の仕組みっていうのが作品の届け方にも影響してたっていう。これ面白い視点ですよね。
いやーなるほどなー。それで送ってくれた方が特に注目してたのが群馬のシーン。
はいこれですね。
物語の最後の方らしいんですけど、雪が降ってる空梨山駅前で主人公が車から降ろされると。歩いていく場面が統計で撮られてる。わずか数分だそうですけど。
でもその駅前のアーチとか当時のいろんなお店の看板。ヨークベヌマルとか小松醤油とか強立レコードとか。
具体的な名前が挙がってましたね。
東映パレスっていう映画館もそういうのがしっかり映ってるっていうんですね。
その数分間っていうのはこれはすごく貴重だと思いますよ。1974年っていうもう半世紀近く前の地方都市のそのままの風景ですからね。
確かに。
そこにあの時代のトップスターである沢田健二さんがフィルムの中にいるわけですよ。
うわーなんかすごいですねそう考えると。
だから単なるロケ地っていうだけじゃなくて送ってくれた方みたいに福島とか空梨山にゆかりのある方にとってはなんというか特別な意味を持つ映像記録って言えるんじゃないでしょうか。
まさにある種の地域史の断片みたいな感じですね。
そうですねその通りだと思います。
じゃあちょっとまとめてみると炎の肖像っていう映画は人気絶頂のジュリーを主演に据えながらもその日活っていうちょっと特殊な制作配給の状況があったと。
でもしかしたら彼のイメージ転換を狙ったようなちょっと野心的なあるいは実験的な作品だったのかもしれない。
そうですねそして結果的に難解さもあって広く知られるという感じではなかったかもしれない。
でも送ってくれた方が見つけてくれたみたいに偶然というか1974年当時の空梨山の風景をちゃんと切り取って記録していたと。
はいスターの人気とか映画会社の戦略とか作品の芸術性難解さも含めてそれと地域との思いがけない接点。
いろんな要素が絡み合っているのがこの映画を今掘り下げる面白さかなと思いますね。
いや送ってくれた方のおかげですごく多角的な視点が得られました。
本当ですねそれにしても確立されたパブリックイメージがある国民的スターがですねあえてそれを壊すようなというかあるいはもっと深めるような役割に挑戦するっていうのは。
特にこの映画みたいに現実のジュリーと役柄のジュリーを重ね合わせるような試みっていうのは見る側にどう作用するんでしょうかね。
うーんそれは難しい問題ですよね。
成功することもあればファンが戸惑うこともだろうしその危うさみたいなものも含めてやっぱり表現者の挑戦なのかなぁなんて思ったりもしますけど。
ええそうかもしれません。現実と虚構が交錯するときどう受け止められるか。これは普遍的なテーマかもしれませんね。
ちょっとそんなことを考えてみるのも面白いかもしれませんね。では今回はこの辺で次回の配信もお楽しみに。
さようなら。
さようなら。