インターネットの黎明期
こんにちは。
こんにちは。
さて、今回は、送ってくれた方の資料を基に、30年以上前のインターネットの世界を掘り下げていこうと思います。
今ではもう考えられないかもしれませんが、当時はインターネットの商用利用が基本的には禁止されていたんですよね。
ええ。ビジネスではなくて、純粋な理想に燃えた人たちが支えていた時代。
一体どんな世界だったのか、さっそく見ていきましょうか。
まず驚くのが、本当にお金儲けには使えなかったという事実です。
あくまで研究者同士が情報をやり取りするための学術ネットワークだったと。
そうですね。
資料にあったエピソードで、電子メールの使い方を習うのに、指導教官から郵便局で使い方を習ってこいって言われたっていうのが、すごい話ですよね。
時代を感じますね。
そこで生まれてきたのが、資料にもあるネチズン精神という考え方なんです。
ネチズン精神。
はい。ネットワーク上の市民として、みんながボランティアでこの新しい社会を良くしていこうっていう、そういう理想があったんですね。
ボランティア精神ですか。でも、それで巨大なネットワークが維持できていたっていうのが、なんか不思議な感じがしますね。
そこが面白いところでして、実は技術的な制約が逆に思いやりの文化を生んでいたんです。
技術的な制約が?
ええ。当時は回線がものすごく細かったので、思いデータを送るのは迷幕だった。
だから画像を軽くする工夫をしたりとか、あとデマが広がるような、今でいうリツイートみたいな行為はもう絶対にNGだったり。
なるほど。不便さがかえって倫理観を育てていたと。
まさに。
それって、今のSNSの炎上問題を考えると、すごくしさに飛んでますね。
そうなんです。ただ、そんな牧歌的な時代も、1993年に郵政省が商用利用を許可したことで、大きな転換点を迎えます。
ああ、ここで変わるわけですね。モザイクとかネットスケープナビゲーターが登場するのがこの頃ですか?
ええ、そうです。文字ばっかりだった世界にいきなり画像が入ってきた。
あの衝撃はすごかったでしょうね。ネットスケープの相性がゴジラ由来のモジラっていうのも、なんか当時の熱気が伝わってきます。
ええ、そして送ってくれた方が待機したらことがまさにこの時代の象徴なんですよ。
ネットスケープのブックマーク機能を応用して、福島県のリンク集サイト、勝手に福島を作ったんですよね。
そうなんです。そしたら1日1000人以上が見に来る人気サイトになったと。
1日1000人?
ええ。
当時のネット人口を考えたらとんでもない数字ですよ。
まさに個人が情報発信の主役になれるっていうインターネットの理想が形になった瞬間ですよね。
変わりゆくネット文化
うーん。
この流れを決定的にしたのが1994年の低学生接続サービスの開始です。
ああ、ここで流れが完全に変わるわけですか。
はい。もうユーザーの意識がありがたく使わせてもらうっていうものから、お金を払って当然のサービスを受けるっていうものにシフトしました。
なるほど。
理想のネット世界が僕らのいる現実社会の延長戦になった決定的な瞬間と言えるでしょうね。
その結果、資料にもあるようにスパムメールとかあからさまな金儲けもたれの人が増えて、かつての空気は失われていったと。
うーん。
2チャンネルが登場した時には、わーと思ったという正直な気持ちも書かれていましたね。
そして、あれほど輝いていたネチズンという素敵な言葉も、いつの間にか誰も使わなくなってしまいました。
つまり、インターネットは理想の新大陸から、良くも悪くも現実社会の一部になったと。
でも忘れてはならないのは、その始まりには本気で理想を語る人たちが大勢いたという事実です。
ええ。
この歴史を知ることは、今の僕らがインターネットとどう付き合っていくかを考える上で非常に重要だと思いますね。
今回は30年以上前のインターネットの黎明期をたどってみました。始まりには、今とは全く違う文化と熱い理想があったんですね。
そうですね。最後に資料を送ってくれた方に一つ考えてみて欲しいことがあります。
もし今ゼロから新しいネット上のコミュニティを作るとしたら、このネチズン精神からどんな要素を取り入れますか?
次回の配信もお楽しみに。さようなら。
さようなら。