いわき市を舞台にした物語
こんにちは。こんにちは。ピョン吉さん、えーと、今回はですね、インターネット検索で見つけられたっていう、「ある光」というマンガ、これについて掘り下げていこうと思います。
作者は阪本重彦さんで、舞台はいわき市だそうですね。はい、そうなんです。東日本大震災を経験した高校生の物語ですね。
これ、無料で読めるKindle版もあるということなので、今回はこの作品と、あとその背景にあるちょっと興味深い点なんかを一緒に見ていきたいなと思ってます。ピョン吉さん。
物語としては、2020年頃に故郷のいわきに戻ってきた女性が主人公なんですね。
その方が、震災前の2010年頃の高校時代を回想するという形で進むんですね。
そうですね。進路の悩みとか、友人との関係とか、学園祭のバンド活動とか、本当に一見すると、どこにでもあるような青春の光景なんです。
でも、読んでいる私たちとしては、その日常のすぐ先に、2011年の3月11日が迫っているっていうのを知ってるわけですよね。
ああ、そうですよね。そのタイムリミットを知っているからこその。
そうなんです。だからそのごく普通の描写が、なんか逆に切なく感じられたり、独特の緊張感みたいなものを帯びて感じられるんですよね。
なるほど。
もちろん、その震災の瞬間、そしてその後の主人公たちの歩みというのも描かれています。
あと塩谷崎灯台とか、いわきの風景描写が、これがまた本当にさやなやかで。
ああ、それは聞きました。背景の緻密さがすごいって。
ええ、それが物語への持ち入り感をグッと高めてくれている感じがありますね。
それでですね、読み進めていくうちに、ちょっと驚いたことがありまして。
はい。
これ、いわゆる商業作品、つまり出版社から出ているとかじゃなくて、作者の方が個人で制作して発表する、同人誌っていう形なんですよね。
そうなんですよ。
しかも、作者の薄本さんご出身は、いわき市じゃなくて、和歌山県の方だと。これは、え、そうなのって思いました。
そこが何というか、非常に面白いポイントなんです。
薄本さんご自身は、大学時代に東北号旅行された時に、津波の被害を目の当たりにされて。
ああ、なるほど。
で、その後、県庁の職員として、防災関連の業務に携わった経験もあって、震災への関心を深めていったそうなんです。
ええ、県庁で防災を?
ええ。で、その後、新聞記者に転職されて、復興への思いと、あと将来の防災、例えば南海トラフ地震とかですね、そういったことへの意識もあって、この漫画を描こうと決意されたそうなんですよ。
はあ、でも和歌山からいわきへって、これ取材とかすごく大変だったんじゃないですか。何度も足を運んだって聞きましたけど。
そうなんですよね。普通ならちょっと距離的にも労力的にも諦めてしまいそうなところだと思うんですが、その熱意がやはり作品のリアリティとか深みにつながってるんだろうなぁと。
うーん、なるほど。その情熱が伝わってくるわけですね。
まさに。で、その熱意っていうのは単に震災を記録するっていうだけじゃなくて、未来への視点というか防災への意識、それから主人公の成長物語としての側面、そういう深みを与えていると思うんです。
それで和歌山の方が福島の特にいわきの物語を描いたというその意外性も注目されたようで、メディア関係者からの後押しみたいなものもあったみたいで、現在なんと舞台化のプロジェクトも進んでいるそうですよ。
作品の発見と広がり
え?舞台化ですか?それはすごい広がりですね。
ええ。さらに作者の方は今度は奈美江町を舞台にした新作も抗争中だとか。
へー、奈美江町。それもまた楽しみですね。
ええ。
でですね、そもそもピョン吉さんがこの漫画を見つけることになったきっかけ、これがAI検索だったっていうのもなんだか今時というか興味深いですよね。いわき漫画みたいな感じで検索して見つかったとか。
そうなんです。普通に考えると、同人誌っていう形態だとなかなか検索の上位には表示されにくいかもしれないですよね。
まあそうですよね。知名度とか流通とかの問題で。
ええ。それがAI検索によって従来のそういう枠組みにあまり頼らずに純粋に内容本位で良いものが発掘されるみたいな流れが生まれつつあるのかなと、そういう具体例の一つなのかもしれないですね、ピョン吉さん。
なるほどな。
人の手だけではもしかしたら埋もれてしまって見つけられなかったかもしれない、そういう光が技術によって見つかるっていうのは。
ちょっと不思議な感じもしますけど、でもすごく素晴らしいことですよね。
地元の福島ではまだそこまで広くは知られていないのかもしれないですけど、無料で読めるチャンスもあるわけですし、これは非常に意義深い作品だなぁと感じました。
本当に同感です。本体の掘り下げで見てきたみたいに、作者の方が東方な方だったり、あるいはAI検索だったり、そういうちょっと予想外のつながりから大切な物語が見出されるっていうことがあるんですね。
そうですね。ピョン吉さん、もしかしたら私たちのすぐ身近にも、普段はちょっと見過ごしているだけで光が当たるのを待っているような、そういう隠れた名作みたいなものがあるのかもしれないですね。
ちょっとそんな視点で周りを見渡してみるのも面白いかもしれないですね。
次回の配信もお楽しみに。
さようなら。