旅の目的と出発
こんにちは。さて今回はですね、送ってくれた方が体験された福島県の石川町、ここへのまあちょっとした旅のお話ですね。
ある漫画を読みたいっていうはっきりした目的があったんだけど、行ってみたらあれ?みたいな予期せいの発見とか、思わぬ壁とか、そういうのがあったっていう記録です。
へー。送っていただいた資料を読むと、まさにその方の個人的な体験が綴られてますよね。目的だった漫画の話、それからそれを探す中で、石川町のローカルヒーローに出会ったりとか。
あーヒーロー。
ええ。あとは、町の歴史民族資料館ですか、そこでまた別の発見があったりとか。
うん、なるほど。じゃあ今日はこの体験談をちょっと深く見ていきましょうか。送ってくれた方が、石川町で結局何を見つけてどんな気持ちになって、最終的に何を感じたのか、その旅路をね、一緒に辿っていきましょう。
まずそもそものきっかけ、これが石川町のローカルヒーロー、ペグナイトさんっていう。
そうなんです、ペグナイト。
鉱石の騎士、ペグナイトさんすごいですね。町を守ってもう9年も活動されてるんですか。
うん、すごいですよね。地域に根差したヒーローがいるっていうのは、なんか面白いですよね。
いや本当。でそのペグナイトさんとの会話の中で、今回のキーアイテムになる漫画の存在を知ると。
ええ、そうなんです。石川町出身の漫画家さん、竹内七尾さん。
あ、竹内七尾さん。送ってくれた方のメモにもありましたけど、前に重色系女子っていう作品を描かれてて。
それがすごく面白かったって。
うん、そのようですね。重色系女子全6巻だそうですけど、副重色の女性の方がお寺を作って決めて、成長していくみたいなお話で。
お寺の日常とか、そこにいる人たちの気持ちの動きとか、すごく丁寧に描かれてて、送ってくれた方は、これドラマ化いけるんじゃない?って思うくらいハマったそうです。
なるほどね。じゃあ、ただのお仕事漫画ってだけじゃなくて、人物描写が深かった。
そういうことでしょうね。
そんな作家さんが、今度はご自身のふるさとの歴史をテーマにしたと。
ええ、それが石川町物語。
戦国時代の石川町、それから最後の城襲って言われている石川明光、その繁盛を描いた作品。これは歴史好き、漫画好きとしては読みたくなりますよね。
しかも、この漫画作られた背景もちょっと面白くて、石川地区の自治協議会が制作に関わってて、地域の歴史を伝えたいっていう目的がある。
でもその一方で、貼ったのがたったの200部。
200部!?
そうなんです。主に町の中の学校とか図書館とかに置かれたっていう、すごく限られたものだったんですね。
うわー、それはレアですね。新聞記事で8月18日だったっけ?
それで知って、これは現地に行かないと読めないぞと。いや、読むしかないってなったわけですね。
うん。前作が面白かったっていうのも、きっと後押ししてますよね。これはもう絶対読みたいっていうつろい気持ちになった。
図書館での失敗
で、その熱い気持ちで、いざ石川町へと。
ええ。
目指すは町の複合施設、元学校。元学校をリノベーションした施設なんですね。
名前もなんかいいですよね、元学校。
いいですよね。地域の人たちが集まる場所なんでしょうね。
で、早速その中にある町立図書館へ向かったと。
うん。
カウンターで、石川町物語ありますか?って聞いたわけですね。期待して。
ドキドキしますね、それは。ところがここで、あれ?っていう展開が。
えー、それはショックですね。
うーん、かなりがっかりされたでしょうね。新聞記事の書き方によっては、なんかすぐ読めるような感じだったのかもしれないし。
送ってくれた方の記録からも、こう、声にならない、「ええ?」が聞こえてきそうです。
目的のものが、もしかしたらすぐそこにあるかもしれないのに読めないっていう、このもどかしさ。
わかります。
もちろんね、図書館の職員の方が悪いわけではないんでしょうけど、手続状のことなんでしょうけど。
でも、送ってくれた方は、これをきっかけに、そもそも200部限定っていうその配布方自体に、ん?って思ったと書かれてますね。
うーん、そうですね。街の歴史を知って欲しいっていう気持ちで作ったんなら、もっとたくさんの人が読めるようにした方がいいんじゃないか。
って?
例えば。
例えば、ウェブサイトでPDFで公開しちゃうとか、あるいは欲しい人が印刷できるような、オンデマンド印刷みたいな形とかね、方法がいろいろあるかなと。
まあ、200部っていう数にはね、きっと予算の都合とか、まずは地元の子どもたちにっていう作った側の意図もあったのかもしれないですけどね。
ね、そりゃそうでしょうね。
ただ、結果として外から読みたいって強い気持ちで来た人が読めないっていう状況になっちゃった。
うーん、ここでちょっと考えてみると、これ単に送ってくれた方が残念だったねっていう話だけじゃなくて、なんていうか、地域が持ってる文化資源をどうやって公開して保存してみんなで共有していくかみたいな、もっと大きな課題が隠れてる気がしますね。
狛犬と地域の再評価
あー、公開と保存、共有のバランス。
そうそう、貴重なものをどう扱うか。限定することの良さもあるし、広く開くことの良さもある。結構難しい問題ですよね。
漫画を読むっていう最初の目的は残念ながら達成できなかった。
うーん。
でも、送ってくれた方はここで諦めなかった。せっかく石川町まで来たんだから、何か他のものを見て帰ろうと。気持ちを切り替えた。これ素晴らしいですよね。
えー、素晴らしい。そこで思い出したのが、旅のきっかけにもなったローカルヒーロー、ペグナイトさん。
あ、ペグナイトさん。
そのペグナイトさんも話題にしてたっていう場所があったんです。石川町調律歴史民族資料館。愛称が石に来る。
石に来る。石に来るですかね。これもまた面白い名前。
面白いですよね。ここが今回の旅のいわば第2のハイライトになったと。資料館の建物の前からでっかい石がゴロゴロ展示されてて、それでまずおーっとなったそうです。
中に入ったらその印象がもっと強くなって、ほとんど石の博物館だったって書いてます。
石の博物館。
えー。福島県にこんなに石をテーマにしたすごい規模の展示施設があるんだっていうことにまず驚いたと。
今ちょうどあの鉱石集めるアニメルリの宝石とか人気ですけど、そういうのとは関係なくもともとこの地域って昔から石とすごく関わりが深いんでしょうね。
そうでしょうね。キラキラした宝石だけじゃなくて、もっといろいろな岩石とか鉱物とかその魅力とか、それが地域の文化とか産業にどうつながってるかみたいなことを伝える場所だったのかも。
なるほど。
で、まさにその通りで、この石にくるでは石と並んでもう一つすごく強くアピールされてたものがあった。
それが石川町の石施工さんたちが作った独特の顔つきの狛犬。
狛犬?あ、神社とかにいる。
そうそう。
石川町の狛犬は何か特別なんですか?
これがですね、送ってくれた方の記録によると面白い伏線があって。
ほ?
実は以前震災の前ですけど、お泊まりの川の村に住んでた作家の滝義満さんという方から、この辺の神社の狛犬は蛍と違って形がユニークで面白いんだよって教えてもらったことがあったそうなんです。
へー、滝義満さん。その当時からもう狛犬の面白さに気づいてた方がいたんですね。
それでその時にいくつか見て回ったらしいんですけど、当時はまだ一部のすごく詳しい愛好家とか研究者とかが注目してる感じで、地域全体でこれがうちの宝だみたいな感じではあんまりなかったって感じだそうなんです。
まさに知る人ぞ知るっていう存在。
なるほど。それが今回の石に来る訪問でどうなってたんですか?
そこが今回の大きな発見だったみたいですね。
資料館ではその石川町とかその周りの地域の石工さんが作った狛犬たちが、もう地域のすごく大事な文化財として、それどころか観光資源として堂々と展示されて開設されてた。
うわー、それは面白い変化ですね。
昔は一部の人しかその価値を言ってなかったかもしれないものが、今や地域を代表する魅力の一つとして積極的に発信されるものに変わってたっていう。
埋もれてた企物が再発見されて磨かれて輝き始めたみたいな感じですかね。
まさに。送ってくれた方も、人の見方とか時代が変わると町の資産の価値ってこんなに変わるんだなってすごく実感したと書かれてます。
いやー、これは興味深い。
そうですね。これって地域の活性化とか文化をどう伝えていくかっていう視点から見てもすごくヒントになる事例だと思います。
自分たちの足元にあるものの価値に地域の人たちが気づいて光を当てることって大事なんだなって。
あとこの資料館、ユーモアもありますね。コマイヌガチャっていうのがあったそうです。
コマイヌのガチャガチャ?それはやりたくなりますね。
ですよね。送ってくれた方もやっぱり惹かれたみたいで、最後にこれを2回回して石川町をアドにしたと。
どんなコマイネができきたんですかね。気になるな。
気になりますよね。旅の良い記念になったでしょうね。
さて、ここまで送ってくれた方の石川町での探求の道のりを見てきましたけど、ちょっと一度整理してみましょうか。
そうですね。
漫画を探しに行く
まず最初の目的はっきりしてましたよね。歴史漫画石川城物語を読むこと。これは残念ながらできなかった。予期せぬ、まだ見せられませんっていう壁にぶつかった。
でもその目的が達成できなかったっていうことが、結果的に新しい扉を開いた感じですよね。
そうそう。
漫画の代わりに石川町が持ってるもう一つのすごく大事な顔、石の文化とか歴史、これに深く触れることができた。
そして昔はもしかしたら専門家とか一部の好きな人しか注目してなかったかもしれない地域の狛犬。これが今や地域が誇る文化資源として大事にされて発信されてる。その面白い変化を目の当たりにした。
この一連の体験って送ってくれた方にとってどんな意味があったのかなって考えてみると、一つ言えるのは目的を達成することだけが旅の価値じゃないってことかもしれないですね。
あー、なるほど。
計画通りに行かないこととか、回り道することとか、そのプロセス自体に思わぬ発見とか学びとかが隠れてることがあるんだなって。
まさにセレンディピティでしたっけ?偶然の幸運な発見みたいな。
うんうん。
漫画を探しに行ったら石と狛犬っていう全然別の、でもその土地にとってはすごく大事な魅力に出会っちゃった。宝の地図を頼りに行ったら地図に載ってない別の宝物を見つけちゃったみたいな、そんな感じかな?
そういう感じですね。それともう一つ考えさせられるのは、地域の歴史とか文化の見えやすさの問題ですかね。
見えやすさ。
へへ。今回みたいに貴重な資料が、物はあってもすぐにはアクセスできないっていう場合がある。一方で、昔は見過ごされてたかもしれない狛犬みたいなものが、時代とか人の意識が変わることで光が当たって、地域のアイデンティティを作る大事なものに変わっていく。
ああ、なるほど。
文化の価値って結構流動的で、発見されたり意味が変わったりしていくものなんだなっていうことを示してる気がします。
で、結局この体験って何だったんだろうって送ってくれた方の気持ちになって考えてみると、探求の旅っていうのは必ずしも最初の計画通りじゃなくていいんだなと。むしろ予想外の出来事とか出会いこそがその旅を本当に豊かにするのかもしれない。
そして地域の魅力っていうのは時に隠れてたり形を変えたりしながら誰かに見つけてもらうのを待ってるのかもしれないということですかね。
戦略的な配布と文化の価値
最後にですね、この体験をもう一歩深く考えてもらうために、送ってくれた方がご自身で考えてみるための問いかけっていうのを一つ投げかけてみたいなと思うんです。
おお、問いかけ。
それはやっぱりあの石川城物語の配布方についてなんです。200部限定で主に町内の学校とかに配布されたという事実。
尋ねていった人にとっては読めなくて残念だったわけですけど、もしですよ、もしこれが意図的な戦略だったとしたらどうでしょう。
意図的な戦略ですか。どういうことですか。
例えばですけどね、最初にすごくアクセスを絞ることで幻の漫画みたいな希少価値を高める。
ああ、なるほど。
地域の中とか関心を持っている人の間ですごく読みたいっていう気持ちを盛り上げる。
で、頃合いを見て、例えばデジタルで公開するとか増収するとかで、より多くの人が読めるようにする。
そういう段階を踏んだ公開戦略っていう可能性もまあゼロではないかなと。
マーケティング的な視点ですね。最初にプレミア感を出して後で広めるみたいな。
そういう見方もできるかなと。あるいはもっと単純にまずは地域の子どもたちとか関係者にしっかり届けてその反応を見たかったということかもしれない。
一方でやっぱり地域の歴史とか文化を広めたいっていう最初の目的を考えれば最初からウェブで公開するとかできるだけ多くの人が場所に関係なくアクセスできる形の方が良かったんじゃないかっていう考え方もありますよね。
そうですね。どっちがいいんでしょうね。
コミュニティが自分たちの持っている文化遺産をどうやって守って、どうやって次の世代とか外の人たちと共有していくのがベストなのか、そのちょうどいいバランスってどこにあるんだろうと。
これ答えは一つじゃないと思うんですけど、送ってくれた方の今回の経験はそのバランスの難しさとか大事さとかを考えるすごく良いきっかけになったんじゃないかなと思いますね。
というわけで今回は送ってくれた方の石川町での個人的な体験談をもとにしてですね、貴重な漫画を求めて旅に出たら図らずもその土地の核ともいえる石の文化と再発見された狛犬の魅力に触れる深い探求になったというそのプロセスをじっくりと追ってみました。
計画通りにいかないことから生まれの発見の価値、それから地域の文化資源が持つダイナミックな変化みたいなものを教えてくれる面白いお話でしたね。
本当に。次回の配信もお楽しみに。
さようなら。
さようなら。