狸成人一家とハルマゲの対立
さて、今回はですね、アニメ「アポカリプスホテル」の第六話、「おもてなしには裏もなし」について、えーと、あなたが共有してくれた考察記事を元に、ちょっと深く見ていきたいと思います。
はい、よろしくお願いします。
このエピソード、なんか一見一話で完結しているようなんですけど、
ええ。
実はこの記事を読むと、西部劇っとい展開があったり、古いSFAのオマージュがあったり、
うんうん。
あとちょっと気になる時間の謎とかも、いろいろな要素がこう短い中に詰まっているんですよね。
確かにあの回はいろいろありましたね。
早速ですが、まず記事が触れているあらすじなんですけど、100年いた狸成人一家が帰って、代わりに凶悪宇宙人ハルマゲが来る。
来ましたね、ハルマゲ。
で、ヒーロー宇宙人と戦ったりして、最後はなんかこう、意外な去り方をする。
ええ。
このサリズワがこの記事だと、西部劇とか時代劇のお尋ね者が、恩義を感じて黙って去る、あの感じに似てるって。
ああ、なるほど。言われてみればそういう定番の筋書きありますね。切ない感じの。
そうそう。一方で、狸成人一家の視点だとどうかっていうと。
はい。そこもこの記事面白くて、古典SFの宇宙家族ロビンソンみたいだって指摘してるんですよね。
ああ、不時着した星でサバイバルするやつですね。
ええ。日本の冒険ファミリー、ここは惑星ゼロバンチーの名前も出てましたけど、まあアイディアの元ネタというか、そういう流れがあるんだろうと。
なるほど。
ただホテルっていう閉じた空間での100年ですからね。サバイバルとはまた違った、なんというか閉塞感みたいなものはありそうですけど。
確かに。で、その入れ替わりで来たハルマゲですけど、キャラクター自体も結構濃いですよね。
うん、濃いですね。
名前からしてハルマゲドンでしょうし、乗ってる飛行機がなんかオーパーツ風?
ああ、ありましたね。古代遺跡から出てきたような。
そうそう。で、戦闘モードになると古代遺跡の壁画みたいになるっていう。この記事の筆者なんか月刊ムー的なノリが好きみたいで。
そういう雰囲気わかります。で、そのハルマゲが凶悪な理由が文明破壊。
はい。
でも八千代にもう地球に人類いないですよって言われて、え?ってなる。
あの戸惑い面白かったですね。
ここですごく重要な情報が出てくるんですよね。
と言いますと?
人類がいなくなって400年経ってるっていう。
あ、そうでした。
これまでなんとなく250年ぐらいかなって描写だったのが急に400年、150年もずれてる。
うわ、それは大きいですね。
ええ。この記事ではこれを今後の伏線じゃないかってかなり強く示唆してるんですけど。
うーん、伏線だとしたらこの150年に一体何が?
まあ単なる設定のブレかもしれないですけどね。でも気になりますよね。
気になります。あとアンドロイドの八千代が代理の代理とはいえ300年以上、トータル400年以上も動いてるってのも改めて考えるとすごい。
八千代の感情表現
そうなんですよ。ロボットってそんなに長持ちするのかなって現代の感覚だとちょっと思っちゃいますよね。
ですよね。その長い時間も八千代のキャラクターを作ってるんでしょうね。
でしょうね。で、その八千代とハルマゲの関係ですけど。
はいはい。
狸聖人のポンコちゃんはなんか恋みたいに見てたけど。
見てましたね。可愛かった。
でもこの記事の筆者はもっとドライな見方をしてる。
ハルマゲからしたら戦わなくていい相手への安心感。
八千代からしたらプロとしての相手へのリスペクトみたいな。
ああ、なるほど。そっちの方がしっくりくるかも。
まあいきなりドラゴンボールみたいなバトルになったのにはちょっと笑っちゃいましたけどね。筆者も突っ込んでましたが。
あれは確かに唐突でした。でもそのドライな関係性という解釈いいですね。
そして物語の終わり方ですけど。
はい。
ハルマゲが八千代の夢だった温泉を掘り当てる。
そうそう。人類が戻ったらまた破壊しに来るためとか言って。
彼らしい理屈をつけてね。で、八千代は涙じゃなくて沸騰ポットモードになる。
口からお湯がブワーって。
あの表現すごくないですか。涙を流せないアンドロイドなりの感謝とか悲しみとか、そういう感情の発露なんだろうなって。
非人間的な存在の感情表現としてすごく印象に残りました。
ええ、本当に。
というわけで今回の記事をじっくり読んでみると、アポカリプスホテルの第6話ってただの1話完結じゃなくて、
古典的な物語のパターンとか、SF的な仕掛け、まだ解けてない謎、それにアンドロイドの深い感情描写まで。
はい。
いやー、実はいろんな層が重まってるんだなーってよくわかりました。
そうですね。これだけの内容なのに作品の評価が思ったより高くないって筆者がふすぎ合ってるのも、なんかわかる気がします。
ええ、一つのエピソードを丁寧に見ていくだけでもこれだけ解釈が広がりますからね。
古典とSFの繋がりとか、キャラクターの細かい感情とか、設定の裏にあるかもしれない時間の謎とか。
うん、やっぱり中深く見るといろんな発見があるもんだなぁと。
さて、この記事を踏まえて最後にあなたにもちょっと考えてみてほしいんですが、
はい。
人間がいなくなって400年もの間、たった1人でホテルを守ってきた八千代。
ええ。
彼女があの、涙の代わりにお湯を沸かすっていう形で示した、人間とは違う、でもすごく強い感情の発露。
あの、沸騰ポットモードですね。
そうです。
あれは人間がいない世界でAIの意識とか感情がどういうふうに進化していく可能性があるのか、
そのあたりについて私たちに何を問いかけているんでしょうかね。