押山清高監督の制作スタイル
こんにちは。こんにちは。さて、今回送っていただいたのは、テクノロジーメディアワイヤードの記事ですね。
ええ。アニメ映画ルックバックの押山清高監督へのインタビューですけど、いやーまず僕が驚いたのがですね、アニメ監督の押山さんがテクノロジー系のイノベーターに贈られる
ワイヤードイノベーションアワードを受賞したという点で。そうなんですよ。これ一体どういうことなんだろうって。早速この記事からその確信を探っていきましょうか。はい、ぜひ。
記事を読むと、このルックバックという作品、何度監督自らがキャラデザ、さらには原画のほとんどを手がけていると。ええ。まさに一人スーパーマン方式ですよね。
普通アニメ制作って巨大なチームでの分業っていうイメージが強いんですけど、これってどれくらい異例なことなんですか。
あの業界の常識から言えばまあほぼありえないレベルですね。そんなに。はい。そもそも私たちが毎週テレビで高品質なアニメを見られるのって、100年以上に前にフォードが確立したあのベルトコンベア式の分業体制。
フォードシステム。ええ、そのおかげなんです。でも、押山監督のやり方は、その効率化の歴史に真っ向から逆らっているように見えるわけですよ。
なるほど。でも、ただの時代への逆行というわけでもないんですよね。そうなんです。記事の中で監督は、分業が進みすぎたことの弊害も指摘していて、
絵を描かない人が脚本や監督をすることで、絵の動きだけで表現できる部分が省略されてしまうと。ええ。これってつまり、効率化と引き換えにアニメ本来の表現が失われているっていうそういうことでしょうか。
まさにその通りです。効率化の陰で一種の映像言語が失われてしまったと。うーん。で、もう一つの大きな問題が従来の原画と動画の分業です。
原画と動画。はい。トップアニメーターが描いた魂のこもった原画、まあキーフレームですね。これを別の人が聖書して愛画の絵を埋めていく。この過程でどうしても元の絵の勢いとか様々しさが薄まってしまうんです。
ああ、なるほど。それって料理に例えるなら、一流シェフが考案したレシピをアルバイトの人がマニュアル通りに作るみたいな、味は安定するけどシェフ本人が作った一皿とは何かが違うっていう感じですかね。
まさに。その例えは非常に快規格ですね。あ、よかったです。そこで押山監督が選んだのが、原動画という手法なんです。原動画。
ええ。つまり、一流シェフがレシピ作りから調理、盛り付けまで全部一人でやる。絵描き手のエネルギーを薄めることなくフィルムに直接焼き付けるわけです。
ああ、なるほど。もちろん、とてつのない技術と労力が必要なんですけど、その分、見るものに与えるインパクトは段違いなんですよ。
でもこれだけ聞くと、ただ大変な手作業に戻ろうっていう話にも聞こえなくもないんですけど、じゃあなぜ、テクノロジーの章を?
そこがこの記事の非常に面白いポイントですよね。
ええ。
押山監督は誰よりも未来を見据えているんです。彼は近い将来、原画から動画を生成する作業はAIが担うようになると予測してるんですね。
はい。
未来のアニメ制作
そうなると、絵が描けない人でもアニメが作れるようになって、作品数が爆発的に増えるアニメ爆増時代が来ると。
えっと、ちょっと待ってください。それって自分のやっていることの価値が下がっちゃう未来じゃないですか?
そう思いますよね。
ええ。
AIが何でも作れるなら、こんな大変だ原動画なんて誰もやらなくなるんじゃ。
逆なんです。
逆。
ええ。来るべき大量生産の時代を見越しているからこそ、今のうちに小規模でも他に真似できない純粋天然物のアニメーションを作っておくことに価値があると。
ああ、そういうことか。
壁の挑戦は単なる芸術的なこだわりじゃなくて、AIが普及した未来の市場で圧倒的なブランドを築くための極めて戦略的な一手なんです。
なるほど。未来への伏せ木だったわけですね。だからテクノロジーアワードなのか。いや、繋がりました。
ええ。
記事の最後で、監督はこれからは漫画制作に力を入れたいとも語ってますけど、これもその戦略の一環と。
そうでしょうね。脚本から作画まで一人で完結する漫画で、まず物語の筋肉を徹底的に鍛える、そして最終的に完全オリジナルの長編映画を目指すと。
壮大ですね。
ええ。壮大ですが、非常に理にかなったプランです。この記事って、一人の天才の挑戦を通して、テクノロジーが進化すればするほど、人間の魂のこもった表現の価値がどう変わるのか考えさせてくれますよね。
本当ですね。じゃあ最後に、この記事を送ってくれた方に問いを投げかけるとしたら、どんなことになりますか?
そうですね。AIによって誰もがクリエイターになれる未来が来たとき、送ってくれた方は作り手と受け手、どちら側にいたいと思いますか?
次回の配信もお楽しみに。さようなら。
次回の配信もお楽しみに。さようなら。