BENTEN Filmの戦略
- こんにちは。今回送ってくれた方が共有してくれた資料、これすごく面白い組み合わせですよね。
元ガイナックスのスタジオが作る新作アニメっていう、それだけでも注目なのに、そこにAI戦略と超高密度な原作っていう要素が加わってくるっていう。
- そうなんですよ。これは単なる新作アニメのニュースっていうよりは、アニメ制作の未来を占う資金石になるかもしれないみたいな。
- ああ、なるほど。
- そういう視点で見ると面白さが倍増しそうですよね。
- 確かに。じゃあ今回のテーマは、BENTEN Filmっていうスタジオが、なぜこのリンカーネーションの花弁を第一作に選んだのか、その背景にある戦略を探るみたいな感じですかね。
- ええ、まさに。そこを掘り下げていきたいですね。
- では早速その革新に迫っていきましょうか。まずこのBENTEN Film、もともとはグレンダイザーUとかを手掛けた福島ガイナで、ガイナックスの流れを組むスタジオなんですよね。
- そうなんです。そのスタジオが、クリエイターズXっていう新しい親会社の下で再出発するわけですけど、ここで注目すべきはですね、その親会社がAI生成系の技術をアニメ制作に積極的に活用するってこう公言してる点なんですよ。
- ああ、公言ですか。今やどのスタジオも水面下ではAI研究ってまあしてるんでしょうけど、それを旗印として掲げるのはかなり思い切った戦略ですよね。
- そうですね。
- でもこれって初跳ねの剣じゃないですか。一部のファンからAIに頼ってるんじゃないかみたいな反発を招くリスクもあるわけで。
- ああ、いい指摘ですね。だからこそ彼らが言うAIの活用が何を指すのかっていうのがすごく重要になるんですよ。
- と言いますと?
- 例えば、作画の間のコモを滑らかにつなぐ中割りを補助したりとか、あるいは複雑な背景美術を描く手助けをしたり、決してクリエイターの仕事を奪うんじゃなくて、むしろ人間がより想像的な部分に集中するためのツールとして考えているはずなんです。
- なるほど。省力化ってよりは表現の幅を広げるための武器という位置づけなわけですね。
- ええ、その通りです。
- ちなみに福島にあったアニメ博物館の福島桜遊学舎、あれは弁天フィルム福島使者として存続するそうで、これはファンには嬉しいニュースですよね。
- ええ、そしてその新しい武器を携えた弁天フィルムが最初に挑むのが今回のもう一つの主役、リインカーネーションの花弁というわけです。
- これがまた設定がものすごく濃いんですよね。
- 濃いですね。
- 前世の偉人の才能を呼び覚まして戦う異能バトルもので、主人公は宮本武蔵の才能をポツ少女と出会う、と。
- ええ、登場人物もアインシュタインからニュートンまで、まさに歴史上のオールスターみたいな。
- そうそう。
- 原作は2014年から連載が続く人気漫画で、累計300万部を突破しています。
- すごいですね。
- ただ、この作品の最大の特徴ってその圧倒的な情報量なんですよ。
- 情報量ですか?
- ええ、セリフとかモノローグが多くて、設定も非常に緻密なんです。
普通に考えたらアニメ化はかなり大変な作業になるはずで。
- 才能の目覚め方もリンゲの枝っていうアイテムで自分の首を切るっていう、かなり攻めた設定ですしね。
- そうなんですよ。
- この文字と情報の密度をどうやってテレビシリーズの尺に落とし込むのかっていう。
- そこでなんですよ。
- あっ。
- 先ほどのAI戦略の話が聞いてくるわけです。
- なるほど。
この情報量の多い原作だからこそ、ベンテンフルムは自分たちのAI活用の実力を示す最高の題材だと考えたのかもしれません。
リィンカーネーションの花弁の特異性
- あっ、そういうことか。
つまりこの作品を選ぶこと自体が、もう彼らの技術力に対する自信の現れだと。
- ええ。
- 例えば、いろんな時代の偉人が出てくるから、キャラクターデザインとか衣装設定も膨大になるじゃないですか。
- なりますね。
そこをAIで効率的に管理したりとか。
- まさに、あるいは原作の持つ独特で緻密な世界観をAIによる背景美術のアシストで余すことなく映像化するとか。
- はあ、なるほど。
- そうやって制作のハードルを技術で乗り越えることで、クリエイターはキャラクターの感情表現みたいな、より人間的な部分に集中できると。
- うんうん。
- もしこれが成功すれば、今までアニメ化は不可能だったって思われてたような、もっと複雑な物語にも光が当たるかもしれないですよね。
- へえ、そう考えると、このリンカーネーションの破弁のアニメ化って単なる一作品のヒットを狙うだけじゃなくて、
アニメ業界全体の未来に向けた、なんか壮大な実験でもあるわけですね。
これは画前楽しみになってきました。
- さて、ここまで未来の話をしてきましたが、送ってくれた方に最後に一つ、ちょっと考えてみてほしいことがあるんです。
- 何でしょう。
- 今回、AIっていう最先端のデジタル技術が話題の中心でしたけど、資料の最後は福島にある物理的な施設、福島桜遊楽舎の存続を喜ぶ言葉で締めくくられていました。
- ああ、確かに。
- デジタルでの製作が主流になって、AIがそれをさらに加速する時代、だからこそファンにとっての聖地ともいえる物理的な場所が持つ価値って、これからどうなっていくんでしょうかね。
- うーん、そうですね。技術革新と人の思いが集まる場所、この2つの関係について少し思いを巡らせてみるのも面白いかもしれないですね。
- 次回の配信もお楽しみに。
- さようなら。