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次行きますか。
行きましょうか。
次はね、かなり終盤のところなんですけど、
本当に一文だけ。
最後だっけね、今日ピックアップしてくれたところで言うと。
最後、3つ目。
330ページ、本当に最後。
本当に終盤。
370ページぐらいで終わるから。
この言葉がね、
月と六ペンスの中で一番好きな言葉で、
自分が書いてる随筆エッセンの中にも、
この言葉を引用したぐらいです。
へー。
読みますね。
人は、なりたい姿になれるわけではなく、
なるべき姿になるのだ。
人は、なりたい姿になれるわけではなく、
なるべき姿になるのだ。
えー。
うまい。
子どもだから今までの人、
みんなそういうことなんですよ。
ちなみにそれは誰の?
これはね、もうここに、
誰の言葉じゃなくて、
書かれてある言葉だから、
モームの言葉というか。
なりたい姿になるのではなかった。
だから、ストリーベからするとね、
なりたいぜ。
絵は切り刻んでやりたかったですよ、
みたいなことになるし、
ねえ。
自殺したくてしたいわけじゃないんですよ、
とかね、
ストリックランドももしかしたら、
書きたくて書いてるわけじゃない、
っていうことかもしれない。
サラリーマン続けて、
家族と暮らしていきたかったかもしれない。
なるべき姿になる。
これから、
誰もがこうなりたいって、
思ってることあるじゃないですか。
ありますよ。
それは、
叶わないときにね、
苦しいわけですけれども、
でもね、
自分っていうものは、
計り知れないわけじゃないですか。
自分の心では、
こうなりたいって思ってるけど、
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自分の魂が、
心の奥底の一番深いところが、
何を望んでるかなんて、
わからないわけですよ。
自分のなりたいってことが叶わないってことが、
かえって、
自分の魂が、
本当になりたいって思ってることに、
なるってことがあるんだということ。
だってストリックランドは、
画家は、
魂は望んでますから、
だから叶わないってことが、
ある意味かなっていうね、
ある種のパラドックスを含めた心理が、
なんかある気がしてる。
なるほどなぁ。
勇気づけられますね。
そのこと、なるべき姿になるんだもん。
受け止めるときの、
その人の今置かれてる状況とかによっては、
すごくある種ね、
苦しく聞こえることもあるかもしれない。
いろいろそこにもまた、
問いが生まれるというか。
なるべき姿ってなんだろう。
仏教でね、本然ってね。
私のあるべき姿になるって言うのがありますけど。
本然ってなんだ。
そうそう。
本当の自然、その自然。
私が私になる、
私自身になるみたいな言葉すごい好きなんですけど、
それもきっとそういうことなんですよね。
だから、
自分がこれが私の姿だって思ってるのが、
なるべき姿、本然じゃない可能性の方がきっとあるんだと思うんですよ。
なるほど。
いいね。
いいですね。
そうなると前半の川に溺れたみたいな話、
ともちょっと緩やかに繋がってくるような話がね、
この先の話はね。
小説もなんかいいですね、こういう紹介ね。
本当ですか。
よかった。
終わっておきますか。
終わりますか。
はい。
じゃあ、ありがとうございました。
ありがとうございます。