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今の僕が最も好きなシーンで読みたいと思います。
いきなり、いいっすね。
これは、新潮文庫でいうともう中間から入っちゃうんだけど。
中間、両中間あるんですね、3冊あるの。
でね、野島長老っていうね、さっき言った、さっきの方が
亡くなっていく場面なんですよ。
そこで、彼が亡くなる前に、その集まってくれた弟子たちに対して話しかけるんだよね、いろんなこと。
で、実は、三男、あれ癖っていうものを、野島長老っていう人はとってかわいがってるんだけども、
それには理由があるんだってこと言うんですよ。
で、それがどういう理由かっていうと、ちょっと読んでいきますね。
これまで一度も私は、なぜこの青年の顔が、この青年ってのはこの三男あれ癖のことね。
これまで一度も私は、なぜこの青年の顔が私の心にそれほど懐かしいものに思われるのかを、当人さえ話したことはないのです。
今、初めてお話ししましょう。
実は、私にとってこの青年の顔は、中尉の喚起か、予言に等しいものだったのです。
私がまだ子供だった人生の暁に兄がいたのですが、その兄は私の目の前で、わずか17歳の若さで死んでしまいました。
その後、人生の道を歩み進むにつれて、次第に私は、この兄こそ私の運命にとって神の指示か天命のようなものだったと確信するようになったのです。
なぜなら、もし私の人生にこの兄が現れなかったら、この兄が全く存在しなかったら、おそらく私は決して遭遇を受けることも、この尊い道に足を踏み入れることもなかったに違いないと思うからです。
って言ってるんです。
中尉の?
中尉の喚起か予言に等しいものだったのです。
中尉の喚起か予言。
うーん、これ土島さんも、このキリスト教って自分の意思で、もちろん踏み入れていくんだよね。
で、土島長老がこの道に踏み入れたきっかけっていうのは、この若くして亡くなってしまった兄なんだってこと言うんですよ。
で、その兄にこのサンナー・アレクセはとても似てるんだと。
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うん。
ってことを言ってるんですよ。
うーん。
でね。
そっか。
これちょっと続き読んでいくとね。
この最初の出現は、この最初の出現って兄の出現ね。
まだ私の少年時代の、兄の出現っていうか、兄が与えてくれた予言でしょうね。
エイジみたいなもの。
この最初の出現はまだ私の少年時代のことでしたけれど、もはや老井の坂も終わり近くなって、その再現とも言うべきものが目の当たりに現れたのですよ。
不思議なことに、神父諸子・アレクセは顔立ちはさほど兄に似ているわけではなく、ほんの少しに似通っている程度ですが、精神的に兄とあまりにそっくりなので、
私は何度もそれこそ、青年だった兄が私の人生の終わりにあたって、一瞬の回想と洞察のために密かに訪れてくれたのだと思い込んだりしましての、そんな自分や奇妙な無双に我ながら驚いたほどなのです。
って言うんです。
うーん、顔がそっくりより二つっていうんじゃなくて、精神がそうなのってことなんだ。
そうなのよ。
精神と言ってもいいし、これは魂、ないしは霊と言ってもいいと思うんですけど、うーんっていうものがあまりに似てたんだってこと言うんですよ。
そして兄が予言してくれたことが、また自分の裁判人にアレクセが現れてきてくれて、またまあ継承を与えてくれたんだっていうこと言うんですよ。
これをあわきりに、この吉島長老の若くしなくなったお兄さんの話が出てくるんですね。
へー。
これがすごいの。
このお兄さんの話が、ちょっと読んでいくね。
うん、気になりますね。
このお兄さん、どういう方かっていうとね、読むと、
兄は私より八つほど上で、反の強い、反の強いというのは反射区持ちのっていうね、の感。
気象習いってことだね。
の、苛立ちやすい気象だったが、燃料で嘲笑的なところはなく、不思議なぐらい無口で、特に我が家で、私や母や召使いに対する時はそうだった。
中学での成績は良かったが、友人たちとは喧嘩こそせぬものの付き合いはなかった。少なくとも母の記憶ではそうだ。
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って言ってるんですね。こういう方なんですよ。
このお兄さんが、17歳で亡くなる半年ぐらい前に、病にかかり、
亡くなるんですよ。ここで、すごいことが起きてくるんですよ。
ちょっと読んでいきますね。
記者は、往診するなり、すぐ。
これは、音罰制結核。音罰制というのは勢いの激しいってことだと思うね。勢いの激しい結核で、この春は狭いと母に耳打ちした。
母は泣き出し、用心深く兄に、これはむしろ兄を驚かせぬためだったが、精進を行って、聖参を受けるように頼み始めた。
聖参を受けるというのは、キリスト教の中で、教会に行って、神様に守ってもらうように、祈りに行きなさいという、そういうことなんですよ。
頼み始めた。それというのも、その頃兄はまだ、どこについていなかったからだ。
これを聞くと、兄はすっかり腹を立て、教会を罵ったが、それでも考え込んでしまった。
自分が危険な様態であり、だからこそ、気力あるうちに、母が精進を行わせたり、聖参を受けに教会へやろうとしたりしているのだと、いっぺんに誘ったのである、言うんですよ。
もう春は越せないという、何年も持たないというふうに、突如宣告されて、何とかして、お母さんとかは神様にお祈りにしに行きましょうということを言うんですけども、
このお兄さんは、そんなの行くかと、腹を立てて罵ったと言ってるじゃないですか。
でももちろんお母さんが自分のことを心配してくれているというのはわかってるんですよ。
で、どうなったかというとね。
ところが兄が、火曜日の朝から精進を始めたんだ。
実を言うとね、お母さん、これはお母さんを喜ばせて安心させるためにやってるんですよ、と兄は言った。
母は喜びと、そして、突然こんな変化が生じたからには、たぶん最後が近いだろう、という悲しさに泣き出した。
だが兄が教官に通ったのもしばらくの間で、ドットに着いたため、懺悔も精算ももはや家で受けることになった。
明るい、澄み切った、あぐわしい日々が訪れた。
この年の復活さえば遅かった。
忘れもしないが、夜通し兄は咳き込み続け、よくに寝れないのに、
翌朝はいつも服装を整えて、柔らかな肘掛け椅子に腰掛けようと試みるのだった。
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もの静かな、おとなしい様子で座り、微笑を浮かべ、病気の身だというのに、快活な楽しげな顔をしていた兄の姿が記憶に焼き付いている。
兄は精神的にすっかり変わった。
実に驚くべき変化が突然、兄の内部に起こったのだ、
て言うんです。
そんなの行くかって言ってたけど、そこからある種会心して、
急に生き始めたの。
お母さんを喜ばせるために生き始めたのね。
お母さんは嬉しい気持ちもあるけど、これは別れ持ちかそうだって気持ちもある。
それでね、この驚くべき変化がどういうことかって言うとね、
これからなんですよ。ちょっと読んでいきますね。
死を取ったうばが兄の部屋に入ってきて、
ごめんくださいませお坊ちゃま。こちらのお部屋にも生存の前にお葬儀をおとむしましょう。
以前なら許さずに議決したほどだったが、それが今では、
ああ灯しておくれ、ばあや。前には禁じたりして、僕は悪い人間だったね。
ご無用を灯しながら、ばあやは神様にお祈りするのだし、
僕はそんなばあやを見て、喜びながらお祈りするよ。
つまり、僕たちのお祈りをあげる神様は同じってわけさ。
というのだった。
こんな言葉は私たちには異様なものに思われ、
母は自分の部屋に逃げ込んではのべつ泣いてばかりいたが、
兄の部屋に入るときだけは目をぬぐって快活な様子をするのだった。
お母さん泣かないでよ、よく兄は言っていた。
僕はこれからまだうんと生きなきゃ。
お母さんたちとうんと楽しくやらなきゃね。人生って明るく楽しんだもの。
まあお前楽しいだなんて、夜通し高熱にうなされ、席に苦しめられ、今にも胸が張り裂きそうだと言うのに。
お母さんと兄は答える。泣かないでよ。人生は楽園なんです。
僕たちはみんな楽園にいるのにそれを知ろうとしないんですよ。
知りたいと思えさえすれば、明日にも世界中に楽園が生まれるに違いないんです。
兄の言葉には誰もがびっくりした。
それほど、ような口調で断定的に言ってのけたのだ。
みんなは感動して泣いた。
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で、ここで一句言い、あのまず続くんですけど。
うん。
すごいでしょ。
ねえ。
この、この、そう。
この変化の何が起きたって。
いやその病があって寿命がわずかだってことは分かってんだけども、それにしても何が起きたんだって感じでしょうこれ。
そうですね。
ねえ。
疑問に思っちゃいますね。
ねえ。
うーん。
そして、泣かないでよ。人生は楽園なんです。
僕たちはみんな楽園にいるのにそれを知ろうとしないんです。
ねえ。
どういう意味なんだって。
何かいわゆる悟ったみたいな感じのね、何かそう言われてしまいそうなくらい。
ねえ。
どうしたんだみたいな。
ねえ。
うーん。
これがねえ、何か謎でもあるし、何だろうなあ。
一夜で、一夜というかその、知りたいと思いさせれば明日にでも世界中が楽園に生まれるに違いないんですって言うんですよ。
うーん。
本当にお兄さんたぶん本当に一夜で変わった、たぶんこのお兄さん自身が自分で。
うーん。
だから明日にでも本当はわかるんです。何か変われるんですよって。
そうだよね、セットロールがね。
本当に自分の実感から言ってるんだと思うんだけどね。
そうだよね。
うーん。
うーん。
この楽園っていうのは、キリスト教の言葉で言うと神の国やってることだと思うんですよね。
うーん。
うーん。
で、僕は仏教の方が馴染みがあるから、道元とかもさ、修行と悟りってものが分かれているんじゃなくて、
修行を行うというこの日常生活そのものが悟りなんですよと。
この世を浄土として生きていくことってことは可能なんですよってことを言っているわけなんですよね。
うーん。
それとなんか近しいことが、この兄さんから語られてそうな気がするんですよ。
死後に楽園の世界があるっていうよりは、この世が楽園として見ることもできるんじゃないかっていうことを。
そう。
うーん。
そしてそのように感じてるんですね、この兄さんね。
うーん。
はい。この自分の病で余命わずかだというこの悲運な人生を楽園だって感じてるんですよね、この兄さん。
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確かに自分の実感から言ってるような感じに伝わってきますね。
だから人生は楽園なんですって。
うーん。
うーん。
そう。
すごいね。
すごい。
もうちょっと読んでいい?
もちろんです。
これ続きなんだけど。
どうして僕に仕えてくれるんだい?
仕えてもらえるような値打ちが僕にあるだろうか?
もし神様のお恵みがあって来ていられたら、今度は僕がお前たちに仕えるよ。
だって人間は皆互いに行使し合わなきゃいけないものね。
母はこれを聞くと悲しげに首を振って言うのだった。
ねえお前、病気のせいでそんなことを言うんだね。
お母さん、そりゃ主人と召使いとを無くすわけにはいけませんよ。
でも僕がうちの召使いたちの召使いになっても構わないじゃありませんか。
あの人たちが僕の召使いであると同じように。
それからもう一つ言っておくけど、我々は誰もが全ての人に対してあらゆる面で意味深い人間だけど、
中でも僕は一番罪深いんですよ。
ここに至って母は苦笑いした。
泣き笑いだった。
どうしてあなたが全ての人に対して誰よりも一番罪深いの?
世間には人殺しや強盗もいるというのに、あなたはいつの間に誰よりも罪深いと自分を責めるような悪いことをしでかしたの?
お母さん。僕の父親である大事なお母さん。
その頃兄はこういう思いがけない優しい言葉を口にするようになっていた。
僕の父親である優しいお母さん。
本当に人間は誰でもあらゆる人、あらゆるものに対して全ての人の前に罪があるんです。
どう説明したらいいかわからないけど、僕は苦しいほどそれを感じるんだ。
それなのに、どうしてあの当時僕らはのほほんと暮らして腹を立てたり、何一つ知らずに済ましてきたんだろう。
こうして兄は気が絶つにつれて、ますます感動と喜びを強めながら、全身を愛に震わせて、眠りのとこから起き出してくるのだった。
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一旦ここもまだ続くんですけど。
ここまでの文章だけでもずっと聞いていたくなるね。
ものすごい熱がこもっているし、すごいよね。
なんかもうのめり込んじゃうの?
のめり込んじゃうよね。もっと読みたくなったんじゃないですか。
どんどんね。
罪っていう言葉とかやっぱりこう、悔い改めるみたいな話もあったけど、やっぱりそういうテーマがここにも流れてきてるってことなんですか。
そうなんですよね、これ。
ほんとに。
ねえ。
すごいなあ。
読んでてじゅんさんも入ってくるよね、これね。
素晴らしいもんね。
ねえ。
僕は悪い人間だったねえって。
ねえ、どうして僕に使えてくれるんだいって。
そんなに意地が僕にあるんだろうかって。
こんなにも僕は罪深い人間なのにってことなんですね。
ねえ。
ねえ。
ねえ。
全ての人はあらゆる面で罪深い人間だけど、中でも僕は一番罪深いんですよって言うんですよ。
ねえ。
何があったってこれお母さん言って、ほんとにそうだよね。
もっともだよね、素朴な疑問で、素朴な問いだったよね、お母さんの問いもね。
ねえ。
なんであなたが一番ってなるよね。
ねえ。
ねえ。
これねえ。
本当に人間は誰でもあらゆる人あらゆるものに対して、全ての人の前に罪があるんです。
言うんですよ。
ねえ。
僕もどう説明したらいいかわからないけどって言って、ほんとその通りだね。
なんだけど彼はこういうふうに感じてるんだね。
ああ、そっかそっか。
彼の中でも何かこうはっきりロジックで言葉になってるわけじゃないんだ。
そう。
でもさ、人はさ、迷惑かけていない人なんていないよね。
そりゃあそうっすよね。生まれてくることそのものもそうっすもんね、ある意味。
ねえ、そうなんですよ。
で、気づかないうちに誰かを傷つけてることもあるし。
それはほんとそうだよな。
そことその彼との直感の、そこまで言わしめる直感っていうのはまたすごいなんかギャップも感じるよね。
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飛距離を感じるっていうか。
ねえ。
ですねえ。
これ、罪って何だろうな、至らなさとか何だろうな、ここではなんか追い目みたいな感じなんだと思うんですよ。
全ての人の前に対して追い目を感じてる。
自分はこれほどまでに支えられてきているし、いろんな迷惑もかけて生きてきたのに、そういうことを感じられないままここまで生きてきてしまったと。
なるほどなあ。
そっからなんかその後の愛みたいなものを、ちょっと言葉の細かいところは多いじゃないけど、体現してとか言っていったわけじゃないですか。
そこもすごい個人的には面白かったとこです。
なんかその罪の意識ってところとその愛みたいなところの彼の振る舞い。
ここもなんか繋がりが面白いなあって。
なんかもっと暗い世界に入ってきそうじゃん。
悔い改めて罪を感じていて。
そうですね。
そういうものを感じさせないなんか彼の振る舞いを、その後の文章に書いてあった気がしてて、それが読み深かったです。
ねえ。
これね、まだちょっともうちょっと読んでいって、さらにそこから感じてこれると思うから。
うん。
医者が来ると兄は、「どうですか先生、あと1日くらいは生きていられそうですか?」などと、よく冗談を言った。
一日と言わず何日も生きられますとも、この先何ヶ月も何年も生きられますよと医者が答える。
どうして何年など何ヶ月などが必要なんですと兄が叫ぶ。
今さら日数なんぞ数えて何になりますか。
人間が幸福を知り尽くすには一日あれば十分ですよ。
ねえ、どうして僕らは喧嘩したり自慢しあったり、お互いに恨みを抱きあったりしているんでしょう。
このまますぐに庭に出て散歩したり、はしゃいだり、愛しあったり、褒めあったりし、
我々の人生を祝福しようじゃありませんか。
おっちゃんはもうこの世に暮らしてないのと同じですよ、母が。
表階段まで送りに出ると医者はこう言った。
病気のために精神が錯乱しているのです。
まあちょっと一旦ここで区切ろうかな。
へー、なるほど。
精神拡散しているように見えるんですよ、だからこれ。
そういう、ちょっとこう、彼をある種、礼償する視点みたいなものを入れることで。
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そうだね。
なんだろうね。
そうだね。
なんかすごい今、訳わからなくなっちゃった。
なんていうのか面白い、なんか。
それぐらいすごかったんだね、これね。
だからね、この変わりようが、だし言ってることもね、含めてね。
そうだよね。お母さん一貫しても、むしろ悲しんでるというか、これ病気が。
そうなんだよ。
そうなってるよね。
そうなんだよね。
でも彼は彼で自分の思っている真実を言ってるわけじゃないですか。
そうなんですよ。
と、周りのそのちょっと冷ややかに引いてる目みたいな。
そう。
ここが。
見事だね、ほんとね。
鬼神扱いさせ、認定させられちゃってる。
ここでも言うんですよ。
人間が抱負を知り尽くすには1日あれば十分ですよ。
これ繰り返し出てきてるんですよ、これ。
ね。
ね。
ね。
ほんとに。
ちょっと続きを読んでみるね。
兄の部屋の窓は庭に面しており、庭には古い木々がこのぐらい影を作っていたが、
木々にはあるの若芽が燃え出て早くも渡ってきた小鳥たちが冴えずり、兄の窓に向かって歌っていた。
そして兄は突然、この小鳥たちを眺め、見とれながら、小鳥たちにまで許しを問うようになった。
神の小鳥よ、喜びの小鳥よ、僕を許しておくれ。
お前たちに対しても僕は罪を犯していたんだから。
こうなると、その頃の我々にはもはや誰一人として理解できなかったが、兄は喜びのあまり泣いているのだ。
そうだ、僕の周りには小鳥だの、木々だの、草原だの、大空だのと、こんなにも神の栄光があふれていたのに、
僕だけが地獄の中で暮らし、一人であらゆるものを汚し、汚し、身にも栄光にも全く気付かずにいたのだ。
お前はあんまりたくさんの罪を我が身にかぶりすぎているわ、母はよく泣きながら言ったものだ。
お母さん、僕が泣いているのは楽しいからで、悲しみのためじゃありませんよ。
僕は自ら進んで、皆に対して罪深い人間でありたいと望んでいるんです。
ただ、うまく説明できないだけですよ。
だって、僕はそういう理や栄光をどうやって愛したらいいのかわからないんですもの。
僕はあらゆるものに対して罪深い人間でいたいんだ。
その代わり、皆が僕を許してくれますからね。
これこそ楽園じゃありませんか。果たして僕がいるところは楽園じゃないでしょうか。
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て言うんだよ。
いやー、この辺り純さんはなんかどう読んでたの?
えぇー、ほんとに?
ねぇ、神の栄光が溢れていたのに僕だけが地獄の中で暮らし、一人であらゆるものを汚し、汚し、
汚しって言ってたじゃないですか。
はい。
この汚しっていうのはそういうことをやっぱり、何だしょ、さっき言ったように、
見つくことができず、遠飛ぶことができず、生きてきてしまったってことなんだと思うんですよ。
なんかこれ、ねぇ、さっき佐島長老が悔い改めた一人の園の喜びは言ってたじゃないですか。
これがまさに、この言葉いろんなところで僕それを感じるんですけど、
一つ如実に出てるのがやっぱりここなんだと思うんですよ。
何のこの、まさにそれを思い出されますね、その言葉。
すごいなぁと思って、なんかこれ、人間ってここまで変わるんだっていうかさ。
そうだね。
ほんとに。
僕もなんかこういう人間を追い求めてる気がするんですよね、自分で。
だからここが自分の中に入ってくるんだと思うんです、深く。
一番のって言ってたもんね、最初。
それはそのさっき言ってくれてた聖なるみたいなものと近しい話なんですよね。
ねえ、なんか聖なるものを宿すとこんなにも勉強に慣れて、いろんなものに自身の心でもって関わり、こんな言葉さえ投げかけることができるんだって思って。
美しいもんね。
美しい、ほんとに。
なんかね、この小説読んでると、自分の中に入ってくるっていうかさ、
これだってね、このお兄さんに主人公三男のアレクセイが似てるって言うんですよ。
そうっすね、そうっすよね、そういう話でしたよね。
そう、でこれアレクセイまだ若いの、これ多分10代後半ぐらいの年齢なんだけどね。
だからまだアレクセイもまだ熟してない、もちろん。
若さもあるんだけども、でもやっぱり聖なるものを宿してるのよね。
彼の一挙手一朗説が気になって仕方ないわけ。
長老は?
僕ら読者としては。
僕ら読んでる読者として。
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聖なるものをこんなに開花させた人間は、こんな言葉を自分の中に投げかけることができるんだって思って。
僕ら読者として。
聖なるものをこんなに開花させた人間は、こんな言葉を地にし、こんな振る舞いさえ起こすのだ、みたいなことが。
そしてこの究極的な場面において、自分だからどうしようどうしようってなるんだけど、こんな言葉さえ出てくるのかみたいなところに震えてくるんですよ。
へー。
なんかそれ聞くだけでも気になるね。
読んでみたくなるなぁ。
そうか、そういうのを宿した人の一挙手一朗説はやっぱり他の人が見たときに無視できないんだろうね。
無視できないし、何だったら狂ったようにさえ、鬼神のようにさえ見えるというか。
そうだよね。お母さんとかの関わり方とかも、ある種無視できない、何かこう自分の中をざわつかせてしまうもの。
だから病気で頭がおかしくなったっていうことに思っておくとほうが。
なんかこの罪っていう意識だったり、この喜びっていうものを想定分かり得ないんだけど、なんか僕らには。
でもなんか謎なんだけども、希望でもあるし、これが何なのかってことを解き明かさずにはいられない。
何でしょうね、不思議な気持ちになりました。
想定分かり得ないんだけど、何か知ってるかもみたいな、分かんないです。
何か知ってるかもって言ったら、軽い言葉だけど、宇宙人が宇宙語で書いてるものを読んでるっていうものじゃないっていう、何だろう、何か知ってるかもしんない。
いやほんとそうだと思うの、それこそ我々がもう、我々のうちに仏教でいうと仏性があるっていうことの証だと思うし、やっぱり雇って雇ってる証なんだよね。
だからこういうの読んでいくと、どうやって自分の聖なるものを開花できるのかっていう、この謎をやっぱり証に行きたくなると思うんだよね。
あ〜何か自分の中でそれを読んでるだけで開花されてるという?
どうやって自分の聖なるものを開花できるのかっていうこの謎を やっぱり明かしに行きたくなるし何か感じれてくるものもあるし
読んでるだけで何か開花されているような気にさえもなってくる
何か自分の中でそれを読んでるだけで開花されてるっていう
でもそれはそうだよね 僕も音読したり書き写したりとかしながらして
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言葉を自分のうちに刻もうとして
そうだよね 何もないことないよね絶対
ねー
すっごいね これ驚くべきなのがこれ長老の回想なんですよね
もう一個の物語みたいですね そうなんですよ そういうことなのこれ
どこ読んでも一つの小説なんですよ あそうなんだもう忘れてましたもん今一瞬
これ長老の語りだったんだっていう そうでしょ
これがそんなあのだからね漫画版とかには省略されるわけですよ当たり前だけど
メインストリームじゃないから あーそっかそっか
そういうのが暗殺が出てきますねこれ
ちょっとディテールがね魅力的すぎますね やばいね
確かに長老が死んだっていう方が物語的なメインストリームで大事な出来事なん ですよね
うんそう でもこの回想のこのディテールがすごいね
すごい うーん本当に
僕ね志村福部さんが本当に敬愛してて で志村福部さんもあのドッセウスキンの本書いてるのよ
役屋に紡ぐって本書いてるんですけどね あのまあそれとかそれ以外の本の中にも触れて
お兄さんがね若くしなくなるんだね二人のお兄さんがいたのんで 志村さんに
そう志村福部さんに で
兄は こういうような人だったような気がするってなんかなんだろうな
うーんちょっと重ねてるんですね
うーん でねー
あのお兄さん二人とも若くしなくなるんだけどもね 尾野本江さんっていう方のお兄さん
まあ画家になるなってその お兄さんが残した言葉は凄まじいからまたちょっとどこかでぜひ紹介させてほしいんだけど
もう なんかね確かに
うーんこれに近しいような言葉を残して言ってるの へぇー
だから実際にやっぱりいるんだよ
そうだよねー それはまたちょっと気になるねー
ねー もうそれが開花しちゃっている人がいる
いるんだよね
そっか 一旦ここで一区切りしますか
そうしましょうか