00:00
そしたら次行きますね。
はい、いよいよアレクセイがイワンに会いに行きます。
うん。
どんな展開なんだ?楽しみだ。
ね。で、これ、ドミトリーにね、長男ドミトリーに会った後、アレクセイが次男イワンに会いに行きますが、向かう途中にカテリーナの家に寄るんです。
うん。カテリーナ。
カテリーナ。
そう。ちょっと思い出すと、カテリーナって、あれですね、長男ドミトリーの婚約者。
はい。
はい。
はい。で、大駅二刀隊員の時にね、カテリーナが。
お金を。
そうそうそう。アレクセイに託してっていう。
うん。
あそこで少し出てきましたけれども。はい。で、イワンはカテリーナのことを好きなんですよ。
あ、そうか。
うん。
そうか。うんうんうん。じゃあ、お兄さんの婚約者を好きなんだ、次男イワンが。
そう。そうですそうです。
はい。
で、カテリーナの家に寄ったのはね、あのイワンがいるかもしれないって思ったからなんですよ。
うーん。
アレクセイとしては?
そうそうそう。
うーん。
で、実際寄ったら、本当にイワンいたんですよ。
うん。
で、ちょうど、あのイワンがカテリーナの家から出ていくところだったんですね。
うーん。
うーん。
アレクセイとしてはあれ?そのドミトリーのその脱獄の話を聞いて、
うーん。
その話をイワンにしに行こうとしてたんですか?それともちょっと違う?
いや、それはもうお兄さんが決めたらいいから。
うーん。
あのー、やっぱり、うーん、イワンの心境も気になってるというか、このやっぱ、もうね、親父が殺されたって話だから。
なるほど。
うーん。
うーん。
うーん。
で、お兄さん捕まってるしっていう、こうちょっとかなり大変な状態ですもんね、家族で言うと。
そうですそうです。
あのー、もともと、あのー、ゾシマ長老がね、アレクセイの師匠のね、ゾシマ長老、亡くなっちゃいましたけど、
ゾシマ長老がアレクセイに、お前はここの場所にいるんじゃなくて、外に出て行きなさいと。
お兄さんたちのところに行きなさいと。
うん。
っていう風に、ゾシマ長老は強く言ってたんですよ。
うーん。
それはもう、このカラマーゾフという、この家系に何かが起きる、起きてしまう、何か悲劇が起きてしまう。
なるほど。
だから、この家族を何とかお前が力になれるよう働きかけていきなさいって。
はー。
いうことをゾシマ長老は言ってたんですよね。
あー。
そう。
それもあって、アレクセイは、その、自分がこの家族の産男として、自分しか確かにできないって思って、
あのー、今家族のために力になる時だと思って。
うーん。
そういう祝いにもちゃんと会いに行くと。
アレクセイはいろいろ背負って、託され、大変だわ。
03:04
すごいね、ほんとに。
うん。
今、アレクセイが輝いてる時ですね、ほんとに。
そうですね、なるほどね。
で、そのー、何でお前来たのかみたいな感じなんですよ。
イワンからするとね。
で、まあもう出ていくんですよ、イワンはね、カテリーナの家からね。
そしたらカテリーナ、カテリーナがね、あのー、アレクセイに言うんですよ。
あの人について行ってください。追いかけてちょうだい。片時もあの人を一人にしてはいけませんば。
彼女は早口に囁いた。
あの人、気が変になってるんです。
気が変になってることをご存知ないんですの?
あの人、熱病なんです。
神経性の熱病ですわ。
王子様が私にそうおっしゃいましたもの。
さあ、早くいらして、後を追ってください。
って言うんです。
おー、なるほど。
もうイワンが、ちょっとおかしくなってるんですよ。
なんだろう、そうなんだ。
そう、熱病。
どうしよう、どうしよう。
熱病。
ね、ね。
うんうんうん。
そうなんですよ。
見ない間に、何が起きた?
そうなんですよ、そうなんですよ。
そうだよね。
僕はこのラジオでしか聞いてないから、大新聞館のあたりからね。
イワンいたけど。
そっか、ちょっと空いてるうちに、イワンどうしたって。
そうなんですよ。
はい。
やっぱこの、父親が死んだっていうことに関して、もう、高熱になってるんですね、今ね、これね。
うーん。
で、カテリーナはね、自分で気づいているか否か、イワンを愛してるんですね。
あ、そうなんですね。
実はね。
ほうほう。
イワンをほっとけないんですね。
だからこれ、お医者様をよこしてでも、イワンを見てもらってってことでやってるし。
うんうんうん。
で、あの人について行ってあげてくださいって、やっぱり言っちゃうぐらいなんですよ。
うーん。
そう。
アレクセがいろいろカテリーナからお願いされますね。
そうですね。
今回もね。
そうですね。
それで、アレクセがイワンを追いかけに行きますね。
で、まあ追いかけるって言っても、すぐそこの、もうそんな離れてないから。
で、イワンに待ってくださいよ、兄さんって言って。
で、何の用だみたいな感じなんですよ。
うん。
で、まあ少し話し出すんですね。
外で立ったまま。
うん。
ちょっとね、こんな会話が展開されるんですね。
はい。
ちょっとね、情報量が多すぎて、もうよくわかんなくなるかもしれませんけども、
06:04
ちょっと後で整理しますんで、一回聞いてみてください。
分かりました。
読みますね。
イワンが言います。
彼女は、これ彼女ってカテリーナのことですね。
彼女は、今日は夜通し、聖母マリアにお祈りすることだろうよ。
明日の法廷でどう振る舞えばいいか教えてもらうためにな。
突然、彼はまた憎しみを込めて語気鋭く言った。
それは、カテリーナ、イワノバナのこと?
そうさ。
ミーチェニカの、ミーチェニカってこれ、ごめんなさいこれ、あのね、長男ドミートリーのことなんですよ。
ミーチャン。
うん。
イワンはね、お兄さんのことこういう風に呼んでるんですね。ミーチェニカ。
そうさ、ミーチェニカの救世主になるか、それとも破滅者になるべきか。
そのことをお祈りして、心の闇を照らしてもらおうというわけさ。
見ての通り、党にもまだ心の準備ができていないんだ。
あれも、俺をウバと取り間違えて子守唄でも歌わせる気でいるのさ。
カテリーナ、イワノバナは兄さんを愛しているんですよ。
悲痛な思いを込めた有良者は言った。
かも知らんな。ただ、俺は彼女に関心がないのさ。
あの人は悩んでいるんです。それじゃ兄さんはなぜ時折気を持たせるようなことを言うんですか。
オズオズと非難を込めて有良者は続けた。
兄さんがあの人に望みを持たせてきたのを僕は知っています。
そんなことを言ってごめんなさい。
彼は言い添えた。
俺はここで必要な態度を取ることができないんだ。
きっぱり縁を切ってズバリと言ってやることがさ。
イワンが苛立たしげに言った。
あの人殺しに裁判が下るまで待たなきゃならないんだ。
もし今俺が手を切れば彼女は俺への払いせに、
明日の法廷であの無礼官を破滅させることだろう。
なぜって彼女はあいつを憎んでいるし、自分が憎んでいることを承知しているからな。
すべて嘘ばかりさ。嘘の積み重ねだよ。
ところが今、俺がまだ手を切らずにいるうちは、
彼女も未だに望みを持っているし、
俺があの無礼官を災難から救い出したいと思っているのを知っているから、
あいつを破滅させるような真似はしないだろう。
09:00
しかし、忌々しい裁判が下ったらその途端に終わりさ。
人殺しとか、無礼官とかという言葉がアレオ社の心に痛く応えた。
それにしても、あの人は何によって兄さんを破滅させることができるんですか?
イワンの言葉に思いを凝らしながら彼は尋ねた。
兄ちゃんをモロに破滅させるような証言があの人にはできるんですか?
お前はまだそれを知らないんだな。
彼女は去る文章を握っているんだよ。
ミーチェニカが親父を殺したことを、数学のようにはっきり証明する直筆の文章さ。
と言ったまずここまでです。
確かに情報量目でしたね。
そうだよね。
でもなんとなく、イワンはカテリーナが決定的な証拠を持っているみたいな話。
そうです。
それを裁判で出すか出さないか。
これは何かイワンが鍵を握っている感じの風に聞こえたけど、そこが整理できてなかったかもしれない。
そうそう、まさにそういうことなんですよ。
明日法廷があって、証人としてカテリーナは何かを証言しないといけません。
どう振る舞ったらいいかがわからない。
自分はドミートリーの救世主にも破滅者にもなれるって言ってるんですね。
カテリーナはそういうふうに思ってるんですよ。
ダレクセイはなんで破滅者になれるのって。
救世主はわかりますね。
やってないんですって証言したらいいだけだから。
でも破滅ってみたいな。
それはまさに今言ってくれたようにその証拠があるんですよね。
ドミートリーが書いた文章をカテリーナは握っていると。
なるほど。
その手紙は何が書かれてあったかっていうとね。
かつて長男ドミートリーがカテリーナに送った手紙でね。
3000ルーブルは必ず返す。
たとえ親父を殺してでも返す。
そういう文章があるんですよ。
そういうフレーズが書かれている文章なんだ。
そうなんですよ。
ドミートリーはカテリーナに3000ルーブル借りてるんですね。
はい。
ドミートリーとしてはグルーシンガーが好きだからグルーシンガーとかも行くんですよ。
でも行く前に必ずこの借りた3000ルーブルは返したいと思ってるんですよ。
だから必ず返すよっていうことをカテリーナに伝えたかったんですね。
たとえ親父を殺してでも絶対返すからって。
12:03
絶対何があっても返すよってことなんですよ。
表現としてね。
でもこれは見方によったら文字通り読めば立派な殺害予告に見えちゃうんですよ。
普段のドミートリーの振る舞いからしても本来証拠にならなそうなぐらいの手紙の一フレーズだけど
かなり不利に働くんじゃないか。
ドミートリーとしては僕らが思ってる以上に泥棒ということの罪深さを感じてる人なんですよ。
たとえ親父を殺してでもっていうのは彼の倫理観として
殺人なんかやってはいけないっていうのも前提にあるわけですよ。
でもそれと同じくらい泥棒はやってはいけないと思ってるから。
泥棒ってのは3000ルール?
そうそうそう返さないっていうことが泥棒だと思ってる。
返さないってこと?
だから親父を殺すって意味じゃないんですよこれは。
文字通り読まれる怖さね。
そうですよね。
これじゃあイワンとカテリーナはもう本当にドミートリーが
カテリーナも思ってるってことなんですか?
これが難しいんですけど8割を持ってるって感じじゃないんですか。
ちょっと信じたい気持ちもあるけど
これはっていう感じなんだ。
でもイワンはお兄さんを救いたいから
カテリーナに関心はないけど判決がいるまでは
カテリーナの相手をしてやってんだって言ってるんですよね。
カテリーナは自分のことが好きだから
兄を救ってくれっていうことで破滅させないように
イワンはカテリーナに関わっている。
うんうん。
これでもイワンもね
カテリーナに関心ないって言ってるけどカテリーナのこと好きなんですよ。
好きなのに関心がないって。
なるほどね。
もうちょっとこれおかしくなってきてるもんね。
その言葉が本当に自分で本心で言ってると思ってるとしたら
ちょっとあべこべですよね。
うん。
イワンの心境はね
難しいんですけど
父親ヒョードルっていうんですけどね
この父親ヒョードルを殺した犯人っていうのが
長男ドミートリーか
スメルジャコフという男
これ父親ヒョードルの召使いなんですけど
15:02
ほぼ二択なんですよ。
十中八九ドミートリーだと確信している。
世の中の人もそう思ってる。
もし長男じゃないんだとしたら
スメルジャコフになる。
スメルジャコフなんだとしたら
自分がもしかしたら
何かしら関与してしまってるんじゃないかと
いうふうに。
前チラッとジョンさん言ってたやつだ、それ。
思いますね。
でもね、どう関与してるか分かってないんですよ、イワンは。
記憶として?
うん。
何言ったっけとかもちょっと曖昧になってるってことですか?
言ってることは分かってるんですよ。
普段から思ってることを話してるだけだから。
でもそれが
父親殺しに繋がるなんて全く想像できないんですよ。
だからそれが分かってたら
これスメルジャコフやったらもう俺が犯人やんってことになるんですけども
俺も共犯者やんってなるんですけども
そのそれは分かってない。
だけども
ジョンが
このスメルジャコフに
何かしら影響を与えてるってことは分かってる。
だから俺が
共犯ってことになりはしないだろうかって
いう
言葉を
意識レベルで感じてるのかな?
これね。
結構無意識で。
うん。
それで言うとね
こんな恐ろしいことね
考えたくないでしょ。
うん。
だから
蓋して
無意識に持って行ってるんですよ。
あー。
でも気になって仕方ないでしょ。
そうですよね。
怖いですよね。
怖いですよね。
怖いですよね。
怖いですよね。
怖いですよね。
怖いですよね。
怖いですよね。
そうですよね。
怖いよね。でも。
そう。
でも
ねえ
で
その蓋して
その蓋してる自分さえも蓋して
みたいな
その
その自分さえもさらに蓋して
蓋して蓋して
みたいな
なんかもう
無限に。
そう。
そうやって
犯人スメルジャコフ説ってこと
なかったかのようにしてるんですよ。
うん。
そうじゃないと
そこすらも自覚してないぐらいのレベルで。
そう。
そう。
そうじゃないと正気でいれないんです。
もう。
うーん。
岩本は。
でもその掃除込めた何かが
もしかしたらその熱とか
熱量の幅で
そうです。
身体に当ててるみたいな感じ。
そういうことです。
そういうことです。
はあ。
うーん。
これは苦しいなあ岩本。
これやばいっすね。
もう。
まだちゃんと喋れてるんですよこれ。
一応ね。
うんうんうん。
だから
変わっちゃう?
うん。
次回に
あのーこれ
アレクセーと喋り終わった後
岩本はいよいよ
スメルジャコフに会いに行きます。
おーそうなんだ。
18:00
うん。
もう。
うん。
で
あのー
まあいよいよ
うん。
狂ってしまうってことになるんですけど
ここはまだ
まだギリ
ギリ正気を保てている。
うん。
うん。
うん。
うん。
うん。
うん。
うん。
多分アレクセーも来てると。
うんうんうん。
そうです。
カテリーナに関心がないってね。
お前本当はカテリーナのこと好きなのに。
もうね。
ちょっとね。
もうちょっとおかしいんですよ。
うん。
いや
こっからだよね。
だから。
そうですね。
ねえ。
その岩本とカテリーナが持ってる証拠と
それを言うか言わないか
でも兄がやったことになるから
この辺2人だったらまだなんかシンプル
ある種シンプルだなと思ったんですけど
そこにこうアレクセー入ってきてるから
会話の中に。
うん。
アレクセーどう振る舞うんだろうみたいな。
そうなんですよね。
聞いてて気になったし。
そうなんですよ。
そうなんですよ。
うん。
うん。
うん。
じゃあちょっと行きましょうかね。
おーい。
はい。
こっからねものすごいいいシーン入ってきます。
おー楽しみだなあ。
これあの続きの文章読んでいきますね。
はーい。
ちょっと長いんですけど
あのーもうめちゃくちゃ熱い場面なんで
ちょっとちょっと区切りどこまで行きますね。
行きましょう。
はい。
さっき読んだところちょっとちょっと最後のところ
もう一回言いますよ。
彼女は猿文章を握ってるんだよ。
ミーチェニカが親父を殺したことを
数学のようにはっきり証明する
直筆の文章をさ。
そんなものあるはずがないでしょ。
争者は叫んだ。
どうしてあり得ない。
俺は自分で読んだんだぞ。
そんな文章あるはずがないですよ。
争者は熱を込めて繰り返した。
そんなはずはない。
だって犯人は兄さんじゃないんですから。
あの人じゃありませんよ。
イワンは突然立ち止まった。
じゃあ誰が犯人だ。
お前の考えだと。
何か明らかに冷たく彼は尋ねた。
その質問の口調には
どこか傲慢な響きさえあった。
犯人が誰か兄さんは自分で知ってるでしょ。
心にしみるような低い声で
争者は言い放った。
誰だ。
例の気の触れた白痴の転換闇とやらいう戯言か。
スメルジャコ不切かい。
争者は不意に全身が震えているのを感じた。
犯人が誰か兄さんだって知ってるでしょうに。
21:02
力なくこの言葉が口をついて出た。
彼は息を切らしていた。
じゃあ誰だ。
あれなんだ。
もはやほとんど凶暴にイワンが叫んだ。
それまでの時勢がすべて一挙に消え去った。
僕が知っているのは一つだけです。
なおもほとんど囁くように争者は言った。
お父さんを殺したのは
あなたじゃありません。
あなたじゃない。
あなたじゃないとはどういうことだ。
イワンは愕然とした。
あなたがお父さんを殺したんじゃない。
あなたじゃありません。
争者がしっかりとした口調で繰り返した。
三十秒ほど沈黙が続いた。
俺じゃないことくらい自分でも知ってるさ。
上言でも言ってるのか。
青ざめた歪んだ笑いを浮かべて
イワンが言い放った。
争者に視線が釘付けになったかのようだった。
二人ともまた街灯のそばに立っていた。
いいえ兄さん。
あなたは何度か自分自身に
犯人は俺だと言ったはずです。
いつ俺が言った。
俺はモスクワに行ってたんだぞ。
いつ俺がそんなこと言った。
すっかり胴を失ってイワンが呟いた。
この恐ろしい二ヶ月の間
一人きりになると
兄さんは何度も自分自身に
そう言ったはずです。
相変わらず低い
はっきりとした口調で
争者は続けた。
だが彼はもはや
さながら自分の意思ではなく
何か逆らうことのできぬ命令に従うかのように
我を忘れて話していた。
兄さんは自分を責めて
犯人は自分以外の誰でもないと
心の中で認めてきたんです。
でも殺したのは兄さんじゃない。
兄さんは思い違いをしています。
犯人はあなたじゃない。
いいですね。
あなたじゃありません。
僕は兄さんに
このことを言うために
神様に使われてきたんです。
少し飛びます。
兄さん。
争者が震え声でまた言い出した。
僕があんなことを言ったのは
兄さんが
僕の言葉をきっと信じてくれるからです。
僕にはそれがわかるんです。
あなたじゃないという今の言葉を
僕は一生かけて言ったんですよ。
いいですか。
一生かけて。
24:00
兄さんに
ああいえと
神様が僕の心に貸したんです。
たとえ今の瞬間から
兄さんが僕を永久に
憎みを担ったとしても
しかしどうやら
兄さんはもうすっかり自省する余裕を得たようだった。
アレクセーヒョードロウイッチ
霊証を浮かべて彼は言った。
俺は
預言者だの
天官闇だのは
耐えられないのだ。
特に
神のお使いなんて奴はな。
君だってそれぐらい
分かりすぎるくらいよく分かっているはずだ。
今この瞬間から
俺は君と絶好する。
それもおそらく永遠にな。
頼むからたった今
この十字路で
俺から離れてくれないか。
それに君の家へ帰るのは
この横町だ。
特に
今日は俺のところへ寄らないようにしてもらいたいね。
分かったね。
彼は向きを変えると
振り返りもせず
しっかりとした足取りで
まっすぐ歩き出した。
兄さん
その後ろ姿に
亜量者は叫んだ。
もし
今日兄さんの身に何か起こったら
何よりも先に
僕のことを思い出してください。
しかしイワンは答えなかった。
亜量者は
イワンの姿が
闇の中にすっかり消えてしまうまで
十字路の街灯の脇に
佇んでいた。
っていうところなんだ。
いやー
聞きっちゃいました。
すごい場面だねこれは。
うーん
白標の上を渡るような
何を言うか
一つで大きく変わってしまいそうな
緊張感がある。
うーん
じゅんさんがここを何か
暑い場面って言ってたけど
その心もちょっと聞いてみたいというか
なんか感じてたけど
これ今何が起きてるかって
なんとなく読んで
伝わりましたかね。
多分伝わったと思います。
オッケーオッケー
なんかねー
俺これちょっと再読してるじゃない。
はい。
だから
昨日もさこれ夜
読んでてさ
なんか
イワンがさこれからさ
どういう気持ちになっていくかってか
どれぐらいこれも
自分が殺し
共犯だって
罪の意識に苛まれていくってことに
入っていくんですよイワンがね。
うーん
今はまだ入ってないから
イワンがね
お前何言ってんだって感じになるんですけど
これイワンの
後に起こるイワンの気持ちに立つと
なんか泣けてくるなと思って
うーん
27:00
このアレクセの言葉にね
うーん
いやこれ
ねー
うーん
イワンってこの後ね
狂っていってしまうんですけど
で
このアレクセの
言葉がね
犯人はあなたじゃないって言葉がね
どれだけイワンの
魂に響いたかって
小説では描かれないんですよ
そうなんですね
うーん
イワンは狂ってしまって
その後どうなるかわからない
もう生死をさまよっているっていうところで
あの
多分もう亡くなるだろうっていう
感じで書かれて終わっていくっていう
うーん
うん
だからこの言葉がね
なんか
イワンは
魂に響いているかどうか
自分でそれを実感できているかどうか
わからないまま
亡くなっていくのかもしれないですけど
なんか
ねえ
これ
イワンが最も欲しがっている言葉を
多分イワンの命を支える言葉を
多分今これ
アレクセ本当は言ってるんですよね
うん
それを言うために来たって言ってましたもんね
この一言を多分言うために
うん
アレクセってね
あのなんだろうな
あのイワンよりわかってないんですよ
イワンはスメルジャコフが
もし犯人だとしたら
自分が何か
関わってるかもしれないって
イワンは
まあ感じてますか
それを
そういうふうに想像つきますよ
よく話してるからね
うんうんうん
でもアレクセはさ
イワンよりわかってないはずでしょう
何を話してるか
かまで知らないしね
あーそうそれ思いました
何を指してるんだろう
オープンに言ってたのかな
どうだったのかと思いながら聞いてました
うん
でもアレクセはね
そういうことがだから
わかってなくても
何か見通す力があるんですね
うーん
うんうん
そっか
じゃあイワンの様子とか
そう
いろんなことから指して
それを言ってるんだ
うん
人の心の奥に何があるかを
30:00
そしてイワンとスムルジャコフという人が
触れ合った時に何が起こり得るかを
もう直感的に
見通してるんですねアレクセって
うん
いやこれね僕ね何度か読んでてね
あの
昨日ちょっとふと思ったんですよ
はい
これ冷静に考えるとね
カウンセイングの場面とかだとね
これNG行為だなと思って
アレクセのこの行為って
っていうのもね
イワンはねもうね
この話したくないって言ってんですよ
はぁ
うん
普通のカウンセイングだとね
クライアントの許可取ってないからね
扱わないですよ
うん
だって余計とあうまいになるでしょ
踏み込んでったらね
うーん
その傷口を広げる可能性の方が高い
うん
まあこれカウンセイングの流派によって
いろんな捉え方があるんですけれども
これは普通は扱わない
ですよね
うん
事実これ
イワンは
蓋してたものを
開けさせられた
ですよね
この会話からあるでしょ
始末その狂っていくみたいな話も
うん
結構きっかけにもなってたりする
俺が会って進めるジャックフーンには
場合に行ってんじゃないですか
うん
そういう風に繋がっていくんだ
踏み込んだがゆえも
っていうこともあるってことか
うん
そう思うとね
アレクセイって
これどれだけ勇気のいる振る舞いなんだろうかって
思うんですよ
うん
すごいことをしている
嫌われてもいいって
そのレベルは
当然だと思ってるけれども
この
イワンの
命さえも
なんかこう引き受けていくような
わかんないけど
うん
すごい勇気のいる振る舞いをしてる
と思うんです
うん
踏み込まずに
イワンがそこの無意識のところに箱に
しまったままっていう
選択肢も
当然見通してるでしょうしね
それほど見通してるアレクセイだったら
うん
言わなければ
イワンを脱したまま
過ごしていられるかもしれない
そう
言ったら多分こういうことが起きそうだってことも
もしかしたら分かってたかもしれない
そう狂ってしまうってことも分かってたと思う
うんうんうん
でも向き合わないといけないって
うん
33:01
すごいですねこれ
ああ
神なんか自分の意思で言ってないんだみたいな
ことも言ってましたよね
そうなんですよね
そこもちょっと
気になったなあ
そうなんですよ
神が勝ってんですね
もう神が登り移って
アレクセイを通して
神が語りかけている
神の言葉をイワンにも運んでるんですね
うん
我を忘れて話していたって
言ってましたもんね
うんうん
すごいですね
ねえ
うん
むしろそうでないとそこまで踏み込めなかったのかもしれないですよね
そうですね
俺ねえ
俺こう言うからもうイワンはお前とはもう
ねえ
今この瞬間から絶好だっつって
はい
なって
でも
イワンの魂が
本当に欲してる言葉を
アレクセイは
語りかけた
うん
うん
これすごいですね
これカウンセリングじゃこんなの起きないだろうな
いやまあ
カウンセリングで起きるのかもしれないんだけど
起きる人もいるんだろうけども
カウンセリングで起きないし
まあこれはねえ
カウンセリングじゃなくても
これ起きないねえ本当に
うーん
それは
何なんだろうね
神の言葉として伝えたみたいなのもあるし
うん
兄弟ってのもあるのかな
わかんないけど
どういう
しかもその
スメルジャッコフが犯人なんだ
っていう言葉じゃなくて
あなたは犯人じゃないっていう
ことを伝えてるんだよね
うん
うん
その言葉のなんだろうな
36:00
強さなんだろう残るもの
うん
イワンに残るものとして
うんその言い回しもすごく個人的には
ね
あったな
主役してますよね
だってこれスメルジャッコフがもし殺したとしたら
スメルジャッコフがなんで殺したのか
ってこれわかんない
アルクセイもわかってない
これ主役して急にあなたが犯人じゃないんです
あなたは犯人じゃないんです
ねえ
もうイワンが
イワンの心の奥の魂が欲しがってる言葉を直に
直ですよね
うん
イワンは何言ってるかわかんない
うん
そうだよね
うん
なんか
このね
うん
自分の魂が求めてる言葉っていうものはね
こういう風に
届けられるんだって
うん
これ一つ教えてくれてる気がしてて
ドステフスキーがね
うん
時間をかけて
後になって深く
届いてくる
うん
自分の求めてる魂の言葉っていうのは
実はもう既に与えられている既に
語られている誰かから
ああ
っていう気がしてならない
はあ
その言葉が
もしかしたらこの小説にあるのかもしれない
ってさえ感じちゃう
なんかこういうの読んでほんと
ああその読み手の
一人として
そう僕は
うん
その自分の魂
を深くそう支えるような言葉が
この本の中にあるんじゃないか
もう出会ってるんじゃないかみたいな
そう
まあでも事実そうだな
僕も今これ自分で言いながら
僕はやっぱ10年前
罪と罰を読んで救われたんで
なんか
そうなんだ
うんなんですよ
守護になってんのはすごく
なぁ
これ誰かが犯人なんだ
っていうのは深いとこで
刺さんない感じがすんな
なぁ
犯人はスメルジャコブなんだ
っていうのは
あなたじゃない
守護かな
深く入ってくる聞こえてくるような
なんだろう
本当だね
うーん
39:00
スメルジャコブなんですって
だからあなたじゃないんですスメルジャコブなんですって
意味でスメルジャコブなんですって言っても
ユアンにとっては
スメルジャコブなんだったら真の犯人は
俺じゃねえかってなっちゃいますもんね
あー
ちょっと直じゃないですよね
なんか
そこまで
行った先のさらにそこの先で届けたい
言葉を最初に一発目で
届けてるってことですよね
うん
なんかその神が借りていったの
いやちょっと
ほんとそうだなと思って
なんか今
僕もいくつか悩んでることがあって
その詳細はちょっと
話せないんですけど
なんだろうなどうしたらいいかわからない
なんか
AとBがあってどっちがいいのかわからない
だからあれくせえもう
兄さんに
もうこれ以上言ったら狂ってしまうから
言わないでよ
いや
でもこれは
兄さんはもう言ってても
とにかく狂ってしまう
兄さんは向き合わないといけないこれは
これ
葛藤する気がするな
そうだよね
もう
人間を超えた何かの働きじゃないと
言えないんじゃないかって思っちゃう
あー
そうだよね
頭で考えて
うーん
こうならない感じもしますよね
なんか
これ言えたことはあれくせえにとって良かったのかな
うーん
良かったんじゃないですかやっぱり
良かったのかな
神の言葉
運ぶために
イワンに
会いに行ってると思うし
うーん
うーん
まあもちろんあれくせえが
何言ったらいいか分からないって
思いながら
でもこういう場面になると
急に言葉が出てくる
すごいな
すごいなーってことが
出てくるな
たぶんないわ
もうこの場面
じゃあ一旦
終わっときましょうかね
でここから
あのーイワンは
42:00
あのーさっきも
お話しましたが
スミルちゃんはここに会いに行きます
その場面に
行きたいと思います
じゃあひとまずありがとうございます
今日もありがとうございました
ありがとうございました