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お聞きの皆様、おはこんばんちは、現役リフォームプランナーの寸尺かんなです。続きになります。人気作家のアーサーはですね、雪山で遭難し、これをね、看護師を名乗るアニーという女性に助けられてですね、彼女の家で保護されているという状況なんですよね。
一方のですね、彼の出版社というかエージェンシーですよね、彼の行方を探しているんですけれども、いかんせんね、すごい田舎なので、年老いた保安官さんがいらっしゃるところしかなくてですね、ここに一応問い合わせをかけて、彼が行方不明だということは知らせてあるというところまでお話ししました。
彼はですね、とにかく足は複雑骨折していて寝たきりですし、腕もですね、片手を骨折しているので、固定してですね、とにかく何もかもアニーに助けてもらわないと何もできないような重傷を負っているんですよね。
そんな中でもですね、健診的な介護を受けて、日にち薬でね、徐々に徐々にね、顔中青あざだらけだったのがだんだんだんだん良くなってきていて、手もね、だいぶ片手はね、自分でスプーンを持つぐらいには元気になってきているんですよね。
で、毎日ですね、ご飯を運んできてくれて、そこでいろんな話をするんですけれども、そこでですね、このアーサーがね、君がね、たまたまあそこ偶然通りかかってくれなかったら今頃俺はもう死んでたから君はね、僕の恩人だよねっていう話をするんですよね。
そうすると、アニーがね、ちょっとはにかんだような顔をして、でもね、実はね、偶然でもなかったりするのよねって言うんですよね。
どういうことかと思うと、あなたはね、もうこのコロラ島のね、この田舎町では有名なのよと、毎回小説を書き上げるために、あそこのロッジに泊まり込んで小説を書くことはね、もうこの辺りでは有名よって言ってね。
で、あなたのね、私は大ファンだから、あなたが滞在しているのはもちろん分かっていて、毎日ね、いつもね、車で通ってね、ちょっとあなたの部屋の明かりが見えないかなとかね、あなたがもしかして部屋から出てこないかななんて思って、いつも通りからね、時々通りすがりだけども見ていたのよと、そしたらね、あんな嵐が来るっていう日にね、あなたが朝から車に乗って出発しているので、心配だからね、後ろをつけてたって言うんですよね、車でね。
心配してた通りね、あなたが崖から落ちて遭難しているのを見て、助けたんですよというふうに言われたんですよ。そういうことだったかと思ってね、いたんですけれど、そこでね、おもむろに兄がね、
ところでね、あなたが遭難した時に、あなたをこの車からね、担ぎ出して救助したんだけれども、その時に助手席に革の書類カバンがありましたと、それも一緒に持って帰ってきてるんだけれども、あれってもしかしてあなたの新作が入ってるんじゃありませんか?って言うんですよね、兄がね。
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で、アーサーはね、ああよかったとね、自分のあのね、もう本当にこの人気のデスティニーズシリーズをね、やめさせてまでね、あの新たな作家としてね、新境地を開拓するために書いていたこの新作がね、ちゃんと無事に保護されていると聞いて、ほっとするんですよね。
で、そうだよと、これは僕の新作だよって言ったら、えーって言って、もしね、あつかましいお願いだと思うんだけれど、あなたの命の恩人として、あなたの新作をね、最初に読む読者として、私がこの原稿を読んでもいいかしらっていう風に頼むんですよね。
そうするとアーサーはね、そんなのお安い御用だよって言うね、でも僕の命の恩人だし、ね、もう君の意見も聞きたいからもぜひ読んでくれていいよって言って、心よくあの承諾するんですよね。
そうすると兄はもう大喜びで、ああ嬉しいって、あなたみたいなね偉大な作家の本を読めるなんてーって言って喜んでるんですよ。
ちなみにこの本はね、どんな内容なのって言ったら、アーサーはね、うーん困ったなーっていう感じで、これはね、とにかくデスティニーのシリーズではなくて、まったくね、今までとはちょっと違うタイプの小説なんだよって言うんですよね。
とにかく、僕の自伝的な多分話なんだけども、よかったら君が読んで感想を聞かせてくれよって言うんですよね。
こんな私みたいなものがね、あなたなんかにそんな意見なんか言えるわけないんだけど、まあでも嬉しいって言って、今晩これ楽しみに読むわねって言って、この原稿を持って喜んで部屋を出ていくんですよね。
で、場面が変わってですね、食事のシーンになってね、このアーサーにこのスープを飲ませてあげてるんですよね、兄がね。
こうやってこう、食べさせてる時になんとなくね、いつものほがらかさっていうかね、明るさがないんですよね、兄にね。
なんかね、けげんなっていうかね、なんか暗い表情してるんですよ。
なので、このちょっとね気になってアーサーがね、どうしたんだいって、なんか今日元気ないねっていうね、何かあったのかいって言ってね、話しかけると、
うーん、あなたのね、そのね、原稿をちょっと今読ましてもらってるんだけどーって言うんですよ。
で、「え、なになに?」って、「なんかあの原稿が面白くなかったかい?」とかってね、やっぱり作家なんでね、気になっちゃって、で一生懸命聞くわけですよね。
で、そうすると兄は、「いやそんな、あなたが書くものが面白くないなんてことありえないんだけどー、うーん。」みたいなね、こと言うんですよ。
でね、もう気になって気になって、「いやもう遠慮いらないから、もうなんでもいいからね、あのどう思ったのか聞かせてくれよ。」って言ってね、アーサーが接つくんですよ。
で、そうすると兄が、「うん、わかったわ。」って、「そこまで言うんだったら。」って言って、「うん、言葉遣いが嫌なのよ。」って言うんですよ。
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で、「へっ?」っていうね、そのもうアーサーびっくりしちゃって、その中身ね、その筋とか、物語全体に対する批評を言われるのかと思ったら、
この物語の中のその登場人物たちのその言葉遣いが汚いっていうこと言われたんですよね。
で、「へっ?」ってなってて、「なんかとにかくね、あんな下品な言葉遣いがもうちょっと気になって嫌なの。」みたいなこと言われて、「いや、あれは僕がスラム街で育った自分の幼少期ね、不良だった幼少期のことを書いた小説なんだよ。」って。
で、「あの僕たちはね、ああいう下町とかだとああいう喋り方が普通なんだよ。」って言ったんですよ。
すると、兄がね、急にね、「そんなわけあるわけないじゃない!あんな汚い喋り方するなんておかしいわよ!あんな汚い喋り方なんて絶対ありえない!」とかって言ってね、急にね、立ち上がって、スープの皿持ったままわめき散らし始めるんですよ。
で、「あんなね、こんなアンドラとかね、ほんでよお前を、なんかなんとかあかんとかね、あんなスラングとかあんなこと、あんな汚い喋り方とかありえない!あんな下品なことってありえない!」とかって言って、もうわめき散らし始めるんですよ。
で、もうびっくりして、アーサーは、もう目が点になってるんですよね。
で、もう、「え?」っていう感じで凍りついてると、はっとね、兄が我に返って、「ああ、ごめんなさい。もうつい熱くなっちゃって。ごめんなさいごめんなさい。」って言って、スープもね、そこらじゅうにこぼしまくってるんですよね。
で、それ慌てて、もうすぐね、シーツも変えるから、「ごめんなさい。許してアーサー。ほんとにごめんなさい。」って言って、謝り倒すんですよね。
で、「とにかく私はあなたのことが大好きなの。アイラブユー。」って言うんですよね。
で、「はっ!」って言った後に、「あ、ごめんなさい。これは決してね、そんな変な意味じゃなくて、あなたを作家としてね、すごく愛してるって意味だからね。」って言って、バタバタバタバタって部屋を出ていくんですよ。
で、これが、まあ最初のアラートですよね。
なんかこの、この人ちょっと変なんじゃないの?っていうことでね、ちょっとアーサーはね、ちょっと不穏な感じになってくるんですよね。
で、まあとにかく、まあこの場面はこれで終わって、まあ翌日になるんですよね。
で、そうすると、あの、まあ部屋の扉がね、ガチャッと開くんですよね。
で、この辺りからね、ちょっともうこの女性が、ちょっともしかして情緒不安定なのかな?っていうね、感じがあるので、この扉が開く瞬間っていうのはね、ちょっと一瞬アーサーの顔に緊張が走るんですよね。
で、そうするとね、満面の笑顔で兄が本をね、持って入ってくるんですよね。
で、この本が、デステニーズ・チャイルドっていうね、いうタイトルの本を持って入ってくるんですよ。
で、あのもうこれね、見て!あなたの新作よ!って言って、このデステニーズシリーズの新作本を持ってね、喜んで入ってくるんですよね。
で、もうね、街に一軒しかないこの市場でね、ちゃんと私はね、もう何日も前から予約して、ついに入荷したのよ!って言って、その記念すべき1冊目を私が買ってきたの!って言って、大喜びで、
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アーサーのところに報告に来るわけですよ。で、これを聞いているアーサーは、おや?って思って、え?君じゃあ市場まで車で行けたっていうことは、もう道は開通してんじゃないのかい?って言うんですよね。
そうすると兄は、いやいや、あくまでも市場までしか通ってなくて、電話の線も相変わらず切れてるし、病院までの道はまだまだ雪が積もっていて、通れないのよと。
心配しなくても、ちゃんとあなたのエージェンシーに電話してるし、大丈夫よって言うんですよね。でもね、アーサーは心配で心配で、いや、実は今日は娘の誕生日だから、娘とは何としてもね、ちょっと話をしたいんだよと。
僕が無事だっていうことをちゃんと彼女には伝えとかないと、きっと今頃めちゃくちゃ心配してるから、早く誰かとちょっとコンタクト取らないとまずいんだよって言うんですよね。
そうすると兄はね、もうわかってるけども、心配しなくても、ちゃんとあなたのエージェンシーには電報打ってるから、あなたの安否はちゃんとお嬢さんにも言ってるはずよと。
心配しなくても開通次第、ちゃんとあなたのことは知らせるから、今はちょっと私に任せてちょうだい。
まあでもそんなことよりね、もう嬉しい!もうデスティニーが楽しみすぎる!みたいなんで、この新作のことでね、もうめちゃくちゃテンション上がってるんですよね。
でもうね、アーサーはでもね、ちょっともううーんっていうね、早く帰りたいし、でも景色見てもね、だいぶ雪はね、降ってないんですよ。
山出て天気もいいんで、なんかおかしいなぁと思ってね、ただ本当に山奥の田舎町で、アメリカの田舎って本当に一軒のね、あの家と家っていうのはもうね、車で何十分も走らないと隣の家がないみたいなね、そういう田舎だったりするので、
まあそういうこともあるのかなと思ってね、まあ機嫌に思いながらも、もう言うこと聞いて寝てるしかないんでね、彼はね。
ふーんっていう感じで、まあいるんですよ。でもとにかくこの異常なぐらいね、このアニーがね、異常興奮してるんですよね。
翌日のシーンになってですね、でもうだいぶね、今3分の1ぐらい読み終えてるんだけれども、本当に素晴らしいわと、
ね、もうアーサーあなたは天才よっていうね、もうこれってあの、ほら、あのイタリアの、あのどっかの教会があるでしょ?ほらほら!とかって言うんですよね。
システィナ礼拝堂会って言ってね、アーサーが物憂げに言うと、そう、それよ、ダヴィンチのね、あの壁画がある、あの天井のね、壁画がある、あの、もうまるでね、あそこみたい!みたいなこと言うんですよ。
まあ褒めすぎなんですよね。だから結局このデスティニーズシリーズっていうのは、もうあくまでも彼が売れ線で商業的な意味で書いた、
ハーレクインロマンスの、あのもう本当に三流小説でしかないわけですよね。で、彼がまあ渾身のね、あの力を込めて書いた、ね、この遭難した時にこの書類カバンに入っていた方の、
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彼の今後のね、あの純文学作家として再スタートを切ろうという渾身の作品についてはですね、スラングが汚いとかね、言葉遣いが汚いとかっていう見当違いな批評をされていたのがですね、
このデスティニーに関してはね、もう大傑作で、ダビンチの壁画ぐらいすごい作品だとかね、なんか異常な褒め方をしているわけですよ。
で、なんか変な女だなぁみたいなね、感じで、しかももうね、もうそろそろね、その自分の出版社とか、家族とかにも連絡取りたいのに取れないし、もうアーサーはね、気が気じゃなくなってるんですよね。
で、なんかもうふーんっていう気乗りしない感じで会話してるんですけれど、この時にね、兄はね、すっと外を見るとね、ちょっとね、しとしとと雨が降ってるんですよ。
で、雨を見ながらね、あのこういう雨の日はね、私はちょっとね、ちょっとね、なんかこう物憂げな気持ちになるのよねって言ってね、ちょっと暗い表情になるんですよね。
で、もういつもね、こんな日に仕事しててね、朝もね、夜もね、もう関係なくいつも仕事してて、本当に忙しくね、今までやってきたのよと。
で、特にね、夜勤の日は辛くてねっていうね、こんな雨の日とかね、本当に気分が不細で辛かったのよと。
で、そんな時に本を読み漁るようになってね、で、あなたの本ともそんな時に出会ったのって言うんですよ。
で、もうどれだけデスティニーに励まされたかわからないわっていう話をね、しだすんですよね。
で、まあ自分の人生とね、このいろんな逆境やね、あのいろんな苦しい思いをしてもね、いつもちゃんとあの頑張って立ち直って、たくましく生き抜いていくこのデスティニーのね、人生を重ね合わせてね、
あ、私もデスティニーがいるから頑張らなきゃっていつも思ってね、どれだけこのね、小説には励まされたかわからないわって言って、あなたこそね、私の命の恩人なのよみたいなね、話をずっとしてるんですよ。
でも朝はね、もうふーんっていう感じで、なんかもう気乗りしない感じで聞いてるんですよね。
それとね、ある時はね、あの部屋にね、いきなりね、この茶色いね、大きいブタが入ってくるんですよね。
そろそろね、あなたと私の大事なね、お友達を紹介しようと思うのよって言って、ブタをね、部屋に入れてくるんですよね。
コロラドのね、ほんと山奥のどいなかなんですよね。
で、まあここでブタ飼ってるんですよ、この兄ね。
このブタが、あの名前をね、デスティニーってつけてるんですよね。
でね、言ったでしょって、私あなたの大ファンだからね。
あなたの小説にちなんだ、このね、あのメスブタに、あのデスティニーって名前つけてね。
もうとにかく、今まではね、私は一人ぼっちで孤独だったんだけどね。
デスティニーが来てからね、ほんとにね、もう笑顔が絶えないのよなんつって。
でね、なんかブッブッブッとかね、ブヒブヒブヒとか言って、なんかこうブタとね、戯れたりとかしてるんですよ。
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これもね、朝はね、なんだよこの女なんか、えーっていう感じでね、見てたりとかして。
まあでもとにかく、あと私ね、あともうちょっとで読み終わるから、ね、もうちょっとあなたと楽しくおしゃべりしてたいけど、
ちょっと部屋に戻ってね、小説の残りを読むわねって言って、まあ出ていくんですよね。
はい、そしてですね、この日の晩ね、夜中に、まあ朝はね、部屋でずっと寝てるわけですよ。
で、そうするとね、ガチャって扉が開いて、ん?と思って、あのちょっと目をね、覚ますとですね、
このアニーがね、この暗闇の中でね、ものすごい顔をして立ってるんですよ。
で、え?と思って、どうしたんだよアニーって言うと、
よくも、よくもあんたって言ってるんですよね。
何事かと思うと、要するにね、このアニーは最後までこのね、この新刊の本を読み終わったわけですよ。
そして、えっと、覚えてらっしゃいますかね、あの結局これは、
ね、このアーサーはね、このシリーズを終わらせるために、
主人公を、まあ最後ね、死なせて最終回にしてるんですよね。
で、まあそこをだから最後まで読んでわかっちゃったわけですよ、アニーはね。
で、よくもね、私のデスティニーを殺してくれたわねって言って、
怒り浸透で夜中に部屋に来たわけですよ。
で、もう、うわーって怒り出して、
よくもよくも、よくもよくも私のデスティニーよーとか言ってね、
もうわめき散らし始めて、んでね、そこらにあったこの家具をね、掴んで、
バーンって言ってね、あの壁に叩きつけて、大騒ぎし始めるんですよね。
で、もうアーサーはね、もう何もできないわけですよ。
もうベッドに横になってね、足も動かないし、もう逃げることもできなくて、
で、オロオロして、いや、聞いてくれと。
あれはデスティニーは別に死んだわけじゃなくて、
デスティニーは自分の娘を産み落としたところで死んで、
で、この自分の子供に自分の未来を託して死んでいったというよりは、
次に継承してね、終わっただけなんだよーって言うんだけど、
うるせーみたいな、お前を信用した私がバカだったわーみたいな、
あんたもね、そこらのね、嘘つきと一緒だわーって言って、
もうあんたなんてね、あんたなんてクズよーって言って、
もうバーンってね、この家具とかをね、ボッコボコにね、あのー壊し始めて、
もう嵐のように怒り狂ってるんですよね。
で、もうどうしようっていう感じで、もうアーサーはね、恐怖の表情で、
ただもう凍りついて、アニーがね、暴れ狂ってるのを見てるわけですよね。
で、ここでサッとね、アニーは暴れ狂ってたのを止めて、部屋から出ていこうとするんですよね。
で、ここでサッと背中向けてたんですけれど、クルッと最後振り返ってですね、
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もうこれからはね、今まで通りにはいかないわよって言うんですよね。
で、あなたはね、もうあの、あなたが今生きてるか死んでるかもう誰も知らないのよと。
あなたのエージェンシーにも、あなたの家族にも、病院にも、誰にも私は知らせてませんと。
あなたがここにいることは、誰もこの世で、誰も知ってる人はいないのよと。
だからね、気をつけてほがいいわよ。
私の身に何かあったら、あなたは死んでしまうの。
私が死んだら、あなたも死ぬの。
わかったわねって言って部屋を出ていくんですよ。
はい、というわけでね、今日はここで終わろうと思います。
ごきげんよう。