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こんにちは、なあちゃん。
こんにちは、サトシ君。
今日は、なあちゃんシーズン4初登場になりますので、簡単にご挨拶をお願いします。
はい。ポッドサイエンティストを聞いている皆様、こんにちは。
シーズン3を終えて、シーズン4になりましたが、引き続きお便り回答を担当します。
なあちゃんになります。よろしくお願いします。
はい。この番組では、私、サトシが一人で論文を紹介する回が多いんですけれども、他の形式のエピソードもあって、今回はなあちゃんに研究の内容を説明していくクラスルームという名前のついた形式のものをやっていきたいと思います。
じゃあ、今日のテーマなんですけれども、なぜ頑張ることができるのかになります。
僕の見てる感じでは、なあちゃんはとても頑張る人っていう感じがするんで、わかっていただけると思うんですけれども、頑張って得たものには価値があるような気がしませんか?
そうですね。どちらかというとそうですね。
例えば、仕事で資格を取らないといけなくなったとしますね。
で、そのために必死こいて勉強して、緊張しながらテストを受けて、なんとかその資格を取った、それで得られたものと、
なんか制度が変わって、なあちゃんの職務経験からは無条件にその資格をもらえるといって、ただその症状がもらえたものだと、どっちが価値がある気がしますか?
自分にとっての価値は、やっぱ労力とかをかけたほうがなんか嬉しいですね。
価値が嬉しいってことは価値があるってことなんですよね。
IKEA効果って聞いたことあります?
いえ。
スウェーデンの家具屋さんのIKEAってあるじゃないですか。
あれなんだ。
うん、IKEA。あれ、値段を下げるためですけれども、全部自分で組み立てないといけないじゃないですか。
自分で労力をかけて作ると、実際以上に価値が高いと感じてしまうっていう心理現象があるんです。
自分で組み立てると、人に組み立ててもらったりとか、あるいは既製品を買ってくるよりもいいものに思えるんですって。
思えるんですか。
うん。
私は別にプロがやったほうがいいと思ってるけどね。
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これはなんか。
台無しだな。
いや、そうだよね。そうなんですけど、なんか別にそこまで。
でも、その意味で言うと、苦労して作ったほうが愛着は湧くんですよ。
そうですね。愛着っていうのは多分ちょっと別の次元なんですけど、労力をかけたこと自体がその対象の評価を押し上げるっていうようなことが無意識だと思うんで、
実際それを今みたいに言われて感じるかどうかわかんないんだけれども、実際はそれを感じる人っていうのが多いっていうことなんです。
でもわかる気はしますね。
で、これが人間だけじゃないんですね。同じような現象が動物でも見られることが知られています。
へー。
例えばネズミの実験なんかで、同じように餌がもらえるような状況でも、たくさんレバーを押したりとか、そういう労力を払わないともらえない条件の方を選んだりすることがあるそうなんです。
あー、へー。同じものやのに。
そう。
へー。
で、哺乳類だけじゃなくって、アリ、昆虫でもそんな現象が見られることがあるそうです。
へー。
ただ、動物の場合はその動物がどう感じてるのかっていうのはわからないんで、本当に嬉しいとか好きとかそういうふうに思ってるかっていうのは直接はわかんないんだけれども、
少なくとも見た感じでは似たような現象が動物でも見られるということなんです。
ほー。
だから、頑張って得られた報酬は価値が増えてるっぽいんですね。
まあ、選んでるんですもんね、だって。そっちのほうがいいって。
そうですね。動物の実験はそうですね。
で、さっきの視覚の話でいくと、そちらのほうが価値があると感じるようになってるっぽいわけですね。
はいはい。
で、もしそんなふうに労力によって、頑張りによって変わるんであれば、そのときに脳の中で何かが起きてるはずじゃないですか。
そうですね。
ただ、それがまだわかってないんですね。
うんうん。
で、今報酬の話なんで、報酬といえばドーパミンが関わるっていうことが知られています。
ほー、ドーパミン。
ドーパミンって聞いたことあります?
聞いたことはあります。
なんか、アドレナリンとドーパミンがごっちゃりなんですけど、
なんか、嬉しいとか、テンション上がるみたいな、そういうので認識してますね。
なるほどね。
はい。
アドレナリンは、なんか興奮したときとかに出るやつですね。
ああ、はあはあ。
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世間的には、ドーパミンが快楽物質だって言われるようなケースが結構あります。
なんかネット、特にSNSとかしてて、報酬を得るわけですよ。
なんか、見て面白いものが細かく細かく何個も出てくるんだけれども、
それでドーパミンが出るみたいな話をよく聞くわけなんですね。
うんうんうん。
なんだけど、ちょっとそれでは不十分というか、あんまり正確なものではなくて、
ドーパミンが出ても気持ちが良くなるっていうものではないんですよ。
気持ちが良くなるのは、オピオイドっていうものだと理解されてます。
オピオイド?
うん。
麻薬ってあるじゃないですか、モルヒネみたいな本当の麻薬があるんですが、
それと同じような働きをする物質が脳の中にもともとあって、脳内麻薬って言われるんですけれども、
そういった物質が出ることによって気持ちが良くなるって言われてます。
へー、もともとあるのか。
そうです。
だから報酬が得られると、食べ物でも何でもいいんですけれども、
なんか快楽をもたらすものが得られると、そういったオピオイドが働くんだけれども、
ドーパミンはそれを得ようっていう動機を起こすものと、
報酬を得るための動機づけをやってるのがドーパミンっていう感じですね。
はー。
で、ちょっと話を戻しますと、ドーパミンって神経伝達物質なんですね。
神経伝達物質ってどういうものかわかりますか、奈々ちゃん。
え、もう漢字の字のままだと思うんですけど、
はいはい。
あの、伝えるためのもの。
そうですね。
脳の中には神経細胞がたくさんあるわけなんですけれども、
神経細胞と神経細胞が情報をやり取りしてるわけです。
で、ドーパミンは一つの神経細胞から出ていって、別の細胞に作用するっていう、
そういう働きをしてる物質になります。
ドーパミンが働いてる脳内の場所っていうのがいくつかあって、
特に即座覚って呼ばれてる場所が報酬と関係があるってよく言われてるんですね。
で、ドーパミンって報酬と関係があるんですけれども、
今話したように単純に報酬そのものを脳内に伝えてるっていうわけではなくて、
報酬が得られるっていう予測が違ってるかどうかっていうのを伝えてたりするんです。
で、それもまだ完全ではなくて、
最近は実際ドーパミンが何してるかっていうのについては新しい理論とかも出てきていて、
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ちょっとここで話すとすごく長くなってしまうので、
ドーパミンは何なのかっていう話はちょっと次回まとめて話をしようと思います。
はい。
でもとりあえず既によくわかってるのは、報酬があるときにドーパミンが出ることがよくあるっていうことなんですね。
だから報酬とドーパミンが関わるっていうのは確かなんですね。
で、話を戻して、労力をかけると、頑張ると報酬の価値が増えるっていう話だったわけなんですけれども、
でもそのドーパミンと労力、払ったコストとの関係とかっていうのはまだよくわかってなかったんです。
で、最近マウスを使った実験で、
ドーパミンを測定することによって労力との関係を調べた一連の研究があったので、
今日はこれを紹介していきたいと思います。
はい。
具体的にはスタンフォード大学のネイヤー・エシェルらによる2本の論文で、
2024年のニューロンと2026年のネイチャーのものになります。
はい。
だから報酬と労力との関係を調べていったっていう仕事になるんですね。
なので、まずどうやってマウスで報酬とかを調べたかっていう実験のセットアップについてちょっと話していきたいと思います、最初に。
はい。
マウスをまず小さな部屋に入れます。
で、この部屋の中に小さな穴があるんですね。
で、ここにマウスが鼻を入れて鼻で押すと、センサーが反応するように作ってあります。
部屋に光がつくんですけど、光が点灯した後に、そのセンサーを鼻で押すと、報酬として砂糖水が出てくるようになってます。
へえ。はあはあはあ。
で、マウス、いきなりそこに入れたときには何もわかってないんですけれども、しばらくその部屋に置いておくと、これを学習します。
賢いね。
光がついた後に、そこのセンサーを押すと砂糖水がもらえるって。
それをマウスがまず学習します。
ただし、そのセンサーを鼻で押すのを一定の回数押したときに報酬がもらえるような仕組みになってるんです。
1回で砂糖水が出るっていうセッティングの場合もあるし、5回とか10回とか、21回、46回っていう報酬をもらうために必要な回数を変えていってます。
で、これが労力になるわけですね。コストになるわけです。
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必要な回数が多ければ多いほど、労力が多い条件になるっていう感じですね。
で、この必要な労力を段階的に変えて実験を行ったっていう感じです。
このときに脳の中でドーパミンがどうなってるかを調べていきました。
で、どうやってドーパミンを検出したかなんですけど、
ドーパミンって脳の中にあって見えないわけですね。そもそも色もないわけです。
今話したように、ドーパミンを作る神経細胞があって、そこから放出されてくるわけですね。
この出てきた量っていうのが重要なんです。
どれだけシグナルを送ってるかっていう感じになるわけですね。
つまり神経細胞を全部すりつぶしてドーパミンの量を測っても、働いてるドーパミンの量っていうのは分からないわけなんです。
働かなくてもそもそもあるんですか?
そうなんです。神経細胞の中に準備された状態で収納されていて、
刺激を受けるとそれが神経細胞から出ていくわけです。
それが細胞の外の空間を通って別の細胞まで作用するっていう形になるわけですね。
従来はマイクロダイアリシスっていう方法で、その細胞の外のドーパミンの量を測る方法があったんです。
細い管を脳の中に刺して、その細胞の外にある液体を回収して、
分析器器を使ってドーパミンがどれだけあるか調べるっていう方法なんですけど、
かなり大変というか大がかりな機械が必要になるような実験だったんですね。
しかも液を回収してくるんで、時間的な分解能が低いんです。
このどの特定のタイミングみたいな解析が、それではあんまりできなかったんです。
最近、2018年に光でドーパミンを検出する方法が開発されました。
これがグラブっていうツールなんですけど、傾向で検出するんですね。
前もありましたか?ドーパミンじゃないですけど。
そうなんです。神経の活動を傾向で計測するとか、今そういう傾向で計測する技術がどんどん増えていってます。
光のいいところは時間がかからないんですよ。
パッと光の強さを測定できるから、短い時間で測定できるっていうメリットがあるんですね。
リアルタイムでっていう感じですかね。
そういうことです。
それなんか、今回ドーパミンでした、前はまた違う神経伝達物質でしたみたいな、それごとに違うんですね。全部一緒じゃないんですね。
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そうなんです。
大変。
それなんでかっていうと、ドーパミンを検出したかったら、ドーパミンに結合する何かを使うっていう感じになるんです。
前、カルシウムの話したんですけど、カルシウムにくっつくタンパク質を使うから、それごとに違うタンパク質を使わないといけないって感じになるんです。
へー面白い。
今回は、ドーパミンに結合するものといえば、ドーパミン受容体なんですよ。
受容体。
だからドーパミンが一つの神経から外に出ていって別の神経に作用するんだけど、作用される側の神経にはドーパミン受容体っていうドーパミンとくっつくことによって刺激を伝える分子があるので、まずそれをベースにしてます。
受容体の中に光るタンパク質を組み込むことで、ドーパミンと結合すると光の強さが変わるようなものを作ったんです。
これでドーパミンが検出できるわけなんですが、このタンパク質をさっきのドーパミンが作用する側座角っていう場所で作らせました。
だからドーパミンの神経が別のところから側座角まで伸びていて、ここにドーパミンが出てくるわけですね。
光ファイバーを脳内のこの領域に埋め込んでおいて、蛍光を検出するわけなんですが、ドーパミンが放出されてないときは、このグラブってやつはあんまり光らないわけなんです。
でもドーパミンが放出されて、このグラブがドーパミンと結合すると光の強度が上がるんで、それを検出することによってドーパミン放出の変化を測定できるっていう、そういう形になります。
だからちょっとセットアップ全体としては、マウスが報酬を得る実験をしているわけですね。
ここで砂糖水の濃度とか量を変えて、報酬の量を変えることができます。
さらに鼻を押さなきゃいけない回数を変えることによって、労力のコストを変えることができるわけですね。
さらにそれをやっている間のドーパミンの放出の量、ドーパミンがどれだけ働いているかを連続的に測定するっていう形になって、こうすることによって報酬と労力とドーパミンの関係が調べられるっていう、そういうセットアップになります。
これを使って実験をしていったんですけれども、まず最初にこのシステムがちゃんと働いているかの確認も含めて、労力は変えないで実験をしています。
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だから1回押せば砂糖水がもらえるっていう形の実験をしました。
そうすると、報酬、砂糖水を得たときに、その瞬間にドーパミンの放出が検出されるっていうことが確認されました。
報酬を得るとドーパミンが出るっていうのは、前々からわかっていたから、それが確認されたっていうことになるわけですね。
さらに、今度は砂糖水の濃度とか量を変えてみたんですね。
だから報酬を増やす、減らすっていうことをやってみたんです。
そうしたら、報酬が増えると放出されるドーパミンが増えるっていう結果でした。
これも以前から言われてたんですけど、報酬の量とドーパミンの関係っていうのが再現されたっていうことになります。
これで報酬を得たときに何が起きているかっていうのが観察できるっていうことがわかったので、
次労力を変えると、頑張った結果報酬が得られるとどうなるかっていう実験をやってみました。
光がついたら、鼻で押す、で特定の回数が必要だっていう感じですね。
この結果なんですが、報酬を得るために必要な労力が増えると、放出されるドーパミンの量が増えるっていうことがわかりました。
だから1回押せば砂糖水がもらえるときと比べると、20回とか40回押さないと報酬がもらえないときの方がドーパミンがよりたくさん出てたっていう結果だったんです。
このとき報酬の量は変えてないですから、同じ報酬でも努力をして得た場合にはドーパミンがたくさん出るっていう。
ドーパミンって動機づけの信号っていう話でしたから、動機づけになるようなものが多いっていう感じになるわけです。
動機づけになるようなものが多い、そうか、はい。
ここまでわかったことっていうのは、だからドーパミンは報酬の量でも変わるし、労力の量でも変わるっていうことがわかったわけです。
報酬については前からよくわかってたわけです。
でも労力でドーパミンの量が変わるっていうのは初めてなんで、これは新しい発見ってことになるわけですね。
だからとりあえず苦労して報酬を手に入れると、いつもよりもドーパミンがたくさん出てるっていうことがまずわかったっていうことになるわけです。
じゃあ次は、なんでこんなふうにドーパミンが変わるのかっていうのを調べていきました。
脳の中っていろんな神経伝達物質が働いてますから、別の神経伝達物質がドーパミンを変えてるんじゃないかと考えるのが割と自然なんですね。
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それで他の神経伝達物質の働きをブロックするようなことをいくつか試してみたんです。
例えばノルアドレナリンの働きを止めるとか、そういうことをやってみたんですね。
その結果最終的に行き渡ったのが、これも神経伝達物質の一つなんですけれども、アセチルコリンっていうものの働きをブロックすると、労力による変化が減るっていうことがわかりました。
もともと脳から取り出してきた切片を使った実験とかでは、アセチルコリンがドーパミンを制御するっていうような話があったんですね。
実際の動物の中ではまだわかってなかったんですけれども、そういう話があったんで、いかにもありそうだっていう結果だったんです。
実際に脳の中でアセチルコリンがどうなってるのかっていうのを次調べていきました。
これも同じグラブを使ったんですね。
でも今度はアセチルコリンで光が変わるグラブを使いました。
これで同じ報酬の実験をやっていったんですけれども、これもドーパミンの時と結果が一緒で、労力をかけて報酬を得るとアセチルコリンの放出が増えるっていうことがわかりました。
タイミングをよく見ていくと、アセチルコリンの放出がまずあって、その直後にドーパミンの放出があるっていうこともわかったんですね。
ただ、タイミングがそうなってるからといって、本当にアセチルコリンがドーパミンを変えてるかちょっとわかんないわけです。
すごいですね。私だったら変えてるって思うな。すごいですね。
一緒に起きるっていうことは因果関係があるっていうことの理由には必ずしもならないわけなんで、そこは確認していかなきゃいけないわけです。
もし、アセチルコリンがドーパミンを増やしているんであれば、アセチルコリンを働かなくすれば、ドーパミンは増えないっていうことになりますよね。
で、それをやってみました。
アセチルコリンを出してくる神経を抑制するっていうような実験をしたんです。
労力が増えると、ドーパミンの放出が普通は増えるっていう話だったんだけど、
アセチルコリンの神経を抑制した状態で労力が増えても、ドーパミンの放出はあんまり増えなかったんです。
だから、さっきの仮定通りだったわけですね。
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で、この結果でもって、アセチルコリンがドーパミンの放出を増やしているっていうことが示されたっていうことになるわけです。
だから労力を費やすと、アセチルコリンが放出されやすくなって、アセチルコリンの放出が起きると、ドーパミンの放出が増えるっていうことがわかったわけですね。
ただ、これはわかったんだけど、じゃあこれは行動にどんな影響があるのかっていうところじゃないですか。
ただ脳の中で物が放出されているみたいな変化があったとしても、それがアウトプットとして直接影響を与えているのかっていうところが気になるわけです。
っていうかそうじゃなきゃあんまり意味がないわけですね。
さっきのその報酬を得るための実験なんですけど、通常のマウスでも必要な労力が増えてくると、最後まで押し続けて報酬を得る割合が減っていくんです。
あ、諦めるってことですか。
そうですそうです。1回とか5回とかだったら、大体最後砂糖水が出るところまで押し続けるんだけど、20回とか40回になると途中でやめちゃうケースが増えてくるんですね。
これがアセチルコリン神経を抑制したときに違うかっていうのを比較してみました。
まず必要な労力が少ないとき、1回とか5回で砂糖水が出てくるときは、アセチルコリンを働かなくしても通常のマウスとあんまり違いがないっていう結果でした。
軽めたら。
最終的に同じくらい報酬を得てるっていう結果だったんですね。
でも必要な労力が大きいとき、20回とか押さないといけないときは、アセチルコリン神経を抑制したマウスでは通常のマウスよりも得られる報酬が減ってたんです。
最後まで押し続けるのが減ってたんです。
だからアセチルコリンが働かないときには、最後まで頑張れる割合が減るっていうことなんですね。
今までの結果を考えると、アセチルコリンがあるときには、労力が多いときにドーパミンがたくさん出るわけです。
アセチルコリンを働かなくすると、労力が多くてもドーパミンはたくさんは出ないわけですね。
ということは、アセチルコリンがあることによって、ドーパミンが増えて報酬への動機づけが大きくなるって考えることができて、
これによって最後まで頑張れるようになってるんではないかって理解できるわけです。
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だから頑張らなきゃいけないときに、頑張れるのはこういう仕組みがあるからかもしれないっていう、そういう研究になります。
これちょっと話が逸れるかもしれないですけど、
アセチルコリンが活性化っていうのを伝達しやすくするなんて、そういうのをやりやすくするみたいなのってあったりするんですか?
頑張る人ってずっと頑張ってる気がするんですよ。
とりあえず今回の研究ではその先までは見てないんですよね。
頑張ったことによってアセチルコリンの量が増えるんだけど、それがなぜかはここでは示せてないので、ちょっとそこまではまだわからないっていう形ですね。
というわけで今回の実験の内容としてはここまでですね。
ちょっとこの意味を考えていきたいと思います。
まず大前提としていつもの注釈ですけれども、この事件はマウスなんで人ではどうかわからないっていうのはあります。
でも一応労力をかけたものを好むっていうのはいろんな動物で共通してみられるので、同じメカニズムが働いている可能性は十分あるっていうところですね。
仮に多くの動物で同じ仕組みが働いているのであればっていうところになるんですけれども、
最初に出てきたイケア効果ってあるわけなんですが、あれって効率を考えるとおかしいわけですよね。
余計な労力払ってそれを喜んでるっていうのもなんかちょっと無駄な話なわけです。
で、同じような話でサンクコスト効果っていうのがあるんです。これ聞いたことあります?
いや、わかんない。サンクコスト聞いたことないと思います、私は。
サンクコストっていうのはもうすでに支払ってしまって取り返せないお金とかコストのことなんです。
例えば映画館で映画を見るとしますね。最初の30分見て、もうこれは絶望的につまらなくて、この先も絶対面白くならないと確信があったとするじゃないですか。
でもそこで出ていく人って少ないんですよ。お金払ってしまったし、最後まで見ようと思うわけですね。
でも見ても見なくてもお金が返ってこないっていうのは変わらないんですよ。
もし見るんであれば、さらに時間まで無駄にするっていうことになるわけなので、お金のことはもう忘れてしまって、さっさと出ていくのが合理的なんですね。
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まあまあまあ。
でもできないんですよ、結構。
うん、確かにね。
もっと大きなところだと、例えば何か事業をやっていて、会社でプロジェクトをやっていて、それがずっと赤字続きだったようなケースでも、もうそこまでに投資をしてしまうと、なかなか打ち切りができないみたいなのがあると思うんですね。
ああ、なんか損切りできないみたいな。
で、こういう取り戻せないコストのことをサンクコストって言うんですけど、そのサンクコストに引っ張られるバイアスが人間にはあって、まあ普通に考えるとこれ合理的じゃないわけですね。
今回の論文でいくと、労力を払うと、アセチルコリン、ドーパミンって働いて、動機づけが強く表現されるっていう形なので、これがサンクコスト効果の神経的な仕組みの一部なんではないかっていうような、そういう説明もできるかなっていうところです。
はいはい、そうですね、それもあるよな。
で、なんでこんな一見合理的じゃなさそうな仕組みがあるのかっていうのがちょっと疑問になるわけなんですね。
でも実際には自然界ではなかなか報酬が見つけられないことがあるわけなんですよね。食べ物がなかなか見つけられないとか、それを見つけるためにはすごく大きな労力が必要になる状況っていうのがあるわけです。
で、そんな時に報酬を求め続ける行動を促進するっていう点で、役に立つと考えることができるんじゃないかなっていうところです。
厳しいもんね。
実際に最後にやっていた実験では、マウスがこの仕組みのおかげでより長く頑張ってたっていうのが示されたわけです。
人間もそうで、やっぱりここぞっていう時には頑張らなきゃいけないわけですよね。そういう時に頑張れるのは、その頑張り自体によって報酬の価値を増やすような仕組みがあるからかもしれないっていう、そういうことになります。
そうか、なんかその、私自分でのマリスも頑張る方だと思うんですよ。
でもなんかそれって確かになんでかなと思ってたけど、そのルーツというかね、ルーツを逆ろうって、それこそ現代じゃなくてね、やっぱその自然界で厳しかった時の名残とかがもしあるとしたら、やっぱ面白いですねって思いました。
そうですね。多くの動物に見られるっていうことは、もう本当に動物のかなり最初の祖先の段階からこんな仕組みが備わってたのかもしれないっていうことになりますね。
というわけで、努力をして手に入れたものには価値があるって感じることが多いんだけど、その仕組みとして考えられるものの一つを挙げたっていう研究だったわけです。
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最後にお知らせです。今日は科学系ポッドキャストの日のエピソードになります。
この科学系ポッドキャストの日というのは、サイエントークのベンさんが発案、企画をされまして、多くの科学系ポッドキャスト番組が共通テーマで配信をするというものです。
今回は当番組がホストになっておりまして、テーマは効果になります。
これらのエピソードがSpotifyのプレイリストにまとめられているので、このいい機会として皆さんのいろんな番組さんを聞いていただけると思いますので、どうぞよろしくお願いします。
当番組のリスナーだと科学系番組に興味がある人が多いと思うんです。でもなかなか新しい番組を見つけるのが難しいというのがあると思うんですよね。
こういうふうにプレイリストにまとめてありますので、気に入るものが見つかるかもしれないので、ぜひ聞いてみてください。
じゃあ今日はこれで終わりにしたいと思います。最後までお聞きいただきありがとうございました。
ありがとうございました。