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2024-02-22 12:19

Extra20 用語解説3:遺伝子発現(Video Podcast)

今回のエピソードはビデオポッドキャストです。Spotifyのみでビデオを観ることができます。その他のアプリで聞いている人は、お手数ですが、Spotifyでご視聴ください。


「遺伝子発現」という用語を黒板で解説します。

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今日は、用語解説になります。
で、また今回もSpotify限定になってしまうんですけれども、ビデオポッドキャストという形式でやっていきたいと思います。
じゃあ早速なんですけれども、今日扱う用語が遺伝子発言です。
特に発言というのが何かというような話をしていこうと思います。
あんまり発言という単語は一般的ではないんですよね。
遺伝子が働くというような意味合いになるんですけれども、今日はそれを詳しくやっていこうと思います。
英語だとGene Expressionと言います。
もともとの意味合いは、遺伝子の働きが目に見えるように現れることなんですね。
メンデルの遺伝学というのは中学校で習うんで知っている人も多いと思うんです。
メンデルという人がエンドマメという植物を使って遺伝の研究をしていたんですね。
そういった植物も当然遺伝子を持っていて、種というのは一つの個体なわけです。
だから種の中には遺伝子が入っているんですね。
例えば紫の花を咲かせる遺伝子と白の花の遺伝子というのがあるわけなんです。
なんですけど、遺伝子そのものというのは見えないわけなんです。
だから種の時点ではそれが何色の花を咲かすかというのはわかんないんですけれども、
でも種が大きくなって花が咲いて、それで初めてそういった遺伝子を持っていたというのが目に見えるようになるわけなんです。
こんなふうに遺伝子の働きが目に見えて現れることを発現と呼ぶんです。
以前はそういうふうにこの発現という言葉を使っていたし、今でもそうやって使うんですけど、
分子生物学、分子のレベルで生物を考えるという時にはちょっと違った意味で使われるんですね。
分子生物学だと遺伝子が働いていることを遺伝子が発現しているというんですけど、
ちょっとそれ具体的にどういうことかというのを理解するためにはセントラルドグマというのが大事になります。
セントラルドグマについては別のビデオで詳しく解説しているので、詳しく知りたい方はそちらをぜひ見てみてください。
でもここでもざっと説明していきます。
セントラルドグマというのはDNAからRNAを作ってRNAからタンパク質を作るということですね。
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DNAというのは生き物の設計図で遺伝情報を保存しているものです。
それでRNAというのはその情報を読み出して、その情報を元にタンパク質を作るわけですね。
タンパク質というのは活性、つまり分子としての働きを持っていて、これが生命機能の実行舞台になるわけです。
DNAというのはすごい長いわけなんです。
その一部にタンパク質の情報が書き込まれているんですね。
そういう部分を高度領域というんですけれども、それがDNA状に点在していて、
そういうふうにタンパク質の情報を持っている部分のことを一つの遺伝子と呼ぶんです。
遺伝子は人だと2万個ぐらいあると言われていて、つまりタンパク質が2万種類ぐらいできてくるということになるわけです。
このタンパク質を高度する領域がRNAとして移し取られるわけですね。
こういったタイプのRNAを特にMRNA、メッセンジャーRNAと呼びますね。
こういうふうにRNAが作られることを転写と呼びます。
次にこのMRNAの情報を元にタンパク質が作られるんですけれども、この過程のことを翻訳と言います。
まさにこの過程ですね、特定の遺伝子からMRNAが作られるとか、タンパク質が作られるということを遺伝子の発現と呼ぶんです。
特定の遺伝子というのは発現している時もあれば、そうでない時もあるわけなんですけれども、
それはどういうふうに調節されているのかという話を次はしていきたいと思います。
まず今、1つの細胞を考えてみますね。
1本DNA、長いDNAがあるとします。
DNA上にはタンパク質を高度する場所、遺伝子というのがバラバラに存在しているわけですね。
だからDNA上にいくつもの遺伝子が存在するわけです。
このタンパク質を高度する領域のそばに遺伝子の発現、つまりRNAが作られるかどうかを調節している領域があって、それを調節領域と呼びます。
だいたい遺伝子の少し前にあることが多いですね。
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だから高度領域のそばに調節領域があるということですね。
こういう調節領域に転写因子と呼ばれるタンパク質が結合するんです。
転写因子にはいろんなものがあるんですけれども、その調節領域に結合すると遺伝子の発現が促されるものというのがあるんです。
調節領域の配列というのが遺伝子ごとに違いますから、どの転写因子でもどこにでもくっつくわけではないんです。
調節領域ごとにくっつく転写因子が違ったりするわけですね。
例えば1つには転写因子Aがくっついていて、それと同じものがくっつく場所というのもあるんだけど、
全然違う転写因子がくっつくような場所もあるということですね。
さらにはまた別の転写因子があったりして、それがくっつく場所もあったりするということです。
例えばこの1つの遺伝子について、これが転写を促す転写因子であれば、この転写因子が結合することによって遺伝子の発現が促されるわけです。
つまりメッセンジャーRNAの合成が起きるということですね。
その後はこのメッセンジャーRNAの情報をもとにタンパク質が作られるということになります。
こういうふうに転写因子に促される形で遺伝子の発現が起きるということになるわけなんです。
例えばまた別の1つの遺伝子で、例えば転写因子Cがくっつくタイプの調節領域を持っている遺伝子の場合で、
もしこの細胞に転写因子Cが存在しなかったとしたら、ここでは転写が起きないということになるわけですね。
メッセンジャーRNAが作られないということになるわけです。
だからこんなふうにして1つの遺伝子は発現しているんだけれども、1つの遺伝子は発現していないということが起こり得るわけです。
だから遺伝子が発現しているかどうかというのは、転写因子の働きが大きいんですね。
その特定の転写因子が働くかどうかというのを決めているのは、遺伝子発現の調節領域によるということになるわけです。
09:00
今は1つの細胞だけを考えてきたわけなんですけれども、次は複数の細胞について考えてみたいと思います。
次、ちょっと書きやすいように、この先は2つの遺伝子の部分だけを書いていきますね。
細胞が3種類ある状態をちょっと考えます。
2つの遺伝子、遺伝子Xと遺伝子Yを考えることにして、遺伝子Xには転写因子Aがくっついて、遺伝子Yには転写因子Bがくっつくものとして考えます。
遺伝子というのはどの細胞でも同じように共通して持っているものだから、これらが全ての細胞にあるわけです。
仮に細胞1には転写因子のAと転写因子のBの両方が存在することとします。
細胞2番には転写因子Bしかないとします。
さらに細胞3には転写因子Aしかないとします。
こういったときにどういうことが起きるかというと、細胞1では転写因子AもあるしBもあるから、遺伝子X、遺伝子Y両方の発現がONになるわけですね。
でも細胞2番ではBは働くんだけれども、Aがないから遺伝子Xは働かないということになるわけです。
だから遺伝子YはONだけど遺伝子XはOFFということになるわけですね。
逆に細胞3番の場合だと転写因子AはあるんだけどBの方がないので、遺伝子XはONだけど遺伝子YはOFFということになるわけです。
そうすると細胞ごとに出来上がってくるタンパク質が違うということになるんですよね。
こういうふうに細胞ごとに違うというのを細胞特異的という言い方をします。
そういうふうに最終的に機能の違った細胞になるわけなんです。
だから人間みたいな多細胞生物だとたくさんの細胞があるんですけれども、細胞ごとに機能が違うわけなんですね。
そういった細胞ごとの機能の違いというのはこういうふうに遺伝子発現が違うから起きるということなわけなんです。
というわけで今日は遺伝子発現、それから細胞特異的な発現とその結果、細胞ごとに機能の違いが生まれるという話をしていきました。
12:13
今日はこの辺で終わりにしたいと思います。
12:19

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