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音声業界の海外市場が見えてくる番組、PODCAST AMBASSADOR。
この番組では、自称ポッドキャストアンバサダーことあらいりなが、
業界目線とリスナー目線で音声業界の注目の動きを紹介、
そして国境を超える番組作りに向けて日々取り組んでいるプロジェクトについて、
ストーリーテリングを使ってお伝えしています。
さて、今回は、ポッドキャストニュースと題して、
国内のポッドキャストシーンで最近注目している動きについて取り上げたいと思います。
実は、このゴールデンウィーク明けから、
続々と国内のニュースメディアがポッドキャストを配信し始めました。
今後、ニューヨークタイムズのように企業が音声事業に力を入れていく先駆けとなるのか、
注目の動きとして、今回、新たに配信された番組を取り上げて、
それぞれの共通点から違う点、
そしてそこから見える国内音声市場の流れについても深掘りをしていきたいと思います。
本編の書き起こしをご覧になりたい方は、概要欄にリンクを貼っておりますので、そちらからご覧ください。
さて、今回は国内のニュースメディアが続々とリリースし始めた注目のポッドキャストを取り上げて、
業界目線で深掘りをしていきたいと思います。
まずは、早速簡単に番組紹介です。
今回は、ほぼ同じタイミングでリリースされた2つの番組を取り上げていきます。
まず1本目は、ニュースピックスニュースレター。
こちらは、日本のソーシャル型オンライン経済メディアであるニュースピックスから、
新たに配信され始めたポッドキャストです。
平日毎日配信されるスタイルで、毎回の放送は5分。
ニュースピックスのメディア上で取り上げる記事と連動して、
その日知っておきたい注目ニュースを1つ取り上げて深掘りするという内容です。
パーソナリティは、ニュースピックスの音声事業プロデューサーである野村貴文さん。
とっても声が良い方なんですが、実は既にTBSラジオ、ボイシー、オーディブルと様々なメディアでも既にパーソナリティを務めていらっしゃる方です。
そして2本目は、CNET JAPANのニュースの裏側。
こちらは、ITビジネスメディアのCNET JAPANが配信し始めた番組です。
パーソナリティは、このメディアの編集長である藤井涼さん。
海外取材も行われる藤井さんは、様々なインタビュー実績がある方のようです。
番組の内容はというと、パーソナリティである編集長が担当記者などを迎えて、
反響の多かった記事や編集部注目の記事をピックアップして、取材の裏側や注目ポイントを聞いていくという形だそうです。
週1回の放送となっています。
ではここまででザクッとそれぞれの番組概要を紹介していたところでですね、
それぞれの共通点、そして反対に違う点というのを見ていきたいと思います。
まずはちょっと違う点から、それはポッドキャストの作り方が全く違います。
これは別の番組なんだから作り方が違うだろうというのは当然なんですが、
ここでいう作り方というのは、ポッドキャストのフォーマットが違うという意味です。
以前このポッドキャストアンバサダー第7話でも詳しく取り上げたんですが、
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ポッドキャストの作り方のフォーマット、主に7種類ほどあるんですね。
それに当てはめて今回の番組を見てみると、ニュースピックスは一人喋りタイプ、
そしてシーネットジャパンはインタビュータイプです。
ニュースピックスは5分という短時間で一つのニュースを深掘りという立ち位置でもあるので、
短時間で情報を充実させる必要があります。
となると複数人で喋ると単純に時間が倍となってしまうということで、
一人喋りタイプが番組設定にも合っているフォーマットになると思います。
そしてシーネットジャパンの方は、10分の番組の中で複数の記事を取り上げて紹介する内容なので、
ポッドキャストの中でも違う登場人物がいることで、
違う記事に話題が切り替わったなというのが、
喋る人が変わることでリスナーにも分かりやすくなるんですね。
なのでこのインタビュータイプというのが合っているのではないかなというふうに思います。
そしてここからは私の個人的な予測ではありますが、
ニュースピックスは原稿を事前に作るタイプ、
一方でシーネットジャパンの方は原稿なしで話すタイプではないかと推測しています。
そう考える理由は、ニュースピックスの方は1分間に話している単語数が多いこと、
そして途中で入る効果音というのが、5分のニュース説明の中でもある程度話の展開が変わる部分で使われているので、
原稿を元に効果音も入れているんじゃないかなというふうに思います。
一方で複数人でしゃべるシーネットジャパンの方は、ある程度の流れはお互いに打ち合わせをしつつも、
基本的にトーク部分は台本なしだと思います。
これ私も複数人で原稿ありで収録しようとしたことがあるんですが、
これなかなか自然にしゃべれないんですよね。
やっぱり読んでいる感というのが出てしまうんです。
ちなみにシーネットジャパンの方はかかっているBGMからアンカーを使っているなというふうに思います。
ちょっと少しマニアックなところまで違う点を深掘りしていきます。
続いては共通点です。
こちらは3つあります。
1つ目の共通点は、ポッドキャストオリジナル番組であるということです。
実は音声メディアの一つでもあるポッドキャスト。
ここで人気のジャンルというのはニュースジャンルなんですね。
ただ実は今まで国内で聞けるニュース番組的なポッドキャストというのは、
もともとラジオ番組で配信をしていて、ついでにポッドキャストにも配信しましたよというものが多かったんです。
要はポッドキャストオリジナル番組ではなかったんですね。
一方で今回取り上げた2つの番組はポッドキャストオリジナル。
今までにラジオ番組で配信されているようなものではありません。
そして2つ目の共通点はパーソナリティです。
これが普段ニュースをよく読むアナウンサーやナレーターではなくて、
それぞれのニュースメディアのジャーナリストであることですね。
ここも今までのラジオ番組、初のニュース番組とは違うところでもあって、
ニュースフィックスのパーソナリティは編集者、
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シーネットジャパンも編集長というところが共通点です。
そして最後の共通点はどちらもマルチ配信をしているところ。
ニュースフィックスもシーネットジャパンもどちらもポッドキャストだけではなくて、
日本国内のしかも同じ音声プラットフォームで配信をしています。
その配信先はボイシーです。
ボイシーは全国市から地方新聞までいろんな新聞社もすでにチャンネルを持っていて、
ニュースジャンルが充実している音声配信プラットフォームなんですね。
ちなみに私もこのボイシー・ジョー・ノーザ・ニューヨーク・タイムズを扱う
公式英語ニュース番組ではパーソナリティを務めさせていただいております。
そこで今回取り上げている2つのメディア、両方ともですね、
ニュース番組が出るべき音声プラットフォームの配信先として
ボイシーを選んだというのは当然の流れのように思います。
シーネットジャパンは放送当初から、ニュースフィックスの方は
番組リリース2週目からボイシーでも同時配信をされ始めています。
ここまで3つの共通点、ポッドキャストオリジナル番組であること、
パーソナリティがアナウンサーではないこと、そしてマルチ配信であることを
お話ししてきたんですが、そこからちょっと現在の国内音声業界のトレンドというのが
見え隠れしているんですね。それは何かというと、
ポッドキャストと音声配信プラットフォームとのマルチ配信という流れです。
これが実は海外事例とは異なるところなんですね。
例えば世界で人気のニュース番組、The New York TimesのThe Daily、
これはですね、ポッドキャスト配信のみなんです。
特にアメリカの音声市場ではポッドキャストというフォーマットが受け入れられていて、
誰もがiTuneだったりSpotifyだったり、スマホにもうすでにインストールされている
どんなアプリからでもどんな番組が聞けます。一方で今の日本国内では
ポッドキャストというフォーマットはまだまだ人気がない。
逆に国内で音声配信としてよく取り入れられるのは、ボイシーだったり
スタンドFMだったりヒマラヤなんかの音声配信プラットフォームです。
そして今回新たに番組を始めたニュースピックス、新ネットジャパン両方とも
ポッドキャストで配信をしつつ、やはり日本国内の音声プラットフォーム
しかもニュースで強みのあるボイシーを配信先として選んだというところが
実は今の国内の音声業界の流れをすごく表しているように思います。
ポッドキャストは世界中では人気だけど、そこだけでは心もとない。
やはり国内のリスナー確保には音声配信プラットフォームを抑えておきたい
という流れが今回の番組リリースを深掘りすると見えてくるように思いました。
さて今回はゴールデンウイルカ家、続々とリリースされた国内メディアの
ポッドキャストについて深掘りをしていきました。
ニュースピックスと新ネットジャパン、どちらもマルチ配信をしているという共通点もありつつも
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メディアの特性に合った違うコンテンツの作り方、そしてマルチ配信先からは
今国内ではポッドキャストより力強い音声配信プラットフォームの立ち位置が見て取れました。
リスナーの皆さんも今回取り上げたニュース番組もう聞いたという方は
ぜひ書き起こしを配信をしているノートのコメント欄か
ツイッターで感想や今回の深掘りについてもコメントをお寄せください。
お待ちしております。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
ポッドキャストアマソダの新井理奈がお送りしました。
それでは次回のエピソードで。