中国の文化大革命のさなかの1967(昭和42)年、産経新聞の北京支局長だった柴田穂(みのる)記者が突然、国外退去処分となりました。柴田記者は文革を丹念に取材していたため、中国当局には都合が悪かったのです。
 柴田記者は平成4年に亡くなりましたが、帰国後に出した著書「報道されなかった北京―私は追放された」などを再構成して、改めて「新聞の自由」について考えます。
 柴田記者役は、フジテレビ系アニメ「ちびまる子ちゃん」の2代目ナレーターとしても知られる木村匡也さんです。

「戦後史開封」は、戦後日本の政治史、外交史、エンタメ・服飾芸能史などの様々な出来事を再取材、現代の観点で再構成するドキュメンタリー番組。埋もれていた逸話、報道されていない事実にも光を当てて戦後日本を振り返ります。

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サマリー

柴田穂氏の回想の第4話では、元産経新聞北京特派員が、文化大革命の混乱で置き去りにされた子供たちの存在に触れられています。

目次

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昭和生まれのタラリーマン、アベレージが送る 11文字でグッとくる言葉
他のやらぬことをやる。 みんながやってないこと探していきましょう。
日産ア・アベレージビヨンドザ・アベレージは、ワクワクを届け、車と技術で世の中を変革し続ける
日産自動車の提供で毎週日曜夕方5時から
東京FMはじめJFN38局ネットで放送中です
私は追放された
産経新聞社がお届けする音声ドキュメント 元北京特派員柴田穂の回想
第4話政治の谷間の子供たち 柴田記者は文化大革命の混乱で置き去りにされた子供たちの存在に心を痛めました
案内役は私ナレーターの木村共也です 新中国は子供が幸せに育てられていると誇りにしていた
北京の幼稚園訪問
中国を訪れる人の多くは立派な教育施設やきちんとした子供たちを見せられた 私は北京のど真ん中にある幼稚園に案内された
5クラス140人の子供がいた 先生は一クラスに2人ついている
文化大革命になって教えることも随分変わった たとえ字が読めなくてもほとんどどの子も毛沢東語録は暗記しているという
歌も決意を固め犠牲を恐れずなどという歌詞のものばかりだ 年少組のお遊戯を見せてくれた
民兵ごっこだ 2人の男の子が敵の投擲下ににじりより地雷を仕掛ける
爆発とともに機能鉄砲を持った子供たちが一斉に突撃し ジャングルジムの上にいる3人の男の子が援護射撃するといった
いわば戦争ごっこだ 若い女の先生が真顔でこう言った
これはただの遊びではなく 体の訓練と毛沢東主席による国民すべてが兵役につくという思想を理解させるためです
帰りがけに日本人特派員たちと あれはどうやら見学用のモデル幼稚園らしいねー
と話し合った この幼稚園を見ただけで日本に帰っていたら
中国の子供たちに対する私のイメージはそれほど暗いものにならずに済んだのかもしれない だが私は毎日のように北京の街を歩きながらこういった恵まれた子供たちとは
全く違う世界に住む子供たちも見てきた 文化大革命が続いているため学校はまともな授業を行っていない
壁新聞を剥がして小遣い稼ぎをしている子供もずいぶんいる 四隅に小さな車をつけた台車の上にカゴを乗せ
鋭いナイフのような金具を持って古くなった壁新聞を剥がして歩く 剥がした紙を袋に詰め再生紙工場に持って行って売るらしい
子供たちの服は汚れている あの模範幼稚園の子供たちとは全然違った世界の子供たちだ
初めから学校に行っていないのではないかとさえ思った 夏の盛り
北京の果物店の前にはスイカが山と積まれる みんな店先で立って食べあたりに種が散らかる
それをしゃがみ込んで拾っている子供がたくさんいる 中国では昔からスイカの種をお菓子代わりに食べる
子供たちは種を持って帰って自分の家で行って食べるか あるいはどこかに売るのだろう
ある日もっとかわいそうな姿を見た 男の子と妹らしい2人
大人が食べてクズカゴに捨てたスイカの皮をそっと拾って食べている 私にはちょうどこの2人と同じくらいの子供がいる
誰か かまってやる人はいないのだろうか
怯えたような小さな瞳がいつまでも目の先にちらついて忘れられなかった 子供が大事にされているはずの新中国でこういうことがあっていいのだろうか
文化大革命という大人の世界の騒ぎのために置き去りにされた子供たち これを見るのがたまらなかった
おやつ付きの幼稚園に通える子供 スイカの種や皮を拾わなければならない子供
文化大革命の中国では子供の世界にも明暗2つの姿があることを 私は
自分の目で確かめた 次回は最終話として文化大革命とは一体何だったのかをお伝えした
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