00:07
戦後史開封 昭和100年あのとき私は
第3回 5分でわかる昭和43年
令和7年は昭和元年から数えて100年目 つまり昭和100年にあたります
100年にわたる我が国の歩みを1年ずつ切り取って振り返ります。
昭和43年の出来事
第3回目の舞台は昭和43年。昭和43年の出来事や世相を12歳の子供の目線でお届けします。
また先生に殴られた。ハレンチ学園の真似をしてちょっと女子をからかっただけじゃないか。
創刊したばかりの少年ジャンプに乗っているこの漫画が僕は大好きだ。
12歳の僕にはとても刺激が強い。殴られた後、「オラは死んじまっただー!」と倒れ込んだら
「ふざけるなー!」とまた殴られた。 ザ・フォーククルセダーズのこの曲を歌うと親にも演技でもないとよく叱られる。
今はイザナギケーキというらしい。 以前のジンム・イワトよりさらにいいらしく
神話の天の岩戸を越えてイザナギになったんだって。 ケーキがいいと言っても僕にはよくわからない。
ただ家に神三士の神器と呼ばれるカラーテレビ、クーラー、車が揃っているのはそういうことなのかとも思う。
お父さんは中学卒業後に田舎から東京に出てきて工場で働いている。 若い時は食べるだけの給料ももらえなかったというが、機械工の腕を見込まれて今はとても頼られているらしい。
その辺の高卒や大卒には負けねーが口癖で、毎日真っ黒になって帰ってくるけど給料は結構もらっているようだ。
だってカラーテレビがある家なんてまだほとんどないんだから。 ジャンプが買えるのもお父さんのおかげだ。
そんなお父さんが大嫌いなのが学生運動だ。 テレビでフンサーアイのデモのニュースをやっていると
親のすねっかじりがと言ってチャンネルを変えてしまう。 ただあんな大学生にはなるなよと言っているということは
僕には大学へ行ってほしいという気持ちがあるのか。 この年は日本のGNP国民創生さんが西ドイツを抜いて世界2位になるというニュースもあった。
よくわからないけど日本がお金持ちになりつつあることはわかる。 36階建て147メートルという日本一の高さの霞が関ビルも完成した。
その霞が関ビルの前で地球に乗った指揮者の山本直澄さんが大きいことはいいことだ と陽気に歌うチョコレートのコマーシャルも流行った。
学生運動と社会の変化
7月の参議院選挙では太陽の季節の石原慎太郎さんや 青島ダーの青島幸男さん
漫画トリオの横山ノックさんらが国会議員になった。 これが民主主義のいいところだと先生は言っていたけど僕は単純に大人も生活に余裕ができて面白がって投票したんじゃないかと思う。
日本がつい20年くらい前まで戦争で貧乏な国だったなんて僕には想像できない。
年末には現金輸送車から3億円が盗まれる事件があった。 ボーナス用のお金らしいが億という単位のお金は大きすぎて全然イメージが湧かない。
もちろん犯罪は良くないけどあのチョコレートのコマーシャルソングがつい頭に浮かんでしまった。
終戦から23年目、昭和43年生まれの人は今年56歳になります。
もはや戦後の面影は薄れ、空前のイザナギ景気に湧いたこの年は4月に日本初の超高層ビルとなる霞が関ビルが完成。
年末には東京府中で3億円事件が起きました。 東大医学部や日大にタンを干した学生運動も本格化。
10月には新宿駅で学生らによる暴動運動も起きました。 流行後にもなった
止めてくれるなおっ母さん背中の胃腸が泣いている 男東大どこへ行く
は東大駒場祭のポスターに書かれたコピーで当時在学中だった作家の橋本治室さんによるものです。
戦後史開封昭和100年あの時私は 最後までお聞きいただきありがとうございました
次回第4回は昭和39年をお届けします 案内役は私ナレーターの平野こまりでした