2022-05-12 05:56

女優・河合美智子が語る「おしんブームが残したもの」(3)

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昭和58年から59年にかけてNHK連続テレビ小説として放送された「おしん」は、明治時代に山形の貧しい家に生まれた一人の少女が苦労にめげずに生きていく姿を描き、爆発的な人気を呼びました。

「おしん横綱」や「おしん宰相」という言葉を生み、「我慢の哲学」は海外にまで輸出されました。日本人がおしんに投影させて見つめようとしたものは何だったのでしょうか。

産経新聞に過去に連載された「戦後史開封」を再構成してお届けします。ナレーションは、朝ドラ出演経験があり、脳出血から復帰した俳優・河合美智子さんです。

 

■この番組は
政治、経済、事件、スポーツ、文化、そして風俗・・・。
戦後の歴史の中から、印象深い出来事を再取材して、知られざるエピソード、報道されていなかった面に新たな光を当て、戦後を振り返ります。

 

【原作】「戦後史開封」(「戦後史開封」取材班 /産経新聞社・刊)
【番組制作】産経新聞社

 

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戦後史開封
おしんブームが残したもの
第3話 世界の感動と日本の現状
おしんの生みの親、橋田須賀子さんが亡くなった時、そのニュースは世界中のメディアが大々的に伝えた。
中でも台湾の新聞、中国時報は橋田さんを日本文化界の国宝級人物と表現した。
昭和58年4月から放送されたおしん、日本で空前絶後の好視聴率を稼ぎ、お化け番組とも呼ばれた。
だが、このドラマの本当のすごさは放送後にあったのかもしれない。
世界70カ国以上で放送され、人気を呼んだのだ。
おしんの放送から10年が過ぎた平成6年の1月。
おしんの少女時代を演じた女優、小林彩子さんは初めて訪れたエジプトで熱狂的な歓迎を受けた。
彼女は日本の文化を紹介するジャパンウィークのゲストとして招待されていた。
小林さんは当時の様子について、「どこへ行ってもおしんおしんとすごいんです。
初めは私がおしんを演じていたことを知っていて声をかけてくれているのかなと思っていたのですが、
そうじゃなくて日本人女性を見かけると誰にでもおしんおしんって声をかけていたらしいんですよ。」と話している。
海外で最初に火がついたのは中国だった。
中国での放送は1985年、昭和60年から始まった。
放送時間には通りから人影が消え、おしんをどう見るかといった分析記事や討論記事などが新聞史上を賑わしたほどだ。
泥棒もおしんを見ていたから犯罪発生率が減ったという話もある。
その後、アジア各地で爆発的なヒットを飛ばす。
インドネシアでは当初48話分だけの放送予定だったが、
スハルト大統領の夫人が続きを見たいと日本大使館に申し入れて全話放送されたというエピソードもある。
1986年、昭和61年に放送が始まったイランでは、
ありとあらゆる商品におしんの絵や写真を描いたグッズが出回った。
イランのテレビ番組でインタビューを受けた女性が、
理想の女性像としてイスラム教の預言者・ムハンマドの娘・パティマではなく、
おしんの名を挙げたことから最高指導者・ホメイニシの激霖に触れるという事件も起きた。
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平成6年、東京のイラン料理店で働いていた当時25歳だったイラン人男性は、
経済的な理由に加えて、おしんの国という憧れもあって日本にやってきたと言う。
男性は建築現場の解体作業や配管工、居酒屋の仕事をしながら日本語を覚えた。
午前10時から午後3時まで居酒屋、午後4時から午後5時まで居酒屋で、
午後10時から午後3時まで居酒屋、午後5時から午後11時まではイラン料理店という毎日を送っていた。
その男性はおしんについて、
日本といえばコンピューターとかテレビとか自動車とか機械のイメージしかありませんでした。
でもおしんを見て精神的にはイランの人に近いと思いましたね。
特におしんが赤ん坊を背負って学校に行って勉強を続けるところなど感動しましたと話している。
だがこの男性は日本に来て少しがっかりしたと言う。
今の日本はあまりにも物があふれていておしんの精神は感じられないというのだ。
明治の人たちが頑張ったおかげで今の日本があるのにと男性は話していた。
日本人としては返す言葉がない。
おしんの放送が終わってから間もなく私たちはバブルケーキに踊らされ今に至っている。
日本人は橋田さんがおしんに込めた身の丈にあった暮らしや生き方を今こそ思い起こす必要があるかもしれない。
お届けしたのは音声で聞く戦後紙開封おしんブームが残したものの最終話でした。
案内役は私、河合美知子でした。
最後までお聞きいただきありがとうございます。
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