2022-05-19 08:12

人間・田中角栄(2) 創政会結成の衝撃

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元総理大臣の田中角栄が亡くなってから30年近くがたちます。裸一貫から権力のトップに登り詰めた「今太閤(いまたいこう)」。行動力と知識がある「コンピューター付きブルドーザー」。そして総理辞任後にロッキード事件で逮捕されても政界を牛耳った「目白の闇将軍」…。さまざまなあだ名がありました。その人間性の端々(はしばし)から、一つの戦後が浮かび上がってきます。

産経新聞に過去に連載された「戦後史開封」などを再構成してお届けします。案内役は、落語家の三遊亭楽八さんです

 

■この番組は
政治、経済、事件、スポーツ、文化、そして風俗・・・。
戦後の歴史の中から、印象深い出来事を再取材して、知られざるエピソード、報道されていなかった面に新たな光を当て、戦後を振り返ります。

 

【原作】「戦後史開封」(「戦後史開封」取材班 /産経新聞社・刊)
【番組制作】産経新聞社

 

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戦後史開封 人間、田中角栄
第2話 創世界結成の衝撃
案内役は私、落語家の山友亭落八です。
元総理大臣の田中角栄は、昭和60年2月27日に倒れる直前まで浴びるようにウイスキーを飲んでいた。
それが、農耕息の直接の引き金になったことは間違いない。
何が角栄を先に向かわせたのか。
創世界に決まっているじゃないですか。
そう話したのは、角栄の後援会、閲覧会の会計責任者として閲覧会の女王と呼ばれ、愛人でもあった佐藤明子だ。
田中栄は昭和49年11月に角栄が総理大臣の座を下りて以来、総理を出していなかった。
田中栄は常に他の派閥のトップを担いできた。
籠に乗る人、担ぐ人、そのまた藁地を作る人という言葉があるが、
いつまでも藁地作りではなく、籠に乗りたい、担ぎたいという不満が竹下昇を会長とする創世界設立に繋がった。
昭和60年2月7日、創世界は田中派の3分の1に当たる衆議院議員29人、参議院議員11人の計40人で旗揚げした。
当初、角栄は創世界に好意的だった。
旗揚げの中心になった当時若手の梶山政禄、小沢一郎、畑人村が、派内で勉強会をやりたいんですがと言ってきたのに対し、
いいよ、おやったらいい。田中派と同心園で行こうや、と答えた。
ところが、創世界が実質的な竹下派の旗揚げであり、同心園ではないとわかると角栄は激怒した。
これで竹下が総理になる目はなくなったな、と秋子に語った。
角栄は派内から主張を出すなら、
秋子は、
と振り返り、角栄が内心では創世界を認めていなかったことを明らかにしている。
だが、創世界は順調にメンバーを増やし、形成界に発展。竹下派として日本の政治の表舞台に踊り得た。
そして、角栄が倒れた2年後の昭和62年11月6日、竹下は総理大臣の座につく。
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創世界に40人が集まったのち、角栄は荒れるようになる。
と大きな声を出し、この日から20日間、毎日オールドパーを2本空にした。秋子は、
と話した。
梶山勢力が、
と言ってきたとき、秋子は、
と指摘した。そして、
と残念になった。
元秘書の早坂茂雄はちょっと別の見方だ。
親父は昭和49年に総理を辞めてから、一平も脱走者を出さずに、他の派閥のボスを総理にしてきた。
政権党の派閥というのは総理を出すためにある。それが11年間も総理候補を出せなかった。
そこで総理候補を出そうという動きが起こった。政治家としては当然の行動ではないでしょうか、と創世界に理解を示す。
終戦直後に閣営の会社、田中土研工業に入社し、閣営が衆議院議員になってからは公共事業担当秘書として45年にわたって仕事をした山田大使は生前。
田中先生の秘書は大勢いましたが、個人的な理由で辞めた1人を除き、みんな側を離れませんでした。
人情味があったからです。それをあんな形で創世界を作られたらあれもするでしょう、と閣営の心情を推測していた。
天才的な政治家と言われた田中閣営を説く不可欠の要素として早坂はバセドウ病をあげる。
バセドウ病は甲状腺機能更新症を起こし女性の1000人に1人くらいの割合でかかる。男性はその4分の1くらいだという。
この病気に閣営は郵政大臣を務めた昭和30年代前半から苦しめられてきた。
汗をかく、食欲が増すなどの他に精神状態が不安定になるという特徴がある。興奮しやすくなりイライラが募るのだ。
早坂はこう解説する。
例えて言えばガソリンを満タンにした車が銀座4丁目の交差点で大勢の人が歩いている中を80キロのスピードで人を跳ねないように全神経を集中して走り抜けるようなものだ。
その閣営の体を処方によってうまくコントロールしていたのが東京定心病院の医師鹿島正明だった。
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だが、この病気に閣営は何をしているのか。
鹿島は平成6年当時の取材に対し、
していたのが東京定心病院の医師 鹿島正明だった
だが創生会騒動で閣営の意図は 切れたのかもしれない
イライラが募り精神は極度に不 安定に陥った
鹿島は平成6年当時の取材に対し ここは館長の病院個人の病気について
語るわけにはいかない風化して いないしまだ生々しい
それにいろいろあるし との返事だった
閣営が倒れた2ヶ月後 田中家は閣営を一方的に退院させ
鹿島や早坂に絶縁宣言をする 以後彼らが閣営に会うことは
二度となかった
三刑新聞社がお届けする戦後紙 開封
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