先の大戦が終わると、海外には多くの日本人が残されました。京都府の舞鶴港で息子の端野新二さんの帰りを待ち続ける母、いせさんは、ヒット曲「岸壁の母」のモデルになりました。

 

■この番組は
政治、経済、事件、スポーツ、文化、そして風俗・・・。
戦後の歴史の中から、印象深い出来事を再取材して、知られざるエピソード、報道されていなかった面に新たな光を当て、戦後を振り返ります。

 

【原作】「戦後史開封」(「戦後史開封」取材班 /産経新聞社・刊)
【番組制作】産経新聞社

 

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00:01
戦後史開封
戦後史開封
岩壁の母、息子を待ち続けた橋の威勢
第2話 乗しかかる貧困と戦争
第1話 橋の威勢
2歳になったばかりの長女、英子が亡くなったのだ。
威勢は、当時のノートに次のように書いている。
夫の死よりも悲しく、声を限りに泣きました。
夫の百家日が過ぎたばかりなのに、英子にさられ、希望を一つ失いました。
針を持つ気にもなりません。
涙ばかり出て、私の心の支えは幼い真嗣だけになりました。
真嗣一人が生きる希望を与えてくれます。
真嗣は母の悲しみを知るよしもなく、母に抱かれて寝るのを喜びましたが、
私は片手を取られたようです。
夫、娘と相次いで亡くした伊勢は、悲しみから逃れるため、
昭和6年2月末、5歳だった一人息子、真嗣の手を引いて函館を離れ、上京した。
アクシデントが起こったのは、真嗣が中学2年の時だった。
真嗣は肺炎で40度の熱が4、5日続いて渋滞になり、入院生活を送ることになったのだ。
伊勢には高額な入院費用が払えなかった。
親戚に頼んでも聞き入れてもらえず、伊勢は着物をしちいれして何とかその場をしのいだ。
真嗣あればこそ、今日まで働いてきたのです。金には買えられません。
03:01
真嗣さえ元気になれば、借金など何とかなります。
真嗣に万一のことがありましたら、明日からこの世に用はありません。
働くこともないのです。伊勢はノートにそう記した。
真嗣が退院した時は苦しみも忘れて喜び、二人で泣いたという、
二人きりの母と子は厳しい貧困の中で絆を深めていった。
伊勢は一人っ子で函館の平凡な家庭の中で少女時代を送り女学校に進んだという。
父は外国航路の船員で年に二、三回しか帰ってこなかったため、
ママ母と二人きりの生活が続いた。
このママ母について伊勢は次のようにノートに書いている。
私は母に何一つ教えてもらえません。
慰霊用のものを与えてくれるだけです。
可愛がってくれるでもなく、優しい言葉もなく、私はまるで預かりっ子のようです。
甘えることもできず、時々寂しくなりました。
母との関係で寂しい思いを経験した伊勢の生い立ちは、
真珠への深い愛情に少なからず影響を与えたのではないだろうか。
伊勢が戻らぬ真珠を待ちながら大学ノートに書いていた文章を、
昭和49年に未帰還兵の母として出版した新人物往来者のCのやつかは、
真珠に対する伊勢の愛情を息子に凝り固まっていたと表現した。
凝り固まった理由についてCのは、
一つは夫や娘との私別以来、母一人子一人の寂しく苦しい生活の中で、
張り仕事だけを頼りに懸命に真珠さんを育てたからでしょう。
そして伊勢の真珠に対する愛情について、
最後まで生きているという自信を持っておられたので、
伝説になるほど息子にこれがたまらざるを得なかったのです。
と説明する。
貧困と戦争はつい最近まで日本人に重くのしかかっていたのだ。
産経新聞社がお届けする音声ドキュメント。
06:11
岩壁の母、息子を待ち続けた橋野伊勢。
最終話の次回は、伊勢が待ち続けていた真珠が生きていた事実をお伝えします。
産経新聞社がお届けする戦後紙開封。
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07:20

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