中国の文化大革命のさなかの1967(昭和42)年、産経新聞の北京支局長だった柴田穂(みのる)記者が突然、国外退去処分となりました。柴田記者は文革を丹念に取材していたため、中国当局には都合が悪かったのです。
 柴田記者は平成4年に亡くなりましたが、帰国後に出した著書「報道されなかった北京―私は追放された」などを再構成して、改めて「新聞の自由」について考えます。
 柴田記者役は、フジテレビ系アニメ「ちびまる子ちゃん」の2代目ナレーターとしても知られる木村匡也さんです。

「戦後史開封」は、戦後日本の政治史、外交史、エンタメ・服飾芸能史などの様々な出来事を再取材、現代の観点で再構成するドキュメンタリー番組。埋もれていた逸話、報道されていない事実にも光を当てて戦後日本を振り返ります。

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サマリー

柴田穂記者は、北京特派員としての経験を通じて壁新聞に注目し、その真実を伝えようとする姿勢を描いています。

目次

00:03
私は追放された 産経新聞社がお届けする音声ドキュメント
元北京特派員柴田穂の回想 第2話壁新聞の取材
壁新聞の取材
柴田記者は北京の街に張り出された壁新聞と呼ばれる張り紙から真実を見極めようとします
案内役は私、ナレーターの木村共也です。 北京特派員になった私が、地方での取材が認められたのは2回だけで、その後は取材が許されなくなった。
北京に釘付けにされると、街を歩き回るしかない。 文化大革命の嵐の中で、何も書かずにホテルの一室にじっとしているのは、私の記者根性が許さなかった。
こうして私の取材活動は、もっぱら壁新聞に集中することになった。 私の北京特派員の経験は、いわば壁新聞との一年だった。
1966年の10月から11月末まで、天安門広場で開かれた後衛兵の集会には、毛沢東主席を一目見ようと全国から学生たちが集まった。
学生たちは、壁新聞を熱心に見て回った。 厳しい寒さと砂ぼこりの中、私も防寒帽と綿入れオーバーに身を包んで、壁新聞をメモした。
地方から来た学生たちは、長旅でドロドロに汚れている。 赤いほっぺの学生たちと肩をくっつけ、
あれは何という字か?と、 読みにくい字を聞きながらメモを取ったことも度々ある。
その当時、地方では毛沢東や文化大革命を支持する勢力と、 劉少奇を支持する勢力が武力衝突を起こしていた。
そうした混乱が、壁新聞に生のままで反映されることが多くなった。
社会主義の国で、労働者と労働者が殴り合い、殺し合う。 社会主義建設の成果である工場が破壊されて、生産がストップし、輸送が混乱している。
そんな状況を見ると、暗い気持ちになった。 だが、壁新聞が伝えるのは、暗いニュースだけではなかった。
関西が近づいている南京の大撤去など、明るいニュースも努めて送るようにした。
明るいにせよ暗いにせよ、壁新聞は私たち記者のほとんど唯一の取材源だった。
壁新聞時代のピリオド
壁新聞には真実とデマ、主流と逆流、 古代な宣伝、オーバーな表現が入り混じっていることは確かだ。
だが、壁新聞はいつも大筋では真相を反映している、 というのが私の判断だった。
外国人記者に見せたくないと思う中国の人々の気持ちも、 理解できないことはない。
ある日本人記者が壁新聞を見ていて、通行人に取り囲まれた。 交番に連れて行かれると、警察官はこう言ったという。
文化大革命の報道は人民日報や北京放送をもとにやるべきだ。 壁新聞を見ること自体が非有効的な行為だ。
この話を聞いた時、私はついに壁新聞時代にピリオドが打たれた、 という感じを強くした。
ある日、私は尾行されていることに気がついた。 壁新聞を見ていて、ちょっと振り返った時、
一人の男が急に姿を隠した。 何十メートルか行って、また振り返ると、違う男がバトンタッチして後をつけていることがはっきりわかった。
しかし私は壁新聞取材を続けた。 次回は中国の手先になっていた日本人たちのことをお伝えしたい。
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