北朝鮮による拉致事件に迫った阿部雅美の記事は黙殺された。

世間から忘れ去られたが、表に出るタイミングが突然訪れる。

昭和63年3月26日の参院予算委員会。日本政府が北朝鮮による日本人拉致事件を初めて認めたのだ。

 

【原作】 阿部雅美『メディアは死んでいた―検証 北朝鮮拉致報道』
【語り手】柳亭市好
【制作】 産経新聞社

 

大好評配信中の「メディアは死んでいた」(全10話)のプレイバック再配信になります。

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00:01
第5話 メディアが死んだ日
産経新聞社がお届けする音声ドキュメント
北朝鮮による日本人拉致事件
原作 産経新聞出版 安倍政宗
メディアは死んでいた
検証 北朝鮮拉致報道
2018年5月28日 初版発行
制作 産経新聞社
案内役は私 話科の劉邸一光です。
北朝鮮による拉致事件に迫った安倍の記事は黙殺された。
世間から忘れ去られたが、表に出るタイミングが突然訪れた。
昭和63年、1988年3月26日
参議院予算委員会
日本政府が北朝鮮による日本人拉致事件を初めて認めたのだ。
ただ、この記事は、
安倍はこの日をメディアが死んだ日と呼んでいる。
なぜなのか?
参議院予算委員会
昭和53年以来の一連の安倍区行方不明事犯
おそらくは、きっかけは
安倍政宗が参議院に出席し、
安倍政宗が参議院に出席し、
不明事犯。
おそらくは、北朝鮮による
拉致の疑いが十分濃厚でございます。
解明が大変困難ではございますけれども、
事態の重要性に鑑み、
今後とも真相究明のために
全力を尽くしていかなければならないと考えておりますし、
本人はもちろんでございますが、
ご家族の皆様方に深いご同情を申し上げる次第であります。
1988年3月26日
竹下昇内閣の梶山勢力国家公安委員長は
それまでの質疑を締めくくるように答えた。
03:01
いわゆる梶山答弁と呼ばれる重要な発言である。
拉致について一度も公式に言及してこなかった政府・警察が
初めて北朝鮮による日本人拉致疑惑の存在を認めたからだ。
それまで拉致については
言ってみればゼロ回答だったのだから
一歩踏み込んだというレベルの話ではなかった。
国会で政府が北朝鮮の国名をはっきりと挙げて
人権侵害、主権侵害の国家犯罪が十分濃厚と答える。
これは尋常なことではない。
誰でもトップニュースと思うだろう。
しかし、この答弁がテレビニュースに流れることは
ついになかった。
新聞は産経がわずか29億人で
日経が12億人。
それぞれ勇敢の中綿などに
見落としそうになる小さいベタギジを載せただけだった。
産経の生み出しはアベック拉致事件
北朝鮮の犯行濃厚。
日経は不明の産組男女
北朝鮮拉致が濃厚。
両者が仮名する通信者配信の原稿かと思ったが
読み比べるとそれぞれ自写記事のようだ。
朝日読売、毎日には一行もなかった。
マスメディアの拉致事件への無関心はここに極まった。
まるで申し訳ないような
足並みを揃えて無視したのだった。
記事の扱いが小さいとか遅いというのではない。
放じなかったのだ。
メディアが死んだ日
という意味合いがお分かりいただけるだろうか。
関係者によると
あの日の記事は
この時の答弁映像はニュース映像の宝庫であるはずの
NHKにも残っていないと聞く。
歴史的な国会答弁の映像が
日本のどこにも存在しない。
不思議なことだ。
現在、NHKは拉致報道に相当熱心だが
長い間、拉致を無視し続けたように思う。
個々の記者が揃って無関心だったわけではなかったことは
06:04
後にNHKの研修会に招かれて
プロデューサーや記者たちと話す機会があって知ったが
正規が変わるまでの20年間
まともな拉致疑惑報道を見た記憶がない。
NHKだけを責める気はもうとうない。
民放各社も同じだった。
政府が国会で
北朝鮮による日本人拉致疑惑の存在を初めて認めた。
となれば、他紙もテレビも
それなりの報道をせざるをえないはずだった。
記者の常識からすれば
政府・警察に確証がなければ
梶山答弁にはならない。
梶山答弁は
政府が初めて拉致疑惑を認めた
画期的なものだった。
梶山答弁の無視。
長くメディアの世界の隅で働いてきたが
これほどまでに異様な経験は
この一度きりだ。
一体何があったのか。
各社の記者が
なぜ原稿にしなかったのか。
あるいは
原稿は書いたが
記者サイドで没にしたのか。
いや、突然
あぬし継ぎを聞いても
拉致についての相当な予備知識
関心がなければ
一体何のことなのか訳がわからず
原稿にできなかったのではないか。
答弁の重大さに
気づかなかったのではないか。
そんな冷めた見方もあるが
メディアが死んだ日
の真相は
今もってわからない。
報道しなかったという事実が
報じられるはずもなく
梶山答弁は
事実上
幻。
つまり
存在しなかったことになってしまった。
拉致についての
政府の次の公式アクションは
平成9年
1997年
横田めぐみさんの
拉致疑惑発覚後
国会で公表された
拉致被害者の認定まで
待たなければならない。
この間
9年間も経過した。
取り返しのつかない空白が生じた。
恥も晒す。
私自身
梶山答弁を報じた
産経有感掲載の
ベタ記事に気づかなかった。
記事を各部署を離れて
紙面のレイアウトを担当する
整理部で仕事をしていた時期ではあったが
09:00
それは言い訳にならない。
翌日だったか
翌翌日だったか
同僚記者に教えられて知った時点で
大きく紙面展開することを
社内で強く主張すべきだった。
育児のない記者だったことを恥じる。
誤報拒否と
マスメディアに目察され
自分が取材したと
聞き取られて
自分が取材したと
親しい人にさえ言えずに来た。
あの記事を
政府、警察が
国会の場で丸ごと追認したというのに
何もできなかった。
しなかった。
情けない話だ。
これは音声ドキュメント
北朝鮮による
日本人拉致事件の
シリーズ第5話です。
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この作品は
元産経新聞社会部記者
安倍政美による著書
メディアは死んでいたを
再構成したものです。
一人の少女の拉致事件が
政府、世論を大きく変える
きっかけとなります。
では、次回。
産経新聞社がお届けする
戦後紙開封
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