変化への抵抗のメカニズム
こんにちは。今日の探究へようこそ。
あのー、これ絶対いいアイデアだって思ったのに、なぜか組織でなかなか通らない。
あなたもそんな経験ありませんか?
今日はですね、そのフラストレーションの根っこにあるもの、つまり変化への抵抗の裏側ですよね。
ここにある私たちの脳の仕組みに迫っていきたいと思います。
よろしくお願いします。
今回の手がかりは、【変化への抵抗、脳科学からのアプローチ】という記事です。
これを読み解きながら、あなたの熱意ある提案が、いや前例がないから、この一言で壁にぶつかる、その本当の理由を探っていきましょう。
これ驚くんですけど、その抵抗って単なる意地悪とかそういうんじゃなくて、脳があなたのアイデアを文字通り脅威として認識しているせいかもしれないと。
そうなんです。問題は、相手の性格がどうとかいうことよりも、むしろ脳の基本的な安全システムにあることが多いんですよね。
安全システムですか。
はい。安定を最優先するように設計された脳の一部があって、それが変化に対して無意識にブレーキをかけちゃう。これが抵抗感の正体かもしれないんです。
なるほど。脳がアイデアを脅威として認識する。それは具体的にはどういう仕組みになってるんでしょう。
脳の奥の方に変動体っていう部分がありまして。
変動体。
はい。これが一種の警報装置みたいなものなんです。新しい未知の状況にパッと出会うと、おっと危険かもって反応して。
反応するんですね。
それでストレスホルモンのコルチゾールっていうのを分泌させるんです。
へー、コルチゾール。
そうすると体はちょっと緊張して、思考はどっちかっていうと、今のままがいいっていう現状維持の方に傾いちゃうんです。
だからあなたがこれいいぞってワクワクしてる提案も相手の脳からすると、なんかこう暗闇から急に何かが飛び出てきたみたいな反応を引き起こしちゃうことがあるんですね。
なるほど。自分にとっては改善、でも相手の脳にとっては未知イコール危険っていうシグナルが出ちゃうわけですね。
あの確か脳内物質のセロトニンとドーパミンこれも関係してるんでしたよね。
まさにその通りです。セロトニンっていうのは安心とか安定を司っていて、いつも通りを好む、そういう状態を支えるんですね。
ふむふむ。
一方でドーパミン、これは快感とか意欲に関わっていて新しい刺激を求める。だから変化を起こしたいあなたは、もしかしたらドーパミンが有意な状態かもしれない。
そして現状維持を望む、抵抗しているように見える相手はセロトニンが有意な状態かもしれない。
ただこれ重要なんですけど、どっちが良い悪い、優劣じゃないんです。
あーなるほど。
なんというか搭載されている脳内OSが違うみたいな、そういう風に考えると分かりやすいかもしれません。
脳内OSの違いですか。面白いですね。特に歴史のある組織とかだと慣れたやり方とか前例ってすごく重視されますよね。
ええ、これもそのセロトニン的な安定を求める文化みたいなものと関係があるんでしょうか。
そうですね。組織が安定を保つっていう上では、まあ合理的な面も確かにあるんです。
でもその結果として波風を立てないとか失敗を避けるっていうことが学習されていく。
そうすると変化イコールリスクみたいな感じで捉える文化が根付きやすいんですね。
だからあなたの新しい提案っていうのは、その確立された安心をある意味揺るがすものとみなされて、
変動体が反応しやすい、そういう環境とも言えるかもしれない。
うわーなんか脳の仕組みと組織文化ががっちり結びついちゃうと、抵抗が生まれるのもなんか無理ない気がしてきました。
効果的な提案方法
じゃあこの脳の反応をちゃんと理解した上で、どうすればその壁を乗り越えやすくなるんでしょうか。
資料では具体的なアプローチが提案されてましたよね。
はいありましたね。脳の特性を踏まえた3つのステップです。
まず一つ目なんですけど、脳に優しい言葉への翻訳。
脳に優しい言葉?
ええ、これはつまり変動体の警報を鳴らさないようにする工夫ですね。
例えばこれは画期的ですみたいに目新しさをすごく強調するんじゃなくて、
これは既存の〇〇を少し改良する形なんですよとか、これはダリダリで実績のある〇〇の応用なんですみたいに。
ああなるほど。
相手がすでに知っている安心材料と結びつけて説明して、警戒心を和らげる。
と、なるほど。新しいものを未知の脅威とじゃなくて、すでにあるものの延長線上にあるものとして見せる、フレームするってことですね。
これは使えそうですね。じゃあ2つ目のステップは何でしたっけ。
2つ目はですね、未来への安心感をストーリーで届けるということです。
ストーリーで?
ええ、変化ってやっぱり不安が伴いますよね。
でもそれを上回るような期待感を脳に与えるアプローチです。具体的な成功事例。
例えばA社さんではこれで〇〇がこれだけ改善したんですよとか、あるいはもし導入した場合のポジティブな未来像を具体的に語る。
なるほど。
それからまずは小さく試して効果を見てみませんかっていう提案も、リスクに対する心理的なハードルをグッと下げるのに有効です。
ストーリーで安心感を確かにデータだけ見せられるよりずっとイメージしやすいですよね。そして3つ目は?
3つ目が小さな成功体験を一緒に作る段階的実行プランです。
小さな成功体験。
はい。いきなりこう大きな変化をドーンと求めると、やっぱり抵抗は強末なんです。
まあそうですよね。
なのでまずこの部分だけで試してみませんか?みたいに提案してリスクを最小限に抑えながら、
あ、これなら大丈夫そうだとか、あ、ちょっと良くなったかもっていう小さな成功体験を相手に積んでもらう。
この出来たっていう経験が変化への抵抗感を徐々に溶かしていくんですね。
なるほどなあ。こうやってステップを踏むんですね。
視点の転換とコミュニケーション
でもやっぱり抵抗されるとついカッとなったり、自分自身が否定されたみたいに感じてしまいがちですけど。
ああ、わかります。でもそれはちょっと違うかもしれないんです。
多くの場合、それは相手の脳が本能的に安定を守ろうとしている。そういうサインなんですよ。
サインですか?
ええ。ああ、今相手の偏頭体がアラーム鳴らしてるんだなとか、セロトニンがもっと安心感を求めてるんだなみたいに。
相手の脳の使用として捉える。それだけであなたの気持ちも少し楽になりませんか?
確かに。相手の脳の使用と考えると見方が変わりますね。
今回の探究で、その変化への抵抗の裏にある脳の仕組みと、相手の脳内OSに合わせたコミュニケーション。
これがすごく重要なんだなっていうのがよくわかりました。
変革への情熱は、それはそれで大事にしつつ、その届け方というか、橋のかけ方ですかね、これを少し工夫することが突破口になりそうですね。
まさにそうですね。なんでわかってくれないんだってこう嘆く前に、もしかしたら自分の伝え方が相手の脳のOSにうまく翻訳されてなかっただけかもしれないなって、そういうふうに考えてみる。
この視点の転換が次の一歩を踏み出すための結構大きなヒントになるかもしれませんよ。
いやー、本当にそうですね。視点の転換。
さて、最後に皆さんに一つ問いを投げかけてみたいと思います。
それは、あなたが今直面しているその抵抗は本当に反対なのでしょうか。
それとも、単なるあなたと相手の脳内OSかの翻訳エラーなのでしょうか。
この問い、ぜひ一度持ち帰って考えてみてください。
そして、もしこうした組織の中でのコミュニケーションの難しさとか、あるいはご自身のアイデアを形にしていくプロセスについて、継続的にもっとヒントが欲しいなぁと感じるならですね、
今回の資料の著者が配信しているタドウ迷子アップデート通信というメールマガジンも何か役に立つかもしれません。
詳細は概要欄に記載しておきますのでご確認ください。
それではまた次回の探究でお会いしましょう。
ありがとうございました。