注目行動の理解
この番組は、ティーチャーティーチャーで親御さん向けのペアレンツプログラムの講師をしているkumiが、日々の気づきをシェアしていく番組です。
ということで、第2回目、今回のテーマは、注目行動にはコミュニケーションを成立させないことが大事、というお話です。
注目行動、例えば、物を投げたり、壊したり、唾を吐いたりとか、してほしくないことをわざとしているような状況。
その行動をして、明らかに注目を得ようとしているな、とかそういう場合に、叱らずに減らしていく方法をシェアしたいなと思います。
キーワードは、コミュニケーションを成立させないっていうところです。
物を投げたり、壊したり、唾を吐いたりして注目を得ようとする行動に、この対応をすると、その行動は徐々に減っていきます。
そうすることで、親側としては叱るためのエネルギーを使わずに済むし、子供は叱られないので傷つかずに済むだろうし、
良くない行動が減って、逆に良い行動が増えていくので、褒められることが増えて、親も子どももハッピーになれるんじゃないかなと思って、ぜひシェアしたいなと思いました。
先にどんな理論なのかというところをお話ししますと、何か目的のために行動をした結果、その目的が達成されなければその行動はしなくなるっていう理論なんですけど、
例えば、自動販売機にお金を入れてもジュースが出てこないっていうことが繰り返されたら、もうその自動販売機でジュース買わないですよね。
これを応用行動分析学では消去って言ったりするんですけど、この原理を使って望ましくない行動を減らしていくっていうことになっていきます。
つまり、注目を得るための望ましくない行動に対して注目を得ることができないっていう結果を作ることで、その行動が減っていく。
全然構ってくれないじゃん、反応してくれないじゃんっていう結果が出ていくことで、もうじゃあやんないよっていう風になっていくっていう感じですよね。
具体的にじゃあどうするのかっていうと、基本的な対応としては望ましくない行動をしたら反応しない、構ってあげないでいいんですけど、
もしなんか物を投げたりとか壊したりする行動っていうのが繰り返されている場合は、取ってほしい対応があるんですけど、
まず本人の手をスッと取って、投げたものを一緒に拾いに行くとか、壊したものを一緒に片付けに行くっていう対応なんですけど、
この時のポイントが、とにかく淡々と行うこと、怒った顔もしないし、もう何やってんのとかも言わないし、目も合わせないし、つまりはコミュニケーションを成立させないっていう状況を作るんですよね。
その行動をしても全く注目してもらえない、全然構ってくれないっていう状況です。
で、その拾ったものとかを元の位置に戻したら、元のママ、パパに戻ってOKなんですけど、もう叱ったりとかお説教とかしなくていいんですよね。
ただこの対応っていうのをシンプルにやる。逆に良い行動をした時とか、その望ましくない行動ではない行動をしている時に目一杯かまって反応して注目してあげる。
これを同時進行でやっていくと、だんだんと望ましくない行動っていうのは減っていきます。
具体的な対応法
実際に私も実践しているんですけど、我が家には2歳のモンスターがおりまして、まさにイヤイヤ期、もう少しでも自分の思い通りにならなかったら怒って泣いて、おもちゃ投げたりとか、おにぎり投げたりとかしちゃうんですよね。
2歳児そういう時期だっていうことはもちろんわかっているので、全ての行動にブローチしているわけではないんですけど、この間わざとパンを投げるっていう行動があったので、食べ物は投げてほしくないなぁと正直思ったので、ちょっとこの対応を取らせてもらいました。
すっと本人の手を取って、もう一切目も合わせず、コラとも言わず、ただただ手を取って落ちたパンを拾ってゴミ箱に一緒に捨てるっていう対応をしてみたんですよね。
そしたらね、本人が投げたらダメよねーって自分で言いました。
これね、他の場面でも結構使えて、小さいお子さんとかだと、わざと大人の顔を叩いたりとか、こうかまってかまってしてくるじゃないですか、でもある程度、その場のコミュニケーションとして、セーフかなっていうところに関してはしなくていいんですけど、
やっぱり顔を叩いたりすることってダメとか、そういうことって本人が理解しないといけないので、結構このコミュニケーションを取らない対応っていうのはした方がいいかなと思っていて、我が家でも顔とか叩いてきたら、もうこちらが真顔でしませんって低い声で言ったりとか、すっと手を取ってやめさせるっていうことをしたりするんですよね。
で、これちっちゃい子にだけ対応できる方法なのかなってちょっと思われたかもしれないんですけど、どの年齢のお子さんでもできます。まあ言ったら大人にもできるんですけど、日々を受けているある受講生のお子さんは、小学3年生の子がいるんですけど、この子も注目行動としてテーブルの上のものを床に落とすとかそういうことがあったんですけど、
ある時、おにぎりを床に投げたんですよね。そうすると床にご飯粒がバーってついちゃった状態になってて、で、その時に親御さんがすっと手を取っておにぎりを一緒に拾うっていう対応されたんですよ。
そしたら本人が、もう自分でやるっていう風に言ったので、わかったということで、お母さんは一旦席を外して、で、しばらくして戻ってきたら綺麗に片付いて、ちゃんとおにぎりを拾っていたっていう状況があって、で、本人がごめんなさいって素直に謝ってきたっていうことがあったそうなんですよね。
なので、親御さんも床に落とすことは良くないよね、けどその後ちゃんと落ち着けたよねみたいなことは褒めてあげて、その望ましくない行動以外のことはしっかり褒めてあげるというか、認めてあげるっていうような対応を取ってくださったので、そんな風に本人も素直にごめんなさいっていう風にできたのかなと思いました。
で、こんな風に良くない行動についてはコミュニケーションを取らない、徹底して反応しないっていうこと、それ以外の行動に対してはしっかり注目して反応してあげる。
これを繰り返していくことで、自然と良くない行動は減っていって、やってほしい行動というか望ましい行動は増えていくっていう風に、人間の行動ってそういう風な原理が働いているので、それをぜひ実践に生かして参考にしてほしいなと思います。
本日も最後までお聞きいただきありがとうございました。