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2025-02-27 07:50

「うまくいかないとオモチャを投げる」にどうヨイ出しする? #5

ティーチャーティーチャーで親御さん向けのペアレンツプログラムの講師をしているkumiが日々の気づきをシェアしていく番組。


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保護者サポート歴7年 / スクールソーシャルワーカー / 社会福祉士 / 福岡在住3児のママ


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サマリー

今回のエピソードでは、アドラー心理学に基づく「ヨイ出し」を用いて、子供の問題行動を減少させる方法が紹介されています。特に具体的な事例を通じて、良い行動を褒めることが問題行動の改善に繋がることが強調されています。

ヨイ出しの提案
この番組は、ティーチャーティーチャーで親御さん向けのペアレンツプログラムの講師をしているkumiが、日々の気づきをシェアしていく番組です。
ということで、今回のテーマは、「ヨイ出しで問題行動が減っていったお話」です。
ヨイ出しとは、ダメ出しの反対で良いところを指摘していこうという、アドラー心理学の研究者の岩井俊則さんが提唱されている手法で、ティーチャーティーチャーのラジオでもよく出てくる言葉かと思います。
今回は、そのヨイ出しという視点を持って、良くない行動やしてほしくない行動を減らしたいと思うと、ついダメ出しとかしないでとか、その行動をやめさせるような声かけをしてしまうけれども、
実はそれ以外のできていることを褒めた方が、良くない行動が本当に減っていくんだよっていうことをお伝えしたくて、
なぜ今回そのテーマにしたかというと、日々の受講生の方がお子さんの問題行動に困っている時に、できていることを褒めることに取り組んでもらったところ、その問題行動がピタリと収まったという出来事があったので、これはぜひシェアしたいなと思いました。
この方法をやってみることで、お子さんも叱られることが減って、親御さんも怒りのストレスが減っていくので、お互いにハッピーになれるんじゃないかなと思います。
ということで、具体的にどんな事例だったのかをまずお話しします。受講生は年長の男のお子さんをお持ちのお母さんです。
困っていた行動というのは、主に観尺行動で、一人で遊んでいる時などに、うまくいかないと大きな声を出したりとか、おもちゃを投げたりとか、お母さんに当たったりすることがあったそうで、そのような行動に対して、良くないよとか注意をすると、今度は自分の頭を叩くっていうこともあったので、お母さんはどのように対応すればいいのかというのがわからなくて、とても困っていました。
状況をしっかり伺ったところ、本人はそのような観尺行動を良いとは思っていない様子で、落ち着いてから話をすると、それは良くなかったということが振り返ることができるということでした。
ということは、本人にもその課題意識があるということがわかったので、物を投げる以外の代わりになる行動を本人に提案してみるのが良いかもしれませんねということで、代替行動の提案というのをしてみました。
代替行動として提案したのは、紙に殴り書きをするというものだったんですけれども、数日後にすぐ親御さんから連絡が来て、その代替行動を提案したんだけど、1回だけしかしてくれなくて、それ以降は興味を持ちませんと。
観尺の時間は短くなった気がするんだけど、まだ物を投げたりとかするし、自分をたたえたりしますと。どうしたらいいんでしょうかというふうにメッセージをいただきました。
そこで私がちょっと提案させてもらったことは、まずは代替行動が1回しかできなかったっていうのを、逆に行動のレパートリーを1つ手に入れることができたっていうふうに考えてみるのはどうでしょうかということと、
観尺の時間が短くなってきた気がするっていうふうにおっしゃったので、それは短くなったよねっていうふうにポジティブに本人にフィードバックしてみていいと思いますよっていうことと、
あとは少しでも良い行動が見られたら、褒めてポジティブなフィードバックをしてみるのはいかがですかねっていうふうにお伝えをしてみました。
すると受講生のお母さんは分かりましたということでやってみますというふうにメッセージをもらいました。
それから2週間後に面談でお話を伺ったところ、なんとあれから観尺行動が全くなくなりましたとおっしゃったので、
ポジティブ行動支援の効果
えっと、何が起こったんですかというふうに私もびっくりしたんですけど、具体的にどんなことをされたんですかっていうふうに伺ってみると、良いところをとにかく褒めようと思ったので、それをまずはあら探ししましたと。
本人がイライラして物を投げようとした時に一瞬躊躇った瞬間があったので、その瞬間に今我慢したねって言ってみたそうなんですよ。
そしたら本人が投げるのをやめたり、えらいよく我慢したねってまた褒めてあげたそうなんですよ。
そうしているうちに今度は本人が僕今投げなかったよえらいよねって自分で言うようになったそうなんですよ。
なのでそうだよねえらいよねってまた褒めて、そんなことを繰り返しているといつの間にか物を投げるってことは全くしなくなったそうなんですよね。
これ本当なんですよ。事実なんですよね。すごい酔い出しの極みだなあっていうふうに私は思ったんですよね。
で、この関わり方っていうのは行動分析の分野ではポジティブ行動支援っていうふうに言われています。
できないことではなくてできていることに着目してそこを褒めていくことで問題行動が減っていくっていう支援方法です。
私が読んだ行動分析学研究の論文でとっても興味深かったのがとある中学校で取り組まれた事例なんですけど、
とにかく生徒の問題行動が多く見られた中学校にこのポジティブ行動支援を行ったところ問題行動が激減したっていう論文があります。
具体的に何をしたかというと先生が数をカウントするカチカチカウンターを持って1日15回生徒の良い行動を褒めるっていう支援内容だったんですよ。
これまではその生徒の問題行動に対して教員が廊下の巡回をしたりとか問題行動が起きた後の注意をしたりとか
別室指導したりとか学年集会したりとか保護者連絡したりっていう風な、いわゆる生徒指導的なことですよね。
それをやっていたんだけどそのポジティブ行動支援を行ったところ状況が変わって問題行動が減っていったっていう論文でした。
まさに酔い出し効果だなっていう風に私は思いました。
なのでお子さんの困った行動をどうにかしたいって思ったらまずできていることをとにかくあら探ししてみてください。
そして良い行動ができた瞬間に褒めてポジティブなフィードバックをする。
そしたら良くない行動っていうのは減っていきますよっていうことを今回お伝えできたらなと思いました。
ぜひやってみてほしいなと思います。
最後までお聞きいただきありがとうございました。
番組の感想や聞きたいことなどがありましたら概要欄にお便りフォームのリンクを貼っておりますのでぜひぜひお寄せください。
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