ポジティブ行動支援の目的
この番組は、ティーチャーティーチャーで親御さん向けのペアレンツプログラムの講師をしているkumiが、日々の気づきをシェアしていく番組です。
今回は、前回の配信で家族で取り組むポジティブ行動支援を行うときに、
なんで、やらなかったらシールを貼れなくなるよとか、喜びがなくなってしまうことっていうのを脅し文句にしてはいけないのか、その理由についてお話ししたいと思います。
で、喜びがなくなってしまうことを脅し文句にすることって、子育てをしている中でよくある関わりだと思うんですよね。
私も、ちゃんとやらなかったらおやつなしだからねとか、ちょっと言いがちなところがありまして、ごくごく自然に使っているこの喜びがなくなることを脅し文句にするっていう関わり方が、一見すると子供のしつけにこう操すものだと見られがちなんだけど、
そこには落とし穴もあって、特にポジティブ行動支援みたいにポジティブな行動を引き出すような手続きをしているときには、この手法は使わないほうがいいよっていうことをお話ししたいと思っています。
ポジティブ行動支援の視点で子供と関わることっていうのは、本当に効果的で家族の関係性も良くなるし、お互いにとってストレスが少ない方法なんだけど、やり方を間違ってしまうと兄弟の関係とか親子関係っていうのが逆に悪くなる可能性もあるので、
ここの部分については丁寧にお話ししたいなと思ったので、今回回を分けて配信しようと思いました。
前回の配信を聞いてポジティブ行動支援やってみたいなって思った方とか、普段そういうふうに喜びを取り除くような声かけをして関わっている人で、これでいいのかなと疑問を感じている方とか、
なかなかやってはいけない行動をやめてくれなくて困っているっていう方には、ぜひ聞いていただきたい内容です。
より良い関わりを知ることで、子どもも親もお互いにとって負担が少ない状態でできることを増やしていけると思うし、きっと親子で笑顔が増えていくと思います。
ということで本題に行きますね。前回お話しした家族で行うポジティブ行動支援の内容では、家族でお互いにいいこととか嬉しい言葉を言い合うことで、
ハートポイントっていうのが溜まっていって、みんなで楽しいイベントを目標にしようっていう取り組みでした。
その結果、観客とか兄弟喧嘩とかそういう良くない行動が減って、ポジティブな言葉が家の中に溢れていったということでした。まだ聞いてない方はぜひ聞いてみてください。
そしてこの取り組みを実行するときに注意してほしいこととして、それやったらハートポイントたまらないからねみたいに喜びを奪うような脅し文句を言わないでねっていうことを前回お伝えしました。
なんでそんな関わりをしてはいけないのか。丁寧にお話ししますね。先にこの理論についてお話ししますと、このような関わり方を応用行動分析学では行使消失による弱化っていうふうに言います。
本人にとって嬉しいこと、これを行使と言いまして、好きという字に子供の子で行使と書きます。この好きなことを取り除くことによって特定の行動の頻度を減らすっていうのが行使消失による弱化、弱めるっていう手続きです。
例えば、子供が宿題をしないときにゲームの時間を取り上げるといった対応が、この行使消失による弱化にあたります。このような関わりはよくすることだと思うんですけど、適度に使うのには問題はないのかもしれないんですけど、使うことによるリスクっていうことを知っておくことは大事だと思うんですよね。
特に今回のようなポジティブな行動を強化するような取り組みに関しては、絶対にしてほしくないという理由があります。それが大きく3つありまして、一つ目が負の感情とか反発を引き起こしやすいという点です。
想像できると思うんですけど、そういった喜びを取り上げるっていう関わりをすることで、相手に不満とか怒りとか反抗心っていうのを生じやすくなりますよね。特に親子とか兄弟とかそういう関係性がある場合、その信頼関係が悪化するっていう恐れがあります。
おそらく前回の配信の事例でいくと、そんなことしたらハートポイントたまらないよっていう言い方をしてしまうと、子どもは想像なんですけど、おそらくじゃあもうやんないとか、お母さんが悪いんでしょと反発してきて、もしかしたらそこで感触行動っていうのが起こるかもしれないですよね。
感触行動を減らすためのポジティブ行動支援っていうのが、逆に感触を増やすきっかけになってしまうみたいなことになって、本末転倒だなということですよね。
そして2つ目がその1つ目の問題点と関連して、そういうふうに負の感情とか反発っていうのを引き起こすことで、その後のコミュニケーションがうまく取れなくて、望ましい行動、良い行動を引き出すきっかけっていうのがどんどん失われてしまうということですね。
せっかく取り組んでいるポジティブ行動支援の効果がどんどん薄れていってしまうということになります。そして3つ目に人とのコミュニケーションに条件をつける関わり方っていうのが癖になってしまうっていうリスクがあると思います。
親が日頃から宿題しなかったらおやつは抜きねというような関わりを日常的にやってしまうと、子ども自身が友達に対しても言うこと聞かないなら遊んであげないよみたいな関わりをしてしまう可能性があるんじゃないかなと思います。
ここは私が一番リスクを感じる部分でもあって、時々使うのには問題ないと思うんですけど、日々の関わりがいつもこんな風だと当然子どもは学んでいくんじゃないかなと思います。
効果的な関わり方
対策として良くない行動をとったときはどうしたらいいのかっていうことが大事になると思います。前回も少しお話ししたんですけど、良くない行動をしたら淡々と対応するっていうことが大事で、特に注目行動に関してはコミュニケーションを取らない。
ペア連続の第2話でもこの辺りをお話ししてるんですけど、あと物を壊すなどの良くない行動をした場合は、そのものをちゃんと元に戻すとか修理するとかいう手間をかけさせるっていう方法があります。
宿題とかやるべきことについては事前にルールを決めておくってことが大事で、やらなかったらおやつ抜きよっていう言い方じゃなくて、宿題が終わったらおやつを食べようねっていう風に喜びは後ろに待ってるよっていう関わり方をするといいと思います。
とはいえ毎日子育てをしてると、こんなことしたらおやつ抜きよと言いたくなる場面はたくさんあると思います。私もそうです。なので、時々使うことは別に悪くないと思います。
ただ、リスクを知って常用しないっていうことを心がけていればそれでいいんじゃないかなと私は思います。ということで、今回は喜びがなくなってしまうことを脅し文句にはしてはいけないその理由についてお話ししました。
もし配信を聞いて実践してみましたとか、やってみたけど難しかったなどのお声があれば、ぜひお便りを通じてシェアしていただけたら嬉しいです。お答えできることがあれば全力で答えていきたいと思います。
お便りフォームのリンクを概要欄に貼っておりますので、その他質問でも感想でもメッセージ一言だけでもいただけるととっても嬉しいです。
今回も最後までお聞きいただきありがとうございました。また次回の配信でお会いしましょう。