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第15回 歴史のバトン【戦国編】第9走者 徳川綱吉(3/3話
2026-07-01 07:11

第15回 歴史のバトン【戦国編】第9走者 徳川綱吉(3/3話

徳川綱吉の第3話

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こんばんは、今夜もまた、おやすみ歴史ラジオの時間がやってきました。 ベッドに入って、一番リラックスできる姿勢で聞いてね。
前回は、命をゴミのように扱う戦国時代の荒々しい空気を変えるため、綱吉が悩み抜いた末に発霊した、生類哀れみの霊の本当の姿を見てきましたね。
それは動物だけでなく、捨て子や雪倒れの人々を救うための日本初の社会福祉政策でもありましたが、役人たちの行き過ぎた取締りによって、町の人々との間に深い溝が生まれ、綱吉は激しい誤解と孤独の暗闇の中に突き落とされることになりました。
それでも綱吉は、母の温かい励ましを心の支えに、父との約束である命を慈しむ国を作るため、その十すぎる十字架を背って歩み続けることを決意したのです。
それからの綱吉の人生の後半は、まるで天が彼の覚悟を試すかのような過酷な試練の連続でした。江戸の町を、かつてないほど巨大な天変地異が次々と襲ったのです。
まずは、富士山が大噴火を起こしました。江戸の空は昼間でも真っ暗な灰に包まれ、美しい町に容赦なく黒い火山灰が降り注ぎました。
さらに、町を焼き尽くす大火事や、多くの命を奪う大地震、そして大型の台風による大洪水が、まるで嵐のように一気に押し寄せたのです。
これほど不吉な災害が続くのは、将軍が生き物をエコヒーキするような、おかしな法律を出して世の中を乱しているからだ。
町の人々や大名たちは、災害の恐怖や辛さをすべて綱吉のせいにし、彼への批判や呪いの言葉は火を負うごとに激しさを増していきました。
しかし、綱吉はどれほど避難の嵐にさらされても、生類あわれ身の霊を止めることだけは絶対にしませんでした。
むしろ、天災によって家を失った人々や、親を亡くした子供たちがあふれている今だからこそ、困っているものを絶対に見捨ててはならないと、さらに厳しく命を救うための指図を出し続けたのです。
世間からの激しい批判に耐えながら、孤独な戦いを続けていた綱吉でしたが、ついにその心身を支えていた最大の柱を失う時がやってきます。
長年、自分のすべてを信じて支え続けてくれた最愛の母親、お玉が静かにこの世を去ってしまったのです。
たった一人の理解者を失った綱吉の悲しみは、計り知れないほど深いものでした。
江戸城の広い部屋で一人、年老いた綱吉は、白くなった髪を震わせながら、ぽろぽろと涙を流していました。
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しかし、それでも彼は倒れるわけにはいきませんでした。
母が命を懸けて教えてくれた優しさと、父から託されたバトンが、まだ彼の両手に残されていたからです。
それから数年後、綱吉自身にも、人生の終わりの時が静かに近づいてきました。
病の床に伏せった綱吉は、自分の命がもう残り少ないことを悟り、枕元に次の時代を担う大切な家臣たちを呼び寄せました。
そして、かすれそうな声を振り絞り、最後の願いを伝えたのです。
私が死んだ後、多くの者が私の生じを批判し、あの生類あわれ身の霊をすぐになくそうとするだろう。
それは構わない。しかし、どうかお願いだ。
生き物を哀れみ、弱い者を慈しむというあの法律の根本にある優しい心だけは、未来の江戸から絶対に消さないでおくれ。
それが、綱吉がこの世に残した最後の言葉でした。
綱吉が息を引き取ると彼が心配していた通り、生類あわれ身の霊はすぐに廃止され、江戸の町は大喜びする人々の歓声に包まれました。
歴史の記録には、悪政を行った愚かな将軍として、綱吉の名前が霊国に刻まれることになります。
しかし、綱吉が命がけで戦った二十数年の歳月は、決して無駄ではありませんでした。
法律が消え去った後も、江戸の町からは、かつて当たり前だった辻斬りや、赤ん坊を道端に捨てるような残酷な光景は、もう二度と戻ってくることはなかったのです。
綱吉の厳しすぎる法律によって、人々の心の中には、命を大切にするという当たり前で最も大切な優しさが、消えない種としてしっかりと根付いていました。
法律がなくなっても、人々の心に残った優しさの種は、江戸の町に驚くほど美しい大輪の花を咲かせることになりました。
刀を捨て、楽門や芸術を愛するようになった人々によって、きらびやかで豊かな玄禄文化という、日本の歴史上最も華やかな時代が幕を開けたのです。
綱吉が命がけで戦ったおかげで、江戸は世界中のどの国よりも犯罪が少なく、小さな子供や動物たちが安心して暮らせる、世界一穏やかで治安の良い町へと生まれ変わりました。
人々はいつしか辻斬りの恐怖に怯えることもなく、お互いを思いやりながら平和な日々を心から楽しめるようになっていたのです。
多くの誤解を背負い、歴史の悪者として生きる道を選んだ綱吉。
しかし、彼がその身を挺して守り抜いた命のバトンは、確かに次の世代へと引き継がれ、徳川の大平をさらにその先へと繋ぐための消えない灯火となりました。
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誰に褒められなくとも、ただ大切な人の遺言を信じ、弱い命のために戦い続けた綱吉は、今、江戸の町を包む優しい川のせせらぎや、穏やかな夜風の中に溶け込んで、私たちの安らかな眠りを静かに見守ってくれているのかもしれません。
さあ、綱吉が守り抜いたこの穏やかな江戸の町に、やがて時代の大きなうねりとともに、海の向こうから全く新しい風が吹き込もうとしています。
次の奏者は、一体どのような物語をこの国にもたらすのでしょうか。
それはまた別のお話、今夜のお話はこれでおしまいです。
激しい嵐の中でも、生き物を慈しむという純粋な優しさを貫き通した綱吉の、気高く温かい心にそっと寄り添いながら、今夜はどうか、全ての力を抜いて、心地よい毛布に包まれてゆっくりとお休みくださいね。
それでは、おやすみなさい。
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