00:02
今晩は、今夜もまた、おやすみ歴史ラジオの時間がやってきました。ベッドに入って、一番リラックスできる姿勢で聞いてね。
前回は、信長が本能寺の辺で倒れた後、秀吉が200kmもの距離を奇跡のスピードで駆け戻り、見事に明智光秀を打ち果たした中国大返しのお話をお届けしました。
信長の仇を取ったことで、織田家の新しいリーダーとしての地位を固めた秀吉。今夜は、そんな秀吉がいよいよ戦国時代に終止符を打ち、日本を一つにまとめる天下統一のクライマックスのお話です。
光秀を倒した秀吉の前には、次なる大きな壁が立ちはだかっていました。それは、織田家を長年支えてきた筆頭家老、柴田勝家です。勝家は、家柄も何もない農民上がりの秀吉が、織田家のトップのようになっていくことがどうしても面白くありませんでした。
これからは自分が織田家を引っ張るという勝家と、いや信長様の夢を継ぐのはこの秀吉だという二人の間で、ついに激しい戦いが始まります。ここでも秀吉の、人の心をつかむ天才的な外交術が発揮されました。秀吉は力任せに戦うのではなく、事前に勝家の周りにいた大名たちへ、次々と熱い手紙を送ったのです。
その内容は、信長様の仇を討ったのは誰か、世界を平和にできるのは誰か、どうかよく考えてほしい。もしこちらに味方してくれるなら、あなたたちの領地はこれからの新しい時代でもしっかりと守ることを神に誓う、というものでした。
ただ脅すのではなく、相手の不安を消し去るような未来のビジョンを丁寧に伝えて、得意のコミュニケーション力で味方を増やしていったのです。そして、今の滋賀県にある戦賀岳という場所で決戦の幕が上がります。最初、勝家の軍勢は秀吉が別の戦場へ出払っている隙をついて有利に戦いを進めていました。
勝家は秀吉が戻ってくるまでにまだ数日はかかると完全に油断していたのです。ところが秀吉は、ここでまたしても奇跡のスピード戦術を見せつけます。なんと、約50kmもの距離をわずか数時間で駆け戻ってきたのです。これに驚き、恐怖した勝家の軍勢は、戦う前から戦意を喪失し、相崩れとなってしまいました。
こうして秀吉は、柴田勝家を見事に破ります。さらに秀吉の前に現れた最後の、シャドウであり最大のライバルが、あの徳川家康でした。家康は非常に慎重で、戦いも滅砲強い大名です。
一度は激しくぶつかり合いましたが、秀吉はこれ以上家康と戦いを長引かせれば、日本中がまた荒れ果ててしまうと考えました。そこで秀吉は、天下人としての圧倒的な器の大きさを見せる驚くべき作戦に出ます。
03:16
なんと、自分の妹を家康のお嫁さんとして、さらに自分の母親を人質として家康のもとへ送り届けたのです。これは、私はあなたを100%信頼しています。だから、もう無駄な戦いをやめて、一緒に新しい平和な日本を作りましょうという、秀吉からの究極のメッセージでした。
家康も、これほどの手を打たれてはこれ以上戦う大義名分がありません。秀吉の底知れない実力と、大切な家族さえも交渉に使う恐ろしいほどの覚悟を認め、家康はついに秀吉に侵入すること、つまり秀吉の部下になってその天下を支えることを決めたのです。
こうして、かつてのライバルたちを次々と味方に引き入れた秀吉は、1590年、ついに日本全国の大名を従え、100年以上も続いたあの恐ろしい戦国時代を終わらせる天下統一を成し遂げたのです。
貧しい農民の家に生まれ、家柄もお金もなく、猿と呼ばれて笑われていた男が、ついに日本のトップに立った瞬間でした。天下を取った秀吉が最初に言ったこと、それは自分の権力を自慢することではなく、二度とこのような悲しい戦争が起きないための平和な国づくりでした。
秀吉は対抗堅持という全国の田んぼの広さを正確に計る仕組みをつくり、農民たちが不公平なく安心してご飯を食べられるようにしました。
アンドもう一つ、歴史の教科書にも必ず載っている有名な約束を決めます。それが刀刈りです。秀吉はお寺の大きな大仏様を作るから、という理由で、全国の農民たちから刀や弓、鉄砲といった武器をすべて集めました。
武器を持っていれば、また誰かが喧嘩を始めて、戦争が起きてしまう。だから、武器は武士だけが持ち、農民は農業に専念して、みんなで平和に暮らそう、というルールをつくったのです。
自分が農民の出身だからこそ、戦争で一番苦しむのは一般の農民であることを、秀吉は誰よりも痛いほど知っていたのです。後に秀吉は、大阪に日本一巨大で立派なお城、大阪城を建てました。
きんぴかに輝くそのお城の天守閣から、秀吉は広がる街並みを眺めながら、何を思ったのでしょうか。憎りを胸で温めていたあの冬の日、命がけで山を駆け降りたあの嵐の夜。たくさんの思い出が頭を駆け巡ったに違いありません。
06:00
豊臣秀吉の人生は、どんなに苦しい環境に生まれても、アイデアとスピードと、そして人を思いやる情熱があれば、未来は自分の手でいくらでも変えられるということを、現代の私たちに教えてくれています。激動の戦国時代を明るいキャラクターで駆け抜け、日本に平和をもたらした猿のストーリーは、これでおしまいです。
それでは、今夜もお話はここまで。お布団をしっかりとかけなおして、ゆっくりと深い眠りについてね。素晴らしい夢が見られますように、おやすみなさい。