2025-12-13 15:49

EP3 子どもを“変えよう”とする前に:親ができる本当に効果的な一歩とは

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どんなに頑張っても、子どもが思うように動いてくれない。
こんなこと、よくありますよね。
そのたびにイライラしたり、自己嫌悪になったり…。
多くの親御さんが同じ悩みを抱えています。

今回の記事は、そんな親のフラストレーションを大きく減らすための大切な視点—
「コントロールできるもの」と「できないもの」を区別すること
についてお話しします。

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サマリー

親が抱える子育てのフラストレーションとその根本的な原因を探り、効果的な解決策を提示しています。具体的には、自分がコントロールできる領域に集中し、子どもに影響を与える方法や手放すべきことを認識する重要性を伝えています。親が子どもをコントロールしようとすることが、さまざまな悩みの原因となっています。自分の反応を理解し、コントロールできる範囲を見極めることが、子育てにポジティブな影響をもたらす鍵となります。

子育てのフラストレーションとその要因
皆さん、こんにちは。親も育つ子育てへようこそ。野田徳子です。
今日も、子育てをもう少し楽にするヒントをお届けします。
こんにちは。では、野田徳子さんと一緒に、子育てに役立つ話をしていこうと思います。
さて、今回は、親御さんが抱える子育てのフラストレーションと、それを減らすのに効果的な方法について深く見ていきます。
徳子さん、よろしくお願いします。
はい、よろしくお願いします。
子育てのフラストレーション。私もたくさん抱えているので、この問いの確信にぜひ迫っていきたいですね。
はい。今日のミッションはですね、この日々のフラストレーションは何から来ているかを理解することと、これを劇的に減らすための鍵についても話していきます。
よろしくお願いします。
では、質問です。朝、学校に行く時間なのに子どもがグズグズしてたりとかいうことありますか?
あー、よくありますね。
他にも子どもが宿題そっちのけで、ゲームに夢中だったりとか、親がイライラすることありますよね。
確かに。
私たち親のイライラの出発点って、まさにこういう子どもが親が望まないことをしている場面にあるみたいですよね。
まさに。
そして、なぜ子どもが自分の言うことを聞いてくれないのだというフラストレーションになる。
そうです。
その感情の根っこをたどっていくと、私たちが無意識に持っているある種の前提に行き着くんですよね。
無意識の前提ですか?
はい。それは例えば、親は子どもをちゃんとコントロールして良い方向に導くべきだとか。
まさに。
親が子どもにやるべきことをやらせないととか、子どもができないのはやる気の問題だから親は子どもにやる気を出さないととか、また子育てがうまくいかなかったら、それは親の自分の努力が足りないからだみたいな。
あー、真面目な人ほどそう思っちゃいそうですね。
そうなんです。ある意味すごく責任感の強い考えなんですけど、実はこの真面目さこそが苦しさのスタート地点になってしまっているという。
え?どうしてなのでしょう?親として何か当たり前の感覚のようにも思えますけど。
なぜなら、その前提の奥に子どもはコントロールできるはずの存在だという思い込みが隠れているからなんです。
あー。
私たち親は子どもを操作できるととまで思っている。この考えが非常に苦しい本尊にもつながっているんですよね。
でもここが一番重要なんですけど、子どもって本質的に誰にもコントロールできない存在なんですよね。
コントロールできない?
はい。子ども自身は自分をコントロールすることは可能ですが。
うーん、それは確かに頭ではわかっているつもりでも、親としては感情的にはなかなか受け入れがたい事実かもしれませんね。
ついこの子のためにと思って子どもの行動を変えようとしちゃいますから。
その気持ちはもう痛いほどわかります。でもちょっと考えてみてほしいんですけども。
はい。
子どもの行動ってその時の脳や神経系の発達レベルとか感情とか体調とかそういう無数の要因に常に左右されているじゃないですか。
確かに。
だから彼らが自分の発達レベルや感情に左右されて行動する。彼らは親の期待とか論理だけでごくプログラムされた見引き会ではないんですよね。
うーん。
このある意味でちょっと残酷とも言える事実をまずそういうものなんだと受け入れること。
コントロールと影響の戦略
はい。
これが実はフラストレーションから抜け出すための最も効果的な第一歩になるんです。
なるほど。コントロールできないものをしようとするからエネルギーを消耗して苦しくなっちゃうんですね。
その通りです。
でもじゃあ何もしないで諦めろっていう話ではないですよね。
もちろんです。諦めるのとは全く違います。
では親としてそのエネルギーをどこに向けるのが一番効果的なんでしょうか。
むしろエネルギーを正しい場所に集中させるっていうより戦略的とも言えるアプローチなんです。
戦略的。
戦略的。
物事を3つの領域に分けて考えてみます。
3つに。
はい。
1つ目の領域。そしてこれが一番重要なんですが、これは自分でコントロールが可能なものです。
この領域に入るものってたった1つしかないんです。
たった1つ。
それは一体自分自身です。
自分自身。
具体的に言うと自分自身の言葉や行動。
例えばカットした時にどんな言葉を選ぶか、どんな行動に出るか。
なるほど。あなたがコントロールして起こせる変化の起点というのはこの自分の領域にしかないということなんです。
つまり子供の反応はコントロールできなくても、その反応に対する自分の反応はコントロールできると。
そうです。
これは大きな視点の転換ですね。
そうなんです。では2つ目の領域。これがあなたが影響を与えられるもの。
影響。
はい。直接コントロールはできないけれど、私たちの関わり方次第で良い方向に動く可能性を秘めた領域ですね。
影響ですか。具体的にはどういうことでしょう。
例えば親子関係の質。私たちがどんな表情でどんな言葉をかけるかで関係性って日々変化しますよね。
ええ、しますね。
他にも、例えば子供が行動しやすくなるような環境設定。
環境設定。
朝の支度がしやすいように前の晩に準備をしておくとか、ゲームの前に宿題をするっていうルーティンを一緒に作るとか。
ああ、なるほど。
これも子供を直接コントロールするんじゃなくて、望ましい行動が自然と起きやすくなるように影響を与えるアプローチです。
強制じゃなくて、あくまで土壌を整えるっていうイメージですね。
まさに落ち着いた口調とか共感的な態度がコミュニケーションの雰囲気全体に良い影響を与えるっていうのもここに含まれます。
相手がいることだから100%の成功はないかもしれないけど、ポジティブな影響を与えられるかもしれない。
そう、だから自分がコントロールできることに意識を向け、できることをした後、次にエネルギーを注ぐべきなのがこの影響の円なんです。
自分がコントロールできることをした後に、この影響の円に意識を向ける。
そうなんです。もちろん悪い方向に動く可能性も秘めてますからね。
そして最後の3つ目の領域。
手放すべき領域と悪循環
はい。
これがコントロールも影響もできないもの。
ああ。
ここにある事柄は意識的に手放すことがストレスを劇的に減らす鍵になります。
手放すべき領域。ここを認識するのが一番難しいかもしれません。
そうですよね。例えばどんなことがこの領域に入るんでしょうか。
まず子供が生まれ持った脳の特性ですね。
脳の特性。
すごく活発な子もいれば、繊細で感受性が強い子もいる。これはあなたの力では変えられない。
確かに。
他にも過去に起きてしまったこと。昨日の親子喧嘩とか自分の失敗とか。
あるいは学校の先生とか他の親からの評価。
学校の制度、そして何より子供の成長ペースそのもの。
はい。
これらは全て私たちのコントロールの外側にあるものなんです。
うわぁ、聞いてて耳が痛いです。特に他者からの評価はつい気にしちゃいます。
わかります。先生との面談で子供のことを指摘されると、なんか自分が責められているように感じてしまったり。
うん。でもそれも手放すべき領域にあるんですね。
他人の評価を気にしたらダメとかいうことではないんです。
気になるのは自然なことなんですが、ただその評価を変えようと先生を攻撃したり、子供を叱ったりして子供をコントロールのたまにエネルギーを使うのは無駄だし悪循環の始まりとなります。
私たちが今エネルギーを使い果たしている問題は、もしかしたらこの手放すべき領域にあるかもしれません。
そうなんですよ。そしてここからが興味深いところなんですけど。
はい。
私たちのほとんどがこのアプローチの順番も根本的に間違えているんです。
順番を間違えている。
多くの親御さんが無意識のうちに逆の流れをやってしまっているんです。
逆の流れ。
まずコントロールできない子供を変えようと試みる。
はい。やりますね。
でもうまくいかない。するとイライラして親自身の心、つまりコントロールできるはずの自分が不安定になるんです。
目に浮かぶようです。
そして親が不安とか怒りを抱えたまま子供に向き合うと、それに対して子供は防御反応で心を閉ざしたり、萎縮しちゃってさらに動けなくなる。
それを見た親は、なんでこんな簡単なことがわからないのってもっとイライラしてしまう。
悪循環だ。
この負のループが親と子の両方の神経系を巻き込んでどんどん悪化していくんです。
じゃあ、その悪循環を断ち切るための正しい流れっていうのはどういうものでしょうか。
親も育つ子育てでは、何が正しいとか間違っているとかジャッジはしません。
でも効果的な方法と聞かれたらそれはシンプルで、さっきの縁の中心から始めるんです。
中心から。
まず、コントロールできる唯一の存在である自分に集中して、自分の状態を整える。
はい。理論はわかるんですよね。
でも正直なところ、頭でわかっていても、カッとなった瞬間に冷静に何がコントロール可能か考える自信がないです。
そうですよね。
コントロールと影響の理解
僕の親御さんがそうだと思うんですけど、この理想と現実のギャップを埋めるには具体的にどうしたらいいのか。何かいい方法ありますか。
素晴らしい質問ですね。あります。
よかった。
これは知識として知るだけじゃなくて、やっぱり日々の練習が必要なスキルですからね。
はい。
では、紙とペンを用意してください。そこまでやる余裕がない方は頭の中だけでもできます。すごくシンプルなワークです。
ぜひ教えてください。
コントロールの円と影響の円のワークです。まず大きな円を描いて、その中に小さい円を入れ子になるように書いてみてください。
ドーナツみたいな形ができますよね。
はい。イメージできました。
では、ステップ1です。中心の小さい円の中にあなたが直接コントロールできるものを書き込んでみてください。
はい。
ここには何が入るのでしたっけ。
自分の言動に関することですね。
例えば、子供に何か言う前に3秒待つこととか、子供にかける声のトーンを一つ下げることとか、子供にかける最初の言葉を決めるとか。
あ、具体的でいいですね。私の場合は朝イライラしそうになったら、まず一杯の水を飲むとか、深呼吸をするとか書けそうです。
いいですね。次にステップ2。
はい。
小さい円と大きい円の間、ドーナツの部分にあなたが影響を与えられるものを書きなします。
影響を与えられるもの。
例えば、家の落ち着いた雰囲気づくりとか、寝る前の絵本の時間を確保することとか。
私なら、子供が宿題をしやすいように、食卓を片付けておくことかな。
あ、いいですね。これも直接的なコントロールじゃなくて、あくまで環境への影響ですもんね。
その通りです。そして、最後のステップ3。
大きい円の外側に、あなたがコントロールも影響もできないものを書き出します。
はい。
例えば、学校の先生からの評価、子供の生まれ持った実行能力のレベルとか、先ほどお話しした手放すべき領域のものです。
書き出してみると、自分が悩んでいることの多くが、実はこの円の外にあることに気づかせられそうですね。
そうなんです。
このワークの目的は、自分のエネルギーの矛先を可視化することなんですね。なるほど。
ご自身で書き出したものを眺めてみて、何に気づきますか?
今すぐ手放すことで、あなたの心が少し軽くなるものは、円の外にありませんでしたか?
うーん。
それに悩む時間とエネルギーを代わりに、コントロールの円にあることに使ったら、どんな変化が起きそうですか?
これは定期的にやってみる価値がありそうですね。
ありがとうございます。
はい。
さて、今回のポッドキャストも終わりに近づいてきましたが、今日のお話をまとめていただけますか?
はい。子育ての苦しさの多くは、コントロールできない子供という存在を、何とかコントロールしようとすることから生まれます。
ええ。
でも、私たちが本当に100%コントロールできるのは、自分自身の反応だけ。
はい。
そこから始めること、自分の心を整えることから始めることで、初めて子供との関係や周りの環境にポジティブな影響を与える扉が開かれるっていうことでした。
まずは自分ですね。この考え方は、諦めではなくて、より効果的な戦略だというお話もありましたよね。
ええ。そこがすごく重要で、これは子育てを諦めることとは全く違うんです。
はい。
自分のコントロールが効く領域へ自分の貴重なエネルギーを賢く配分する非常に戦略的なアプローチなんです。
自己の反応に焦点を当てる
ああ、賢いエネルギーの使い方。
そうです。それは子供を力で抑えつけるよりも、はるかにパワフルで、何より子供のトラストとかつながりを深めてくれる方法なんです。
その視点は、多くの親御さんにとって大きな勇気になると思います。
ええ。
そこで最後にあなたに一つ考えてみてほしいことがあります。
もし今週、あなたが自分の反応をたった一つ、自分がコントロールできることに集中するとしたら、何をしますか?
うーん、例えば、腹が立った時に子供に何か言う前に一回深呼吸をするとか。
いいですね。それを実践したら、そのたった一つの小さな変化が、あなたの家庭の空気にどんな影響を与えると思いますか?
うーん、子供が私が落ち着いているのを見て、ちょっと落ち着くかもしれません。
いいですね。それこそがあなたが唯一コントロールできるもの、つまり自分自身をコントロールすることで、お子さんにポジティブな影響を与えるということなんです。
なるほど。それはすごくわかりやすいですね。
ええ。
ありがとうございます。今日のお話をまとめると、まず子供はコントロールできないという事実を受け入れる。
はい。
その上で、自分がコントロールできる唯一のもの、つまり自分自身にまず意識を向ける。
その通りです。
そうすることで、結果的に子供との関係にも良い影響が生まれてくるということですね。
はい、まさしく。そのコントロールを手放すということこそが、親が楽になる近道なんです。
だからといって、もちろん子供を放っておくという意味ではありません。そのあたりはこれからのエピソードでお話ししていきます。
わかりました。楽しみです。さて、次回は脳の力、エクセクティブファンクションについてお話ししていただけるんですね。
はい。子供の問題行動は脳の力が大きく関係するという視点についてお話ししたいと思います。
楽しみです。本日は貴重なお話をありがとうございました。
こちらこそありがとうございました。では次回またお会いしましょう。
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