EP18【理論と視点】 なぜ「分かっているのに」怒鳴ってしまうのか?脳の仕組みと新しい自分との向き合い方
2026-03-28 15:51

EP18【理論と視点】 なぜ「分かっているのに」怒鳴ってしまうのか?脳の仕組みと新しい自分との向き合い方

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「またやってしまった……」とお子さんの寝顔を見ながら、一人で後悔に襲われる夜はありませんか?

私たちが「分かっているのに」怒鳴ってしまうのは、性格や愛情の問題ではありません。それは脳の「扁桃体」という部分が引き起こす、ある種のサバイバル反応です。

今回は、脳科学の「扁桃体ハイジャック」の仕組みと、内的家族システム(IFS)の視点から、イライラの正体を解き明かします。

自分を責めるのをやめ、心の中にいる「パーツ」とどう向き合えばいいのか。その第一歩を、ニュージーランドで総合診療医・メンタルヘルスプラクティショナーとして活動する野田徳子がお伝えします。

【映像とスライドで詳しく学びたい方はYouTubeへ】 このエピソードの内容を、スライド資料と共に動画でご覧いただけます。

(https://youtu.be/JeQ6JZKJQ7I)

🔸 この番組について

このポドキャストでは、Dr. Norikoこと、野田徳子が「子育ては全人的な健康の要」という信念から創設した『親も育つ子育て™️』に基づいて語ります。このモダリティーで使われている脳神経科学、心理学、内的家族システム(IFS)、ポリベーガル理論、サイコセンソリーテクニックを使ったリラックス法などについて説明します。

🔸 『親も育つ子育て™️』の本について

本編でお話ししている内容の多くは、『親が先に酸素マスクを』(書籍)に基づいています。

📘 書籍情報ページ「親が先に酸素マスクを」(ウェブサイト)Kindle unlimitedに入っている方は、無料で読めます。

https://www.amazon.co.jp/dp/B0G2KDJXZJ

 

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サマリー

このエピソードでは、親が子供に怒鳴ってしまう原因が性格や愛情不足ではなく、脳の「扁桃体ハイジャック」というメカニズムにあることを解説します。扁桃体が危険を察知すると、理性的な判断を司る前頭前野がフリーズし、サバイバルモードに切り替わるため、分かっているのに怒ってしまうのです。さらに、内的家族システム(IFS)の視点から、怒りの感情も自分を守ろうとする「パーツ」の働きであると捉え直し、自己批判のパターンから抜け出す方法を紹介します。怒りのパーツを観察し、その意図を理解することで、自分自身をケアし、結果として子供への最善の贈り物となることを伝えています。

はじめに:怒鳴ってしまう自分への罪悪感
こんにちは。ニュージーランド在住の総合診療科医師、メンタルヘルスプラクティショナーの野田徳子です。今日もお疲れ様です。
もしかすると、今、お子さんに怒鳴ってしまった後で、罪悪感を抱えながらこの動画をご覧になっているかもしれません。
あるいは、また同じことを繰り返してしまう自分に、いつも怒鳴ってしまう自分に限界を感じて、ここに来てくださっている方もいらっしゃるでしょう。
今回お話しするのは、精神論ではありません。
怒った時に、あなたの脳の中で、科学的に何が起きているのか、そのメカニズムを冷静に、客観的に見ていきたいと思います。
そして、それを心の視点で理解する方法として、内的家族システムという心理療法の見方を簡単に紹介します。
これを実際に、他の人と一緒に実践していく方法として、コミュニティも2026年5月から開くので、興味がある方は詳細欄をご覧ください。
お子さんの寝顔を見ながら、このように感じる夜はないでしょうか。
ああ、また怒ってしまった。どうして私はいつもこんな怒りっぽいんだろう。
優しい親でありたいのに、そんな風に後悔することがあるかもしれません。
私は何回もありました。
もし、あなたが心当たりがあるならば、この動画はあなたのために作成しました。
最初にお伝えしたいことがあります。
分かっているのに怒鳴ってしまうのは、あなたの性格の問題ではありません。
愛情が足りないせいでも、忍耐力がないせいでもありません。
これは純粋に脳の仕組みによる現象なんです。
「プツンと切れる」瞬間の脳科学的メカニズム
具体的な場面を想定してみましょう。
朝の忙しい時間、すでに3回。
今日履く靴片方はどこに行ったの?見つけなきゃ学校に遅れるよ。
と言いました。
しかしお子さんは聞いていない。
4回目を言おうとした瞬間、何かがプツンと切れるような感覚。
そして気がついたら、大きな声で怒鳴っていた。
こうした場面に聞く覚えはないでしょうか。
このプツンと切れる瞬間、私たちの脳と神経系では一体何が起きているのでしょうか。
その科学的なメタニズムを詳しく解説していきます。
改めて強調しておきたいと思います。
怒鳴ってしまうのは、あなたの忍耐力が足りないからでも、お子さんへの愛情が欠けているからでもありません。
もっと我慢しなきゃと自分を責めたり、精神力で解決しようとしたりする必要はないんです。
実はこれ、あなた自身の脳の仕組みが引き起こしている現象です。
具体的に頭の中で何が起きているのか一緒に見てみましょう。
人間の脳の奥深くには、アーモンドくらいの大きさの扁桃体という部分があります。
扁桃っていうのは日本語でアーモンドのことですね。
喉にある扁桃もアーモンドみたいな大きさで形なので扁桃と呼ばれます。
そしてこの脳の中にある扁桃体、これは非常に原始的で古い部分なんです。
扁桃体の役割はただ一つ、危険を察知して、瞬時に体を守ることです。
原始時代、人間が猛獣に襲われていた頃、この扁桃体が素早く反応することで私たちの先祖は生き延びてきました。
考える前に戦うか、逃げるか、それを可能にするためのとても優秀な警報システムなんです。
問題は、現代になって今でもこの古いシステムが私たちの脳に残っているということです。
もちろん、危険を察知することは今でも現代でも大切なのですが、
実際には命には関わらないようなことでも危険と察知して、扁桃体が活動してしまうことが問題になることがあるというわけです。
お子さんが言うことを聞かない、時間がない、余裕がない、そういう状況が重なったとき、扁桃体はそれを危険だと判断します。
私たちの命を脅かす原子時代の脅威と、現代の育児ストレス、扁桃体にはその区別がつきません。
扁桃体が危険と判断した瞬間に、頭の中で何かが起こります。
扁桃体が危険だと判断した瞬間、脳の前頭全野がフリーズします。
前頭全野とは、今は怒鳴るべきではない、深呼吸をしよう、といった冷静な判断を担う、いわば理性の脳です。
扁桃体が作動すると、この理性の脳がオフラインになってしまいます。
分かっているのにできないと感じるのは、この状態を指します。
意思の力でどうにかできるその段階を超えて、脳がサバイバルモードに切り替わっているのです。
扁桃体が脳全体を乗っ取ってしまう感じになるこの現象を、脳神経科学では扁桃体ハイジャックと呼びます。
この時、理性の脳は機能しません。
例えるなら、骨折した足で、なぜ走れないんだ、と自分を責めているようなものです。
脳神経学的に不可能な状態で、ご自分を追い詰める必要はありません。
ですから、なぜあんなに怒鳴ってしまったんだろう、とご自分を責めなくてもいいのです。
内的家族システム(IFS)による怒りの捉え方
ただ、いつもこうやって怒りをコントロールできず、怒鳴ることを繰り返していたら、どうにかして変えたい。
そう思いますよね。
怒るのって、自分でもすごく苦しい。
そう感じている人もいると思います。
それに、あなたが怒ることで、お子さんや周りの人にネガティブな影響を与えていることに、あなたはすでに気がついているかもしれない。
そんなあなたのパターンを変えるのに役立つのが、内的家族システム、Internal FamilySystem、略してIFSという心理療法の視点です。
ここからは、私がトレーニングを受けて、日常使っているIFS、内的家族システムという心理学的アプローチの視点を話します。
IFSでは、人間の心を一つの塊としてではなく、たくさんの部分、たくさんのパーツが集まった家族のようなシステムと捉えます。
私たちの中には、がんばり屋のパーツ、神経症のパーツ、そして今日お話している怒りのパーツなど、多様なパーツが存在していると考えます。
例えば、こうやってYouTubeのために録画をしている私の中には、ちょっと不安でドキドキしているパーツや、新しいプロジェクトにワクワクしているパーツ、
世の中のためになりたいと使命感に燃えているパーツがいます。
それは、私の全部ではなく部分、つまりパーツであるわけです。
同じようにあなたが怒鳴ってしまったとき、それはあなた自身のすべてが怒りに染まったわけではありません。
あなたの中にいる怒りのパーツが全面に飛び出しているという状態です。
怒ったときに、私はダメな親だと自分全体を否定するのも、自己批判するあなたのパーツです。
これが起こっては、自分を責めるというパターンなのです。
怒るパーツが出てくると、その後には自己批判のパーツがまた出てくる、そういうパターンですね。
このパターンを繰り返す代わりに、腹が立ったときに、
ああ、今私の中に怒りパーツが出ているなぁと、少しだけ離れて観察してみます。
自分とパーツとの間に、わずかな隙間を作るようなイメージですね。
もしも最初は怒りを感じたときに、それができなくても大丈夫です。
怒ってしまった後に、ああ、あの時私の怒りのパーツが出たなぁ、
そして今は自己批判のパーツが私を責めていると、振り返ってみてください。
IFSの重要な考え方は、どんなパーツもあなたを傷つけるためには存在していないということ。
すべてのパーツはあなたを守ろうとする肯定的な意図があるんです。
怒りのパーツでさえ決して悪者ではありません。
怒りなんてネガティブな感情じゃないか。他の人も傷つける。
どうしてこれに肯定的な意図があるんだ。これは悪者だろうと思うかもしれません。
多くの他のカウンセリングの方法では、こういうネガティブな感情を悪者扱いしてきました。
できるだけ怒りが出てこないようにハンガーマネジメントが必要だとか。
でもここでは一旦、今まで私たちが教えられてきたそういう考え方やり方をちょっと脇に置いて、
IFSの視点で見てみることはできないでしょうか。
この怒りのパーツがあなたが深く傷つかないように先回りをして、
怒りというエネルギーで武装し、必死にあなたを守ろうとしていた。
そういう考え方です。では怒りのパーツは何からあなたを守っているのでしょう。
お子さんが言うことを聞かないとき、その心の奥底には、
自分はちゃんとした親ではない。何をやっても無意味だという非常に強い痛みのある無力感や
みずめさが生まれています。
怒りのパーツはあなたがその耐えがたい感覚に飲み込まれないように、
盾となって守っているのです。
そう考えるとこの厄介だと思っていた怒りのパーツに対しても少し見え方が変わりませんか。
これから試してみれることがあるとしたら、それは怒ってはいけないと蓋をするのではなく、
これは私のパーツが私を守ろうとしてくれているんだな、と捉え直してみること。
このパーツがどんなことを心配して出てくるかは、この先少しずつご自分が、
ご自分の内面とつながりを深め理解していくプロセスでわかってきます。
怒りのパーツとの向き合い方と実践ワーク
私のYouTubeビデオではその役に立つことを発信していきます。
こうやって怒りがあなたの一部であり、あなたを守る意図があって出てくるのだと考えるだけで、
怒りに対する感じが少しずつ変わってくるはずです。
ここからは実際にイラッとした時にできる、瞬間にできる具体的な対処法をお伝えします。
次にイラッとした瞬間、心の中でこの3つのステップを試してみてください。
ステップ1は心の中で、ああ怒りのパーツが出てきたなと名前を呼びます。
ステップ2、体のどこでその感覚を感じているか少しだけ探してみます。
胸がザワザワする。奥歯をかみしめている。ただそういうことを確認するだけで大丈夫です。
ステップ3、評価をしない。
ああまた出た、ダメだと責めるのではなく、ああそこにいるんだねと認める。これだけです。
感情に名前をつけることで、理性の脳である前途善逸が再び働き始めることが研究で示されています。
これは客観的に自分を見るというメタ認知をしていることにもなります。
このワークは完全にできなくても、完璧にできなくても構いません。
となってしまった後で思い出したとしても十分に意味があります。
あああの時怒りのパーツが出ていたんだなと後から気づくだけでも、それが積み重なることで、脳と神経系の反応は少しずつ変わっていきます。
ご自身を評価するのではなく、ただ観察するという練習を始めてみてください。
まとめ:自分をケアすることの大切さ
今日お伝えしたことをまとめます。
となってしまうのはあなたの意思が弱いからではありません。
扁桃体ハイジャックという脳の中に神経学的な状態が起きているからです。
そしてその怒りはあなたの中の怒りのパーツがあなたを守ろうとして懸命に働いている証拠です。
あなた自身の脳と心に何が起きているかを知り、自分をケアすることがまず一番重要なんです。
あなたが親御さんであれば、それが結果としてお子さんへの一番の贈り物になります。
最後に親御さんのあなたに伝えたいことがあります。
飛行機ではまず親が先に酸素マスクをと言われますよね。子育てでも同じです。
まずはあなたが自分自身を整え、自分を理解するところから始めてください。
機械はそのイライラの奥にある本当の感情についてさらに深掘りしていきます。
今日も最後まで聞いてくださってありがとうございました。
もしも今回の内容が少しでも役に立てたなら、高評価ボタンで教えていただけると励みになります。
またこれからも、農家学や心理学の視点からあなたの安全感を育む情報を届けていきますので、
よろしければチャンネル登録してまたこの場所を訪れていただけたら嬉しいです。
ではまた次回。
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