-
-
スピーカー 1
胎児よ、胎児よ、なぜ踊る?母親の心がわかって恐ろしいのか?
始まりました。「大人の近代史」よろしくお願いします。
スピーカー 2
よろしくお願いします。
胎児よ、胎児よ、なんだろう?これお母さんのお話?
スピーカー 1
これね、ドグラマグラの関東歌なんだよね。
スピーカー 2
なんだそれ?わかんないな。
ドグラマグラっていうのが、読むと精神に異常を来たすと評された小説なんだよね。
文学で聞きましたか。
これね、ちょっとまず門川書店のキャッチコピーみたいなのをちょっと紹介させていただきたいんだけれども。
スピーカー 1
このドグラマグラに対して、ドグラマグラは天下の奇書です。
これを投了したものは、数時間以内に一度は精神に異常を来たすと言われます。
読者にいかなる事態が起こっても、それは本書の原話回帰の内容によるもので責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。
スピーカー 2
小説の帯あるじゃん。
スピーカー 1
あそこにこのキャッチコピー書いてあるんだよ。
スピーカー 2
へー、そうなの?
スピーカー 1
先に言っておくと、別に精神に異常は来たしませんっていうのがあるんだけど、
スピーカー 2
ただ、それぐらいちょっと読むとおかしくなっちゃうんじゃないかっていうぐらいおかしい話なんだよ。
スピーカー 1
今日はね、ドグラマグラについてやりたいと思います。
スピーカー 2
はい。
まずドグラマグラなんだけれども、作者は夢の旧作っていう人なんだよ。
スピーカー 1
夢の旧作は1889年生まれで1936年に亡くなる。47歳で亡くなっているんだけれども、
スピーカー 2
ちなみに夢の旧作っていうのは本名じゃなくていい。ペンネームだと思ってもらえればいいんだけれども、
スピーカー 1
この人ね、結構いろいろ小説家になる前に農園経営やってたりとか、僧侶やったりとか、新聞記者をやったりとかっていう感じで点々として最終的に小説家になるんだよ。
スピーカー 2
小説家っていうか作家ね。
はい。
スピーカー 1
っていうかこの人の代表作はもう本当ドグラマグラ1本って思ってもらっていいんだけど、他にもあるけどね。
ドグラマグラがとにかく一番有名で、このドグラマグラっていうのは構想に10年、執筆に10年かかったっていうぐらい、すごい20年かけて作った大作なわけよ。
スピーカー 2
そうなの?
スピーカー 1
そう。でこの人ね、作家の時期って10年ぐらいしかないんだよ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
だから執筆10年っていうのはもう本当ドグラマグラにだけかけたような感じなんだよね。作家人生を。構想はずっとは持ってたっぽいんだけれども。
スピーカー 2
あーすごい長いね。
スピーカー 1
そう。でドグラマグラって1935年に出版されるんだけれども、夢の旧作はさっき言った通り1936年、その出してすぐ翌年に亡くなっちゃう。
スピーカー 2
あーそうなの。
そう。でドグラマグラはその亡くなった後に有名になっていったっていうところで、夢の旧作が生きてる間にものすごく有名になったっていうものではないんだよね。
小説家あるあるの亡くなってからの方が人気出るみたいなさ、そういうパターンの、これもそのパターンの部類だということです。
スピーカー 2
はい。で早速もう後あらすじに入っちゃいたいんだけれども、このね、先にちょっと言っておくと、この話ねマジで難しいんだよ。難しいっていうかねなかなか理解がしがたいんだよ。
スピーカー 1
だから俺も多分間違ったことを言うかもしれない。理解が間違ってて間違ったことを言うかもしれないっていう。それは本当に容赦してほしいなっていうところです。
あの批判は別にいいけど、あのじゃあ読んでみろよって俺は言いたくなるもん本当に。わかんねえからって。
スピーカー 2
でも正解はないんでしょう?
スピーカー 1
正解ないよ。正解はないけどたださ、書いてあることの捉え方を間違える可能性はあるわけじゃん。
スピーカー 2
うん。
っていうところね。
スピーカー 1
はい。まあそんな感じであらすじに入りたいと思います。
はい。
まずこの冒頭は関東化から、関東化の冒頭で言った関東化から始まって、その後急にブーンっていうなんか犠牲語っていうのから始まるんだよ。
スピーカー 1
うん。
ブーンって何だと思う?
スピーカー 2
え?車が来る音。
スピーカー 1
普通ブーンは車だよね。俺もそう思うんだけどさ、これ時計なんだよ。
スピーカー 2
えー。
スピーカー 1
で、これね、後々その夢の旧作が多分モチ、そのモデルにした時計みたいなのが出てくるんだけど、これなんかイメージので言うところの大きなノッポンの古時計みたいな、そんな感じ。
スピーカー 2
はいはい。
スピーカー 1
ああいう時計のなんか音がブーンみたいな音なのか。ちょっとそこはもうあの俺はちょっと正直わからない。理解にちょっと苦しんだところなんだけど。とりあえず冒頭はこのブーンっていう音で始まるのよ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、コンクリートの一室に主人公がね、閉じ込められているところから始まるの。
スピーカー 2
あ、そうなの?
スピーカー 1
そう。で、この主人公、自分が誰なのか、で、また何で今ここにいるのかがわからないんだよ。気づいたら、なんかブーンっていう時計の音とともに目が覚めるとコンクリートの室にいて、閉じ込められてるのよ。
で、自分が誰だか、何でここにいるのかはわからない。こういう状態。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、なんかその隣の部屋から若い女性の声で、お兄様って、自分のことを多分言ってるんだろうなっていう感じで、お兄様っていうのが聞こえてくるのよ。
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
で、すごいもうなんか隣の女性ももうすぐ叫んでるような感じで、なんかこれ関わっちゃやばいんじゃないかみたいな、そんな感じで絡んでくるわけよ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、だから話しかけなかったんだけど、そこはもう無視して、そうすると若林っていう法医学者がそこに今度現れるのよ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、「何であなたがここにいるんですか?」みたいな説明をされるわけよ。
で、ちなみにこの時、このドグラマグラの舞台が大正15年の11月20日なのよ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、大正15年の11月20日ですと今は。で、ここは九州帝国大学の精神科病棟で、一月前に自殺した正木博士っていう人がいるんだけれども、
スピーカー 2
その正木博士は精神医学者だったんだけれども、その正木博士の実験台としてあなたはここにいるんですよっていうことを言われるの。
うん。
スピーカー 1
で、隣の部屋にいて叫んでた女の子。これは、あなたって主人公なの?主人公のいとこでかつ婚約者のもろ子っていう女性らしいのよ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
っていうことを言われるの。で、正木博士はもう亡くなっちゃってるから、この若林、若林教授なんだけれども、
正木博士の意思をついて、この主人公、私が何者なのかっていうのを思い出させたいっていうふうに思ってるっていうことを伝えてくるわけ。
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
すっげえ簡単に言うと、記憶喪失の主人公が記憶を取り戻すために私は何かしてあげたいんですみたいなことを言ってるわけよ。すごい簡単に言うとね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
これはちょっとイメージ問題で、実際はもっと全然もっと深いんだけれども、ちょっとイメージとしてはそんな感じ。