1. 「大人の近代史」今だからわかる日本の歴史
  2. #150「恥ずかしながら生きなが..

★番組運営のため寄付を募集しています☞ https://otokin.com/sponsorship 戦後、約28年間グアム島のジャングルで過ごした日本兵 穴を掘りその中で誰にも気づかれずに生き抜いた なぜ彼は一人で穴の中に・・・ そしてなぜ生き残る事ができたのか・・・ --------------------------------- ★お便りはこちら☞ https://bit.ly/2YkUaRB

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00:04
スピーカー 1
物を作ることが目的なのではなく、作っていることが生きていく心の支えだった。
始まりました、「大人の近代史」よろしくお願いします。
スピーカー 2
よろしくお願いします。まあ家庭を大事にするってことかな。
スピーカー 1
ああ、これはね、この人だからこそ出てきた言葉だなって、ほんとしみじみ思った、これは。
スピーカー 2
ああ、そうなの?誰?
スピーカー 1
今日のテーマでもある横井庄一さんです。
スピーカー 2
あ、横井さん?
スピーカー 1
うん。
スピーカー 2
横井さん、何か作ってたの?
スピーカー 1
横井さんはめちゃめちゃ作ってたよ。
スピーカー 2
え、そうなんだ。俺、あまりよく知らなくてさ。
スピーカー 1
ああ、そうなんだ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
そうそう、まあこの人はさ、戦後さ、約28年間、グアム島のジャングルにいたところも発見された人なんだけど、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
まあ中でもさ、穴の中で過ごしたっていうエピソードも結構有名なんでね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
そう、まあ今日はそんな横井庄一さんをやりたいなって思ってます。
スピーカー 2
ほい。
スピーカー 1
あ、で、ちょっとこれさ、あの、一応言っとくんだけど、穴っていうワードがいっぱい出てきちゃうんだけど、
それはあくまでも土の中の穴ってとこだから、そこだけちょっと言っとくね。
スピーカー 2
ああ、小片郎の好きな穴じゃないわけね。
スピーカー 1
やめろ、歴史番組なんだよ。
スピーカー 2
いや、違うの?小片郎は穴マニアだから。
スピーカー 1
もういいよ。
スピーカー 2
あ、いい?あ、そう、引っ張んなくていい?
スピーカー 1
なんでそこ。
スピーカー 2
じゃあ、ということで、まず彼の生い立ちから話していきたいんだけども、
スピーカー 1
大正4年に彼は洋服職人の山田庄一さんと鶴さんとの間に一人っ子として生まれたんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
そう、で、両親はね、庄一さんが幼い時に離婚していて、その後ね、母親の実家で育つ。
スピーカー 2
ああ、だから名前が違うんか。
スピーカー 1
ああ、そうそうそう。だから、あとお母さんにずっと幼い時育ててもらったっていうところがあるんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、しばらくして鶴さんは再婚して横池に突入だんだよね。
スピーカー 2
ああ、で、横井さんになったんだよね。
スピーカー 1
そうそうそう。で、それで横井の生になったんだよね。
スピーカー 2
ああ。
スピーカー 1
で、あの、15歳に洋服店に弟子入りをして、横井庄一さんは仕事をするんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、そこで5年間ぐらい働いて、その後一人で洋服店を開業してるの。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
ま、洋服店って言っても、当時注文を取りに行って、ミシン1台で洋服をこう、仕立てるというか。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
そんな仕事なんだけども。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、彼のね、職人気質の仕事ぶりっていうのは、周りから結構評価されてたみたい。
スピーカー 2
ああ。
スピーカー 1
で、時はその1938年に、その日本の軍に臨時招集されるんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、中国に1年ほど渡って、また日本に帰ってきて、あの洋服作りをしてる。
03:00
スピーカー 1
うん。
で、それからね、少し経って1941年に再び軍に招集されて、満州の奉典将良陽ってとこに配属になってる。
うん。
で、その年はさ、日本はアメリカの真珠湾を攻撃して、太平洋戦争に突入した年なんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、それから日本っていうのはさ、海戦当初は、東南アジアやグアムなんかの南方の島々を占領統治していったんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、たださ、徐々に日本は劣勢となって、南方からさ、そのアメリカ軍が勢力範囲を拡大してきたんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、それに対抗するために日本は、あの満州にいた軍を南方の島々にも配置をしてる。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
そう、サイパンとかテニアンとかグアム島なんかね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、あと満州にいた横井さんはさ、あのグアム島に配属されるんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
そこではね、補給部隊に所属していて、食料や弾薬を輸送する任務なんかをしていて、で、その隊のね、分隊長を務めてた。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、グアム島にはね、当時その約2万人の日本兵が配属をされたとされていて、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
アメリカ軍の新軍に備えて防衛を強化していたんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、日本軍はグアムの現地人を強制労働させたりとか、陣地の構築をさせたりもしてる。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、また土地を取り上げて2万人近くを収容所に送り込んだりとか、中に殺害もしてるんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
そうそう、これはさ、それまでグアムってアメリカの統治下にあったからさ、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
まあ、そういった意味でさ、その日本の味方をしてくれないだろうっていうのもあって、こういうことをしてるんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
だから、多くの現地人の恨みを買ってるっていう事実がまあここにあるんだよね、まず。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、1944年の7月にサイパン島が陥落して、アメリカ軍はグアム島へ向かうんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、上陸前にね、アメリカは飛行機とか艦隊からの空爆とか艦砲射撃を徹底的に行って、まあその後上陸をしてる。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、多くの日本兵はね、まあ予測してその地下号に待機をしてたんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、上陸の際に、まあ一斉に反撃を開始したんだけども、ただそのアメリカの圧倒的な兵力だったり火力の前に、
日本兵の戦死者は続出してって、グアム島のその奥地へ後退していくことになるんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、その後もね、生存兵で何度か反撃に出たりもしたんだけども、圧倒的に大敗して敗走してる。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、日本軍の指揮官クラス含め、多くの兵士が戦死、自決するなどして、日本兵の組織的戦争っていうのは上陸から約20日間ほどで終わってる。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、残った残存兵っていうのは、ジャングルなんかのその密林に立てこもるなどして、まあバラバラになってったんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、その後もアメリカ軍はジャングル内に潜んでる日本兵を討伐しに行って、多くの日本兵はそこで亡くなってったりするんだよね。
06:07
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
結果ね、約8割以上の日本兵っていうのは命を落としてるんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、生き残った兵士もね、そのジャングルの中で自給自足の生活を送るっていう道を選ぶことになったんでね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、その中に横井昌一さんもいたんでね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
やがてさ、まあ終戦になってさ、投降を呼びかけるビラとかさ、そういったものがあったんだけども、横井さん自身は信じずに出てくるっていうことはしなかった。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
これは横井さんだけじゃなくて、その当時グアム島にはまだ日本兵って結構な数いて、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
それは投降すれば殺されるっていうふうに思ってたらしいんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
恐れてたのはアメリカ兵だけじゃなくて、現地の人にも日本兵は恨みを買ってるから、見つかれば殺されるっていうのは確信してたっていうふうに後に横井さんも言ってるんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
実際にね、これね、グアム島で終戦後に殺されちゃった日本兵っていうのもいるんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
そうそう。で、やがて月日が経って、横井さんの周りには横井さんとその七さん、中畑さんっていう3人になったんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
そっからもね、10年余りの放浪生活なんかをして、横井さん自身はね、40歳手前ぐらいになって、まあだんだん体力も衰えてきたっていうような状態になってきた。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
そこでね、彼らは定住できる家を作りたいなっていう話になったんだよ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、最初はさ、小っちゃな小屋のような家作って、そこに暮らそうっていう話もあったんだけど、それだと現住民にすぐ見つかっちゃうよねっていうので。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
もっと頑丈で見つからないような家っていうのを話し合った結果、それにはやっぱ穴を掘ってそこで生活するしかないっていうことに行き着いたんだよ。
スピーカー 2
なるほど。ここで穴が出てくると。
スピーカー 1
そうそう。だからね、ずっとこれ穴の中で生活してたって思ってる人もいるかもしれないけど、そういうわけではないんだよ。途中からなんだよね。
スピーカー 2
ああ。小片郎も穴の中で生活をしてたわけではないと。
スピーカー 1
いや、そこ膨らますとこじゃねえから、マジで。
スピーカー 2
ああ、そうなの?
スピーカー 1
ああ、そう。
で、それからね、彼らがその穴の中で暮らすことになって、怖いのがさ、やっぱり崩れてしまうってことなんでね。
うん。
毎日のようにさ、グアムって激しいスコールが降ったりするから、丈夫じゃないとすぐこの土も流されて潰れちゃうんだよね、穴自体が。
スピーカー 2
ああ。
スピーカー 1
そう。そのために彼らはどうしたでしょうかっていう問題です。
スピーカー 2
え?穴をだから強くするしかないんだから、木とか使った?
スピーカー 1
ああ、もうなんかね、似てるっちゃ似てるけど、木の根っこ付近に穴を掘ったんだよね。
09:03
スピーカー 2
ああ。
スピーカー 1
グアムとにさ、熱帯樹、タフォの木っていうのがあって、地上ね、これがね1メートルぐらいのところから四方八方に根を伸ばしていて、その先端は地中深くにこう張り巡らされてるんだって。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
だからその付近に一度掘ってしまえば、根っこによって土が支えられて、まあ崩れる心配が少ないっていうので、そこに穴を掘ったんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
だけどさ、まあ掘るときは根っこが邪魔でさ、結構大変な作業なんだよ。
スピーカー 2
ああ。
スピーカー 1
で、工具もさ、シャベルなんてもちろんないから、半合の蓋とかヤシの実のかけらとか、あとは砲弾の破片なんかでこう掘っていくんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
そう、だからなかなか作業がはかどらないっていう現実があって、どのくらいかかったかっていうのはね、だいたいなんだけど半年ぐらいはかかったんじゃないかって言われてる。
スピーカー 2
半年か。きついね。
スピーカー 1
そうそうそう。その、敵にも見つからないようにっていう中でやってるわけだからね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、この完成した穴っていうのは縦穴約3メートルで、そこからね横に5メートルぐらい続いた先に3畳ほどの、まあ今とか寝室にしてた空間があるんだよ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、高さはね、そこはね1.5メートルぐらい。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、さらにね十数メートル横穴が続いて、そっから縦穴がまた3メートルぐらいで地上へと繋がってる。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
だからね、これは地上に通じる穴が2方向あったんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、トイレもさ、その穴の中にあって、小さな壺にするっていう、そこで本当に暮らせるようにしてるんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
しばらくしてね、これ横井さんだけがその穴から抜けて別の場所に穴を掘って暮らすようになるんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
これはね、なぜかっていうと、決定的なね、理由はないらしいんだけども、1つはね、その食べ物だったんでね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
ジャングルの中でさ、食べ物に限りがあるから、あの例えば3人で話し合ってさ、今日はこのぐらいにしようって決めるんだけども、それを横井さんはきっちり守るんだけど、他のね、2人はね、それ以上にこう食べちゃったりとかしてあの、揉め事になったりしてたんだって。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
あとはね、好みが合わなかったっていうのがあって、仲間の2人はただお腹を満たせればいいっていう感じだったんだけども、横井さん自身はね、食事も焼き具合を変えてみたりとか、いろいろな野草を入れて変化をつけたりとかしたくて、そういったね、好みの違いもあったんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、横井さんはこのまま3人でずっと暮らしてると必ず友倒れになっちゃうんじゃないかっていう思いで、孤独にはなっちゃうんだけども、生きるために1人で暮らすことを選択したんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
でね、仲間のね、穴からね、400メートルほど離れたね、竹矢部の中に今度は穴を掘り始めた。
12:04
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、ただね、竹矢部の中も穴を掘るのは結構大変で、そこにね、見かねた仲間の2人もね、応援に駆けつけて一緒に掘ってるんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
まあ、こんな風に協力してることからも、まあ決定的に喧嘩別れしたっていうわけでもなさそうなんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、3人がかりでね、これもね、100日ほどかかって、穴を完成させてる。
スピーカー 2
うんうん。
スピーカー 1
で、この横井さんの暮らす穴っていうのは、3人で暮らしてた穴よりも少し小さくて、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
竹のね、根元に入り口のね、50センチ四方の穴があって、まあそこが入り口なんだけど、
で、入り口にはね、竹を編んだ蓋がかぶさっていて、まあ通常はこう、わかんないようにしてんの。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、その中にはね、竹のはしごで降りるところがあって、奥行きがね、4メートルちょっと、横幅もね、1メートル、高さも1メートルぐらいの、まあ空間がある。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
だから、高さ1メートルぐらいだから、膝をついてね、結構天井すれすれの高さなんだよね。
スピーカー 2
ああ。
スピーカー 1
で、穴からその地上へ換気のために、ヤシの木をこうくり抜いた空気穴があって、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
そこで換気をとっていて、出口はね、その入り口と一緒で、だから一方向しかなくて、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
もし敵に見つかったら、まあリスクもあったんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、横井さんはね、一人でこうやって暮らすようになって、1年後の正月に仲間のね、2人に挨拶に訪れたんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
その時ね、2人がね、栄養失調で体が痺れて痛いっていう風に訴えてたんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、かわいそうなんで、手足とか背中をマッサージして、その日は帰ったんだけども、
しばらくしてまた訪ねてみると、2人はすでに亡くなっていて、白骨になってたって言ってるんだよね。
スピーカー 2
うん。どんだけほっといたの?
スピーカー 1
まあそうだよね。結構だよね。なんか分かんないけど、どのぐらいで白骨になっちゃうのかって。
スピーカー 2
まあ暑いから早く腐っちゃうだろうけど、そんなね、数週間とかじゃないでしょ。
スピーカー 1
ああ、じゃないのか。だから本当にたまにしか言ってない感じはするよね。
スピーカー 2
白骨だもんね。
スピーカー 1
うん。これなぜ2人は死んだのかっていうのは、あくまでも推測になっちゃうんだけど、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
横井さんの推測だと、ガマガエルを食べてその毒にやられたんじゃないかって言ってる。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
ジャングルにはさ、ガマガエルが多く生息していて、
あ、これあのガマガエルってヒキガエルと、まあ言い方違うけど一緒なんで。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、生き残った残像兵の中にも、いずれね、自分もガマガエルの餌食になってしまうっていう言葉が言われてたぐらいなんだよ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
これね、どういう意味かっていうと、もちろんガマガエルっていうのは人は食べないんだよ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
グアム島でさ、多くの日本兵が亡くなった時に、その死体にさ、肺が群がって、その肺を食べにガマガエルがこう集まってきてたんだよね。
15:05
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
だからこのガマガエルが死体を食べてるように見えてたことから、まあこんなふうに言われてたんだよ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、そのさ、ガマガエルっていうのは目の後ろあたりに盛り上がったコブがあるんだけど、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
これ自生って言われる箇所で、あの強烈な毒を持ってるんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
この毒はさ、神経とか循環器の障害が生じて、最悪死ぬ場合もあるんだよ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
だからね、大人の方もちょっと間違っても、ガマガエルは食べない方がいいっていうことをちょっとわかってもらえたらいいなって思って。
スピーカー 2
そんなサバイバルいる?
スピーカー 1
いやいや、でも日本のヒキガエルも同じように毒あるんだって。
スピーカー 2
へー、なんかあんまり毒って感じはしないけどね。
スピーカー 1
あ、そう。しかもこれちょっと皮膚も毒の成分あって、触れたらよく手洗った方がいいぐらいなんだって。
スピーカー 2
あー、なんかそれは聞いたことあるけどね。
スピーカー 1
よくあれだよ、犬とかさ、ペットが間違って食べちゃって被害に遭うっていうのもあるんだよね。
スピーカー 2
へー、そうなんだ。
スピーカー 1
そうそうそう。
で、この生き残った日本兵で、この実際ガマガエルの毒で死んだ人っていうのは多いんだって。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、実際に2人が住んでた穴を後に現地の警察が確認してるんだけど、
2人の骨の近くにガマガエルの足の骨も落ちてたって言ってるんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
まあ、ただ詳細はわかんないんだけど、2人は20年近くもジャングルの中生き延びてたから、
なんでガマガエル食べちゃったんだっていうの疑問は残るんだけど。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
まあ、もしくはさ、その穴の中で炭をこう使って料理してたから、
その換気の穴が詰まってて一酸化中毒で亡くなったんじゃないかとも言われてる。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、逆にさ、その横井さんっていうのは、じゃあなぜその生き残れたのかっていうところが、
まあ、彼の証言からもいろいろわかってきてるんだけど、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
仲間の2人は食べ物の特性を見分けるのが下手だったように思うって言ってるんだよ、横井さんは。
スピーカー 2
うん。
横井さん自身はちょっと舌に触れただけで大抵直感が働いたっていうことを言ってて、
うん。
スピーカー 1
そう、要はなんか舌が敏感だったんだよね。
スピーカー 2
ああ。
スピーカー 1
これはね、長丸も舌には自信があるって言ってたけども、
スピーカー 2
ああ、小片郎ってあれだよね、舌テクノプロだもんね。
スピーカー 1
あの、なんか違ぇな。
スピーカー 2
え?なんで?いや、小片郎と言ったらね、舌使いじゃん。
スピーカー 1
もういいんだよ。
あ、そう?
で、例えばさ、あの横井さんはガマガエルを実際に食べちゃったことがあるらしいんだよ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、コブのあたりには猛毒があるってことは、以前に上官から聞いてたから、
足なら大丈夫かと思って食べたんだって。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
ただ猛烈な中毒にそこでかかって死にかけているんでね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
だからコブ以外にも皮膚とか血液の中にも毒が混じってるから、
あの、以後ね、横井さんはこのガマガエルには絶対手をつけなかったって言ってんだよね。
18:02
スピーカー 2
ああ。
スピーカー 1
で、あとさ、主食に素鉄の実っていうのがあったんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
その実にも毒があって、最初はさ、どのくらいで毒が抜けるかわかんないから、とりあえずまず食べてみるんだって。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
だけど舌が反応して、まだ毒があるって直感が働いて食べるのをやめてるんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、そのうち流水で3日ぐらい流せば、毒がもうほぼほぼ抜けてるってことがわかって、
そっからその素鉄の実を主食にして食べてるんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
あとはね、彼は結構創意工夫が見られるんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
例えば、火なんだけども、当初は穴の開いた木に硬い木を突っ込んで擦り合わせて火種を作ってんの。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、そこにさ、ヤシの実の繊維を使って点火させるっていうような、もう原始時代のような火の起こし方だよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
これさ、俺、小学校の時、郷土クラブ配置されたからさ、似たようなことやったことあるんだよね。
スピーカー 2
何その郷土クラブ?
スピーカー 1
郷土クラブってあったんだよ。
なんか俺、そんなマイナーなクラブ入ってたんだよ。
スピーカー 2
いやー、さすがだね。
その頃からやっぱちょっと歴史と絡みがあったってことだね。
スピーカー 1
いやいや、なんで入ったか俺も覚えてないんだけど。
そう、これってさ、雨なんかの後だとさ、何度擦っても点火しないんだよ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、横井さん自身も手に豆ができるほど結構大変だったって言ってんの。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
だからね、彼は一度ついた火を長持ちさせるために火縄を作ってるんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
そう、これ白の樹皮を編んで長い火縄を作って、火種を長期間保存できるようにしたんだよね。
スピーカー 2
あー。
スピーカー 1
あとね、食べ物もね、工夫していて。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
ちなみにさ、横井さんにとって一番のご馳走って、このジャングルの生活で何だったと思う?
スピーカー 2
えー、ジャングルだからね、何だろうね、虫とか?
スピーカー 1
あー、これはね、野ネズミの肝臓だって。
スピーカー 2
あ、野ネズミってあたりがまたちょっとあれだけどね、肝臓なんだ。
スピーカー 1
そうそうそう、いや俺もそうなんだと思って。
これなんか針金製の小さなネズミ取り機自分で作って、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
ただネズミってね、利口だからごくたまにしかかからないんだって。
スピーカー 2
あー。
スピーカー 1
だから貴重なものだったって言ってるんだよね。
スピーカー 2
へー。
スピーカー 1
あとはさ、その川で小エビとか魚を取るために、こう竹でカゴのような仕掛けを作ってるんだよ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
その仕掛けにヤシの実を砕いたものなんかを入れて川に沈めておくと、魚とかが引っかかるらしいんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
そう、これなんか子供の頃横井さんが村の人がやってたらしいんだよね。
それを真似たんじゃないかって言われてて。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
あとはね、その動物性タンパク質を取るために林の中に落とし穴を掘って、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
2度だけなんだけど成功して、シカとかブタを捕まえてるんだよね。
スピーカー 2
ブタがいたんだ。
スピーカー 1
そうそう。
で、それでも野ネズミの方が美味しいのかって思っちゃったけどね。
21:01
スピーカー 2
もうなんかブタの方が美味しい気がするけどね、シカとかね。
スピーカー 1
まあそうだよね。
で、横井さんさ、取ったものを色々な調理法で食べてるんだけど、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
例えばね、竹製のオーブンを作って煙で煙して燻製にして食べたりとか、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
あのヤシの油を使って揚げたりしてんの。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
彼らね、決してね、生のまま食べなかったんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
それがね、後にね、病院の医師が言ってるんだけど、
彼が生き残った要因に、その生のものを食べなかったこと?
これによって食中毒を防いで生き残ることができたんじゃないかって言われてるんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
あとはね、服なんでね。衣服。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
彼はさ、もともとその洋服屋をしてただけあって、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
ジャングルで自分の着る服を3着作ってんの。
スピーカー 2
おー。
スピーカー 1
これね、すごい立派に作ってあって、
洋服の材料はね、パゴっていう木の繊維から折り糸を作って仕上げてるんだけど、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
これね、結構オシャレで、襟まで作ってたりとか、
ボタンはね、木の革とか貝殻なんかを使って、
3着の服とも全てデザインを変えてたりするんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
ボタンの数変えたりとか、半袖とか長袖にしたりしてるんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
服を作った目的っていうのはさ、
虫に刺されてさ、木の葉で体が切れたりするのを防ぐっていうのもあるんだけども、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
グアムはさ、そもそも裸で過ごせるぐらい温暖な気候でさ、
ま、なくても過ごすことはできるんだよ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
だけどさ、彼はこだわって作って、
その1年半から2年ほどかけて作ってるんだって。
スピーカー 2
おー。
スピーカー 1
ここでさ、彼が後に言ってんだけど、
その冒頭で言った、
物を作ることが目的なのではなく、
作っていることが生きていく心の支えだったって言ってんだよ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
いや、もうこれはガッツンってきたね。
スピーカー 2
www
まあ、暇だからね、要は。
スピーカー 1
そうそう。
ほとんどさ、もうほとんどってかもう孤独の中で生きてるわけよ。
誰とも話さず。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
他にもまあ、ココナッツの実で鍋とかさ、
あとランプとかも作ったり、いろんな細かいの作ってんだよね。
スピーカー 2
おー。
スピーカー 1
まあ、なんか本当に孤独をさ、物を作ることで生き甲斐にしてたのかなっていうのをちょっと感じたんだよね。
スピーカー 2
まあそうだよね。
なんか没頭してると忘れられるもんね。
いろんな、わかんないけどさ、
考えたくないようなこともさ、
そっちに集中すればね、忘れられるからね。
スピーカー 1
そうそうそう。
まあ、それでもさ、この生活って異常なほど過酷なわけで、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
穴の中でさ、彼は頭を床に打ちつけて泣き崩れたりとか、
自分の精神をこう保つっていうのも結構難しかったんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
まあ、そんな時ね、お母さんにきっと会えるっていう風に信じて過ごしてたっていう時もあったって言ってるんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、横井さんがいたところっていうのは、
誰も来ないジャングルっていうわけでもなかったんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
これね、あの手前にあるね、草原にはね、農民の牛の放牧場があったりとか、
24:05
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
少し先にはね、学校の校舎があって、
アパート等がてんてんと見えるとこだったんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
だから、あの、島民に出くわさないように常にこう注意を払っていて、
穴の中から出て食料を探すのも日が落ちてくるその夕方とか、
それ以外は穴の中で常に過ごしてるっていう徹底してたんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、ジャングルを歩く時もさ、足跡に一つ一つ小枝とか葉っぱなどをかぶせて消してたって言ってる。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、そんな彼がさ、最も恐ろしかったのは、
定期的に島民が太鼓の音とともに犬を連れてこう一斉に山に入ってくるんだって。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
横井さんはね、これをね、日本兵狩りだって思ってたらしいんだけど、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
これね、後に分かったんだけど、これはね、島民による野豚狩りだった。
スピーカー 2
あー、豚がいるからね。
スピーカー 1
そうそうそう。
彼はさ、まあただ、自分が殺されると思ってるから、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、何より恐ろしかったのがさ、犬を連れてたことで、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
その犬の嗅覚っていうのが怖かったって言ってるんでね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
そのためにさ、彼は何をしたでしょうか。
スピーカー 2
まあ、匂いを消したんだろうから、
スピーカー 1
うん。
スピーカー 2
なんか、匂いが消えるように体に塗りたくったってことじゃないの?
スピーカー 1
あー、ちょっと惜しいけど、これはね、よく長丸がね、女の子に会う前によくしてたことだね。
スピーカー 2
えー、なんだろうね。女の子に会う前によくすること?歯磨き。
スピーカー 1
あー、似てる似てる。
スピーカー 2
顔を洗う。
スピーカー 1
あ、顔、顔を洗う。
1日ね、3,4回水浴びをしたんだって。
スピーカー 2
1日3,4回水浴び?
え、なんか、え、それなんか意味あんの?
ちょっと横井さんの話になっちゃうけど。
スピーカー 1
だから、体臭をできるだけ消してたんだって。
スピーカー 2
えー、犬にそんなん効果あるんだね。
スピーカー 1
いやー、俺はあんまないんじゃないかなって、ちょっと、まあ全くなくはないけど、
犬の目的がそもそも違うからさ、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
見つからなかったっていうのもあんじゃないかなって。要はブタを狩りに行ってるからね。
スピーカー 2
あー、なんか、匂いを消すだから、俺匂いでごまかすんかと思ったけど、本当に消す方に行ってるんだね。
スピーカー 1
あー、そうそう。匂いつけて逆に見つかっちゃったらね、のもあるけどね。
スピーカー 2
まあ、だから、なんかそういう、例えばわかんないけど、植物のさ、なんか犬が嫌いそうな匂いとかがあるんかなと思ったんだけどさ、そうじゃないんだね。
スピーカー 1
あー、そうそう。これはね、皮膚病になるっていうのもあったんだよ、ジャングルの中で。
だからね、結構水浴びをして清潔にしてたらしいんだよね。
スピーカー 2
あー、俺ちなみに水浴びなんかしないよ。
スピーカー 1
いや、なんか、シャワーとかでもいいんだよ。
スピーカー 2
シャワーはね、別に会う会わないじゃなくて、俺朝と夜必ず入るから、あれだけど。
スピーカー 1
あー、やっぱそっか、そっちの毛があったか。
スピーカー 2
うん、あのー、小片郎はね、ほら、どっちかっていうとさ、そういうプレイじゃないけどさ。
27:00
スピーカー 1
なんだこれ。
で、それから1965年頃に、グアムでね、大型の台風が襲ったんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、それ以来ね、ジャングルでの植物の収穫が少なくなっちゃって、横井さんって生活も苦しくなって、栄養失調の状態が結構続いたんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
そしてね、月日が流れて、彼はね、56歳の時に、夕方にね、川にエビなんかを取るための仕掛けをしに行って、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
そこにね、同じくエビを取りに来ていた東民とばったり出くわしたんだよね。
スピーカー 2
うん。
で、横井さんの風貌ってさ、もう髪はボーボーでさ、顔中白い髭で、その風貌からね、東民はね、獣と勘違いするほどだったんだって。
うん。
スピーカー 1
で、東民はさ、持ってた獣獣を横井さんに向けたんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、横井さんは必死に東民に突進をして抵抗したんだけども、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
あの、すでにもう体力もなくて、簡単に取り押さえられたんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
そうで、これはね、後に東民が語ってるんだけど、この時、彼が刃物なんか持っていて、抵抗する力も強かったら、その獣獣を使って殺してたかもしれないって言ってるんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
そう、まあ、だから幸いというか、その抵抗力がなかったことで、そのまま怪我することなく、彼は発見されたんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、実はこの発見した東民っていうのは、戦争後にジャングルで潜伏していた日本兵に弟を殺されているんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
そう、まあ、そんなね、複雑な思いがあった中、まあ、結果的に横井さんを救出してる。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、これでさ、まあ、戦争が終わってから、その約28年後に、やっと彼はジャングルから解放されてるんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、現地の人にさ、いろいろとこう事情を聞かれて、最初はさ、あまりね、うまく声が出なかったって言ってて、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
これはさ、横井さんが残り8年間は一人で穴の中で暮らしてたから、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
誰とも話してないんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
だからね、あの生態が萎縮していて、うまく声が出なかったって言われてる。
で、その後ね、彼は、まあ、現地の病院に運ばれて療養してるんだけど、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
医者の診断だとね、結果はその重度な異常っていうのはなかったって言われてる。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
まあ、ただね、栄養失調になってて、そのため肌が結構カサカサの状態だったりとか、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
足の裏のね、反応が鈍かったりっていうような、まあ、弊害が起きてたんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
あとは老化現象が起こっていて、あの横井さんの写真、救出された時の写真とか見るとさ、
結構刻まれた深いシワっていうのが印象的だと思うんだけど、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
これね、栄養で特にタンパク質がその足りてない状態が続いてたから、老化がね、年の割には早くなったって言われてるんだよね。
スピーカー 2
あー、なるほどね。
スピーカー 1
そうそう。
あとさ、丸く曲がったような写真があるんだけど、背中が。
30:02
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
これね、穴の中ではさ、高さが1メートルほどしかなかったから、腰をこう丸めてる状態が多かったことから、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
背中がこう曲がっちゃってたんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
まあ、そういうのが初期の診断で見られて、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
まあ、その後療養して、あのだいぶ健康に回復してるんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、現地のさ、警察やメディアなんかもさ、横井さんにこう監視をもってさ、多くのメディアが押し寄せたんだよね、グアムにも。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、28年間さ、社会と断絶した生活を送っていて、突然こうやってたくさんの人に会って、いろいろな情報が入ってきて、
彼って結構動揺したりとか、鬱的な状態になったりとか、精神的にも、その乱れてた時期もあったんでね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
そんな時にその両親が亡くなったってことも知らされたんでね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
母親のさ、鶴さんっていうのは生前息子が戦士扱いになってたんだけど、
それを信じずに、グアムから福音してきた兵士をこう訪ねて、息子のことを聞き回ってたんだって。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、息子はまだどこかで生きてるって言い続けながら、70歳で亡くなってるんでね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
結局その母と子っていうのはさ、会うことができずに、その横井昭一さんっていうのはそれを知って、かなりショックを受けてたんでね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、日本のさ、記者団とかもさ、グアムに来て、で、そのさ、変わり果てた服装とか髪型、あと話していて、
あんたたちは本当に日本人か、もう一つ別に日本人がいるのじゃないかっていうふうに言ってんだよ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
まあ、そんぐらいなんかだいぶ変わってたんだろうね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、日本へさ、まあ帰国することになって、空港内のホテルでインタビューしたシーンが結構有名なんだけど、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
これ記者会見でさ、もう冒頭で、私、横井昭一は恥ずかしながら生きながられておりましたけどっていうようなことを言ったんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
このさ、恥ずかしながらっていうフレーズが有名でさ、その年の流行語にもなってるんだよね。
スピーカー 2
ああ。
スピーカー 1
こんなさ、だって過酷な状況下でなんとか生き抜いたってことに対してさ、なんで恥ずかしいんだっていうようなさ、当時の人も驚いたんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
これはさ、横井さんが語ってるんだけど、日本では昔、子供の時から教育を受けていて、大和心で花と散れっていうのを教わってたんだって。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
だから散らなきゃ怖いって言ってるんでね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
これさ、大和心で花と散れってさ、まさに玉砕なんかがまさにそうだと思うんだけど、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
最後までさ、その戦場で戦って、その死ぬことが日本の軍人として求められてたっていうか、まあ教えられてたんでね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
でも彼はさ、散ることなく誰にも見つからないようにそのジャングルの中で潜んでた。
そのことにさ、恥ずかしさっていうのを感じてしまうっていうその感覚があったんだよね。
スピーカー 2
ああ。
スピーカー 1
まさにこれってさ、戦前と戦後のまあ価値観の違いをすごく表している言葉だなと思って。
33:03
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、帰国してね、57歳で横井さんっていうのは結婚してるんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、その後は戦争体験を後世に伝える活動とか陶芸なんかを楽しんで、晩年その82歳で亡くなってる。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
そう。で、前にちょっと小野田さんやったと思うんだけど、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
これ横井さん発見から約2年後に小野田さんって発見されていて、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
どちらもさ、ジャングルの中のその30年近くだね、約。
あの、過ごした彼らなんだけど、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
ちょっとさ、その違いとかって何だろうっていうのを最後に触れたいんだけど、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
これでごめんなさい。もしかしたらどっかでリクエストあったような気がしたんだけど、
あの、ちょっと見つからなかったんで、もし私ですって言ったらもう一回教えてください。
スピーカー 2
スピーカー 1
で、これさ、あの、自分が思ったのはさ、その、自分の存在をこう知らせるような行動したかとかそういうところが気になって、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
小野田さんってさ、自分の存在をわざとさ、知らせる行動をとってたりしたんだよ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
これってさ、その定期的に村の付近に火を放ったりとか、家畜を襲って住民に自分の存在を誇示して威嚇っていうような行動をしてたんだよね。
スピーカー 2
うん。
で、横井さんはさ、逆にその自分の存在を全く誰にも知らせることなく、村の作物とか家畜も取らなかったんだよね。
スピーカー 1
うん。
スピーカー 2
そういった意味でさ、かなりあの社会と断絶してたっていうのはあったんじゃないかなと思う。
スピーカー 1
うん。
で、発見された時のさ状態も結構違くてさ、あの小野田さんってさ、健康そのものっていうかさ、むしろ同じ年代の人より元気なんじゃないかっていうぐらい節字もしっかりしててさ、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
そんな感じだったけど、横井さんっていうのはもう栄養失調の状態で、筋力も衰えていて、結構その見た目からも違いがあるなと思って。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、あとは両親との再会が小野田さんっていうのはできたんだけども、横井さんっていうのは結果その会うことができなかったんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
いつかさ、その親に会うことを希望に生きていて、これさ、日本に帰ってさ、母親のお墓の前でさ、もう頭こすりつけてこう泣いてる映像なんかもあるんだけど、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
まあ、なんかそういう悲しい結果にはなってしまったんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
で、この2人って意外と全く違うのかなと思ってたら、似てる部分もすごいあって、
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
まあ、その中でもさ、やっぱり2人とも戦後の日本人を見てさ、その価値観の違いに悩んだんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
あの、先々さ、自分たちが教えられて信じてたものがさ、なんか否定されたようで、全くその違う価値観になってたんだよね。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
なんか人ってさ、タイムスリップすることできないけどさ、それに似たような現象がさ、この2人においてさ、約30年間の空白があって、突然日本に行ったわけじゃん。
36:00
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
そこでさ、こんな風に価値観の違いっていうのに悩むことになったんだなっていうのをね、改めてちょっとそこは感じたなと思って。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
そんなわけで、いかがでしたでしょうか。
スピーカー 2
いやー、やっぱね、小野田さん回もこうさ、結構反響強かったじゃん。小片郎がこう、やっぱ満を持して横井さんもやってくれると思ったけど、俺はちょっとね、今日は良かったなって思うよ。そういう意味で。
スピーカー 1
なったしね。
スピーカー 2
で、横井さん自体はさ、まあ有名だからもちろん名前もわかるしさ、その、まあ小野田さんの時にね、比較する対象ってなったらやっぱ横井さんかなと思ってたからさ、
そういう情報はあったけど、でもね、実際横井さんがどういう人っていうのは全然知らなかったから、ものをね、そんな作ってそういう工夫して生きてきてたんだっていうのも知らなかったし、
だからそう、とにかく隠れてたっていう印象の強かったんだよね、俺の中で。まあそれはあの、さっき小片郎がさ、あんまり人と接点を持たないようにしてたっていうのがさ、まさにそれじゃん。
スピーカー 1
うんうん。
スピーカー 2
そう、だから、なんか小野田さんとはやっぱちょっとこう違う系統っていうかさ、まあ違うね、生き延び方をしたんだなっていうのはなんとなくはわかってたけど、なんか改めてこう聞くと、
違うところもあるし、すごいなんか共通する点も多いんだなっていうのも改めて発見できたかなって思うね。
スピーカー 1
ああ、そうだね。
スピーカー 2
そう、だからちょっと是非ちょっと大人の方はね、小片郎のちょっと黄金回のね、小野田さん回もちょっとまた聞いて欲しいなって思うけどね。
スピーカー 1
まあでもね、どっちもね、軍人って感じで本当に、小野田さんはより強く感じたけど、横井さんもね、あの記者会見で、なんで日本は負けたのかっていうときにさ、聞かれたときに、もう勘極まってさ、こう机叩いたりとか、そのやっぱり、あ、軍人だなっていうような、そんな感じだったよね。
スピーカー 2
うんうん。
スピーカー 1
いやだからなんか今こうやってポッドキャストでもさ、こう軍人とか話しすること自体がさ、なんかちょっとタブーじゃないけどさ、あんま触れないような感じになっちゃってるじゃん。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
ね、なんかそういう価値観も全く違うなと思って。
スピーカー 2
まあそうだよね。戦前と戦後だからね。
スピーカー 1
まあそうだね。あと俺、他にもいるんじゃないのっていうのを思っちゃった。
スピーカー 2
ん?いるんじゃないっていうのは?
スピーカー 1
横井さんもそうだけど小野田さんもさ、調べていて、あのこれさ、グアム島ってさ、昭和35年ぐらいにさ、伊藤さんと美永さんっていう2名もジャングルから救出されてるのよ。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
まあ小野田さんにしてもさ、横井さんにも偶然発見されて、でたまたま運良く救出されてるっていうような感じじゃん。
スピーカー 2
うん。
スピーカー 1
じゃあさ、誰にも見つからずにさ、亡くなった人って、いやいるよねって思って。
スピーカー 2
あ、それは結構いると思うよ。
スピーカー 1
そうそう。で、しかも結構長くいた人もいるんじゃないかなと思って。同じぐらい。
スピーカー 2
ああ。たぶん見つかってないだけでさ、もちろんほら、見つかんないまま死んじゃったらさ、もうたぶんもう見つかんないじゃん、絶対。
スピーカー 1
うんうん。
スピーカー 2
そういう人は実際多いと思う。
スピーカー 1
ね、だからなんか、残留日本兵っていうこともさ、深いテーマというかね、思ったね。
39:06
スピーカー 2
うんうん。
スピーカー 1
まあそんなわけで、今回は横井翔一さんでした。
スピーカー 2
はい。
スピーカー 1
じゃあもしよかったらこの番組をフォローしていただくと、自分たちがもう目に見えてね、リアクションとしてわかる部分なんで、
すごくね励みにもなるし、やる気が出るので、よかったらフォローお願いします。
スピーカー 2
はい、ぜひともお願いします。
スピーカー 1
それでは最後まで聞いていただいてありがとうございました。
スピーカー 2
ありがとうございました。
39:38

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