1. 「大人の近代史」今だからわかる日本の歴史
  2. 第61回 三島由紀夫『金閣寺』
2022-04-05 33:46

第61回 三島由紀夫『金閣寺』

★お便りはこちら☞ https://bit.ly/2YkUaRB 実際にあった金閣寺放火事件を題材に三島由紀夫なりの解釈を文学に取り込んだ作品。 主人公の学僧が犯行にいたるまでの出来事や心理描写が緻密に描かれており、近現代文学の傑作との呼び声も高い。 難解な表現や心理描写があるが、それも三島文学の醍醐味と言っても過言ではない。

00:04
学びとは、服従である。 始まりました、「大人の近代史」よろしくお願いします。
はい、よろしくお願いします。 じゃあ、我々は今、服従をしているということですかね。
いやいや、そうじゃないんですよ、これ。 そう思われそうなんだけど、これ別に誰か偉人が言ってたとかじゃなくて、朝日新聞ポッドキャストとかやってる
あの、神田大輔さんが言ってたんだよね。 まあちょっと神田大輔さんで今全然ピンときてないけど。
あの記者の方なんだけど、なんかね、それ聞いてこのワード的にウォーって思ったんだけど、これってさ、あの年齢重ねるとさ、なかなかやっぱ学びって
億劫になるじゃん。 そうだね。そうそう、そこにはさ、やっぱり学びっていうのは服従をしなければいけないっていうのがあるから
なんだって言ってたの。 そうそう、だから例えば英語とかさ、全く自分の母国語とは違うものを強制的に教わるわけよ。
そこでさ、だから自分もさ、前英語をさ、 習ってた時に友達と日本語でこう、くちゃくちゃ喋ってたらさ、
No Japaneseって言われたらめちゃめちゃ。
そういう風にもう完全にやっぱその授業の時とか学んでる時って服従の要素が大きいんだけど、
でもさ、ポッドキャストっていうのはなんかそれを緩和してるというか、ポッドキャストというか音声の世界っていうか
って思ったんだよね。 で、ちょっと言ってみようかなと。そうそうそうそう。なんでさ、これあれかなと思った時にやっぱ
ながら聞きができるからだと思うんだよね。 あーそうだね、ハードルは結構下がるというかさ、なんかやりながらできるから聞けるからっていうところはあるよね。
そうそう、今まで学ぶってことはさ、なんかその時間を犠牲にして学ばなきゃいけないっていうのがあったと思うんだけど、
何かをしながらでも学ぶことができるっていう。 まあ確かにそうだね。なんか語感のうちのさ、まあ要は耳だけ傾ければいいわけじゃん。
基本的には。そうそうそう。 映像だとほら目も見なくちゃいけないしさ、目と耳とってなっちゃうだろうけどさ。
うん。 まあ確かにそういう意味じゃながらで何かこう学ぶっていうのにはすごい最適かもしれないね。
ねえ、そうだよね。 うん。 まあということで今日は長丸がどんな服従を見せてくれるのか楽しみです。
はい、えっと今日は。 なんで服従なんだよ。そこには突っ込まない方が良かった。
今日は三島由紀夫の金閣寺をやりたいと思います。 あ、三島由紀夫?
うん。 あ、ということはこの前の? あ、リクエスト来てたよね。三島由紀夫についてみたいなことがあったんで、
まあ三島由紀夫についてというよりは三島由紀夫の小説だけれども、まあ自分はちょっと今までこう何回か文学史っていう側面でこう取り上げてた流れでまあ今回三島由紀夫をやろうかなっていうところですね。
03:05
あー、オッケーオッケー。じゃあ一応そのコメント読んどこうか。 あ、そうだね。 せっかくもらったから。
Apple Podcastのコメント欄にあって、ちょっと読み方英語なんでわかんないんですけど、トールトリネコさんから頂きました。
ちょっと読めないね。 勉強になるので何回も聞いてます。近代史って知らなかったことが多くて面白いです。
三島由紀夫さん取り上げてもらいたいですっていうのを頂いた件で、ちょっと中森さんが今回取り上げてみました。お願いします。
はい、じゃあまあぜひ、ぜひというか早速ちょっと本編に入りたいと思うんですけれども、
はい。 まず三島由紀夫のその金閣寺っていう作品について、まあどんなものなのかっていうところで、三島由紀夫って言うとこういう作品があるって言われる中の、まあまずトップバッターに来るのがこの金閣寺っていう作品なんですね。
ああそうなんだ。 まあ一番有名だし、一番売れてて代表作と言ったら金閣寺って言われてるような作品。
これはもう本当近代日本文学においても代表的な傑作ですよっていう風にも言われてるし、あとは何よりも海外評価もものすごく高い作品なんだよね。
ああそうなんだ。 そうそう。海外でもまあ翻訳されてこう売られてるみたいな、そういうような作品で。
これはあの作品自体は1956年に新潮っていう雑誌に連載されてたやつが、俺が読んだのは文庫本だから、それが文庫本化されてっていうような形で売り出されてるっていう感じかな。
はいはい。 でまあ文庫版は新潮文庫で出てるんだけれども、これが360万部ぐらい大体売れてて今までで。
えーそうなんだ。 まあロングセーラーを記憶しているような作品っていうところです。
えっともうあらすじの方に入っちゃいたいと思うんですけれども、まずちょっとあらすじの前にこの金閣寺という作品に対して一言だけ言っておくと、多分読んでもわかんないです。
ああそうなの。 そう、これ読んでもね、なんだろうね、すごい文学にも精通してて、他の三島作品は全部読んでますっていう人が
多分読めばなんとなくこう理解できる話なんだとは思うんだけれども。 ああそうなんだ。
うん、書読で、え、なんでっていうところの疑問を思わない人は多分いないような作品。 へえ。
まあとにかくね難しいっていうよりは、ちょっとね理解が追いつかない。 だからこれもねあれなんだよ、結局夏目漱石の心の解の時にちょっと触れたことなんだけれども、
当時の時代を生きた人じゃないともしかしたら理解がし難い内容なのかもしれない。 っていうところもちょっと踏まえつつのあらすじをちょっと話したいと思います。
お願いします。 まず主人公は溝口少年ってちょっと呼ぶけどが主人公です。
はいはい。 で、溝口少年はコンプレックスがあって、この人ね、あの喫煙症なのよ。
06:06
ああそうなんだ。 そうそう、喫煙症ってどんなのかっていうと、あのどもっちゃうんだけど、要するになんか言葉を出そうとした時に
ああああのねみたいな、なんかそんな感じ? うん。 ちょっとこう言葉の出だしがこうどもるというか、同じ言葉を何回もこう言っちゃうみたいな、そんな感じの喫煙って言うんだけれども。
はい。 溝口少年っていうのはこの喫煙症ですごく、あの昔からだからみんなにからかわれたりして、どんどんどんどんさ内向的になってっちゃったようなタイプの人間なのよ。
はい。 そう、人前ではもうこうあんま喋りたくないなっていうか、関わってもどうせどもりでいじられるしなあみたいな。 うんうん。
そう、まあそんな少年ですと。 はい。 で、溝口少年の父親はお寺の住職さんなのね。 ああそうなんだ。
そうそう。で、この父親はがちょっとまあ1個のキーポイントになるんだけれども、もう溝口少年に対してこういう言葉を言うのよ。
金閣寺ほど美しいものはないっていう。で、溝口少年はもちろんその言葉を父から聞かされてる時は金閣寺っていうの見たことないのよ。 うんうん。
そう。で、たださずっとさ父親がさ、もう金閣寺は最高だよみたいなことずーっと言ってくるわけじゃん。 うん。
だからもう溝口少年の中で金閣寺っていうものが美の最高傑作みたいな、もう本当にそういう位置づけに空想で、もう完全に空想なんだけど。
空想上そんなものになってるんだよね。 へー。
で、これちょっと物語の結構序盤でこの話が出てきて、もう割と序盤で実際に金閣寺見に行くのよ。
あー、京都に? そうそうそう。で、父親と一緒にね。 うん。
で、父親と一緒にこう見に行って、で、それまでこうさ、もう金閣寺やっと見れるんだって心高ぶってるわけじゃん。 うん。
でね、実際金閣寺を見た時に、あれ?ってなったらしいのよ。 あー、はいはい。
あれ?大したことなくない?みたいな。 うん。
でね、ちょっと理由もあってさ、うちらがさ、金閣寺っていうのを想像するとさ、 うん。
金ピカの金閣寺、あ、てか小片郎見たことある?金閣寺って。
俺金閣寺も銀閣寺も見てるから、 あ、ほんと。
わかるかもちょっと。
金閣寺ってさ、今のさ、金ピカリンっていうさ、ものを俺らは想像しちゃうんだけど、うちらの世代の人って。 あー、はいはい。
これって実は1955年かな?に再建されたやつなんだよね。今見てるものって。 あ、そうなんだ。そんなに新しいんだ。
そうそう。水口少年が見てるっていうのはその再建前の金閣寺で。 うん。
実はね、再建前の金閣寺って、外観的には今の銀閣寺なんだよね、どちらかというと。 えー、そうなんだ。
だから、え、金閣寺、金ピカじゃないじゃんって。てかだから、要はさ、あの、銀閣寺見てさ、どう思った?
俺ね、あれなんだよ、銀閣寺の方が好きだったの。 あー、なんかあの疾走な感じの?
そう、なんか和美とサビってよくわかんないけど、そんな日本人のその引き算のなんかがある気がするの、あれには。
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まあ引き算というかね、引き算と言えば引き算だな、確かに。 落ち着くのがあそこの方が、俺はね。
で、昔の金閣寺ってどっちかというと、銀閣寺みたいな感じで、あの、銀閣寺って銀貼られてないじゃん。
確かに、銀閣寺も銀じゃねえって言われればそうだよ。 そう、金閣寺も金じゃなかったのよ、要は平たく言うと。
ちょっとあったんだけど、今みたいな金ピカじゃないのよ。 だからもう美の象徴って言われると、ちょっとうんってなるような感じの外観だったわけね、そもそも論が。
はいはい。 まあ別に建築のさ、その作りの素晴らしさとかそういうのは一切置いといて、
うちらの感覚で言うと、金閣寺って金ピカだし、まあ美の象徴って言ってもまあ間違いじゃないよねっていう気はちょっとはしちゃうけど、
でも実際当時はそういうわけではなかったっていうのがまず1個あって。
はい。 で、実際この水口少年は、これ実際の小説をちょっと読みます。
はい。 見た時ね、はい今金閣寺見ました時に、私はいろいろに角度を変え、あるいは首を傾けて眺めた。
何の感動も起こらなかった。それは古い黒ずんだちっぽけな三階建てに過ぎなかった。 頂きの方をもカラスが止まっているようにしか見えなかった。
美しいどころか不調和な落ち着かない感じをさえ受けた。美というものはこんなに美しくないものだろうかと私は考えた。
おお。 っていうように言われてるんだよね。
うん。 で、この文章を取ってもそうなんだけど結構三島由紀夫って、なんていうの、文章が上手いんだよね。表現の仕方とか。
ああ、その独特のね、文体があるんだよね。 そうそう。まあちょっとそれはこの後にもちょっと話すんだけれども。
ちょっとあらすじに戻って、とりあえず水口少年は金閣寺すごいよすごいよって言われてたけど実際見て、あれあんますごくねえじゃんっていうところに落ち着いたわけよ。一旦は。
で、その後お父さん亡くなっちゃうんだよね。すぐ。 病気だったんだよ。病気ですぐ亡くなっちゃって。
で、ほらお寺の住職さんだったから住職の知り合い図で、六音寺って金閣寺ね。金閣寺の住職とも知り合いだったわけよ。
お父さんがね。で、死ぬ時に間際に遺言として六音寺の学僧になってほしい。まあ要は六音寺で修行してきてくれっていうような遺言を残して、
もちろん六音寺の住職にもお願いして、六音寺の学僧として入れてもらえることになった。 だから計らずしも金閣寺に結局こう近づくことにはなるんだけれども。
で、たださっき金閣寺実際そうでもないじゃんっていう感覚にはなっちゃったわけじゃん。 そうだね。
ここで戦争の話になるんだけれども、時代はあのちょうど戦時中だったから。 戦時中でもう日本もこうどんどん空襲が始まってた時期なわけね。
そんな中、空襲でいつ自分も死ぬかわからない。で、金閣寺もこれ空襲でまあ破壊されちゃうじゃんってちょっと思ったわけよ。
12:10
そうしたらなんか今まで理の象徴であった金閣寺っていうものと自分っていうものにはこう隔たりはを感じていたんだけれども。
なんかあれ自分と同じように結局そんな理の象徴だって言われてたような金閣寺だって結局自分と同じで空襲受けたら死んじゃうんじゃんみたいな滅びちゃうんじゃんっていうことで
まあ共感を見出すわけ。で、なんかその儚げな美っていうものに対して改めて美を見出すっていう。
はいもうこの辺でちょっともうわかんないじゃん。
え?って。俺ねこの辺からだんだんもうわかんないからちょっと。何それっていう。
そうだね。
うん。まあでもこれはさもしかしたら戦時中のその感覚じゃないともしかしたらわからないのかもしれないっていう。三島由紀夫自体は戦時中もちろん生きてた人だし。
うん。
で、だから結果ちょっと一回実物見て金閣寺への気持ちは離れちゃったんだけどまた自分のところにこう気持ちが戻ったっていうような今状況ね。
うん。
ただこれも長く続かなくて。
うん。
結果さ戦争でさ、まあご承知の通りだと思うんだけど京都って焼かれなかったわけ。
はい。
自分も生き残ったし、あのもちろん金閣寺も消失しなかった。
うん。
っていうことで戦争が終わって、そこでちょっとここも小説のフレーズを借りたいんだけれども。
うん。
こう書かれてます。金閣と私との関係は立たれたんだと私は考えた。これで私と金閣とが同じ世界に住んでいるという無双は崩れた。また元よりももっと望みのない事態が始まる。
私がそこにおり、私はこちらにいるという事態。この世の続く限り変わらぬ事態。っていう表現をしてて。
うん。
これどういうことかっていうと、ちょっとさっきも一瞬言っちゃったんだけど。
うん。
金閣っていうのは美の象徴なわけよ。
うん。
で、溝口少年っていうのはさ、どもりがあってコンプレックスの塊なわけよ。もう簡単に言うと。
うん。
ちなみに見た目も大して良くないらしいのよね。
おお、そうなんだ。
だから、美と、なんだろう、美女と野獣じゃないけどさ、本当にそういう対比されるような状況だったわけ。金閣寺と溝口少年っていうのは。
はいはい。
で、それがさ、たださっき戦時中で、どっちにしろ焼かれる運命じゃんみたいな。空襲で。
ってなった時に、なんだ同じ位置にいるじゃんみたいな。そういう共感性を持ったわけよ。
ああ、はいはい。
そう。でも結果さ、戦争では燃えませんでした。私も死にませんでした。
あれ、じゃあ元の関係に戻っちゃったじゃんみたいな。っていうところ。で、今、そういうところに戻ったというところですね。
なるほど。
で、ちょっとここからあらすじポンポン行くけど、溝口少年は、その六魂寺の住職の捨てというかまあ行為で、大学に行かせてもらえるの。
はい。
で、そこで悪竜柏木に出会うんだよ。
うんうん。
15:00
悪竜って先に言っちゃったけど、この柏木っていうのがなかなか癖があるというか、柏木自体、障害者なんだよ実は。
うんうん。
で、何の障害かって言ったら足の障害で。
はい。
内本足っていうさ、なんて言うんだろうな。足がさ、こう内側に曲がっちゃう。
ああ、はいはい。
足の甲で歩くみたいなイメージ。
うんうん。
まあそんな感じの障害を持ってる。で、あの溝口少年自体さ、コンプレックスの塊だからなかなかこう友達なんかできなかったわけ。
うん。
なんかどうもって恥ずかしいなとか喋りたくないなっていう気持ちがあって、自分からこう話しかけるなんてことはできなかったんだけど。
はい。
柏木自体、やっぱり障害があるからさ、なかなかこう人とこうつるんでるような感じが見受けられなかったのね。
うん。
だから彼となら友達になれるんじゃないかというかさ、まあなんかそういうちょっとこう外れ者同士で仲間になれるんじゃないかっていう思いで柏木にこう話しかけて友達になるんだけど。
うん。
ただね、この柏木っていうのがね、全然ね、内向的じゃないのよ。
おお、そうなんだ。
こいつね、あのもう一言で言うとね、プレイボーイなわけね。
おお。
作中でももうね、女とっかひっかいなわけよ。
へえ。
なんでそうなってるかっていうと、その障害をちょっとこう武器に使ってるっていうところもちょっとあるのよ。
ああ、そうなの。
まあなんだろう、同情というかさ、そういうものだったりとか、そういったところでちょっとこううまく利用して女とこう付き合っていくみたいな。
いや、すごいテクニックじゃん。
そうそうそう。だから柏木自体、溝口少年に対してドモレドモレっていう、まあこれ実際作中でこう言ってるんだけど、ドモレドモレっていうの。
うん。
コンプレックスなんか感じないでどんどんそれを出して利用していけぐらいな、多分ほんとそういう考えなんだろうね。
はい。
まあ要は全然柏木と溝口少年っていうのはなんか似たようで全然似てないような人物だったんだけれども。
うん。
その柏木に、まあ柏木はモテるというか、なんつーんだろう、そういううまく女性関係を回すのが上手いっていうところかな。
はいはい。
なんで、あの女の子紹介してもらえるんだよ。
あ、そうなの。
そうそう。でね、まあこれ2回紹介してもらえるんだけれども。
うん。
2回ともね、ダメなのよ。結局ダメになっちゃうの。
あ、うまくいかなかったんだ。
そう。で、これなんでかっていうと、もうぶっちゃけね、もううまくいくうまくいくでずっとこう来てて、いい雰囲気までになったんだけれども、そうなった時に金閣寺が出てくるのよ。
金閣寺が出てくるの。
そうそう。なんかね、この水口少年、まあだから例えば、じゃあ栄子さんがその紹介してもらった女の子だとして、栄子さんがもう目の前にいて、もう栄子さんゲットだぜみたいなところになる瞬間、栄子さんが金閣寺に変わるんだよ。ボンって。
ほう。
イメージとして。で、邪魔をするわけ。
うん。
当たり前だけど、あれね、要は水口少年の頭の中でそうなってるだけね。当たり前の話だけど。
あー、自分には釣り合わないんじゃないかっていう。
まあ、そういうふうに捉えられるかもしれないし、ちょっとね、ここの解釈は難しいんだけど、俺もね、正直よくわかんない。
うん。
まあ、とにかく金閣寺が邪魔してくんの。
18:00
どういうこと?
この邪魔してくるっていう表現が多分一番合ってるんだけど。
はいはい。
金閣寺がドーってされて、なんかもうその先に進めなくなるわけ。
そう、そうなのか。
ほんと、ほんと。で、これ作中でも女の方はだから、何こいつみたいな、女の私がこんなにまでしてるのにみたいな感じになって、あいそつかしちゃうわけ。
はいはい。
まあ、そんな感じで金閣寺っていうのは、この水口少年にとって、もうなんか人生を、まあやっぱ女性とこう付き合ったりするっていうのはさ、まあ幸福の多分一種でもあるわけじゃん。
はいはい。
でも、その人生としての幸福を邪魔をするような存在みたいな感じに、こうどんどんなってくわけ。
はいはい。
で、まあ金閣寺はそこでいいんだけど、柏木がね、あとちょっと悪友って言ったのはもう一つ理由があって、
うん。
こいつね、ちょっとね授業サボろうぜってこう結構軽く言ってくるようなやつだったの。
うん。
で、水口少年ってどっちかっていうとこう真面目な感じではあったんだけれども、柏木とやっぱこう喋ってるのは結構面白いらしくって、
はい。
まあいいやサボっちゃえっていう感じになって、どんどんどんどん成績が悪くなってっちゃう。
うん。
で、そのことによってお金を出してくれている六音寺の住職も、いやちょっと何してんのぐらいな感じになってくるわけだんだんだんだん。
はいはい。
要はなんか周りからの評価っていうのもどんどん下がってっちゃうわけ、自分に対する。
うん。
まあこれに関しては作中いろいろあるんだけれども、もうそこは端折らせてもらいます。それまで話してるとこの話きりがなくなっちゃうんで。
うん。
で、とにかくね、もう周りからの信頼っていうのが結構もうガタ落ちになっちゃうんだよね。
はい。
で、そんな中、溝口少年は自分にとって金閣寺っていうものの存在っていうものに関してちょっとこう思うようになって。
うん。
金閣寺を焼かなければならぬっていう風に思うようになったの。
おお。
で、ちょっともうここからポンポン進んじゃうけど、もうその通り金閣寺を焼かねばならぬってなって、最後の最後にもうこうやりたいことやろうぜっつって住職がなんだろ授業料くれたやつをパーって使っちゃったりとかして、大学の授業料をこうくれるんだけど。
うん。
使ったりとかもうこれでいいやっつって、最後の最後金閣寺を放火すんのよ。
へえ。
で、放火する前に要は自殺しようと思って。
うん。
小刀と薬を買うわけ、睡眠薬みたいなやつ。
はいはい。
で、それで自殺をしようって思って買って、で、それで金閣寺燃やすのよ。
はいはい。
で、燃やしてよしもう自殺しようって思ったところで、これもちょっと作中から引っ張ってくるんだけれども、ちょっと長いです。
はい。
これまず金閣寺が今燃えてるっていうところね。燃えてバーって燃えてます。
で、自分はその放火したところからちょっとバーって逃げてきましたっていうところの場面。
私は膝を組んで長いことそれを眺めた。気がつくと体のいたるところにひぶくれやすり傷があって血が流れていた。手の指にもさっき刀を叩いた時の怪我と見えて血が滲んでいた。
うんうん。
こんな感じで描写があってちょっとここから飛ばすけど、ポケットを探ると小刀とハンカチに包んだカルモチンの瓶、カルモチンっていうのがさっき買った薬ね、瓶が出てきた。
21:02
それを谷底めがけて投げ捨てた。別のポケットの煙草が手に触れた。私は煙草を飲んだ。
一仕事を終えて一服している人がよくそう思うように生きようと私は思った。で、これがこの金閣寺の最後の文なのよ。
はいはい。
これが何が言いたかったかっていうところはもう色々解釈があるんだけれども、作品としては一旦これで終わりね。
はい。
で、ここでちょっと一つ触れておきたいのが、まずねこの金閣寺っていう作品なんだけれども、実は実話なんだよね。
あーなんかあった気がする。
そう。金閣寺ほら55年に再建したって冒頭の方で言ったじゃん。
うん。
そう。なんで再建したかっていうと、作中では水口少年って言ってた、もちろん名前違いは実際の犯人が燃やしたから。
あーはいはいはい。
そうそう。で、それが1950年7月なんだけれどもに燃やしちゃったわけ。で、金閣寺放火事件って調べてもらえればバーってすぐいっぱい情報出てくるんだけれども。
はい。
で、その事件を題材にしていろんな調べとかをして、その6年後1956年に三島由紀子が連載を開始したっていうところなんだよね。
で、ここでなんでじゃあ金閣寺燃やしたのかっていうのが最大の謎なわけよ。
あー本当の事件が。
本当の事件もそうだし、この金閣寺の小説上もそうなんだけど。
うん。
結局わかんねえじゃん。あのなんかあらすじはざっくりだったけど、じゃあ全部読んだからえ、金閣寺燃やした理由はわかりましたってなるかって言うとそうはならないんだよなかなか。
うん。
で、これはね、なんかね、よく例えられてるのが金閣寺を女性に見立てるとわかりやすいとかって言われてる。
うん。
だから金閣寺ってのは超もう美人な女性。
うん。
自分の手に届かないような女性なわけ。
はい。
だからまあこれはあの賛否両論はあるけれども、一種のストーカー的な殺人事件なんじゃないかとも言われてて。
おー。
だから金閣寺に対する憧れっていうのはものすごく強かった。なんか手が届きそうな時期もあったけれども結局手が届かない存在になりました。
うん。
ならいっそのことみたいな。
はい。
っていう風に捉えるとまあ燃やした理由もわからなくはない、わからないけどわからなくはないっていう。
うん。
で、まあ他にも金閣寺のその普遍性に対するプロテスト的な意味合いがあるんじゃないかっていうところも言われてて。
うん。
この辺がちょっと歴史と絡んでくるんだけれども。
はい。
当時って戦時中戦後なわけ。
うん。
で、それまであったまあ日本っていうのはさ、あの戦争に負けてまあボロボロになっちゃうわけ。
うん。
で、ボロボロになってみんな貧しい思いしてたりとかなんつーの食うものにも困ったりとかっていうような状況だったりするわけね。
はい。
そう、でもそんな中まず金閣寺自体を見ると戦前も戦後も変わらない普遍の状況なわけよ。
うん。
だからまず一個は金閣寺自体に対する嫉妬なんじゃないかっていう。
うーん。
まあ要は国民は疲弊したじゃん。
24:01
はい。
でも金閣寺は大丈夫じゃん、何も変わらないじゃん、お前は何も変わらないじゃんみたいな。
うん。
まずは金閣寺自体に対するそういう思いがあるんじゃないかっていう見方もあるし。
うん。
だからその普遍の金閣寺に対してなんつーの、占領家だったから当時。
うん。
アメリカ兵とかがこう見に行くわけよ、あの観光でね。
はい。
で、そういうさ、もう負けたばっかの敗戦国が要は勝った国の兵隊にこうへこへこして金閣寺見せ物にして金取ってんの。
うん。
で、京都っていうのはもともとさ、こう観光都市なわけじゃん。
はい。
だからそういうアメリカ兵とかにさ、こう媚び売ってさ、商売っけ出してへこへこする日本人、要はプライドのなくなった日本人みたいなのがこういっぱいいたわけよ。
はい。
まあそれは生きるために当然と言えば当然だしっていうところなんだけれども。
うん。
で、これ水口少年の話になっちゃうけど、水口少年はじゃあそれに対してどう思ったかっていうと、
うん。
これ書いてない、厳密には書いてないんだけれども、戒めみたいなものをちょっとこう植え付けたかったんじゃないかっていうようにも読み取れるわけよ。
あー。
金閣寺ってすごい配管料もらってたわけね。
あー。
で、ほとんど住職の懐に入ってたわけ。
あ、そうなんだ。
そう。で、住職は結構ね、これも作中に描写があるんだけど、女遊びとかしてんのよ、その金使って。
はい。
そう、浮かれてるわけね。
うん。
だからそういうことに対する、まあプロテストっていう言い方でもいいし、まあ戒めだよねみたいな意味合いも含めて金閣寺をやっちゃうぜっていうような感じ。
うん。
もあるんじゃないかとも言われて。
はいはい。
そうそう。で、これってさ結局感覚としてさ、戦時中戦後のさ、その日本の動乱っていうのをさ、まあ知らない世代からするとなんかやっぱりいまいちピンとこないのよね。
うん。
まあ少なくとも俺はピンとこなかった。
だけど、この小説ってずっと今の今まで売れ続けてるロングセラーなわけよ。
はいはい。
三島幸男と言ったら金閣寺だぜってずっと言われてることだから。
うん。
改めてこの作品何がすごいのかっていうと、これはもう長丸解釈と思ってください。あのもう賛否両論とかちょっとね、正直ね、あまり受け付けたくないんですけど。
うん。
もう三島幸男のね、表現力の部分にあると思うんですよね。
うんうん。
これね、金閣寺ってあらすじさバーって言ったけどさ、俺が言ったあらすじでほぼほぼもう全てなのよ。
うん。
だけどね、ページ数で言うとね、文庫本で330ページあんのよ。
えーすごい。
そう。最後のあの生きようと私は思ったっていうところで330ページ目なの。
うん。
だから、330ページの間にその喫煙症の少年の置いた地から金閣寺とのこうなりそめだったりとかさ、その間に起きた出来事っていうのをこうまとめてって、最後放火して一服数ところまでを描いた作品なんだけれども。
うん。
ここにね、なんていうの、この溝口少年っていうのは犯罪者なわけじゃん。
はいはい。
犯罪者側の真理っていうものをものすごく込めてるわけ。
27:02
うん。
あ、そうだ、あらすじの前で語ればよかったのかもしれないけれども、この作品って基本的に溝口少年が回想してるみたいななんかニュアンスの作品なわけ。
うん。
金閣寺燃やした後ぐらいにこうなんかこんな感じでしたみたいな感じの風で描いてる作品なわけね。
うん。
つまり表現は全部溝口少年から見た表現になるわけ。一人称が要は溝口少年だから。
はい。
つまり犯罪者の真理描写っていうのをめっちゃ細かく描いてんのね。
うん。
え、そんなのよくわかんじゃすごくないみたいな。
はい。
そう、だからそこがやっぱり評価されてるところなのかなって。これ実際なんで金閣寺燃やしたのっていうところとかさ、ちょっとよくわかんない感覚っていうのは結構あるんだけど読むと。
うん。
ただ単純に三島由紀夫作品としてこう読んだ時にすげーこの表現って、この出来事をここまで語れるんだとかさ、この描写をこんなにすごい表現で語れるんだっていうのは是非小説を実際見て欲しいかなっていう風に思います。
なるほど。
あのあらすじ聞いちゃったからさ、なんか小説読んでも面白くないんじゃないかっていう人多分いると思うんですけれども、あんま見てない人はね。
はいはい。
全然そんなことないです。むしろあらすじ読んでからあらすじ、なんか自分が今喋ったあらすじを聞いてから読むのと全く知らないで読むのでは多分あらすじを聞いてから読んだ方がたぶんしっくりくると思う。むしろ。
うん。
そう、調べてもらえればあらすじ斎藤みたいなのもあるからちょっとパーって一読してからなんとなくポイントだけ掴んで実際読むと、これこういうことで今こう思ってるんだなとかっていうのがちょっとこうわかってくるから。
うん。
じゃないとねこれね多分3回4回読まないとマジでわかんないんじゃないかなっていうふうに思う。
あーそうなんだ。
なんかね難しいやっぱり。
うん。
三島由紀夫の作品全体そうなんだけどちょっとねやっぱ独特なところがあって個人的にはちょっとね読みづらいというか理解が難しいっていうところはあって。
うん。
仮面の告白っていうね作品があるんだけれども三島由紀夫に。
はい。
これなんかはねもう本当にね初め読んだ時に何のことを言ってるのか全然わかんなかったのよ表現がもう一個のことを表現するのにものすごい言葉を使うの。
うん。
わかんなかったの。
はい。
そうまあ簡単に言うと同性愛者の話だったんだけど。
うん。
それを理解するのが1回読んだだけじゃ全然わかんなかった。
あーはい。
っていうぐらいなんかね表現が難しいのとにかく三島由紀夫って。
うん。
だけどやっぱりその小説家としてすごい頭の良い人なんだなっていうのはもう本当に文章を見てもらえればわかるんで金閣寺に限らずいろいろ作品あるんでちょっと興味持ってもらえたらぜひ読んでもらいたいなと思います。
はい。
それで今日のテーマの三島由紀夫の金閣寺は以上になるんですけれども小片郎いかがでしたでしょうか。
いやーそうだね。そもそもやっぱり自分も三島由紀夫読んだことないから。
あー。
だからなんともコメントしがたいけどリクエストいただいた時にさ自分もさ三島由紀夫ってそういえばどんな人だろうっていうのをさ本読めばいいのになんかその三島由紀夫を語ってる有名な文学者とか同世代を生きた人たちのなんかあったんですよそういうのが。
30:20
あー。
なんか見ててなんかその人たちが言ってたのがやっぱりその文体が独特ですごく難解で普通の大概の人は理解しにくいというか親しみにくいのかな。
だけどあるその一定のその文体にすごくハマる人はもう本当にすごくハマっちゃうというかそういうなんかものを持ってるっていう。
本当にねその評価通りだと思うなんかねとにかく難しいね何を今言ってるのかがわかんなくなるって感じなんか情報が多すぎてでねあの三島由紀夫自体すごい頭のいい人なんだよね。
あーそうなんだ。
超天才だと思っていいやもう超天才なのだからこんな作品書けるの逆に言うと。
金閣寺はねでも言ってもね本当に名作って言われてるぐらいだからまあ三島由紀夫を読むんだったらとりあえず金閣寺読んでくれればいいのかなっていう気はしますね。
彼って最後あの活服自殺してさそれによってなんだろう彼の作品もまたすごい評価が上がったとこもあったじゃん。
なんかねそういうのもちょっと読めよって話なんだけどさそもそも読めよみたいな話なんだけどだからすごい歴史に名を刻んだ人だよね。
やっぱりさなんか自分の人生もシナリオ化してたんじゃないかって思えるぐらいすごいのよねこの人って。
あー確かに。
だって思い立ってその自衛隊に乗り込んだわけじゃなくて思い立って乗り込んだっていうかもうそれも全部計画してんだよね。
書き続けてた小説も全部終わりにしてからもう結婚してんのよ。
あーはいはい。
で死に方もさまあいわゆる活服自殺でしょ。
うん。
最後あの活服だから解釈されて死ぬんだけど。
うん。
だからもうそれも決まってたのよ全部もうなんか自分の死に方すら決めたっていうさ。
うん。
もうすごい人だよねなんか。
なんか本当にね感覚がわかんない自分にはとにかく。
なるほど。
じゃああのということで今日は三島由紀夫の金閣寺でした。
はい。
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最後まで聞いていただいてありがとうございました。
ありがとうございました。
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