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#52【たまごっち爆売れ】Z世代が“知らない90年代”を推す本当の理由【推し活未来研究所】
2026-05-25 25:51

#52【たまごっち爆売れ】Z世代が“知らない90年代”を推す本当の理由【推し活未来研究所】

『推し活未来研究所』🎧 毎週月曜あさ7時配信!ビジネスとカルチャーをつなぐ「推し活」の世界を、ほっこりトークでお届けする番組へようこそ!Z世代の推し消費トレンド、社員のエンゲージメントを高める「社内推し活」の可能性、ファンに熱烈に”推される”ブランドやサービスの作り方など、身近でちょっと気になる推し活関連のトピックをピックアップ。難しい専門用語は使わず、「ゆるっと深掘り」していきます。聴いていると元気が出て、明日からのちょっとした活力になるような番組を目指しています☀️▼ パーソナリティ矢澤 綾乃株式会社KAZAORI (https://kazaori.co.jp/) 代表取締役ファンやコミュニティの「好き」や「熱量」を起点に、企業のマーケティング支援、ブランドプロデュース、新規事業開発などを手掛ける。推し活の記念日やイベント等を華やかに彩るバルーン事業なども展開し、「好き」を形にするための多様なサポートを提供している。現役ベーシスト様々なアーティストのライブサポートやレコーディングに参加するミュージシャンとして、現在も活動中。推す側・推される側の視点を持つ「現場あがり」の実践者アーティスト/クリエイター側と、それを応援するファン側の両方のリアルな視点と経験を持つユニークな存在。この経験を活かし、“推し活×ビジネス”の新しい可能性を日々探求し、そのインサイトを番組で分かりやすく発信しています。▼ 応援&メッセージはこちら📣あなたの推し活体験やアイデアが、番組をもっと豊かにします!ぜひお気軽にご参加ください。SNSで参加: 番組へのご感想、あなたの「推し」紹介、熱い推し活エピソード、ビジネス活用アイデアなどを、ハッシュタグ #推し活未来研究所 をつけてぜひ投稿してください!Podcastを応援: SpotifyやApple Podcastで番組をフォローし、レビューや星評価(☆☆☆☆☆)をいただけると、制作の大きな励みになります!専用フォーム: 長文のメッセージや、SNSを使わない方はこちらからどうぞ。 https://forms.gle/zSD7LYrAscxYCoh79▼ 視聴・聴取はこちらから▶️ライフスタイルに合わせて、お好きなプラットフォームでお楽しみください!YouTube: 最新エピソードの視聴やアーカイブはこちら!チャンネル登録もお願いします🔔 https://www.youtube.com/ @oshikatsu_laboSpotify: 通勤・通学中やお休み前など、耳で楽しむならこちら! https://x.gd/9kSbnApple Podcasts: iPhoneユーザーの方はこちらも便利です! https://x.gd/lxYcKそれでは、また月曜あさ7時にお耳にかかりましょう!

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サマリー

本エピソードでは、Z世代の間で再燃している90年代カルチャー、通称「平成レトロ」現象を深掘りします。たまごっち、プリクラ、セーラームーン、小室ファミリーといった象徴的なアイテムやアーティストを例に、なぜ一度も経験したことのないはずの90年代が、現代の「推し活」として熱狂的に支持されているのかを分析。単なる懐古趣味ではなく、エモ消費やデジタルネイティブ世代のアナログ回帰といった現代的な消費行動と結びついていることを解説し、長寿IPの強さ、記憶ビジネスとしての推し活、そしてデジタル時代におけるフィジカルな価値の再認識といった、推し活の本質に迫ります。

はじめに:平成レトロブームの到来
こんにちは、株式会社KAZAORIの矢沢彩乃です。推し活未来研究所へようこそ。
この番組では、ますます盛り上がりを見せる推し活を、ビジネスの視点から、そして時には私自身の経験も交えながら、楽しく深くひまといていきます。
さて、今日のテーマはこちらです。 平成レトロ再来、たまごっち、プリクラ、セーラームーン、小室ファミリー、
90年代カルチャーは、なぜ2026年の推し活として蘇ったのか、です。
最近、ルーズソックスを履いたZ世代の女の子が、たまごっちを持っている、なんて光景を見たことありませんか?
あれ、1990年代にタイムスリップしたのかな?って一瞬思いますよね。でも違うんです。彼女たち、2006年以降に生まれた子なんですよ。
つまり、90年代を一度も経験していない世代が、90年代カルチャーに本気でハマっているんですね。
私、90年代前世紀なので、本当に私がハマっていたものを今の若い子たちが持っていて、すごいびっくりするんです。懐かしいと思って、すごくテンションが上がります。
これ、何なるカイコブームじゃないんです。
たまごっちは、累計出荷数1億個を突破し、Y2K、西暦2000年、ミレニアムを意味する言葉ですね。
このY2Kファッションの世界市場は、2024年時点で約87億ドル、日本円で1兆円を超えるマーケットに成長しています。
じゃあ、なぜ90年代が2026年の推し活として蘇ったのか、気になりませんか?
今日は、たまごっち、プリクラ、セーラームーン、小室ファミリーという4つの象徴的な領域から、この現象を徹底的に掘り下げていきます。
本題に入る前に、初めて聞いてくださる方もいらっしゃると思うので、少しだけ自己紹介させてください。
私は普段、推し活をテーマにしたビジネスをしていまして、ファンの皆さんがイベントを一緒に盛り上げられるプクートというサービスなどを提供しています。
それと同時に、ベーシストとしてアーティストさんのバックバンドでベースを弾かせてもらっていて、いわば押される側の空気感も肌で感じているんですよね。
この番組は、そんな押す側と押される側、両方の視点を持つ私だからこそ見えてくる推し活の面白さや可能性を、皆さんと一緒に探っていきます。
YouTubeのチャンネル登録、そしてポッドキャストのフォローもぜひよろしくお願いします。
平成レトロブームの全体像と市場規模
さて、まずこの平成レトロブームの全体像を一緒に確認しておきたいんですよね。
実は、平成レトロブームが日本で本格的に可視化されたのって意外と最近なんです。
日系トレンディーのヒット商品ベスト30で、昭和平成レトロブームが初めてランクインしたのが2021年で4位。
そこからZ世代の平成カルチャー消費が一気に加速していったという流れなんです。
この流れを支えているのがリユース市場です。
日本のファッションリユース市場は、2023年で1兆1500億円、2020年でなんと1兆2800億円、前年比111.3%、二桁成長を続けているんです。
中でも特に伸びているのが、90年代から2000年代の古着で、WEGOさんやスピンズさんといったアパレルブランドがY2K、平成ギャルっていう打ち出しで棚を作ると、もう本当によく売れるという状況なんですよね。
ここで面白いデータを一つ。WEGOさんが運営するWeLabが約6万8000人を対象に行った、2025年Z世代界隈ランキング。
この界隈って、Z世代が自分の所属コミュニティを分類するときに使う言葉で、ギャル界隈、韓国界隈、二次元オタク界隈、ガーリー界隈みたいに全部で8つに分かれているんです。
このうちの二次元オタク界隈とギャル界隈のファッション部門で、それぞれY2Kと平成ギャルグランドが1位を取ったんです。
つまり、特定のグループだけの流行じゃない。ジャンル横断的にZ世代の中に平成カルチャーが根付いているということが見えてくるんですよね。
そして、海外に目を向けると、Y2Kファッションの世界市場規模は、2024年で約87億ドル、2025年には約103億ドル、2033年には287億ドルまで膨らむと予測されているんです。
これ、単なるノスタルジーの再発掘というよりは、巨大な経済圏が生まれつつあると捉えた方がいいと思うんですよね。
じゃあ具体的に何が復活しているのか、今日はその象徴的な4つの領域、タマゴッチ、プリクラ、セーラームーン、コムロファミリーを一つずつ見ていきます。
たまごっち:おもちゃから「推し活デバイス」へ
まずタマゴッチです。タマゴッチって、そもそもいつ生まれたか覚えてますか?
1996年11月23日、バンダイから発売されました。つまり2026年でちょうど30周年を迎えるんです。タマゴッチめちゃくちゃ懐かしいです。
当時は売り切れ属質で、なかなか買えなくて、抽選でやっと当たってすごく嬉しかったんですよね。
当時は学校に持って行くのが禁止で、学校に行ってる間は母にお世話をお願いしてたんですけど、家に帰ると死んじゃってたりして、すごくショックだったことがありました。
これも今でもはっきり覚えてます。あの時代のシンボル的なおもちゃですよね。
そのタマゴッチが2025年7月末時点で、なんと国内外の累計出荷数1億個を突破したんです。
1億個ですよ。しかもこの数字を30年でじわじわ作ったわけじゃなくて、直近数年で一気に伸びているのがポイントなんです。
象徴的だったのが、2025年7月12日に発売された最新機種、タマゴッチパラダイス。
なんと前作タマゴッチユニと比べて予約が400%超え。あまりにも申し込みが殺到しすぎて、予約上限に到達してしまったんですよね。
そして面白いのがコラボ戦略です。
2025年12月にはユニクロUTとのコラボが発売されました。
UTオリジナルのタマゴッチ本体が2,990円、Tシャツが1,990円。
本体には初代のソフトが搭載されていて、英語版で遊べる仕様になっているんですよ。
他にも、アナスイさん、サンリオさんといろんなブランドとコラボを重ねていて、もはやファッションアイテムとして扱われているんですよね。
ここで注目したいのが、タマゴッチをおもちゃではなく、推し勝ちデバイスとして捉えているZ世代の動きなんです。
TikTokでは、ハッシュタグタマゴッチのタグが10万件超えで、彼女たちはお世話動画を撮って育成記録をSNSで共有している。
つまり、推しをシェアしてファン同士でつながるっていう、今のアイドル推し勝ちと同じ構造をタマゴッチでやってるんです。
これ本当に象徴的だなと思っていて、90年代の私たちは友達と見せ合うのが推し勝ちでした。
でも、2026年のZ世代は、SNSでフォロワー全員と共有するのが推し勝ち。
同じタマゴッチというデバイスなのに、推し勝ちの形が時代に合わせて進化しているんですよね。
ちなみにバンダイさんは、こうやって世代や国境を超えて売れるIPのことを、ノンジェネ玩具、つまり世代を超えるおもちゃって呼んでいるんです。
タマゴッチはまさにその代表例。日本のZ世代にも、海外のミレニアル世代にも、子供の頃に触れた30代40代の親世代にも全員に刺さる。
これが既存IPリバイバルの最大の強みなんですよね。
プリクラ:自分たちが主役から「推し」が主役へ
次はプリクラです。プリクラ。正式名称はプリントクラブ。
日本に誕生したのが1995年の7月。セガとアトラスが生んだ大ヒット製品で、2025年でちょうど30周年なんですよ。
すごいですよね。90年代の文化アイコンが次々と30周年を迎えています。
私も高校生の頃、放課後はプリクラ取りに行ってましたね。
プリ帳っていうシール大使のノートにみんなでプリクラを貼ってメッセージを書き合って、実は今も実家にあって、本当に当時を一瞬で思い出せる記録アルバムみたいなものだなと思ってます。
さて、プリクラ業界の現在地なんですが、ちょっと意外な数字なんです。
最盛期のプリクラ市場は約1000億円規模だったんですが、現在は約2割、200億円程度にまで縮小しています。
あれ、衰退してないって思いますよね。でもこれ違うんです。
プリクラ機を作っているフリューさんという会社があるんですけれども、この会社が今、国内プリクラ機の設置台数シェアでなんと約94%。
もう実質独占状態なんです。プレイ回数が年間約330万回。
これ計算すると、1秒に1回、日本のどこかで誰かがプリクラを取っている数字なんですよね。
すごくないですか?市場規模は縮小したけど、熱量は全然衰えていない。
むしろプリクラを取る文化が今の若い子たちの生活にしっかり根付いているんですよね。
さらに、撮ったプリクラ写真をスマホに保存できるピクトリンクという有料会員サービスがあるんですけど、累計利用者数が約2500万人。
東洋経済産によれば、令和の10代女子の86%がプリクラ利用経験ありなんだそうです。もはや日常インフラですよね。
ここからが本当に面白いんですけれども、不流産の2024年3月期決算で、ついに世界間ビジネスというIPグッズ事業の売り上げが主力のプリクラ事業を初めて上回ったんです。
つまり、プリクラの会社がいつの間にか推し活グッズの会社に変貌しているということなんですよね。
これすごく象徴的な話で、プリクラってもともと自分と友達を取るためのツールだったじゃないですか。
それが今、不流産は推しとファンをつなぐ世界観を売る会社にシフトしているんです。
推しとプリクラを取るという新しい文化まで生まれているんです。
推しキャラと一緒に映れるコラボプリキがあって、撮ってSNSにアップする。
プリクラが推し活の記録装置として再定義されているんですよね。
90年代のプリクラは自分が主役。
2026年のプリクラは推しが主役。
同じ機会なのに役割が完全に変わっている。
これ、平成レトロブームの中でも特に面白い進化だなと思います。
セーラームーン:リアル世代の「出戻り」と購買力
3つ目はセーラームーンです。
セーラームーンは竹内直子先生の原作漫画が雑誌なかよしで1992年2月号から連載開始。
アニメ放送はその翌月の1992年3月にスタートしました。
だから2022年に30周年を迎えていて、今もその記念プロジェクトが拡張中というIPなんですよね。
私くらいの世代でセーラームーン嫌いなんていう人はいないんじゃないでしょうか。
未だにやっぱりずっと好きですし、コラボグッズとかもよく出るんですけど、私もちょこちょこ買っちゃいますね。
セーラームーン店とかも行ったことがあります。
ちなみに私世代の女の子たちは、惑星の名前はセーラームーンで覚えてます。
さてここで、普通のカイコブームと決定的に違うのがセーラームーンの消費者層なんです。
六本木ミュージアムで2022年7月から開催された30周年展が、その後福岡、大阪、名古屋に循環して2025年からは海外展開まで広がっている。
そのメインターゲットが30代から40代の女性なんです。
つまり子供の頃にセーラームーンを見ていたリアル世代が大人になって出戻ってきているということなんですよね。
なぜこの出戻り現象がこれほど強力なマーケットを生むのか。
ここが今日ぜひお伝えしたいポイントの一つなんですけど、30代から40代女性って、押し勝つ市場で最も購買力が高い層の一つなんです。
過処分所得があって、かつ自分の好きなものに投資することへの罪悪感が薄れている世代。
その証拠にコラボの規模が桁違いなんです。
例えばジミー・チューとのコラボ第2弾が2024年10月に発売されました。
ジミー・チューなんてハイブラントとのコラボってすごいですよね。
これが伊勢丹新宿店や阪急梅田本店、海外のポップアップでも展開されて、コレクターカードまで付いてくるという豪華仕様。
他にもユニクロUT、アナスイ、サマンサタバサ、サンリオ、ウンナナクール、明治さんまで、アパレルからコスメ、食品まで本当に全方位に広がっているんですよね。
これ若い子向けのIPではありえないコラボ規模なんです。
だって若い子はお小遣いでTシャツを買うそうで、でも30代から40代の女性は自分へのご褒美でジミー・チューを買えるそう。
IPの単価が全く違うわけです。
さらにセーラームーンが強いのは、母から娘へのバトンタッチが起きているということなんです。
プリキュアの世界では子供の2倍以上の大人が視聴しているっていうデータもあって、セーラームーンも構造は同じ。
お母さんが娘を六本木ミュージアムに連れて行ったり、一緒にコスメを使ったり、一つのIPで親子2世代を同時に囲い込めるんですよね。
ここで思い出していただきたいのが、前回取り上げた名探偵コナン30周年の回。
あの時も30年押され続けるIPの話をしましたよね。
セーラームーンもまさに同じで、長寿IPこそが押し勝つの真の勝者。
なぜかというと、新しいファンが入ってくるスピードよりも、既存ファンが離れていくスピードの方が圧倒的に遅いからなんです。
30代から40代の女性が50代になった時、彼女たちはまだセーラームーンを押している可能性が高い。
これがIPの本当の強さなんですよね。
劇場版美少女戦セーラームーンコスモスの前後編が2023年6月に公開されて、ネットフリックスで世界配信もされました。
もう完全にグローバルIPとして確立しているんですよ。
90年代の日本アニメが30年以上経った今、世界中の大人たちの推しになっている。
この現象本当にすごいことだと思います。
小室ファミリー:音楽サブスクとフィジカルの価値
4つ目はコムロファミリーです。
ここ、実は少し切ない話も含んでいます。
まずコムロファミリーって改めて何かというと、1990年代の音楽シーンを制覇した音楽プロデューサー小室哲也さんが手掛けたアーティスト群のことです。
グローブ、TRF、アムロナミエさん、カハラトモミさん、ひとみさん、鈴木アミさん、そしてダウンタウンの濱田正人さんと組んだHジャングルwithTまで。
当時は街を歩けば小室哲也さんのプロデュース曲が必ずどこかで流れている、そういう時代だったんですよ。
代表的なのがグローブ。
1995年デビューで、翌年1996年に発売されたファーストアルバムグローブがなんと400万枚超え、シングルでバーチャルズはダブルミリオン、つまり200万枚以上を売り上げました。
90年代の音楽マーケットの熱量って本当に異常だったんだなぁと改めて思います。
その小室哲也プロデュース楽曲群が今、最注目されているんです。
哲也小室アーカイブスというプロジェクトで、アムロさん、グローブ、浜崎あゆみさん、ひとみさん、TRFの楽曲が現代の音で蘇っている。
ネットフリックスの恋愛リアリティ、ラブ上等の主題歌にグローブのラブアゲインが起用されたりと、ちゃんと2026年のコンテンツに接続されているんですよね。
そしてここまでは明るい話なんですけど、実はこのテーマ、切ない話が一つあるんです。
皆さん、アムロのみえさんの楽曲って、今サブスクで聞こえるか知ってますか?
実は、2019年6月にApple Musicで全曲独占配信が始まって、9月にはSpotifyやAmazon Musicにも広がったんです。
当時引退されたアムロさんの曲が、また日常で聴けるようになって、ファンは本当に喜んでいました。
ところが、2023年11月16日、アムロさんの楽曲がサブスクからほぼ全面的に消えてしまったんです。
原因は、契約に関する問題だと言われています。
今聴けるのは、ごく一部のリミックス版やコラボ曲だけで、オリジナル音源は事実上アクセスできなくなってしまったんですよね。
これ、現代の推し活における大きな問題を象徴していると思うんです。
前回、動画配信プラットフォームの独占配信の闇を扱った時に、「推しはどこ?」という問いを立てましたよね。
あれと全く同じ問題が、音楽の世界でも起きている。
サブスクで聴けるって、自分で所有しているわけじゃないんです。
権利者の都合一つで、明日にはアクセスできなくなるかもしれない。
90年代にアムロちゃんのCDを勝手に持ってた人は、今もCDを持っていれば聴ける。
でも、2019年以降にサブスクで初めてアムロさんと出会った人は、ある日突然推しが消失する経験をしてしまったわけです。
この話、平成レトロブームの文脈ですごく大事だと思っていて、
フィジカルに残っているものの価値が改めて見直されているんですよね。
だからこそ今、昔のCDやカセットテープを買い戻すZ世代も出てきている。
プリチョーもそう、たまごっちもそう。
手元に残る推しの価値が、デジタル時代だからこそ上がっているんです。
リアルタイム世代としてデパージャーズを聴いていた私としては、
Z世代が90年代の名曲をTikTokで掘り出して何億回も再生してくれるのは本当に嬉しいんですよ。
でも、その喜びと推しの音源が消えるリスクは常に表裏一体なんだよなと感じています。
Z世代が平成レトロを推す本当の理由
ここまで4つの象徴的な領域を見てきました。
ここで、根本的な問いに戻りたいんですよね。
なぜZ世代は自分が生まれる前の時代にここまで夢中になれるのか。
これ一番大事なポイントだと思うんです。
だって普通に考えたら、自分の青春時代のカルチャーにはまるのが自然じゃないですか。
でも彼女たちは一度も体験していない1990年代を推している。
ここには、世代論だけでは説明できない何かがあるのではないかと思っています。
一つ、面白い概念を紹介させてください。
フォラムニストの荒川和久さんが提唱しているエモ消費という考え方です。
これって、頭で考えて買うというより、
なんか懐かしいなとか、これちょっとワクワクするなという気持ちが先に動いて、
思わず買ってしまうような消費行動のことなんです。
面白いのは、その懐かしさって必ずしも自分が実際に経験した思い出から来ているとは限らないんですよね。
ここで心理学の一つを挟ませてください。
プルースト効果って聞いたことありますか?
これ、フランスの小説家マルセル・プルーストの作品に由来する言葉なんですけど、
特定の匂いとか音とか映像が過去の記憶を強制的に呼び起こす現象のことなんです。
スマホの登場以降、Z世代はSNSで90年代の動画や写真を浴びるように見ているんです。
実際に体験していなくても、90年代って明るくてポップでキラキラしていて楽しそうっていう、
いわば想像上の記憶がどんどん積み上がっていっている状態で、
その想像上の記憶が本物の記憶以上にエモーショナルな価値を持ち始めているということなんです。
これって従来のノスタルジー消費と決定的に違うんですよね。
年配の方が、俺たちの若い頃はさって言って、昭和歌謡を聞き直すのとは構造が全く違います。
Z世代は、自分の記憶じゃない記憶を推しているのかもしれません。
ビジネスの視点で面白いのは、Z世代が閉塞感の中で育った世代だということ。
Dマンショックアートの不景気、東日本大震災、コロナ禍、社会が明るくなるっていう体験をあまり持っていないんです。
だからこそ、バブル崩壊前後のあの明るい空気が彼女たちにとっては眩しいユートピアに見えるのかもしれませんね。
これは、二世代IPの強さともつながっています。
セーラームーンとかタマゴッチみたいに、親世代が昔楽しかったって話して、子供世代が私も体験したいって参入してくる。
記憶が世代を超えて受け継がれている推し活。
これは単なるブランド戦略では作れない現象で、だからこそ企業側は今この流れに全力で乗っているんですよね。
もう一つ大事なのが、Z世代はデジタルネイティブだからこそアナログに植えているという構造です。
生まれた時からスマホがあって、何でもワンタップで完結する世代にとって、タマゴッチのボタンでお世話をする手間、
プリクラで物理的なシールが出てくる質感、カセットテープを巻き戻す時間、こういう面倒くさい体験こそが逆に新鮮に移るんです。
平成レトロブームの本質って、デジタル図家でした時代のアナログ回帰でもあるんですよね。
推し活の進化系として、今、面倒くさくて時間がかかる体験が再評価されている。
これ推し活ビジネスを考える上で、本当に重要な視点だと思います。
推し活の本質:長寿IP、記憶、そして継承
さて、今日は平成レトロブームをテーマに、タマゴッチ、プリクラ、セーラームーン、小室ファミリーの4つの領域を見てきました。
最後に、ここから見えてくる推し活の本質を3つにまとめたいと思います。
1つ目は、長寿IPこそ最強という真実。
タマゴッチは30年、プリクラも30年、セーラームーンも30年以上。
30年以上押され続けたIPは、そこからさらに30年押され続ける可能性が高いんです。
なぜなら、リアルタイム世代の出戻り、下の世代の新規参入、そして海外ファンの流入、この3つのエンジンが同時に回るからなんですよね。
全く新しい作品やキャラクターを一から作るよりも、既に知られていてファンの記憶に残っているIPをもう一度活用する方が、かけたお金や労力に対して成果が出やすいんですよね。
これは、これからの推し活ビジネスの大きな原則になると思います。
2つ目は、推し活は記憶ビジネスだということ。
プルースト効果の話をしましたが、推し活って結局、ファンの人生のどの瞬間と結びついているかが全てなんですよね。
10代の頃に聴いた曲、高校生の時に撮ったプリクラ、小学生の時に育ててたたまごっち、これらは単なる商品じゃなくて人生の時間そのもの。
だからこそ企業側は、その記憶をどう再転化するかを真剣に考えなければいけないんだと思います。
3つ目は、推しは消えるリスクがあるという継承です。
アムロナミエさんのサブスク撤退の話をしましたが、デジタル時代の推し活って、プラットフォームや権利者の都合で一瞬にしてアクセスを失うリスクがあるんですよね。
だからこそ、今改めてフィジカルな推し活、CDを買う、たまごっちを手元に置く、プリクラをアルバムに貼る、この価値が見直されている。
これは平成レトロブームが私たちに突きつけているすごく大事なメッセージだと思います。
平成レトロブームは、推し活とかエンタメの原点ってなんだっけっていうことをZ世代の子たちが改めて教えてくれているような気がしています。
90年代、2000年代、2010年代、そして2026年、推し活の形は時代に合わせて変わっていく。
でもその根っこにあるのは、好きなものを好きだと周りに伝えたいっていうとてもシンプルな気持ちなんですよね。
さて、いかがでしたか?
今日は、平成レトロ再来、90年代カルチャーはなぜ2026年の推し活として蘇ったのかというテーマで、たまごっち、プリクラ、セーラームーン、小室ファミリーの4つの視点から掘り下げてみました。
皆さんの平成レトロの推しって何ですか?
10代の頃に好きだったカルチャーで、今また推し直しているものはありますか?
ぜひ、ハッシュタグ推し活未来研究所でシェアしてくださると嬉しいです。
それでは、今日の推し活未来研究所はこの辺で。最後までお聞きいただきありがとうございました。また次回お会いしましょう。
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