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大阪 Bookラジオ
大阪出身なので、東京に住んでたんですけど、東京では落語できひんやろうなと思って、関西弁やし、ちょっと大阪に帰ってきて、今はかつら分析の弟子になってるんですけど。
髪型、やっぱり東京と違いは?
言葉が全然違うのと、東京の方が、髪型の方がバカバカしい話が多いですね。賑やかな話が多いんですけど、ナンセンスな話も多いと思います。そういう、どっちも好きなんですね。
怪談に興味を持った。
きっかけですか?昔から怖い話とか、ホラー映画とか、すごい好きだったんですけど、めちゃくちゃ好きだったんですけど、きっかけは、ここに置いてあるんです。
甘霞俊樹さんっていう怪談作家の本を読んで、ちょっとこの人すごすぎるなと思って、自分でも、もちろん作家なので、自分でもちょっと書いてみようと思って書くようになったのがきっかけで。
なんか怖いんですけど、怖いというか、文章がまずかっこいいのと、何も幽霊が出てこないとか、死ぬとか何もない、ただただ、自分の記憶がおかしいだけじゃないかみたいな変な話ばっかり書いてるので、なんか普通に思ってた怪談と違う、たたりとか一切そんななく、そういうのが好きで、この人が惚れたみたいな話ですかね。
落語にもそういう怖さってある?だいたい何か出てきます?
落語はでも、落語に出てくる怖い話はどっちかというと、ちゃんとした幽霊が出てきたり、因縁でたたりがあったり、怨念があるっていうパターンが多いので、落語の場合の怖さってあんまりない気がしますね。
本ならではの怖さですね。
落語でやっぱ怪談っていうときって、笑わせて怪談に入る。もう怪談のときは怪談だけをしちゃう。
怪談のときは怪談だけをちゃんと話すときもあるんですけど、そこは締めて話すだけで、それはそこだけちゃんと聞かせたいから話すだけで、笑いの部分は要は緩急で緩急をつけるために、そこを締めるのは笑いのために締めてるだけで、後で絶対笑いを取りたいからっていう感じですかね。
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そんな中で何かおすすめの怪談、さっきの作家さん。
コーダ・ロハンっていう、これ怪談作家じゃないんですけど、見たら見本の文豪なんですか、大文豪なんですけど、この人が書いてる幻の談っていう原談っていう小説があって、これもいわゆる怪談、しかも落語的な要素もあって、この話やっぱ面白いのが、本編は江戸時代の釣人が怪異に巻き込まれるっていう、ものすごい落語っぽくもあるし、
古典怪談っぽくもあるんですけど、全く関係ない、冒頭何ページかが全く関係ないイギリスの最近の山の登山中の出来事、冬山の出来事っていうのが小説としてありえないじゃないかと、全く関係ない話が最初始まって、そこからいきなり江戸時代の怖い話に繋がるっていう。
そこがやっぱりめっちゃ面白いなっていうか、意図がたぶん落語で言う枕に近い、枕っていう本ネタに入る前に、その本ネタに繋がるようなフリをするんですけど、それにすごい近いかな、そういう効果を狙ってやってるのが、わざと全然関係ない国で、わざと関係ない時代設定で本編に繋げていくっていう。
若干被るというか、前半のイギリスの冬山の話もちょっと怖いというか、怖い話であるので、そこから本編に繋げていくっていう、そうですね、そういう部分が面白いかなって感じに繋がるんやな。
この本の中でです。この本の中でも明らかに怖いのは、夜の川の中に、夜の川で釣りをしてて、もう夜の水面って怖いじゃないですか、そこに釣竿がピューと出てるんですよ。
うわ、あれ絶対落としてる釣竿や。誰かが落とした釣竿。あれもらったら自分のものになると思って、釣竿を掴んで、グーッと引っ張ってきて、明らかに釣竿だけの重さじゃないなっていう。ここから先はちょっと言わないんですけど、そういう、それはもう明らかに怖いポイントですね、最後。
やっぱりフライカーとかが出る出る出るっていう。出る予感のところが一番怖いんですよ。出ちゃったらもう逃げるだけみたいな。それを映画だったら映像、文章だったら映画だと恥ずかしくない。
階段も結局、階段話ってなると、落語は会話で喋るので、「おい、お前どこ行ってんの?」、「俺こっち行ってたんや。」みたいな話になるから、やっぱり怖くないので、2人で喋ってる会話がせいで。
高段とかには階段は向いてると思うんですね。まっすぐ喋っていって、幽霊が出てきたっていうのを言える。この男、すっと逃げたみたいな感じで言えるんですけど、落語に関しては怖がってるリアクションを見せる、でしまうので、怖がってるリアクションを見てしまうと、お客さんとしては怖くないんですよね。
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そこはだから落語の良いところでもあり、階段に向いてないところでもあるかな。だから落語のリアクションで、先ほど言ったように水面にこうやって、やってる仕草とか見せたらお客さんも想像してくれるかなって、想像の余地は残せる部分はあると思うんですけど。
階段以外でみんな怖いんですね、これね。
でもこっちの方は、僕、短歌も好きで短歌も置いてますけどね、一応。
落語の中でそういう短歌とか出る?
短歌は出てきます、出てきます。和歌ですね、昔で言う和歌が出てきて、教養…アホがよく出てくるんです。
アホはだいたい物知りの人の家に行って、いろいろ話を聞いて、それを自分なりに解釈して間違えるというのが楽のパターンなんですね。
だからその時に掛け軸に、この向こうのおじさんのところに行ったら掛け軸があるから、その掛け軸に和歌があるから、それをちゃんと覚えてきあって、覚えられへんから、この手ぬぐみ、紙に書いて覚えるというのが、そういう時に単語の、富士でしたろう、食産人の歌が書いておまんがな、その歌はとおっさんが尋ねたら、
当時よ、ここまでござれ天の原三国一の富士が見た窪と書いておますと言うたらおっさん喜びよるから、こういうので単歌が出てきたりはあります。よくそういうのは、節々にあります。だからそれぞれの楽を中にいろんな単歌が出ることが多いので、それをちゃんと覚えておかないと。
観客も結構問われるんですね。知ってたら笑う。
観客さんは知ってない。観客でもどっちに聞かれると、別にアホにも感情移入できるし、どっちのポジションも取れるように作られてるので。
単歌で怖さを歌ってる歌とか?
いやーめっちゃあると思います。
怖さ、例えばなんですけど、僕のホムラヒロシさんっていうめちゃくちゃ有名な歌人さんがいて、この人ってダ・ビンチとかNHKの戦者とかやったりしてる結構有名な歌人なんですけど、この人はもう名言を残してて、この人はもう怖い単歌ほどいい単歌だって言ってるんですね。
で、最近階段描いてあるこの赤妻としきさんという人が描いてる単歌で、単歌っていうのは理不尽に飛躍してる方が面白いので、
なんか一つ赤妻さんの僕のすごい好きな単歌で、「滅んでもいい動物に丸つけて投管すれば、地震今夜も。」っていう。
ちょっと怖くないですか?
そういうのがちょっとやっぱり。
バイオレンスな気がしますね。
なんか何の世界と何を繋がってるわけじゃないのに、自分の行為が何かを起こしてるかもしれないっていう。
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単歌ならではの怖さやな。これ階段でも無理やし、落語でも無理な怖さではあるなと思うんですね。
人間にとって怖さは?
大事やと思います。一番大事な。
緊張と?
死ぬのが一番怖いみたいなところがありますからね。
じゃあちょっとまとめを。
まとめ?
階段とか落語はどっちもおすすめ。
まとめになりそうなこと。
僕ね、結局面白いことも怖いことも一緒だと思ってる。
それって、自分にしか見えてない世界というか、自分にしか見えてない世界を人に伝える時って、
これが面白いことも怖いことも一緒だと思ってるんですよね。
僕にしか覚えてない記憶とか、僕にしかわからない世界観を相手に伝える時って、絶対にディスコミュニケーションが発生すると。
そうなってきた時に、その中でこいつ何言うてんねんっていうのが面白い。
こいつ何言うてんねんってなったら怖いになるだけやと思ってるので、そういう意味で多分どちらも似てると思うので、どちらもおすすめです。
そういう世界観を味わいたかったら、怪談もラフ語も楽しめると思います。
ということです。