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この番組は、本が好きな人たちが集まり、本から始まる様々な思い、広がりを記録して繋いでいく番組です。
そうですね、僕が最近読んで面白いと思った本を紹介すると、藤原無雨さんの水と礫っていうね、小説ですね。
ああ、借りてますか。読みました? 届いたのが遅くて、しっかりは読みきれなかったんですけど、なんとなくは読みました。
この小説は、去年の文芸史賞受賞作といって、川出処方針社という出版社がやっている新人賞を取った作品なんですね。
話をあらすじ言うと、これも難しいというか、ある種ミヒアイル縁で的かもしれませんけど、主役はクザーノという男の人なんですね。
クザーノさんは、一回東京で働いてたんです。
東京で一回、中華料理屋さんのアルバイトをしてたんだけど、中華料理屋が潰れて、ドブサライか何かのアルバイトをするものの、そこで大きな事故を起こしてしまい、
仕事を辞めさせられて、ある種東京まで出たのに、ちょっと挫折を味わって、もう実家に帰るかと思って、実家に帰るわけですよ。
まだ20代、そこそこだと思いますけどね。実家が、これ面白いのは、実家が砂漠の町なんですよね。
東京っていう、日本にある町と、砂漠の町っていうのがフィクションなんですよね。存在しないんですよね、砂漠の町っていうのがね。
外国とかじゃなくて、東京と砂漠の町は電車とバスとかで行けるらしいんですよね。
その砂漠の町には、お父さんとお母さんと妹がいて、そこでもう1年間ぐらい、ニートっていうか、
使えたよって言って、俺は使えたよって言って、そこで実家で過ごすわけです。これね、面白いのは、これから面白くなるんですけど、
こういちっていうね、下っ端みたいな、下ってくれる、なんていうのかな、射程みたいなね、言ってしまう友達みたいなやつがいて、
そいつが、ちょうど北の町、北の砂漠の方に町があるらしいと。周り砂漠ですからね。
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ラクダに乗って、俺は北の町に行くんだって言って、こういちがね、出かけて行ったんですよ。
でもその砂漠の町っていうのは、あるかどうかもわからない。 だから、もうなかった場合、死ぬしかないわけです。砂漠だから。
こういちもラクダに乗って、北の町に行った後に、クザーの主人公も、俺も行くぜって言って、もうこういちは行った後ですよ。
俺も行こうかなと思って、そこで命がけの旅に出るっていう話なんですけど、ここからがねえ、えげつなくて、
砂漠の町にね、着くんですよ、クザーのは。クザーの着くんですけど、そこで命からから旅が終わって、向こうも北の町の人たちも南に町なんかあったんだっていう感じで、
英雄扱いされるわけ、クザーのは。英雄って言っても別、普通にそこで中華料理だったかな、料理店かなんかで働いて、そこの娘さんと結婚して、子供も生まれるぐらいの話まで行くんですよ。
それが1章みたいな話なんですけど、それが2章3章4章で続くんですけど、2章になると、また最初から始まってて、
クザーのは東京に行って挫折して帰ってきて、また北の町に行くんだっていう話になるんだけど、
コウイチってやつが、実はその2章では田舎の町から出てなくて、先にクザーのが北の町に出かけるんですよ。
コウイチを置いて、コウイチは出て行ってないから、その田舎の町にいるわけですね、実家の町に。
それがあって、また3章になると、3章になると今度は、もう北の町から始まるんだけど、実はもうここにコウイチがいたりするんですよね。
コウイチっていうのは、その1章2章3章ってあるんだけど、自由に何かどこにでもいるんですよ、コウイチは。
矛盾したとこにいるんですよね。毎回違うところに行って、1回先にクザーのが行ってるのに先にいたりとか、いなかったりとか、
なんかちょっとおかしいですよね、1章2章3章が釣り合ってないっていうか、
なんだけど、その話がずっと続いてループしてって、クザーののお父さんと非おじいさんと、クザーのにも息子ができて、孫もできるんで、
それらがみんな登場人物になって、主人公になっていくから、クザーの一族の五代の物語になってくるんです。
で、その五代を描いていく中で、変なループが入り、コウイチがいろんなとこにいて、みたいな話。この水戸劇なんですけど。
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パラレルワールドみたいな。そうそう。時間と時空が一定じゃない。
そうなんですよね。これはね、設定も面白いと感じたところと、
なんかこの主人公があんまり見せない、描かれてない部分が結構多いじゃない。
あ、というのは。なんか、なんていうんだ、ランボーが死とか辞めて、商人で砂漠のなんかこう、
なんでこの人はこんなふうになったのかっていうのは、そういう理由を描いて行動を起こすんじゃなくて、
行動があって、みたいな。それがなんか面白い。
確かにね。これ読んでるとね、あれ、これ同じとこ読んでんのかなっていう、
錯覚もこっち出てくるんですよね、読者もね。これ見たぞ、みたいな。何回これ同じ話すんねん、みたいな。
微妙に違ったりとか、クザーノに当てた焦点じゃなくて、1個下の無数個の話をしたりとか。
2歩進んで、あ、違うか。3歩進んで2歩下がる、みたいな。
ずーっとやって、どこにたどり着くねん、これ、みたいな。 話かなと思いますね。これね、最後ね、僕泣いちゃったんですよね。
最後が良くてね、いや僕が好きそうなね、終わり方するんですよ、これ。
びっくりした。 泣くとはなぁと思って。
読んだ人が、読む方が、お楽しみに。
そうですね。 なんか名前も不思議な感じですよね。
そうなんですよ。 クザーノが主人公だけど、お母さんとかはね、日本語名でしょ。
クザーノ一族の5代だけは、変なカタカナ語の主人公クザーノで、お父さんラモンって言って、
おじいちゃんホイオーって言って、息子がコイーバって言って、孫がロメオって言うんですけど、みんなカタカナなんですけど、他の人たちみんな漢字なんですよね。日本語の名前なんですよね。
これはね、意図的なもんではあると思うんですよね。 このクザーノとかも、日本語名にしなかったのが偉いなっていう感じはしましたよ、僕は。
みんなカタカナ名にしなかったのも偉いなとは思いますね。 この5代が強調されているというかね、こいつらが主人公なんだっていう作者の意図が明らかにここに出てるんですよね。
だからこれはいい、とても面白い試みはしていると思うし。 時代もはっきりとしてないところがいいんだよね。
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そうなんですよね。 結構現代かなっていうね。最初クザーノは現代っぽいんですけど、おじいちゃんとかまでいってもね、戦争みたいなのがなかったりとか、
工場、鉱山っていうかね、鉱夫っていうか、山から鉄鉱石を発掘する職業とか、なんか時代っぽいっちゃっぽいんですけど、
そこまで古い感じのおじいちゃん像でもないし、 時代設定も確かにね、わかんないですよね。
本当に未来に砂漠になってしまうかもしれないですしね。
私はトーツっていう漫画の生活保護特区を出よっていう漫画知ってますか?
トーツ?トーチ?はいはい、トーチは知ってます。
ここにね、今連載している生活保護特区を出よっていう作品があるんですけど、 作者は誰ですか?
作者は誰だろうな。 窓目クレテックっていうね。
全然有名じゃない、多分単行本も出てないと思うんですけど、 無料で6話まで読めて、今も連載中です。
なんかそういう近未来の東京みたいな舞台になっていて、 これもなんか親から捨てられて、砂漠の中にあるダメな人たちが生活保護、
今の生活保護とは違うんですけど、そういうのを受けながら暮らす。
この小説に似たような世界観が。 結構面白いのでオススメです。
あとでネイルします。
はいはい、OKです。 ただね、これはね、一回東京を経てるんで、そのね、現代、現代だっていうのが、やっぱ分かるんですよね、クザーノは。
東京の現在と砂漠の街の現在が陸続きになってるんで、 近未来とかはね、おそらくないんですよ。
その孫とかに行くと、もしかしたらそうかもしれないんですけど、 そこのね、面白さがあって、
変にね、そのSF的なとかファンタジー的なとこに行き過ぎてないところが僕好きなんですよね。
その砂坊主っていう漫画があるんですけど、 あれはなんか核戦争後の東京かなんかが舞台で、
もう東京は全部砂漠になってるわけです。 そこでなんか生きていく話なんですけど、そこまでは多分行ってないし、
砂漠の街ではあるんだけど、なんかありそうではあるんですよね。 だからそういった点ではね、やっぱり面白いとは思いますよ。
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そのバランスがね。
とは思ったりするな。ただやっぱり時空間、 だからね、これね、時空間のループをずっとやってるから、
確かに曖昧なところあるんですけど、 しっかりしてるところはしっかりはしてると思うんですよ。
しっかりしないとね、ループの後、矛盾してるところもどんどん出てくるから、 そのしっちゃがめっちゃがになりかねないような作品だけど、
うまいバランスで保ってるような気がしますね。
こういう微妙なラインを保ってるといい作品なんでしょうね。 そうですよね。
広一の役がいいんですよね。 広一がね、
キーパーソンみたいな感じはします。 広一だけだって血がつながってないですよね、主人公と。
主人公の家族っていうのが出てくるし、 あと元々の家族と、あと北の町に行ってから娘と結婚して家族を作るわけですけど、
広一だけはね、血がつながってない友達みたいな感じで、 あと東京にもね、友達いたんですけど、東京から帰ってきたらもう出てこなくなるんで、
そういうことかもしれないですね、やっぱりね。 一つはね、血のつながりと血のつながらない人間っていうところの対比を出して、
ある種そこからの独立と結合みたいなのが一種テーマな気もするんですよね。 これから続編もなんかありそうな気もしますね。
いやー僕続編はないと思います。 続編出たらもう終わりだと思いますよ。
これはこれでもう完成度高いんで。 続編って言うんだったら他の家族というか主人公を違う方法にしたりとかできなくはないが、
これだけではね、もう一発屋な感じはしますよ。 一発屋って言ったら言い方悪いけど、
こういうアイデアね。 ワンアイデアだけではないですが、まあいくつかのアイデアはもちろん組み合わせてますが、
こういう作品はやはりそんなにないのでね。 うまーくやってるんで。
同じアイデアは使い回せないですよ、これは。 だから次どうするかっていうところがこの作者ね。まだ新人ですからね。
どうするかっていうのが見物ではありますけど。 一種の起承っていうかね。
アイデアがちょっと奇抜な感じ。 本ではあります。小説ではあります。
だから文学らしい感じはあるから、僕は好きでしたね。とても。 作者によってこだわりが同じ舞台で、同じ街の繋がりのある話をずっと駆けつける作家とか、
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安倍 安倍和重
ああいう作家もいるし、毎回毎回違うことに挑戦する作家もいるし、いろんな。
まあ確かにね。 これはね、東京と実家の街と北の砂漠の街っていう
3つの街を出してるんで、安倍和重のやつとかはもう陣、街、三部作みたいな。 そこだけっていうのもあるし
尾野正嗣っていう人はそういう港町みたいなをずっとやってるんですけど、 これはね、どれかだけっていうのはできないでしょ、これは。
北の町だけの話とか、東京だけっていうのは無理で。 3つ現れることによってそこの移動する主人公って、文化的なギャップだとか、
人間性とかね、そういうのを表してるから、差別化してるから。 そこの問題があるんでね、これはちょっと同じのはできないと僕は思ってますよ。
なんか別の名義で書いてたりするんですね。 はいはい、なんかライトノベルの流れっぽいですけどね。
最初に書いた本にはもうその作家のすべてがあると言われるけど、 その作品が最初に書いた本でもないよね。
なんか教長かなんかって書いてませんでした? 教長って書いたりして。
でしょ。だからよくわかんないですよね。 元々なろうかなんかって聞きましたけどね。
小説家になろうの作品からその別名義で出てるっぽいんですけど。
だからね、僕ねちょっとアマゾンのレビューとか見たんですけど、 ラノベっぽいみたいなレビューとかあったんですけど、
これ全然ラノベっぽくないし、その人物造形っていうかね、 ライトノベルのキャラクターっていうのはもうツンデレとか、
無感情キャラとか、そういうキャラクターの同じような形をとってるんで、 データベースっていうやつですけど、
これはでも全然ラノベっぽくないので、そこはちょっとね、 違うんじゃないかなとは僕は思ってますよね。
これはこれで完成度は高いような気がしますけど、っていう感じかな。
なんか自作どういう感じか楽しみですね。 そうですね。
新人賞ってね、もうデビューして次出せませんみたいな作家も多いんで、
結構めちゃくちゃ名作出してデビューしたのに、2作目なかなか出ないみたいなのあるんでね。
ちょっとね、期待はしたいですね。いつかもしかしたら芥川賞取るとかね、 全然あり得る流れなんで、頑張ってほしいですね。
第1回目は、ちょうど1時間ぐらい経ちました。 最初始まりが遅くなったので、ちょうど1時間ぐらいですね。
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そうですね。
じゃあ第2回に向けて、また第2回はまたちょっと趣向の違う作品を、
それかまたゲストとかを見つけることができたらいいなと。
いいですね。
普通な感じで紹介した気持ちで、私は。
スカッタンが現代中文学系をどんどん行くような気がして、
なんかそうなると私はちょっと趣向を変えて、選んできた方がいいのかなというか、
そんなことは気にしない方がいいのかな。
自由でいいとは思うんですけどね。
自分の好きな方を。
では今回はこんな感じでまた編集して、
最初にミーティングしたのとかも番外編で一緒にアップしてもいいんだよね。
面白いんだよね。どうなんだ?
僕は別にいいとは思いますよ。
やってみて、消すこともできるし、やりながらっていう感じで。
では次回また。
また12月の半ばにまた第2回を撮りましょう。
OKです。
今日はありがとうございました。
ありがとうございました。
さよなら。
さよなら。バイバイ。