1. おおさかBookラジオ〈大阪×本×声〉
  2. #285『動的平衡』福岡伸一
2025-04-29 13:08

#285『動的平衡』福岡伸一

#285『動的平衡』福岡伸一

00:08
福岡伸一さんについて、どんなきっかけかな。
僕、大学本読み始めるのも遅かったんですけど、
自分のイメージするものを人に伝えたいってなったときに、
ボキャブラリーがなさすぎて、そこからどうしようって悩んで、
イメージがうまく自分の持っている言葉とフィットしないから、
伝えられないみたいなので、しゃべるのを諦めることも多かったんですけど、
そこから、すごく本を読む大学の先生とかに、
面白い、興味ありそうな本を紹介してもらって、読み始めて、
そこから参考文献をたどるうちに、いつの間にか手に取って読んでたみたいな感じが。
タイトル、いろいろ書籍が出されているんですけど、
一番代表作でもあり、僕が影響を受けたというか、好きなのが
《動的平行》っていう本ですね。
平行状態、行ってきてがイコールっていうので、
それが生命の代謝っていうんですかね。
文学的でもあり、福岡さんはフェルメール、絵画がすごい好きで、
フェルメールが大好きで、自分でも展示会とかをやっちゃうような人なんですけど、
感性的に難しい生物学の話を情緒を持って説明してくれるんで、
理系に疎くても楽しく読めるというか、
生命ってすごいだなっていうロマンを感じるような文章ですごく素敵なので、
一度読んでもらいたいなと思うんですけど、
すごく面白いなって、その人の表現で好きなのが、
《動的平行》に書いてたかどうかは覚えてないんですけど、
生命ってなんだっていうときに、大きな川があって、
川の端っこに石がたまってて、
滞流しているというか、とどまっているように見える、
流れがないように見えるところがあるけど、
そこも大きな川の流れの中で上からちょろっと水が入って、
上から入ったのに下からちょろっと出てるみたいな。
川の淀みが生命みたいなもんだって、
大きな流れの中の淀み。
上から入ってくるのは食べるっていう行為で、
食べたものが分解されて、もともと体だったものがまた分解されて出てくるみたいな。
川も上から入って下から出るみたいなのと同じで、
ある日洪水が起こって石の形が変わって大きな流れに帰っていく。
それが生命でいう死ですみたいな。
03:02
だから体もとどまっているように見えるけど、
2週間でターンオーバーで代謝を繰り返して、
食べるもので今の体ができているし、
今の体が分解されて排泄されていく。
大きな流れの中の循環の中の淀みが生命なんだよみたいな。
表現が面白いですね。
面白いですね。
難しい専門用語とかを使わないようにしたいために、
面白く表現しているんでしょうね。
そうですね。
やはりそれはできないですよね。
できないと思いますし、
その表現が仏教っぽくもあるし、
輪廻というか大きな流れの中の一部でもあるし、
死ぬとまた全体に帰っていくしみたいな。
生命って本当に考えるとスピチュアル的な。
茨城に生物誌JTがあるって聞かれました。
行ったことがあるですね。今度行ってみます。
すごいんですよね。JT生命史研究科。
生命史の死が雑誌の死なんですね。
ここがなんかポイントらしくて、ちょっと上手くないですかね。
雑誌の死と歴史の死だと全然見え方が違うじゃないですか。
歴史の死だと生命の歴史の、
雑誌の死だと分類してそれぞれの、ちょっと上手くないですかね。
そこの館長が有名な女性の、今は違う館長なんですけど。
高槻の駅から歩いて行けるんですね。行ってみよう。
中村慶っていう人。この方がこの生命史というのを名付けて、
そのチャンネル自体もこの方が。
いわゆる生物学の見方としての生命史みたいなのを提言して、
いろんなことをやって、私はちょっとね。
そうですよね。難しい。
この福岡さんも生物学のものすごく難しいことを、
とても賢い人なんで、猿でも分かるような伝わる表現で解いてくれるっていう。
しかもそれにロマンを感じさせる文体っていうのがものすごい魅力的で、
一度読んでもらいたいですね。
動的並行、あと世界は分けても分からないっていう。
やっぱり科学技術が進歩すればするほど、どんどんどんどんミクロを見れるようになって、
06:01
脳の機能とかも、昔は脳全体で見てたところを細かく細かく見れるようになったんで、
じゃあこの右脳は左脳はとか、前頭炎はとか、
なんかどんどんどんどん細分化されていって細胞レベルになってて、
専門性は高まったんだけど部分的なところしか見てなくて、
実は全体が関係し合って組織として生命の大きな流れを作っていると、
その細かく見るのは技術的にはすごいんだけど、
結局本末転倒というか、何を求めて分析研究し始めたのかっていう本質に立ち戻らないと、
本当の理解には繋がらないんじゃないかみたいな話にされていて、
なんていうんですかね、専門家でありつつも生命とは何かっていうものと向き合って、
神の威風というか人間が立ち入れないものっていうのを分かって、
その距離感を保ちつつ研究されているんだなっていう素敵な学者さんだなと、
お会いしたこともないので本を何冊か手に取って読んだだけなんですけど、
そういうかっこいいなって。
いろんなことの応用が利きそうですね。
応用が利きそうですね。
だから僕もあんまり一つの専門領域に固執することなく、
他の業界で働いている人の価値観とか意見とか、仕事の機微みたいなものもいろいろ見ながら、
意外と自分の仕事で活かせることもあったりとかいう応用編じゃないですけど、
その考え方っておっしゃる通りいろんなところで活かせるなという気もしますね。
なんかはっきりしてくるような気がする。
そうですね。ある程度までは理解したいし、できるとは思うんですけど、
でもどこまで行っても分からない部分があるから、
それもまた面白いなというか魅力なのかなという気もします。
AIとかもこれからどんどん進歩して、データ量だけがものすごく多くなってきて、
やり取りも進歩していって、結構なんか人間の脳みたいになってきてるね。
結局人間の脳って言ったってデータでやり取るじゃないですか。
電気信号ですしね。
でも過去の人間を経験してきた人が記憶されている部分からの引き出しを持ってきている。
オリジナルなもので創作とかでも、これが自分の発案で誰にも真似されたらどうかと思っていても、
09:09
結構世界中で同じような発想をしている。
描くものとかでもなぜか同じようなものを描いてしまう。
きっとそういう元々人間に備わっている昔の記憶みたいなのがあるから、
そう考えるとオリジナリティとか何なのかと思うんだよね。
そうですね。
AIと人間との違いって、やっているプロセスは一緒だと思っていて、
人間も0から1ってないって僕は考えているんですけど、
やっぱりインプットして、いろんな引き出しの中から総合的にアイデアをボンって一つ作り上げるっていう。
でもAIも同じで、データベースがある中から組み合わせで答えをアウトプットしてくるので、
じゃあ何が違うんだろうって思って考えていたら、
壁だと僕は思っていて、
癖。
性癖とか種植の好みとかみたいな感じで生まれ育った環境で、
みんな個々人、個体差を持っている、壁を持っているはずなんで、
なんでその壁がオリジナリティというかAIにはない。
彼らはもうフラットに出力するだけ、確率論の話なの。
人間には壁があるんじゃないかなって、
そこをどんどん強めていくとAIと違いというか、
生きる楽しさみたいなのが、
俺が好きだからこう表現したんだとか言えるのは人間で、
AIはまだ判断ができない部分があると思うので。
なんで癖が生まれて、
どんどん強く固くなっていくみたいなもので、
先天的なものか、
後天的なものかで言うと、
僕はリミックスじゃないかなっていう、
もちろん遺伝子に従わざるを得ないものもあるけど、
その上に生まれ育った環境で培われるものも、
それが組み合わさってのその人の独特の癖になると思う。
癖強が魅力であるかという。
僕は癖ってみんな持ってると思って、
無限のグラデーションがあると思ってるので、
そうやってメディアとかで取り立たされる癖って、
立っているというか目立っているというだけであって、
本当の癖だよね。
本当だっていうか。
みんな持っているはずなので、
そこに目を向けられる人の方が生きていて楽しい気がしますね。
12:05
結局、昔のマスメディアに引っ張られて、
流行に乗ってしまうみたいなのと同じで、
それはそれで幸せな人もいるけど、
やっぱりそれに引っ張られて生きづらい人もたくさんいると思う。
自分の豊かさとか相手の豊かさとか、
ちゃんと物差しを自分の中に持って、
周りに振り回されないみたいなのを、
全員ができると幸せなんでしょうけど、
人間一人では生きられないし、
アドラも言ってた。
最後の悩みはどうしても人間関係なので、
そこは生きるという苦しみのすべてな気もしますけど。
13:08

コメント

スクロール