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本のタイトルが、『庭とエスキース』っていう本で、作者は奥山篤さんっていう写真家さんですね。
どういう過程で、その老人と知り合ったのかわかんないんですけど、一人暮らしの、北海道の老人のとこへ行くようになって。
で、写真家なんで、その老人の写真も撮ってたし、老人が熱心に庭を作ってたんですね。
池を掘ったり、木育ててたり、そのところの写真も撮ってたりして。
で、なんか老人がぽつぽつと話をしたり、冗談を言ったりするのが心地よくて、
ある程度の期間経ったら、訪ねて行って話をして、っていうようなことをずっと何年も何年もやってるうちに、
実はその老人っていうのが、昔、絵描きを目指してたっていうことがわかって。
で、北海道の人だったんだけど、東京の画塾みたいなところに行って、絵を習ってた。
でも、非常に貧しかったし、家族を養わなきゃいけない。
家族で言っても、弟とかそういうのかな、養わなきゃいけないっていう状況だったんで、
絵を描くとかいうような、贅沢っていうか道楽っぽいようなことっていうのも許されない状況があって、
しばらくしたらもうやめて帰って、畑仕事をして、
ちょっと養うって言ったらいいんだけど、なんかそういうことをやってた、みたいなことがわかってたんだけど、
どうも昔語りにそういうようなことをちょろっと言ったりはするんだけど、でも、
本当に昔の話って、もう今全然絵をやってないのかと思うと、そういうちょこっと絵を描いてたり。
エスキスっていうのは、そういう絵の習作だよね。
だから、そういうのが見えてきた。
そこに女性の絵が1枚あって、その絵だけはちょっとそれまでいろんな絵を描いてるのをちらっと見せてもらった中で、
特別にちょっと変わって見えた。
あ、これは思いのある人なのかな、みたいなのをちょっと感じたっていうようなことを言ってたのかな。
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で、そういうことが淡々と何年かにわたってのやり取りの中に綴られてて。
で、実は文章がいい文章なんだよね。
最後は亡くなって、亡くなった後、その家を建つ。
で、兄弟とはなんかあまり仲が良くなかったみたいな。
だから、兄弟を養うために自分の絵の道を断念せざるを得なかったっていうようなことで、
自分は犠牲になったっていうような思いもちょっとあったりして。
当初は老人と彼のやり取りだけがほとんど描かれてたんで、
兄弟がどういう環境でどういうふうにしてるのかっていうのは描かれてなかったんだけど、
最後の方になって実はその老人が自力で、弟かな、弟かそこら辺の家族に家を自作してるんだよね。
で、それは一人暮らしでボロボロの小屋みたいなところに住んでたその子供の老人のところへ行く入り口のところにすぐそばに立ってる。
でも、ほとんどそっちの方で顔を出さずにもうちょっと素縁のようなことがあったっていうのが最後の方に分かるんだけど。
なんかこう、その老人とその写真家の著者のやり取りだとか、綺麗な文章だとか、
なんかそういうのが読んだなっていうような感じにさせてくれたね。
やっぱり本の中に描かれる人生って、本の中にっていうだけじゃないんだけれども、
映画もそうだけど、生きた時代の時から死ぬまでのやつがギューッと凝縮されると、ちょっとそれだけで圧倒されるような思いがあるじゃないですか。
久々にこう読んで、ああ、いい話だなあっていうふうに思ったのがこの本でした。
今も実は月刊のミス図の扉かな?表紙の裏に1ページで毎月連載されている文章があって、
で、それは今ちょっと楽しみにはしてます。
ただちょっと月刊のミス図は来年の8月で終わるっていうことを聞いたんで、
終わってなんかこう、代わりになんかウェブのなんか媒体にしますとかなんか告知があったんだけど、
まあちょっとそれまでは追っかけてみようかなというふうに思っています。
写真展も本当にいい写真だって言って、結構その当時は評判になったみたいで、
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その老人がいた町内の展覧会みたいなのが開かれたり、写真集が出たりしてたみたいなんだけど、
一応ちょっとこう、本に付箋なんかはちょっとしてて、まだちょっと文章拾えてないんだけど、
ぼちぼち拾って自分なりのアーカイブにしちゃおうかなと、思っているところです。
載ってる?
載ってる載ってる。いくつか。
その老人がにこやかにしてるようなところもあるし、言ってたエスキースもあるし、
それもあるんですか?
そう。その女性の絵も入ってて。
写真集みたいなのを作ったみたいだけど、限定でブログで募集して売ったりとかしてたり。
今はもう全般になって、あれしてるみたいなんだけど。
非常に良かったな。
もうだいぶちょっと古いけど、でもミス図の1、2月か、
ペーブル号の書評特集号っていうのが毎年出てるんだけど、
その中でも多くの人が取り上げてたかな。
この子はやっぱ写真家って見るんだなっていうね。
ちゃんと見てるんだなっていうのは思いましたね。
ご視聴ありがとうございました。次回をお楽しみに。大阪ブックラジオ。