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2024-07-31 28:38

vol.07 感化する力=「リーダーシップ」は、育成できる?

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第7回のテーマは、組織と「リーダーシップ」について。航空自衛隊では一般企業でいうリーダーシップを広義の「指揮」として3つに分け、指揮(命令)・管理(労務管理)・統御(感化=狭義のリーダーシップ)としているそうです。

以下の篠田さんとの対談インタビュー記事前半2ページめ)の中で、航空幕僚長(当時)の井筒さんが、「統御」について以下のように語っています。

「統御」は、人格というか品格というか、部下を引きつける人間力みたいなものを指します。先輩の言っていることは危ないミッションだけど、あの先輩となら一緒にやりますよ、と人を感化させる力。

統御=感化する力は、生まれつきの資質なのか、それとも育むことができる力なのか?  

航空自衛隊では伸ばし得るものとして扱われ、アメリカのトップビジネススクールでは人気科目だという「リーダーシップ」という言葉をたどりながら、今回も様々な角度から組織を考えていきます。

【参考記事】

◎日経ビジネス2021.12.24

航空幕僚長・井筒俊司氏と考える(前編)

上司の指示が少ない組織ほど柔軟な判断ができる理由

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00407/121600001/

◎日経ビジネス2021.12.27

航空幕僚長・井筒俊司氏と考える(後編)

「昭和型組織」だと、もう危機は乗り越えられない理由

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00407/121600003/

 

※ご感想やOrganizeなテーマのリクエストを、ぜひ info@m.yell4u.jp までお寄せください(篠田さんと山田さんがすべて読ませていただいています)!

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組織を考えるメディア、オーガナイズ。このポッドキャストは、エールの篠田さんと山田で、組織を考える、捉え直す上で、我々が面白いと思った視点や観点をシェアしていこうという番組です。篠田さん、今回もよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
前回は航空自衛隊の話からの最後、オーガナイズだよねっていうところまでやってきましたっていうのが、前半戦として航空自衛隊の話、前編でしたが、今回もちょっとその続きを。
日経ビジネスでしたっけ。記事も前後編に分かれているのの、ある程度後編に近い話かなっていう理解ですか?
はい。そうしましょう。
よろしくお願いします。
航空自衛隊が、前回もお伝えしたのが、基本はものすごいガチガチのピラミッド型組織であり、
上下関係があって、命令みたいなもので駆動するんだけれども、その命令に入っている意図、上下の意図を理解するっていうことを入り口にして聴き合うっていうことを、
とても意識的に、維持してる、規律としてやっている。規律として。いいことだからやってるとかそういうことじゃなくて、それやらないと組織の目的が達成できないんでやってますっていう。そんな話をしました。
ここに繋がる点を、まず一個、井筒さんに教えていただいたところをお話しようかなと思います。
これはですね、今見たら、記事(上部ご参照)が前編後編で分かれて、前編の最後に書いてあるところなんですね。
この意図を込めて命令を出す、あるいは訓令を出す上官っていうのは、何をやる人ですかっていうものが、またこれも定義をされている。
本当、定義されてるのがさすがですね。
さすがですよね。逆にそれを定義しないと何万人っていう組織が動かないっていうことなんだと思うんですけども。
これを狭い意味のっていう注釈がつくんですけど、指揮者。音楽で言うと指揮者と同じ指揮ですよね。
管理と3つ目が統御。統御って言葉を一般的には使わないと思うんですが、統御の統は統制するの統に、御は御するって御者とか、音読みで言うと丁寧語の御にあてる。
御礼とか書くときの御って言う字とかですよね。
あれで統御っていう用語だそうです。この3つなんですね。
これを一般的なビジネスのリーダーがやってることになぞらえると、一番初めの指揮は、いわゆる指示命令である業務のね。これやって、あれやって。
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2つ目の管理は労務管理。これは記事にはこういうふうに書き方してなくて、別の航空自衛隊出身の方に伺ったんですけど、やっぱり部隊を持ってる責任者として、毎日部下の顔を見て、この子は今日戦えるのかっていうことを常に。
あーなるほどね。
戦えないコンディションだったらむしろ全体がやばくなるので、外さなきゃいけないし休ませないといけない。
ちょっとそれって私の経験からいうと、スポーツの監督とかと似てるなと思います。スタッフではずすとかみたいな。
そこも含めた、もっと一般的な人事異動とかね、そういうのも入ってくるけれども、日常においてはこの子は今日はコンディションがローなんだっていう意味での労務管理。
これが管理とされるもので2つ目ですね。
3つ目のこの統御っていうのが、人格的にこの人についていこうとか、この人が言う命令だったらやるかって思わせる、感化する力。
はいはいはい。
自分は経験ないけど、ちょっと想像するに、航空自衛隊のような極めて厳しい仕事をしている場でこそそういうのがなかったら、
ちょっと無理めな命令とか来たときに、山田さんが言うんだったらやるって、モチベーションがーんって上がらなかったら、ダメだよねっていうことなんだなという理解をしたんですよ。
それを課されて、試験とかもあるから、それである位になってる指揮官の方なんで、意図をちゃんと込めるっていうことも多分できるだろうし、
部下側がその意図が取りづらって思ってたら、やっぱりこの3つ目の統御する力、一般的な私たちの用語で言うと、この人についていこうって思わせる力っていうのが弱いと、
それより大きな責任っていうのはやっぱり持たせられないっていうことが、組織の規律として入ってるっていう。
なるほど。
これなんかすごくないですか。
すごいですね。これ多分ですけど、その指揮と管理と統御ってわざわざ分けて定義されてるってことは、位が上がったり役職ついたりするときに、その何らかの基準というかがないと、上の役割つけないわけですよね、きっと。
おそらくそうなんだと思います。そういうふうには伺ってないですけれども、そういう繋がりがあるだろうっていうのはちょっと想像できる。
なんとなくきっとわざわざ定義してるってことは、指揮と管理がどれだけできたりとか専門能力高くても、統御の力というか影響力が劣っている方にはその役割は任されないという傾向に多分ありますよね、推察するに。
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推察するにそういうことなんだと思います。
すごいな、なるほどな。それがあるから、そういう統御に秀でてる方が上官にいらっしゃるので、その方の意図を汲みに行くとか取りに行くっていうことも自然とやられやすくなるっていうことですよね、全体。
統御がダメダメな上官とちゃんとできる上官っていうのを仮に比較するならば、圧倒的に山田さんが言うように、統御の力がある上官の意図は部下側も取りに行こうという意欲があって、この辺りの意図を取るって極めて主観的な話じゃないですか、相性もあるし。
それを全体を統制する仕組みの大事な要素として入れてるっていうことと、入れてるからこそ意図取りみたいのが成り立つっていう、この相互依存っていうか、相互強化ループっていうのが、なんかよくできてるなって。
よくできてますね。これあれ、前に何回目か忘れましたけど、マネジメント管理職の役割が分けて捉えられるみたいなことも最近ありますよねっていう話を前してたと思うんですけど、若干切り口の違う捉え方ですね。
前はもうちょっと管理職とかマネージャーという役割の中にいくつかの切り口、プロジェクトをマネジメントするとか、人のマネジメントをするとか、キャリアを支援してあげるとか、マネージャーの機能というかファンクション、役割の中の分解の話をしてた感じがするんですけど、その中に統御みたいなニュアンスってあんまり入って語ってなかった感じがしていて。
なかったですね。
なんかちょっと違うものとしてもちゃんと置かれている。3つに分けた1個に置かれているっていうのはやっぱりすごい特徴的だなって思いました。
本当そう思いますね。あくまで、今出してくださった例は、例えばエンジニアリング会社の日揮がそういうことをやっているというふうに部長の役割を分けましたよっていうのを新聞報道で見た、その話をしたんだと思うんですけど、それはあくまでも機能の話であるので、仮にそれと航空自衛隊的な世界観を重ねるのであれば、機能は分けたけど、
それぞれの機能ごとに指揮、つまり業務の指示命令をするということと、労務管理をするということと、ある種の感化するリーダーシップっていうのはそれぞれに必要っていうことなんだと思います。
確かにそうですね。
ただ、分担によってその必要な内容とか度合いっていうのは違う可能性がありますよね。
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確かに。
機能の管理職マネージャーと呼ばれる方の、よくやっぱりミドルマネジメントやることが多くなって本当に大変みたいな話の中で、機能の分けの話とそれを体現する人としてそれが全うできるために、指揮、管理、統御という3つの違った振る舞い方はどの役割でも必要だよねっていうことがきっとあるんだなって話ですね。
なるほどな。
そうなんですよね。
なんかこれって、ビジネスの現場に即して言うと、またちょっと違う話、違う話じゃない、前にしてた話とのちょっと接続にはなってしまうんですが、
仮にね、本当に単純作業で同じことを繰り返していくっていうだけの組織があって、別に人のモチベーションとか関係なくやればいいし、かつ人の替えもいくらも大きくて、つまりいくらでも採用できますと。
仮にそんな夢の世界があったとしたならば、ここで言う統御ってたぶんいらないんだと思うんですよね。
なるほど。
要は機械のように人を扱う。業務をチェックをして、労務管理的にこの人は今できるコンディションなのかそうじゃないのかっていうことの判断をして、できない人は外していく。できる人を入れる。これだけで業務は完遂するんです。
そんな世界はほぼない。
そうすると、この統御っていう面って度合いは様々であれ、普通のビジネスの世界でも実は本当は必須なんだと思います。
イメージ的にその役割に必要な能力を全部で100としたときの5だけでいいのか、80そうなのかっていうのは差がありますよ。
はい。
いらないってことはたぶんないんだと思うんですよね。
そうですね。
なんだけど、こういう統御と航空自衛隊で言ってる面を本当に評価したり、役割に登用するときの基準に入れてる例って私あんまり聞いたことないんですよ。
なんでしょうね、それ。本当そうだなとお話うかがってて思って。
これも前の回で出てきた、組織文化みたいなことを語るときにすごく受け取りが似てる、ちょっと違う方がいるみたいな話を。
それはマッキンゼーの7S的にはハードとソフトの違いなのかなみたいな話をしたのを、今なんとなく思い出してるんですけど。
マネージャーとかリーダー管理職みたいな人に役割を語るときに、機能の側から語ることが特に外から見てるとき、外からどこかの会社を観察して語るとか、
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外に伝えようとするときってハードっぽい話の方が分かりやすいし、整理して届けやすいみたいなことがあるんだろうなって感じがしてるんですね。
例えば僕、世界中とか日本国内でも、自律分散的とかフラットにとかいろんな新しいやり方してる会社がありますって話を、僕もたくさん知ってて人に伝えようとするときって、
やっぱり特徴的な施策とか構造の話がわかりやすいんですよ。伝えやすいから。っていう側で語りがちだなっていう自分と、
実際に現実問題で人がどう働くかとかどう影響を受けるかっていう話になったときって、
すごくやっぱりその人の持っている影響力とか、この人と働きたいみたいな気持ちとかってすごい大事じゃないですか。
現実が動く時にっていうのって、それ観察して語るとか、当事者じゃない人に届けるとかってめちゃくちゃ難しいっていうか、だいぶ無理なものですねっていうのが、
意外と語られづらいんだなっていうことなのかもなって、篠田さんの話を聞いててすごい思ったんですよ。
なるほどですね。つまり、仮説としては航空自衛隊留得の統御っていうものも割と組織の中では大事にしていて、
ある役割に投与するときの実は判断基準になっている組織ってのはあるんだろうけれども、
それが外部に伝わるような形で言語化されたり、整理されている例が少ないっていう。
そう、なんかどっちもある気がしていて、すごく当事者の組織の中ではそこの統御に近いものに目を向けていて、大事に扱って、
それを育んでいるけれども伝えづらいっていう場合もあるし、
もう一方は、中の人自体も統御的なものよりかは、メカニズムシステムをいじれば組織が良くなると、
ある種エンジニアリングしているっていう感じに傾いている組織も一定数あるなって感じがしていて、
なんかどっちもありそうな感じはしました。
それでいくとですね、傾向としてですけど、アメリカってやっぱりここ15年ぐらいですかね、
経営学の世界、つまりそれはビジネススクールのカリキュラムの世界で、いわゆるリーダーシップっていうものを教育する、
つまりリーダーシップって教えられるし、教えたらある程度みんなできるものである。
つまりこの航空自衛隊でいくと、統御、人を感化する力というのは、
やっぱり鍛えられるし体系化できるのであるっていう前提のもと、
カリキュラムが組まれている例っていうのをすごいたくさん見ているし、
実際にわりとトップスクールでは人気科目なんですよね。
これ20数年前はなかったんです。
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この教えられるのであるっていう共通理解が、私、日本企業ではあんまり見たことがない。
もうちょっと生まれつきの資質のような扱いになっていて、
彼は若い頃からリーダータイプであったみたいな言われ方をするし、
この人は戦略を立てるのはとても優秀なんだけど、周りを感化する力が弱いから、
こういう鍛え方をしていこうっていう話もあんまりまだ聞かないんですよね。
企業名で言うと、ちょっと今だいぶ会社の様子が変わったように見えますけれども、
どうでしょう、5年前、10年前までのGE、ジェネラルエレクトリックであるとか、
あと今もアメックスとかは、GEはすごくPRもお上手な会社なので、
GEのリーダーシップ育成っていうのは外部にもかなり発信を分かりやすくされてるし、
中で経験された方もよくお伝えになってますよね。
アメックスはそこまで外部的にお伝えはされてないんだけれども、
働いてた人たちに聞くと、リーダーがほんとみんな素晴らしい、という話は多くの方から聞きます。
やっぱり投与的な基準を、投与基準を明らかに持ってるなっていう会社の一つだと思うんですよね。
なるほど。
僕、最近趣味のように前回もつぶやいたんですけど、
京セラとかリクルートとかって、僕すごい最近改めて面白いなって思って見ていて、
共通してるのはやっぱりどちらも全然文化違うにしても、経営者を育てるんであるっていうとか、
小さい単位にしていって、その中で自分で経営できるようになっていくことがリーダーであるって、
仕組みとか文化とかをすごい作ってるんだなって思っていて、
特に京セラだと稲森さんとかが典型ですけど、
アメーバ経営という会計の仕組みを作りましたっていうのとは別に、経営者としての思想を持ってっていうことを、
あらゆる会議体でも稲森さん自らとかその下の方がさらに下の方にっていうのを、
対話しながら伝えていくっていうことにめちゃくちゃ時間コストと、ある種の教育投資みたいなことをしてますっていうのって、
聞くんですけど、GEとかAMEXとはちょっと違って、ある種同じ思想を伝えていこうなんだけれども、
その中で発揮される統御の影響力を育むという意味ではすごい似てるんだなっていうことになっているかもしれません。
確かにそうだわ。あったわ、日本にも立派なモデルが。あったあった。失礼しました。
いや、でも、すごい少ないんだと思うんですよ、おそらく。
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あそこまで、アメーバ経営の会計の側が大変洗練されているというのも含めて、たくさんフォロワーがいるっていうのもあると思うんですけど、
日本の中だと、僕、新卒が大企業向けの人材育成をお手伝いする会社に行って、
よく幹部候補の育成とか、将来の経営者を作るみたいなこととかのプロジェクトを結構たくさんやらせていただいたんですけど、
なんか、経営者を作るんであるっていうことを当時結構言ってた。20年ぐらい前にそれがある種、日本の人材育成の中に入ってきて、すごい盛り上がったっていうのもあったと思うんですけど、
その中で、その人なりの思想とか哲学を持って経営者になっていくんだみたいなことを扱おうとしてはいたなっていう感じはあるんですね。
一方で、GEとかアメックスとか出していただいたような、それを育む仕組みとして専念されるみたいなことではなかったような印象があって、
時間が経てばもっとそれが専念されていくのかもしれないんですけど、
統御とか航空自衛隊で語っているようなものとして、組織の中で育む何かとして洗練されてるっていうのではまだないのかもなっていうのは、肌感としてはもうちょっと知ってみたいなって思うところです。
面白いですね。この話と、ちょっと話題を若干変えてもいいですか。最後につながると思うんですけど、航空自衛隊の井筒さんとの対談記事の後編の方で、危機管理の話をしてるんですけど、
これもこの前半の話との接続で、すごい興味深いのでちょっと紹介したいんですよね。これ井筒さんが何を言ってるかっていうと、危機管理、自分は航空自衛隊トップなので何かあったら、
それはやっぱり政府に接続したり、メディアにお伝えして日本の皆さんに知らせるっていう役割を担ってらっしゃるわけじゃないですか。それをやるときに、危機のときこそトップダウン的な組織の方が意思決定通りに全体がパッと速く動くから良いというふうに私は思っていたんだけれども、
いやむしろフラットの方がいいんだと。ということをこのときインタビューの中で言って。どういうことですかって聞いたら、状況がわかるのに十分な情報が上がってくるまで待ってる、その時間がロスであると。
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なっちゃうと危機管理にならないというところが出発点にあって。整理して言うと、私がそれまで思っていたトップダウンでパシッと動けるからいいよねっていうのは、ある種情報がちゃんと集まって正しい判断ができたときには動かすのはいいんだけど、その前段階がめちゃめちゃ重要であるっていう話を井筒さんが言って。
その間に状況はいろいろ動いちゃうし、周りがヤイヤイ言ってくるときに待ってるわけにはいかないんだと。そのときにフラットにしておいて、とにかく生煮えでも何でもいいから情報を全部私のところに持ってきてっていうふうに指示をされるんですって。
で、そこで統御っていう面でこれはすごいと思ったことをポロッとおっしゃったんですけど、例えばある人がAという情報を持ってきましたと。なるほど、そうなんだね。別に次の人もまたAという情報を持ってきたときに、それさっき聞いたよって言っちゃうと、新しい情報を持ってこないとダメなんだって思って。
情報入ってこなくなるから。そうじゃなくて、これさっきも来た情報だから、ダブルで来るってことはより確からしいねと言うんだと。すごいですね、それ。
すごいですよね。自分に統御の力がないから、それ以上の例が思い浮かないんですけど、危機管理のときってまさに統御の力、つまりこの人のもとでこの危機を乗り切ろうっていうふうにまずみんなが思う必要があるということと、
危機のときに、情報が今調査中ですのでお答えできませんみたいな、あんなの話にならんっていうことは井筒さんはおっしゃるわけですね。そうじゃなくて、今ある情報で分かってるのはここですということをちゃんと伝えていく、みんなに知らせていくっていうことが大事であって、危機管理。
で、それにはむしろフラットな状況が大事であって、そのフラットさっていうのは今っていうのはもう同じ情報が来たときに、それ聞いたよじゃなくて、それさっきも聞いたから確からしいねっていう、とにかく情報が入ってくるように、みんながしたくなる状態を作り続けるっていう。
その統御という言葉が個人としてのカリスマ性みたいなものでは全くなく、それも含めると思うんですけど、人間理解みたいなものがすごいありますよね、そこに。人がどうすれば本当に能動的に動いて、ちゃんと全体としていい状態になるかっていうときに、確からしくなったねって言った方がその人の行動が促されるっていう。
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そこの人間理解みたいなことがあるから、その発言ができるわけじゃないですか、最後に。そういうのが全部根ざしてて、その井筒さんがすごいとか、その方のカリスマ性の話ではなくて、人というものの理解が組織にどう作用するかっていうことのあらわれですね。
本当そうですね。今そうやって山田さんに言ってもらったんで、改めてそのちょっと前に触れたリーダーシップっていうのは、ある程度はその育成できるスキルであるっていうことがわかりますよね。
人間ってそういうものなんだっていうこともある種知識として教えることで、優秀な方で知識として知った上で周りを観察すると、ああ確かにっていうふうに自分の体感覚がそこから蓄積されていくっていうことは十分あり得るわけなんで。
そうですね。それが統御、そして最後に僕さっきから航空自衛隊の話、前回も伺ってて、当たり前ですけど、全部必ず日本語なんですよね。リーダーシップとか言わないんですよね。
言わない。統御っていう。
統御なんですよね。管理だし、命令だし、前回も命令と訓令と。
号令と。
全部ちゃんと日本語で、定義も日本語でっていうのが当たり前ですけど、さすがだし大事だなっていうのは個人的に印象的でした。
確かに。日本の中の優れた組織の一例として、私も海上自衛隊、陸上自衛隊のことをここまで直接伺った機会がないので、それぞれにきっと学ぶべきところがあるんだと思うんですが
まずやっぱりこの航空自衛隊っていうのはすごく面白いというか、普通にビジネスの世界でやってる私たちにも非常に示唆がある、オーガナイズな例だなと。
オーガナイズな例ですね。
すごい最後、余談的になんですけど、海外だと軍隊の出身の方とかがビジネスの世界に行って活躍されるとかって、結構リーダーシップを発揮してる方とかとして、なんか著名な方とか結構いらっしゃったりするなって印象があるんですけど、
日本だとそれ全然ないですねっていうのが、こういう話を、マリーンの話とか出てくるじゃないですか、海外だと。とかって、あんまりないですねっていうのは個人的に、もっと学べるものがありそうな感じがします。
アメリカが特殊なのかもしれないですけど、アメリカって実はずーっと戦争してるんですよ。
そうですね。
今の現役世代に限って言っても、湾岸戦争91年の以降ずっと戦争しているんですよね。
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なので、軍隊、従軍経験者の層がむちゃくちゃ厚いっていう特殊要因はある。
確かにあるかもしれないです。
それと日本とまた異なって雇用の流動性もあるので、もちろん職業軍人的に終身雇用的に最後まで全うする方っていうのもアメリカ軍にもたくさんいらっしゃるけれども、一定の階級まで行って、そこを離れてっていう方もたくさんいます。
そうですよね。
私も20数年前ですけど、アメリカでビジネススクール行ってた時も同級生に軍出身者の人いっぱいいました。
そうですよね。そのイメージは結構あって。
良し悪しとかはいったん全然わからないにしても、いろんな組織、オーガナイズのされ方から学ぶっていうのはやっぱり、今日の話を伺って面白いなと思ったので、こういうのは他のでもできたら面白そうですって思いました。
ね。ありがとうございます。面白かったな。
面白かったですね。だいぶいろんな方向に今回は脱線する楽しい感じの回でした。
はい。
ということで、篠田さんこれぐらいで、今回もどうもありがとうございました。
ありがとうございました。
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