ここから3回にわたって「文芸誌 空地とは何だったのか」という特集をお送りします。弊誌の同人は松崎、藤原、中村だけではないので、あくまで3人から見えた歴史ではありますが、2022年11月に第一号をだしてから今日までの約4年弱の活動をアーカイブしていきます。
「文芸誌 空地とは何だったのか」というタイトルではありますが、われわれは休刊、廃刊する訳ではありません。ただ、これまでのやり方をつづけることは難しくなってきた、というのは主宰であるぼくの現状認識です。
われわれがはじめて出店したのは、2022年11月の文学フリマ東京35でした。それから4年弱の間に、会場は東京流通センターから東京ビッグサイトに変わり、出店者も来場者も増え続けています。いわゆる大手サークルのメンツも変わりました。あの頃とはほとんどの景色が変わってしまいました。今までどおりのやり方ではいいのか、空地でやりたいこと、やれること、やるべきことはなにか考えることもふえました。
だからこそ、ここでいちどこれまでの活動をまとめることで、われわれの“第1期”を締め括ろうと思います。
今回は高校時代のぼくが当時はまだTwitterと呼ばれていたソーシャルメディアで「LOCUST」、「LUCKY STRIKE」や「痙攣」といった同人誌、ZINEと出会ったことから話していきます。
その後、日本大学芸術学部に入学したぼくは同人を募集して、あつまったメンバーで文芸誌 空地の活動がはじまります。
「小説を書いてみよう」という、軽いノリではじまった、いわゆる創作サークルだった空地が、いかにしてポッドキャストや生配信、副読本の制作といった活動もおこなう歪な集団になったのか、第1回では結成から第2号の発行までを話しました。
(文責:松崎)
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サマリー
藤原・松原・中村の3人が、文芸誌「空地」の活動をオーラルヒストリーとして振り返る。活動を部数やリーチで拡大する「ベンチャー型」ではなく、10年後に同人誌史の中で自由な場として記憶されることを目指し、制作と交流のコミュニティへ重心を移す考えが語られる。松崎は高校時代、Twitterを通じて「LOCUST」「LUCKY STRIKE」などの同人誌やZINEに出会い、編集・執筆・デザインを自分たちで担うインディペンデントな姿勢に影響を受けた。大学入学後、Twitterで同人を募り、藤原や中村らと空地を結成する。第1号は嘘エッセイや嘘ディスクガイドを含むフィクション特集として制作され、同時期にポッドキャストも始まった。初参加の文学フリマでは100部中約30部が売れ、フリーペーパーを読んだ来場者が買いに戻ってきた経験が、執筆を続ける契機になった。第2号ではコンセプト性より作品集としてのまとまりを重視し、表紙写真やメンバー集めなど外部との接続も試み、50部を当日売り切った。後半では、空地を特定の思想や好きな作家への共感で閉じた読書会にせず、異なる人が参加できる場にしたいというコミュニティ論も話される。今回は第2号までを区切りとし、次回以降は芸祭、第3号・第4号、活動の拡大と「ベンチャー精神」が生まれた時期へ進む。
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