Will-Can-Mustの再考
ブク美
- こんにちは。今回の探究へようこそ。今日はですね、キャリアを考える時によく聞く Will-Can-Must っていうフレームワークありますよね?
ノト丸
- はい、ありますね。
ブク美
- これを特に、AIが登場した今の時代にどう捉え直したらいいのかっていうのを、Daisuke Sawaiさんの記事、
AI時代の Will-Can-Must フレームワーク再考を元にちょっと深掘りしていきたいなと。
ノト丸
- なるほど。
ブク美
- 目的としては、この変化の中で皆さんのキャリアの選択肢、WillとかCanとかMustをどう舵取りしていくか、そのヒントを探るみたいな感じです。
ノト丸
- まず、伝統的な Will-Can-Must について触れておくと、これは日本ではリクルートさんが提唱したって言われてますよね?
ブク美
- そうですね。
ノト丸
- やりたいこと、つまりWillを起点にして、そこからスキル、Canを伸ばして、で、社会とか組織からのやるべきこと、Mustにつなげていくっていう、そういう考え方。
ブク美
- うんうん。個人の意思を大事にするっていう。
ノト丸
- そうです。モチベーションも維持しやすいし、すごく魅力的なんですけど、ただ多くの人が、じゃああなた何がしたいの?って正面から聞かれると、うーん、すぐには答えられない。
ブク美
- ああ、確かに。そこが難しいとこですよね。Willを持てって言われてもなかなか。
ノト丸
- そうなんです。それが現実かなと。
ブク美
- じゃあ、ちょっと別の見方として、経営学者のピーター・ドラッガー、彼は逆のアプローチを言ってるんですよね。Must→Can→Will。
ノト丸
- そうですね。やるべきこと、Mustからまず始めて、それをこなしていく中で、能力、Canを身につけていく。
ノト丸
- うんうん。
ノト丸
- その結果として、これがやりたいことだったのかっていう、Willが見れてくると。特にキャリアの初期段階なんかでは、すごく理にかなってるかなって気はしますよね。
ブク美
- なるほど。まず目の前のことから。
ノト丸
- えぇ。ただその記事では、現代ならではの問題点も指摘されてて。
ブク美
- それがMustの罠ですか?
ノト丸
- そうなんです。組織の中で、もう時代遅れになっちゃってるMustだったり、あるいは部署間で言ってるMustが矛盾してたりとか。
ブク美
- ああ、ありますね、そういうの。
ノト丸
- で、なんか指示が食い違ってても誰も調整してくれなくて、現場はもうなんか振り回されて疲れちゃうみたいな。
ブク美
- わあ、それはきついですね。良かれと思ったやったのに、みたいな。
ウィルのストックと生成AI
ノト丸
- そうそう。で、結局やる気も失われちゃうし、何も生み出せない可能性もある。だからここで、Mustにただ従うのが本当に常に正しい道なのかっていう問いが出てくるわけです。
ブク美
- なるほど。そのMustの罠を考えると、やっぱり個人のウィル、やりたいことの重要性がなんか増してくる感じがしますね。
ノト丸
- そうですね。
ブク美
- 記事で紹介されてた映画プロデューサーの話、あれすごく面白かったです。
ノト丸
- ええ、あの話は示唆に富んでますよね。彼の戦略って、その報酬があるかないかに関わらず、自分が本当に見たい映画の脚本をもう純粋な自分のWillとして書きためてる。
ブク美
- へえ、ストックしてるんですね。
ノト丸
- そうなんです。常に10本とか15本とかストックしてるらしいんですよ。
ブク美
- それはなぜなんですか?
ノト丸
- っていうのもやっぱり、仕事として依頼されてからさあ書こうってなると、いろんな制約が出てきて、完全に自分の好きに書くっていうのは、まあ難しいからだと。
ブク美
- ああ、なるほど。先に自分のWillを形にして持っておくと。
ノト丸
- そういうことです。そうやってWillを事前にストックしておくことで、いざチャンス、例えばこういう映画作りませんかって話が来たときに、自分のビジョンをちゃんと反映させた形で勝負できる。
ブク美
- すごいなあ。情熱をこう主体的に育てておくみたいな?
ノト丸
- まあそういうアプローチですよね。
ブク美
- でもそれって結構意識というかエネルギーがいりそうですよね。
ノト丸
- まあ確かに誰でもできるかっていうとそうじゃないかもしれないですけど、大事なのはそのウィルをストックしておくっていう考え方自体だと思うんですよね。
ブク美
- なるほど、考え方。
ノト丸
- 受け身じゃなくて自分から能動的に情熱を形にしておく。それがもしかしたら予期せぬチャンスを呼び込んだり、さっきのマストの罠の中でも自分の軸を保つ力になったりするんじゃないかなと。
- そしてそのウィルのストック作りを今のテクノロジー、つまり生成AIがすごく助けてくれるっていう話につながるんですね。
- まさにそこなんです。筆者の方自身の経験としても、趣味でAI触ってたことがいつの間にかスキル、Canになって、それが仕事、Mustにもつながったっていう。
- へえ。
- 生成AIの一番大きなインパクトって、あなたのWill、つまりこんなことできたら面白いかもみたいなアイディアとか思いつきを具体的な形にするための技術的なハードルとか時間的なハードルを劇的に下げたことだと思うんですよ。
ブク美
- ああ、確かに。絵を描いたり音楽作ったり文章を考えたりとか。
ノト丸
- そうですそうです。昔だったら専門的な訓練とかすごい時間が必要になったことが、AIを使えばもっと手軽に、もっと早く試せるようになった。
ブク美
- ということは、映画プロデューサーみたいにWillのストックを試行錯誤しながら作るのがめちゃくちゃやりやすくなったってことですかね?
ノト丸
- おっしゃる通りです。Willの民主化みたいなことが起きてるのかもしれないですね。
ブク美
- Willの民主化。面白い表現ですね。
ノト丸
- だからまずは遊びとか実験みたいな感じで、自分の興味、Willに基づいて、どんどんAIとか使って形にしてみる。
失敗したってコストもそんなにかからないですし、一つ一つは小さなアウトプットかもしれないけど、それを積み重ねていくことで、自分だけのスキルが磨かれていって、
主体的なキャリアの構築
ノト丸
それが将来社会のニーズ、Mustと結びつく可能性が出てくる。
ブク美
- なるほどな。さて、ここまで話してきたことを踏まえて、結局私たちにとって大事なことって何なんでしょうか?
ノト丸
- うーん、そうですね。やっぱり、ただMustやるべきことを待ってるだけじゃなくて、それに振り回されすぎずに、もっと積極的に自分自身のWill、やりたいことを見つけて育てて、
そしてさっきのプロデューサーみたいに、仕込んでおくっていうことの重要性がすごく増してるんじゃないかなと。
ブク美
- 仕込んでおくですか?
ノト丸
- ええ。AIみたいな新しいツールをどんどん活用して、遊びとか実験の中から、自分のWillの種みたいなものを見つけて育てていく。
それが、たとえ今すぐお金にならなくても、その想像的なストックが将来のあなた独自の価値、Canになって、思いがけない形で社会からの要請、Mustと結びつくかもしれない。
ブク美
- なるほど。それが結果的にMustの罠を避けることにもつながると。
ノト丸
- そうですね。主体的にキャリアを築く一つの道筋になり得るんじゃないかなと思います。
ブク美
- 最後にちょっと皆さんに考えてみてほしい問いがあるんですが、記事の中でも示唆されていたように、将来多くのMust、つまりいろいろ作業的なことは、AIがどんどんやってくれるようになるかもしれないですよね。
ノト丸
- ええ。可能性は高いですね。
ブク美
- もしそうなったとき、じゃあ人間にしか提供できないあなたならではの価値って一体何になるんでしょうか?
ノト丸
- 深い問いですね。その答えのヒントが、もしかしたら今日からあなたが育み始めるそのWillの中にあるのかもしれないなと。
- 今週あなたがちょっと試しに表現してみたり、ストックし始めてみたりできる小さなWillって何でしょうね?