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皆さま、こんにちは。PitPaの富山です。
今回は、子どもの上昇志向についてのお話になります。
こちら、リスナー様からも質問が来ており、まずこちら、読まさせていただきます。
ニックネーム、naoさん。愛知県にお住まいの方です。
小川先生、富山さん。いつもためになる放送をありがとうございます。
生後の長男、中学受験をさせるつもりではなく、割と伸び伸びと育てております。
それでも塾で行われる模試や英検など、自分の実力を意識する機会を設けているのですが、
どうもその結果に対するリアクションが薄いと感じてしまいます。
ケアレスミスなどに対するもったいないという気持ちや、順位を見て悔しいと思う点があまり表に出てこないように感じています。
田舎の湧きあいあいとした環境は、人格形成に良い形で出ているのですが、
反面、全体的に上昇志向に欠けるところがあり、
塾での友達作りを進めたり、大人数で受ける会場を選んで模試を受けさせたりして、
今の環境の外を意識するよう仕向けているのですが、なかなかうまくいきません。
何か良い方法があれば、ご教授お願いしたいと思います。
とのことで、なおさん、ご質問ありがとうございます。
どうやってこの子どもを上昇志向に気持ちを向けさせることができるのか。
競争に打ち勝つような猛献気というのですかね。
こういった上昇志向、猛献気に関する親御さんの悩みは非常に多いということで、
このあたり小川先生の方にお話を聞いてきました。
これですね。今すごく多い話題でして、実は。
一言で言うと、昭和平成価値観の親世代と、令和を生きている子どもたち世代の、
そもそもの社会的価値観のギャップがあるという、まず前提があるんですね。
どういうことかというと、昭和平成というのは資本主義的な順位をつけて、
序列の上の方に行けばいいことがあるという、ピラミッド思考型と言いますかですね。
人よりも優位であれば得する、みたいな正直なところ。
でもお金取りか、お金儲ける、出世する、偉いんだ、それが。
ワークライフバランスも、まずはワークで社会的ポジションを取ることが先。
下向きに頑張ってきた世代が、親世代以降、以上だけど。
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子どもたちっていうのは、すでにこれ世界的な傾向としても物質的に満たされてきていて、
もちろん一方で貧困の問題はあるにしてもね、ちょっと置いておいても、
その多数派の部分としてはやはり満たされている。
かつ、成熟していて社会の変化が、ITとかの変化があるように見えつつも、
生活のポジションとして劇的な、アメリカンドリーム的なものっていうのは起きにくくなっているわけですよね、先進国は。
そうなってくると、日々の安定であり、和やかな毎日が継続されればいいというふうに、
自然と感じるようになるのは当たり前のことで、人の心の利用とか脳の作られ方から言って。
だから、子どもたちって満たされた社会に生まれ、また親御さんも知識をたくさん得た中での子育てだから、
至れり尽くせりなんですよね、今。
じゃあ、別に頑張る必要を感じないわけですよ、子どもたちとしては。
その中でも、自分の好きを見つけたり、興味を持つ部分が見つかった子は、もちろんそっち側に邁進すればいいし、
そのために何かしら勉強であったりとか、選ばれる必要があるとなれば頑張るでしょうが、
今現在、程々に楽しいからいいよという子に順位を気にさせようというのは、なかなか無理筋で、
かつそこで順位を意識させることが、その子のハッピーに繋がるのかということを、ちょっと落ち着いて考えた方がいいですね。
今、上昇志向という言葉がありましたが、上昇する必要って本当にありますか、というのをむしろ僕は問い直したい。
上昇しなかったら何か困るんでしょうか。
もし困るとしたらそれはどういうことで困るんでしょうか。就職できないんでしょうか、本当に。
大学に行く勉強等をしなくなるんでしょうか。
上昇志向と学ぶことは本当に繋がってますか。
その一つ一つ、親御さんに問い直しを自らにしていただいた方がいいと思います。
人と競い合うことなく自分を高めるということは、別に矛盾しません。
普通に起きることで、人格的な部分でも学びの部分で豊かになっていく。
自らが精神的な豊かさを得ていくということと、人との順位を決めることは別の話。
順位というのはペーパーで点数をつけて、選ばれるの関係では分かりやすいものですけれども、
自分自身の生きていく道を決めていく中においては、順位を必要としない生き方というのも現れています。
かつキャリアという部分でもパラレルキャリアということが普通に言われていて、
いろんな副業というか、さまざまな仕事の組み合わせによって人生を形成していくのが、
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当たり前の時代にも変わろうとしている。
そうした時に競い合うことではなく、自らの到達したい具体的な像、目標設定をし、
そのために必要なことは取り組もうよという、自分自身への約束や、自分自身がありたい姿を持たせてあげた上で、
それに必要な学びであるとか努力を教えてあげて、自分のために頑張ると。
それは他の人も頑張ってたら頑張ってる人もすごいねと言いつつ、自分も頑張る。
そういった生き方は当たり前に今あるよねというところを親世代は理解していく。
自分たちが育てられた時の点数を気にしたり、順番に会社のランクがあったりとか、
感覚とは違う時代になってきたかなというのは理解するといいんじゃないか。
あとですね、まずちょっとここ今大きい話しましたけど、すごく大事なことで一度考えていただきたい。
上昇志向と幸せが本当にイコールかつながるかなくてもいいんじゃないか。
その問いに対するご自身なりの答えを見つけてほしい。
もう一つお子さんは人格形成に良い形で出ているということは仲良くしてるんでしょうけど、
競争しない以外の部分で、そもそものこの子の持ち味、
どういった時に集中力を発揮したり、意欲的になったり楽しそうにしているか、
そっちにもっと身を向けた方がいいでしょうね。
本人がどのように自分を成長させたいと思っているか、伸びていきたいか、
どういった人たちの中で生きていきたいと考えているか、
という視点に立って生きていけば、これから過ごしていく世界の広がりを一緒に考えてみたらいいんじゃないか。
今楽しい仲間があったとして、外に出た時、東京に行けば、アメリカに行けば、シンガポールでは、
場所を広げていく中で、こんなコミュニティがある、こういう取り組みをやっている人がいるよ、
というところを教えてあげて、興味を持つ材料を見せてあげる。
というのがいいんじゃないかな。
少なくともテストの点数がどうこうの世界は、本人が関心がないと教えてくれているんだから、
それを点数を気にする子にどうすればいいですか、ではなくて、
今本人の心が動いているものが何かを含み取って、
そこを手がかりに、この子の5年後、10年後のライフキャリアをどう手伝っていくか、
という観点で考えてみたらいいんじゃないかな。
僕ならそうするかな、というふうに思います。
小学校5年生で、中学受験をさせるつもりでもないというところもあると思うので、
幅広く勉強以外でも目を見ながら、育てる、伸ばせるポイントを見ていくという感じですかね。
親が今現在の10代、20代で、いろいろな分野で活動している人たちの育ち方や、
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世界観を知る方がいいでしょうね。
40代、50代の人が40代、50代、60代の言うことを聞いていたって、
子供の参考にならないですよ。
子供たちの未来を僕らからしたら、
僕らは過去の人間ですから、
その人間があれこれ考えたところで、
子供の10年後、20年後の本当に道しるべになるかって邪魔ですよ。
もっと10代、20代、今現在リアルに社会に出ていこうと、
出始めた、そこで広げている人たちから学ぶという、
若い人たちから学ぶということも、
大人の力の一つかなという気はしています。
子供の上昇志向に関するお悩み。
同じように考えて悩んでいる親御さん、かなり多いとのことですが、
小川先生の方では、
まず今の社会全体の構造が物質的にも恵まれ、
競争といった環境から変わってきているという認識を持った方が良いということで、
その認識の上で、親御さんとしてどのように子供が育ってほしいのか、
そしてそれが無理なく子供の長所を伸ばす形で、
最終的に子供の幸せにつながるようにするには、
どうしたら良いのかということを考えてほしいということでした。
確かにこの競争意識が薄れてきている中、
献金とか相手に打ち勝つっていう、
こういう根性論みたいなものですかね。
育みにくいような気もします。
私たちのこの後の世代を見てもですね、
ゆとり世代とか悟り世代と言われるような、
言葉もあったりしてですね、
だいぶ私たちが過ごした子供の頃の環境とは変わってきているような気もします。
よく聞くちょっと笑い話的なところでは、
その平等社会を歌うあまりですね。
幼稚園とか小学校の学芸会とかですかね、
同じ主人公役をする子が何人もいたりとかですね、
私たちの頃では考えられないようなことも、
結構目の当たりにしている親御さんも多いのではないかなと思います。
個人的にはですね、他人に負けないで頑張るプライドみたいなものですかね、
っていうのはあってほしいなというふうには思ったりもするんですが、
確かにこの10代とか20代で成功しているとか、
幸せに生きている子たちを見ていると、
相手を蹴落とす、そして自分が一番になっていくというよりも、
仲間に引き入れてお互いの個性を保管し合いながら成長していくという形が、
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本当によく見るようになったなというふうに思います。
このあたりは、今現在のこの世の中で幸せに生きていくためには、
どういう観点で子育てをすればよいのか。
もう一度、ちょっとフラットな目線で自問自答してみるのがいいのかもしれませんね。
さて、今回ご紹介しましたように、
この子育て受験ラジオではリスナー様からのテーマのリクエストや、
また小川先生への子育てや受験についてのご質問などお待ちしております。
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今回も最後まで聞いていただきありがとうございました。