ひ孫への伝えたい思い
往復書簡。2枚カレンダーをめくると、もう来年。そんな時期になってきました。
もしもひ孫に何かを伝えるとしたら、という話なんだけど、 ひ孫が生まれて言葉を交わせるようになるまでは、およそ50年かかる。
そしたら僕は94歳。 その頃には、物の値段も、スマホの形も、価値観だってきっと変わっていると思います。
新聞で読んだんだけど、50年前は卵が貴重品だったらしい。 年に数えるほどしか食べられないごちそうが、
今では年間300個も食べる人がいるんだって。 物価の優等生って呼ばれているそうだよ。
特別が、当然になるって面白いよね。
でも卵を初めて割る時の、 綺麗に割れるかなという緊張感や、やってみたいという好奇心、
そういう人の感じ方はきっと変わらないと思う。 だからもしひ孫に何かを伝えるとしたら、
僕の物の感じ方を伝えたい。 どんなことにドキドキしたり、ワクワクしたりしてきたのかをね。
そしてひ孫の話を聞きたい。 僕とひ孫の感じ方って、どんなところが一緒で、どんなところが違うんだろう。
ってね。 きっと楽しい時間になるだろうな。
マレリンさんならこの話どう広げる? それでは次話す時を楽しみにしています。
未来の想像
楽しみにしています。
では、お手紙ありがとうございます。
こちらは雪がちらつき始め、一足早い冬がやってきました。 ひ孫が生まれる頃は約50年後か。
私たちのこの時代だから得られる感受性も、 ひ孫の世代には変わってきているかもしれないけど、
私たちが生きてきた時代の楽しかったこと、 素敵だったことは伝えたいし、聞きたいですよね。
そもそもひ孫を持つってどんな感覚なんでしょうね。 私は子供すらいないので、親になる感覚もまだ正直わかりませんし、
今まで自分の遺伝子は上の世代しか見ていないから、 自分の後に続いていくのって、私はどう感じるんだろうって気になりました。
この話も今度ゆっくり話したいですね。 話せる日を楽しみにしています。
それでは。
あ、もしもし。
もしもし。
久しぶりです。
久しぶりです。
そっち寒いですか?
こっちはもう初雪が降りました。
あー、言ってましたね、手紙で。
はい。そっちはどうですか?
今日はなんか暑くって、
暑い、はい。
まあ、暑いといっても汗かくほどじゃないんですけど、 朝は結構着込んでたんですけど、
だんだん暑くなって3回着替えました、今日。 暑さに合わせて。
3回?
えー。
そうなんです。
最寒何度くらいまで上がったんですか?
多分22度ぐらい。
えー、あったかいですね。
長袖、じゃあちょっと暑いかなぐらい。
えー、もう年末近いのに。
うん、今日は暖かかったですね。
衣替えもしづらいです。
した後なんですけどね、もう。
衣替えもしたんだ。
で、暇後にだいたい話っていう、 トークテーマで話そうと思ってるんですけど。
そうですね、ぜひ。
50年後ぐらいかなって僕は、 パッとこのトークテーマもらった時に思ったんですよ。
はい、あ、そうですね。
うーん、生きてるかなーってまず思った。
なるほど。
まあ、平均寿命は上がってるとはいえ、 実際生活習慣病とかもあるし。
そう。
どんな風になってるか想像がなかつかないですけど、
うらさきさんとしては、 どうなっていたいとかありますか?
50年後?
そう。
50年後はあんまり生きてたいとも正直思ってなくって。
へー、なんでですか?
なんだろうな、健康であればいいかなって思うけど、
健康な90代が周りにいなくて、今まで。
そうなんですね。
90歳になると確かに。
やっぱどっかしら悪い、入院してるとかいう 90歳代の人は見たことはありますし、親族に見ましたけど。
80歳ぐらいまでは元気な人とかもいるんで、 それぐらいかなーって勝手に思ってる。
じゃあ、あんまり90にもなると、 自由が効かなくなりそうみたいなイメージですか?
今のとこはですね。
うん。
まりんさんは?
私ですか。
私は、
50年後。
50年後は、たぶん今30代なんで、80歳代けど、
実は私は親族は結構長生きで、
しかも、90になってもピンピンしてるんですよ。
いいですね。
そういう方なので、もしその遺伝子を追い出るなら、
こうなるのかなっていうのを見てますけども、
でも確かに、私も生きていたいかっていうと、あんまり。
そこは今は前向きではなくて、
やっぱりこう、仲がいい方が先に亡くなっていったりもする世代だったりもするし、
そうね。
そういうのを見せがってる姿とか、
なんかちょっと孤独感とかもあるのかなっていうふうに見ると、
寂しそうだな、なんか楽しそうだけど、 その年齢なりの楽しみはあるなと思いながらも、
ちょっと哀愁を感じるなっていう感想です。
なんかまだ味わったことないですけど、
同世代がいないっていう感覚ってあるでしょうね。
いや、そうでしょうね。
今は当然に周りにいるけど、
今あるものがなくなっていく寂しさみたいな。
90歳にもなると自分より年上はいないだろうからほとんど、
みんな年下になっていって、
自分と同じ年齢で同じ時代を生きた人と話せることがなくなっていくって感じですよね。
たぶん。
そうですね、本当そうだと思います。
特に私の祖父母の代だと、戦争を経験している代だと思ってくるから、
この時代のやっぱ大変さとかも本当の意味で共有できないっていうか、
共感できなくなっていくんだろうなっていうのは思いますね。
寂しいね、やっぱたぶん。
祖父母との思い出
寂しいですよね。
逆に私たちが今経験しているこの時代を、
50年頃に共感できないってどういう感じなんだろうなっていうのはちょっと想像しますね。
そうだなぁ。
年上の世代で、僕は自分の祖父の父親だかなんていうか、祖祖父でいいんですかね。
だから一応暇子だった時期があるんですよ。
だけど、その祖祖父母から何か伝えられたっていう思いではない。
なるほど、はい。
マリンさんはどうかなと。
ひいおじいちゃんとひいおばあちゃんですよね。
何か伝えられたか。
そうですね。
でも私も喋った思い出はあるんですけども、
そうですね。
今思い出すと、直接的に何か伝えてもらったかっていうと、
なかったかなと思います。
すごく、可愛がられたっていう印象だけは覚えているので。
あーそうなんだ。
思い出すとすれば、そういう愛情はもらったなっていうぐらいですね。
紫さんはお話もされてないですか。
いやーしてないんじゃないかな、二人でとかは。
あの場面は覚えてるのが何個かあるけど、場面であって会話じゃないんですよ。
会話ではないんですね。
場面はどんな場面?
なんか場面は、なぜか知らないですけど、アロエの話をしてたのを僕は横で聞いてた。
へー、アロエ。
アロエは傷に良いとか、傷に塗り込むとか、
なんかそんな話を祖祖母、ひいばあちゃんと多分僕の母が話してて、僕は横にいた。
4歳とかそんぐらいだと思うんですけど、その場面は覚えてる。
へー。
僕はアロエの話に伝えられたのかな。
アロエは傷に、やけどに効くみたいな話。
ちょっと実はこう、直接的に言ってないけど。
母に言ってるように見せかけて、見せかけてっていうか、言わせてて、ひい孫にも伝えなきゃ、これはって。
わかりづらい。
逆に、人づたいで、もちろんお母さんだったりおばあちゃんだったりで、ひいおばあちゃん、ひいおじいちゃんはこういう人で、こういうことを教えてくれたんだよ、みたいなエピソードはなかったですか?
ひいばあちゃんは、
とにかく喧嘩早いというか、血の気が多くて。
へー、ひいおばあちゃんが。
聞いた話ですね、これ全部。
昔はボクシングがすごく流行った時期とか、今も元気ですけど、相野がテレビ全盛期で応援してたときに、ひいばあちゃんはそれを見ても熱狂してた。
いけーとか、もっと殴れとか、そんな感じで、バリバリの人があったっていうのは聞いたことがありますね。
へー、すごいですね、お母さんで。
あ、だけアロエか、傷だした時の、ちょっと今思った。
ちゃんとそこまで、怪我した時の対処法まで。
そう、ケアまでね。
教えてくれてたんですね。
かもしれない。
なんかあります?
私は、聞いた話は、すごく生活が貧しくて、父方の方の生活が貧しかったけども、でも弱い立場の人には優しくするみたいなのをポリシーになってた方だったらしいんで、
自分の生活が厳しくても、なんか昔はちょっと言い方悪いかもしれないですけど、今のホームレスのような方とかがもっと殴られたくないんで、そういう方にもおにぎりとかを握って縁側に座ってもらって食べていってもらってたとか、
いつほど聞いたことがあって、そういう人になりなさいみたいなのを、私の祖母は教わったっていう話を祖母から聞いてました。
人情とか、そういうところですかね。
今のは母方の祖祖母で、父方の方も祖母の代で小さい民宿立ち上げて、祖母が切り盛りして、本当に駅の真ん前とかでにぎわってるようなところで一人で切り盛りして、旦那さん、祖父は向こうに入って出たぐらいなんで、
昔の方が男孫女妃とかあっただろうに、でも強い女の人たちが多かったのってことなのかなっていうふうには感じました。
そうね。立ち上げるのすごいな、本当。
そうですね。
なんかいい非爺ちゃん非婆ちゃんエピソードですね。
こんな。
うちの血の気の強い婆ちゃんのエピソードを塗り替えてくれてよかった。
いやいやいや、でもそれもそれですごく面白いなって思いました。
こっちはいい話ばっかり聞くけど、やっぱり実はこういう人だったとかも知りたかったな。今になって喋りたかったなって思うので。
そういう非爺ちゃん非婆ちゃんエピソードをそれぞれ持ってて、じゃあ自分がその仮に姫孫が遊びに来たとしたときに何伝えるかなってことでしょ。
そうですね。ありますか。
うーん、アロエはもうどうかわからないから。もっといいもんが50年後多分できてるから。
いやでも僕の時もアロエよりもいいのあったから、
昔ながらの知恵で身近にあってこういうことにも使えるんだよってことを伝えるのがいいのかなーって今ちょっと思ってて。
あー、なんかおばあちゃんの知恵袋じゃないですけど。
そうそうそうそう。
でも今は50年後もあるものってなんだろうって思って今身の回りを見渡してるけど。
でもものじゃなくても考え方とかでも。
考え方。
あの紫さんの哲学とか。
哲学?哲学ってある?僕。
ひまごとの対話
いや恋してる上で大事にしてることとか例えば。
あーえーっとそうだな、うまくできないけどやりたいなって思ってるしのはその人の一面だけを見ないようにする。
一面だけでその人って決めつけないようにすること。
めちゃくちゃいいですねそれ。
でも難しいやっぱり。
難しいですけどね。
意見が合わない時とかもあるんですけど。
それはまあその時は意見が合わない、そのことに対してとかその場面では意見が合わなかっただけで。
その人とずっと合わないかどうかはわかんないかなって思ってる。
だから僕結構一旦保留が多いです。
判断しないっていうこと。判断しなくていいと思っているところもあります。
それはなんか野崎さんがいろんな経験を経て今たどり着いた答えというか今の段階で?
そう今の段階でからだって50年後は嫌いなやつ嫌いだしって言ってるかもしれませんよね。
変靴みたいな。
全然。
ひまわり嫌いなやつなんかぶん殴っちまえて言ってるかもしれないです。
それもそれでこういう変性を得てこうなったよって伝えるのもいいですね。
だからもうなんか言われるんでしょうね、ひまごに。ひいじいちゃん、血の毛が強いって。
そういうことか。そうやってめぐりめぐっていくんですね。そういうことか。
どうですか50年後を思い描いてひまごに伝えるというか見せたい姿でもいいし。
もしくはマリリン・ヒーバーちゃんってこうだったんだってよって言われたい姿とか。
でも私自分が死ぬときに楽しかったって言いながら死にたいっていうのがあって。
なので、そういう人生を謳歌したいし、謳歌してほしいなっていうのはひまごにも思いたいので。
結構私これまで人の目気にしたりとかして、やりたくない、できなかったみたいなこともあったから、
それがずっとコンプレックスで嫌だなとか思ったので、
なので、いろいろ言われるけど、結局何したって人って言うじゃないですか、そのこと、文句。
だから、もうそんなの気にしちゃうけど、自分がやりたいことやって飛び込んで、
失敗しようが成功しようが、いろんな経験を全部価値に、自分の中に蓄積だけできれば全部やったもん勝ち。
だから、それは後世にも伝えたいですね。真面目な話。
未来の可能性
いろいろやりなさいってことですか?
そうです。簡単に言うと。いろいろやりなさいで、たくさん失敗したほうが、
失敗って言っちゃうとなんかすごくマイナスに聞こえるけど、いろんな経験したほうが楽しいよっていう。
そうですね。失敗も経験の一つですからね。
そうですね。なんかすごいこの言葉だけはシンプルなんですけど、実際に飛び込むって結構大変らしいよって言えますよ、これで。
そうなんだよな。飛び込んでしまえば、入ってしまえば、意外となんとかなるようなことって結構あるなって体感的には思ってるんですけど、
やるぞってなった時に、結構まだ自分が本当に知らないところだと知り込みすることもありますね。
そうなんですよね。何度やってもそういうのはちょっとありますよね。
しょうがないな。本能だからな、多分。人間の知らないところに飛び込むリスクとか考えちゃうのって。
そうですね。防衛本能はありそう。
けど乗り越えて飛び込んでいかんと、自分の世界とか価値観とか、人生の深みというかデコボコとかもないままだと、振り返ると面白くないんじゃないかなと思っちゃいますよね。
そうなんですよね。自分史みたいなのを書いてみたとした時に、いろんなことがあったほうが楽しいんじゃないかなって。
そうですね。その時はきついこととかもあるでしょうけどね。楽しいこともきついことも。
本当に終わらせたいとか、いろんなこと思うこともあるけど、だいたい振り返るとあんなこともあったなーで終わるようなことも。
その時は必死だったりしますからね。
じゃあそうね。暇子にも育てて生きてほしいな。でも失敗を僕は伝えるのはいいかなと思ってる。
暇子ぐらい離れてたら、なんか変なプライドとかもなく。
はい。
じいちゃんは失敗したよね、昔とか言って。言えそう。
そうですね。確かにあんまカッコつけず。
兄弟、親とかぐらいまではちょっと言えないこととかもやっぱあるんですよね。
そうですね。確かに。
イベントの出来事だけじゃなくてその時の気持ちとかまでは言えないみたいなね。
そうですね。確かに。
暇子ぐらい離れてると気持ちも言えそう、逆に。
そうですね。なんか全然多分可愛い暇子なんでしょうけど、他人までいかないですけど、でも割とそのくらいな感じ。
なんか人気そうだなってなんとなくの想像ですけど。
なんかちょっと考えたのが50年後でしょ。
はい。
50年後の暇子、人間かなってちょっと思ったこともあって。
もはや人間か、人間。
もしかしたら何かとのハイブリッドとかになってる可能性あるなとか思ったり。
確かに。もはや人間という生き物だとしても考え方はまるっきり変わってる可能性もあるし。
話飛躍しちゃうけど地球人じゃない惑星の人も住んでるのとか。
あるかも。
で、そことの根決というかね。
間で生まれてきたらもう僕と同じ地球人じゃない可能性あるなーって最悪心かなーとか。
アニメの世界が本当にそのままあるような。
なんか今AI発達してて本当にドラえもんの世界というか政府が本当に現実味を帯びてたら、
もっとロボットとのやりとりみたいなのが絶対活発になってると思うんで。
そことの今は人間対人間のコミュニケーションで困ってることも今度ロボット対人間のあれで悩んでるとかもあるかもしれないし。
確かにな。
面白そうですね。
今の現在2025年のヒマゴと話すつもりとはまた感じが違って、話しかけてるヒマゴには実は中にAIが搭載されてて。
あるかもしれない。
ヒマゴって人間だけじゃないよねみたいな感じもちょっとなんか思いついた。
あるかも。
かもしれんけどできたら人間であってほしいかなってちょっと思ってる。
人間味みたいなのはいつまでもあってほしいなって思いますけど、この感覚持ってたらもう古いよとか言われるのかな。
それはそれで面白いだけですけどね。僕の人間味とかと違うんだって分かるっていうのもね。
そうですね。
だって人間じゃねえしってヒマゴに言われたら。
本当の人間じゃん。
ヒマゴには今日は喋ってみたいし、今言ったこと伝えていきたいですね。
じゃあ健康で長生きするしかないですね。
そうですね。もうちょっと楽しんでお話ししていきましょうか。
僕もちょっとそろそろアロエを育て始めますんで。
ちょっとじゃあ今度どう変えるか教えてください。
ちょっとアロエの育てから調べておきます。
じゃあまた今度。
話しましょう。
ありがとうございます。
ではまた。