-
-
宮武 徹郎
みなさん、こんにちは。草野美希です。 宮武哲郎です。
草野 みき
Off Topicは、アメリカを中心に最新テックニュースやスタートアップ、シンセス情報を緩く深掘りしながらご紹介する番組です。
今回のトピックは、5月のテックニュースをお送りします。
毎月恒例のテックニュース振り返り会ということで。
宮武 徹郎
はい。なんかいっぱいありましたよね。今月のニュースが。
草野 みき
そうですね、確かに。
宮武 徹郎
イベントも結構あったと思うので、マイクロソフトもイベントやってましたし、GoogleもGoogle Iをやってましたし。
来月はWWDCとかですかね。
草野 みき
そうですね、確かに。それこそフィグマとかスライブセッションも今月。
宮武 徹郎
ありましたね。我々も行きましたけど。
それ以外もフォートナイトが復活したりとか、いろんな面でニュースがあった中で。
今回に関してはオープンAI周りについて話してもいいかなっていうところで。
ここ数ヶ月間ぐらいオープンAIがずっとニュースになってると思うんですけど。
今月は特にだったと思うんですけど。
まずオープンAIって非営利団体なんですけど、
営利団体になろうとしていたのがその計画がちょっと難しくなっていて、
結果的にはパブリックベネフィットコープレーションっていう一応法人団体ではあるんですけど、
非営利目的をしっかり持つような形となりました。
同時にWindows AFっていうAIコーディングツールを3ビリオンぐらいで買収したり、
元インスタカートのCEOフィジシモさんをヘッドオブアプリとして採用したり。
これは結構大きな採用だったと思うんですけど。
それ以外にFDA、アメリカ食品医薬品局と創薬プロセスの中でAIは使えないかっていう話をしていたり、
スターゲート、AIデータセンターのいろいろ発表とかがあって、
一番知り込んばれないで話題になったのがジョニー・アイブさんの話ですよね。
このジョニー・アイブさんとの話に関してもうちょっと深く話しますと、
ちょうど2年前ぐらいですかね、
ジョニー・アイブさんが元Apple前衛のスコット・キャノンさんとエバンズ・ハンキーさんとタンタンさんと一緒にIOっていう会社を立ち上げたんですけど、
エバンズ・ハンキーさん、3人ともジョニーさん配下で働いてた人で、
その中で特にエバンズ・ハンキーさんとタンタンさんはすごい有名な人たちでもあるんですけど、
3人とも元々ジョニー・アイブさん配下のラブフロムというデザイン系の会社に上院して、
今回このIOというオープンAIとの合併、実質上買収ですけど一応合併と呼んでますけど、
6.5ビリオンの合併を通してジョニー・アイブさん以外のメンバーは全員オープンAI従業員になりましたというようなことが起きたというところですね。
草野 みき
どうですか、これを見て。
宮武 徹郎
そうですね、なぜこれをやるのかっていう話から、そもそもこれがいい買収だったのかみたいな話がいろいろあるんですけど、
そもそもラブフロム、ジョニー・アイブさんのデザイン系の会社は元々Appleコンサル契約を結んでいたんですけど、
それが2022年ですかね、サムアルトマンと会う1年ぐらい前にその契約が切って、
その契約自体は確かラブフロムがAppleと競合する商品とクライアントワークをしてはいけないみたいな、
一応そういう条件が入っていたので、
たぶんジョニー・アイブさんからすると、次の新しいコンピューティングデバイスを作りたいっていう考えもあって、
こういう展開をしたのかなっていうところですね。
草野 みき
テクノロジー系のハードウェアのレジェンドデザイナーじゃないですか、
なんかやっぱりすごい金額だなっていう、すごい人だと思うんですけど、
ジョニー・アイブさん以外だったら誰だろうなみたいなのを考えると、
確かにあんまり、たぶんいるのかもしれないんですけど、
それぐらいの金額、これぐらいの凄さだと思いますか。
宮武 徹郎
そうですね、6.5ビリオンって高く見えるのは見えるんですけど、
ジョニー・アイブさんプラス55人の従業員になるので、
平均すると1従業員あたり118ミリオン支払ってるってことなんですよね。
比較対象にはあんまりならないと思うんですけど、
FacebookがInstagramを買収したとき、1ビリオンの価格で13人いたので、
1人あたり77ミリオンなんですよね。
なのでそこと若干近しい数値ではあるのと、
WhatsAppが一番高いと思うんですけど、
19ビリオンで55人だったので、
そこで1人あたり345ミリオンなんですけど、
そこで比較すると別にめちゃくちゃ高いわけではないですと。
もちろんジョニー・アイブさんの場合ですとプロトタイプしかないので、
そこに対してどこまで評価するのかっていうのはあるんですけど、
もし次世代デバイスを本当に作れるのであれば、
正直安いですと。
草野 みき
そうですね、作れるのであれば安いですね。
宮武 徹郎
でもこれっていわゆるゼロになるか、
オープンAIの自家創価を10倍にするかっていう話だと思うんですよね。
それに対して直近のバリエーションが300ビリオンじゃないですか、オープンAIが。
そこで6.5ビリオン支払った、株で支払ってるので、
全体の2.1パーぐらいをジョニー・アイブさんに渡した、
チームIOに渡したっていう話なので、
それで10倍になり得る可能性があるのであれば、
悪くないベッドかなっていうふうに思います。
草野 みき
全然個人的にもすごい前向きな、面白いなって思うんですけど、
ちょっと逆の意見としてあるかなと思ってちょっと聞いてみたんですけど、
なんか面白いですよね。
ラブフロムっていろんな、いわゆるUIデザイナーとかハードのデザイナーだけじゃなくて、
なんかアーティストとかミュージシャンとかいろんな組織の人がいるっていうのは、
なんか今のデバイスを1から考える上で体験を作っていくってなった時に、
いろんな角度からデザインできるデザインコレクティブっていうのはすごく、
なんかどういうものができるんだろうっていうのは楽しみです。
宮武 徹郎
そうですね。ここに関して若干ややこしいのが、
ラブフロムっていう会社自体は別途存在していて、
ここに関してどこまでIOとラブフロムが被っていたのかっていうのが正直あんまり分かってないんですけど、
少なくとも何人か経営メンバーを被っていましたと。
そこは全部OpenAIに今偏っているんですけど、
IOは一応OpenAI配下になったんですけど、
ラブフロムに関しては一応別の会社ではあるものの、
基本的に新規クライアントを取りませんっていう条件。
既存のクライアントはAirbnbとかフェラーリとかは引き続き仕事はするんですけど、
基本的にここからはOpenAIの全体のデザイン周りとかクリエイティブ周りをラブフロムが担当することになりましたと。
その引き換えにOpenAIの株式をラブフロムはもらいますというような条件になっているので、
ここら辺も若干ややこしくて、
IOの従業員55人に関してはデザイナーとかハードウェアエンジニアとか、
もうちょっとプロダクト作りのところに長けた人たちが揃っているって感じですよね。
あとIOは実は株主が何社かいたので、VCとか。
なので当然ながらローレンパウル・ジョブス、スティーブ・ジョブスの奥さんも株主で入ってましたし、
サッターヒールとかスライブキャピタル、SPエンジェル、マブリックキャピタルとか入っていたので、
多少なり儲かったVCもいると思うんですけど、
そもそもこのAIプロトタイプを既に作りましたという9分の動画の中で話していたのと、
後々サムラルトマンが従業員に対してこの合併について話した時にプロダクトについてちょっと話してたっぽいんですけど、
サムラルトマンのリアクションからすると本当にすごいプロダクトだみたいなことを言っていたってところですね。
草野 みき
どうですか?期待大?
宮武 徹郎
期待大ですよね。それは当然ながら。これだけ事前にそんなこと言ってしまったらそれはもう期待大になるしかないので。
ちなみに出回ってる画像はAI生成のものなので、
皆さんそこはちょっと気をつけてください。そういう見た目ではないと思うので。
草野 みき
いっぱいペンダントのやつとか、普通に丸っこい感じのオープンエンドロゴが入ってるやついっぱい出回ってますけど、
そのまますぎだろっていう。
宮武 徹郎
そうですよね。
草野 みき
一瞬自分はリークされたのかなと思ったんですけど、そんなことないよなと思って。
宮武 徹郎
こんなデザインさすがにジョーニー・アイフさんやらないだろうなって思っちゃいましたもんね。
草野 みき
Appleっぽいアルミの感じとオープンAI掛け合わせたみたいな感じでしたよね。
どんな感じなんだろうな。
宮武 徹郎
でも、第3のコアデバイスみたいなことを言っていたらしいですよね、サムアルトマンが。
パソコン、スマホに続くようなもの。首にも掛けられるようなものらしくて、
マイクとかカメラもついてるみたいな話ではあるんですけど、
おそらくもう音声ベースのものになるんじゃないかっていうのはよく言われてますね。
草野 みき
これまでHumaneとか、いわゆる失敗というか、あんまりうまくいかなかったっていう印象なんですけど、
それはどうしてそうなった気がします?
良かった点もあったと思うんですけど。
宮武 徹郎
一番出てきていたやつでいきますと、HumaneのAIピンと、ラビットR1ですかね。
それ以外にもいくつかありますけど。
まずフォームファクターの問題があると思っていて、
音声デバイスになった瞬間、この課題ってどうしても出てくると思うので、
何を聞けばいいかわからないっていうのは、
おそらく今回のオープンAIの出すやつでも、同じような課題っていうのが出てくるのかなと思うので。
草野 みき
結局Appleのホームポットでさえも、Googleのデバイスとかもそうかもしれないですけど、
天気聞くとか音楽流してぐらいでしか終わったって感じですよね。
宮武 徹郎
でもそれ以外のこともいろいろ本当はできるじゃないですか。
それが何を聞けばいいかわからないっていうのが1つUI UXの問題としては存在するのかなと思うのと、
あとやっぱりスピード感の問題とか、そういうのは絶対出てくると思うので。
あとはそうですね、AIピンとかに関してはプロジェクターみたいなものとかもあったんですけど、
それがこの環境だと使えるか使えないかとか、
だったら結局画面見た方が早いじゃんみたいなところに行ってしまうとかなり難しいと思うので、
やっぱり全く違うUI UXを提供しないといけないっていうところですよね。
草野 みき
どういうものだと思います?理想でもいいですけど。
宮武 徹郎
今回の作ってるやつ以外に、彼ら複数プロダクト作ってるらしいので、
その中の一つがAIイヤーパッド。
これ多分Appleとかも作ってると思うんですけど、個人的にそっちの方が気になってますけどね。
なぜかというと、パックみたいなものを置いた瞬間、
多分イヤホンとつなげられると思うんですけど、
プライバシーある形でAIから声かけもらう方がいいと思うんですよね。
草野 みき
周りの人に対してってことですか?
宮武 徹郎
周りが聞こえないようにするっていう。
しかも、AIから声かけてくれるパターンを作るのが結構大事だなっていうふうに思う中で、
それがパックとかではどこまでそういうのが可能になるのか気になってるところではありますね。
草野 みき
個人的には、前も話しちゃいましたけど、映画のハーに出てくるカードホルダーっぽいデバイス。
宮武 徹郎
全体的に今回のこの合併について、いろんな疑問点というかディスカッションがシーコンバレー内で起きたと思うんですけど、
今回のこのパートナーシップは、ジョニーアイブがAppleに対しての不満をひたすら言ってたんじゃないかとか、
今のコンピューティングデバイスがもう何十年前に作られたものだみたいなことを言ってたりとかもしているので、
新しいものを作るっていう意味合いだとAppleがまだ作れてないっていう話もあれば、
あと、そもそもこの価格帯で正しかったのかと、ジョニーアイブさん、今58歳とかですかね、
ジョニーアイブさんがまたあれほど画期的なiPhoneとかiPadとかApple Watchほど画期的なプロダクトをもう一度作れるのか、
もしくは、よくこれツイッター上で皆さん言ってましたけど、今更レブロン・ジェームズを取りに行ってもっていう話で、
レジェンドではあるんですけど、もうちょっと年をさすがに取り過ぎてるんじゃないかみたいな指摘が多少なりあるっていうところですね。
草野 みき
そうですね。やっぱり代わりの人ってなると誰なんだろうなーっていうのもいる気がするんですけど、
宮武 徹郎
そうですね。あんまり正直いないかなっていうふうには思いますよね。
あと、ここに対してのポジティブ目でいくと、やっぱりジョニーアイブさんだけじゃないので、会社としては55人の、
多分めちゃくちゃ優秀、多分ほとんど元Apple生だと思うんですけど、めちゃくちゃ優秀な人材がいる中で、
もちろんコストは高く見えるんですけど、ペイオフがすごい大きいので、もし成功すれば。
なので、多分当時はすごいバカにされてたと思うんですけど、AppleがNextっていう会社を買収して、
スティーブ・ジョブズをいわゆるCEOとして復帰させた時に500ミリオン払ってるんですよね。
たぶん今振り返ると、誰一人その500ミリオンが高いとは思わないんですけど、でも当時は多分高く感じた。
なので結局、いい人材はめちゃくちゃお金出すべき。
逆に払いすぎたとしても、その分のペイオフがある可能性があるっていうところだと思うので、
そこは考えとしては間違ってないと思いますし、
あとやっぱりAppleに関しては、このインダストリーデザインチームが非常に元々Appleの中で重要な部署だったんですけど、
そこがジョニー・アイブさんが見ていた部署で、
インダストリーデザインチームとその下にある他のハードウェアチーム、
ハードウェアソフトウェアチームが非常に大事だったんですけど、
結局、いいものを作るっていうのが工業デザインチーム、IDチームってよく言われてたんですけど、
そこが15人から25人ぐらい、ジョニー・アイブさんが自ら選んだ人たちがいて、
彼らが基本的にずっとプロトタイピングをしているんですけど、
方向性を決めて、それを実装する、いわゆるプロトタイプとして作れるのか、
あとマスに向けて生産できるのかっていうチームが下にいるんですけど、
たぶんそのままそういう形のチームをIOの中に含まれていて、
それを今実装させようとしているっていうところだと思うんですけど、
そのシステムをうまく作れている他の会社ってあんまりいないかなっていうふうに思うので、
そこはたぶん一つ、一人一人の人材だけではなくて、
チーム全体の仕事の在り方っていうところは一つ評価できるポイントでもあるのかなっていうふうに思いますよね。
草野 みき
楽しみですね。来年発表、来年おそらくマスぐらいに出てくるかも。
宮武 徹郎
そうですね。おそらくですけど。
あと、もしこのオープンAIのデバイスが出て、
いわゆる次世代。
草野 みき
結構変わりますよね。
宮武 徹郎
結構変わるんですよね。
ここがPCの時代ですと、マイクロソフトvsアップルだったじゃないですか。
オープンvsクローズドでの戦いだと。
モバイルだと、Googlevsアップルだったじゃないですか。
たぶんみんなその次の時代が、メタvsをアップルになるみたいなことを想像してたんですけど、
もしかしたらメタvsオープンAIになるかもしれないっていう。
草野 みき
アップルvsオープンAIじゃなくて?
宮武 徹郎
はい。
草野 みき
もうアップルは終わり?
宮武 徹郎
可能性はゼロではないっていうところですよね。
別に、すごいディシビューションを持ってる会社なので何とも言えないですけど、
優秀な人材はまだ残ってると思うんですけど、
やっぱり今の新しいコンピューティングデバイスを本気で作ろうとしてる会社ってまだ少ないと思うんですけど、
思った以上にオープンAIがそこに入ってきたっていうところですよね。
でもこれも次世代OSを作るための戦いとしてはオープンAIってすごいアドバンテージを持っていると思うので、
このAI時代の中だと、
AIの記憶みたいなところからアイデンティティ領域とか、
そこら辺も全部彼らが取ろうとしている中で、
プラスハードウェアとなってくるといいものは作れる可能性があると思いますし、
やっぱりオープンAIの戦い方、
ジョニー・アイブさんも採用してるわけなので、
もうちょっとアップルっぽいクローズドなエコシステムに若干なると思うので、
そこと対抗するような姿勢を出しているのがメタなのかなっていう、
もうちょっとオープンな戦いをしようとしてるっていうところですね。
草野 みき
メタも、メタレイバンみたいなハードウェアは成功はしてるっちゃ成功してる気がするんですけど、
そういうAIのデバイスでっていうところだとまだ出てない気がするので、
出てないですよね。
宮武 徹郎
レイバンのデバイスを多分、マークさんだと今AIウェアラブルみたいなことを言うと思いますけどね。
もともとメタバーズ文脈でしたけど。
メタからすると全部繋がってると思うので、
でもなんかアップルとしてもここは多分すごい勝ちたい領域ではあるので、
そもそもスティーブ・ジョブズも昔からSiriをすごい気にかけていたじゃないですか。
Siriもそもそもあれを買収を通して導入した機能ですけども、
確かスティーブ・ジョブズがSiriを最初に発見したときにすごい興奮して、
もう彼は検索エンジンが嫌いだったんですよね。
人は自ら自分が欲しいもの分かんないっていう思想なので、
それをちゃんとキレーションしてあげるっていうことがアップルの仕事でもあるっていう、
多分そういうことを考えてたんですけど、
なので確か2010年代中盤とかに、
アップルはiPhoneのホーム画面の上に検索バーを入れることを考えたことがあるんですよ。
検索ボックス。
でもそれが結局アップルのデザインチームが絶対それをやらないっていうのを言って、
結果右スワイプすると出てくるようになったんですけど、
Siriを入れるとそういうのが必要なくなってくる。
ユーザーに合わせた情報がどんどん勝手に出てくるみたいな形を、
スティーブ・ジョブズはその可能性をすごい信じてたらしいので、
なのでアプリを使い始めてから、
割とすぐに創業メンバーを呼び出して、
スティーブ・ジョブズの家に。
3時間くらい話して、スティーブ・ジョブズが買収させてくれと。
ファウンダーたちはNGを出したんですよね。
ちょっとごめんなさいと。
そしたらスティーブ・ジョブズが次の24日間連続、毎日連続電話して、
買収させてくれ、買収させてくれ、買収させてくれっていうのを言って、
草野 みき
そこで最終的にOKを出したっていう。
結構じゃあ本当に欲しかった機能の一つなんですね。
宮武 徹郎
そうですね。なのでアップルとしてはこの領域でしっかり戦っていくための
多分体制作りっていうのを今後やっていくんですけど。
あと最後に。
草野 みき
普通にSiriで音声デバイスとしてじゃない部分で結構普通に浸透はしてきてますよね。
スポットライトとか、普通のバックグラウンドのところでのレコメンドだったりとか。
あと結構普通に音声入力のSiriのところとかは普通に精度上がってますよね。
宮武 徹郎
精度上がってますね。ただやっぱりこのAI文脈、アシスタント的なものでいくと、
過去の我々も話したことあると思うんですけど、
やっぱりまだ不満が結構多くて、
社内もその体制がうまく整ってないみたいな報道がいっぱい出てきているので、
ここに関してはAppleとしてどう動くかっていうのは気になってますね。
あと最後に、最後じゃないかもしれないですけど、
オープンAIとして今までのテック企業とは、
すごい幅広い動きをしている会社だなっていうふうに思いますよね。
草野 みき
ハード作ったり。
宮武 徹郎
ハード作って、結局ハードもいろんなハードを作ろうとしてるじゃないですか。
なのでこういうパーソナルデバイスを作ろうとしていて、
それでAppleと対抗しているんですけど、
同時に人型ロボットみたいなこともいろいろ見ていて、
それでテスラとかフィギュアとかそういうところと対抗しますと。
で、LLMみたいな領域の中だともちろんいろんな大手プレイヤーがいて、
その中で検索もやろうとしているので、
それはGoogleとかパブリキシティと対抗して、
その中でさらにコマースみたいな機能もいっぱい考えているので、
Amazonとかと対抗して、
で、なんかソーシャルフィードみたいなのを作るみたいな話もあったじゃないですか。
草野 みき
SNS作ったりみたいな。
宮武 徹郎
そこでMetaとかXとかと対抗して、
さらにデータセンターみたいなのを作っていって、
それでMicrosoftとかAmazon、Googleとか対抗する。
草野 みき
これだけ幅広く大手テック企業に挑む会社って初めて見たなっていうふうに思いました。
確かにサマートマンだからできることでもあるし、
このAIの企業だから結局いろんなところに投資しても、
それの分情報が収集できるから、
回収できるような気もしますよね。
宮武 徹郎
そうですよね。
そこはちょっと初めてこれだけ幅広い、
しかも割としっかり競合できるようなサービスを作れる会社が久しぶりに出てきた。
あとは、全部説明すると若干長くなっちゃうので全部は説明しないんですけど、
オープンAがそもそも今回IOを買収、合併した一部の理由って、
サマートマンとかが非営利団体から営利団体にするための施策なんじゃないかみたいな噂もいろいろあるんですけど、
個人的にはそこまでそれがいい仮説かって言われると、
理論上可能ではあるんですけど、ちょっとそこまで強くないかなって思ったところですね。
草野 みき
それはどういうところで可能なんですか?
宮武 徹郎
今現在のオープンAだと無理なんですよ。
今現在だと非営利団体が全体をコントロールしていて、その配下に営利団体があるんですけど、
冒頭で言ったように、これからパブリックベネフィットコーポレーションに転換する中で、
そうすると非営利団体が完全コントロールしているわけではなくて、
非営利団体がパブリックベネフィットコーポレーションの半分以上のシェアを持っていますと。
おそらくそれ以外に議決権とかで半分以上の議決権を持っていたりするんですけど、
理論上ですよ。今回のWindows Serveとか、Windows Serveの3ビリオンとか、
Ioの6.5ビリオンの買収によって、全部株式でやっているので、
新規株を発行してその分を渡したとすると、
6.5ビリオンと3ビリオン分、約10ビリオン分の新規株を発行しているわけなので、
その分、規白化しますと、全員が。
そうすると、理論上、非営利団体の持ち分が規白化して、
例えばそれが52%元々非営利団体が持っていたとすると、
今回のこのWindows ServeとIoの買収によって3%ぐらい規白化するんですよ。
でも、理論上、営利団体の方が半分以上の株式を持つ可能性はあるんですけど、
ただ、これって議決権ベースでは考えてない話なので、若干そこは違うのかなと思うんですけど、
一応、サムアルトマンが過去にこういうことをやったっていうところで、
多くの人たちがここについて話してるんですよね。
レディットでこういうことをやってるので。
草野 みき
サムアルトマンが?
宮武 徹郎
サムアルトマンとYCの出発がやったんじゃないか、みたいなことが。
レディットが2006年にコンデナストに買収されたじゃないですか。
その時に、YCの出発とかレディットの創業者が、
ちょっと売ったのが間違ったっていう考えを持っていて、
なんか合意しちゃったみたいなところで、
それを彼らの元に戻すための施策として、
いろんなことを、いわゆるコンデナストの持ち分をすごい規格化させる施策を打ったっていう話で、
新しいCEOを雇うべきで、そのCEOを雇うタイミングには、
いっぱい株を新しく発行して渡さないといけないですよね、とか、
従業員を採用するための株のプールが必要ですよ、と。
さらにいろんな課題が出てきた中で、新しいCEOとか、
サム・アルトマン率いるいろんな投資家から追加調達をするとか、
結果的にコンデナストがマジョリティの株主からマイノリティの株主になってたっていう、
最終的にそれがファウンダーのところに、
新しいCEOの席が戻ってきたみたいなことが起きたみたいな話があって、
それが同じことが今回も起きるんじゃないかみたいな話があるんですけど、
個人的にはそこは若干、今のオープンエイのガバナンスのストラクチャーだと難しいかなというふうに思いました。