ダメになりました?
この人大阪やなって。
大阪やなって。
厳しいな。今やそういう時代かどうか分かりませんけど。
かといって、標準語にしていくつもりはさらさらございませんので。
いいっすよ。
このままいきたいと思います。
というわけで、本日のテーマに参りましょう。
No.2道場60の経典より、本日のテーマは、
その27、人生観が変わるとき。
ほら、なんか重たい。
重たい?
ヘビーですね。
ヘビーなタイトルですね。
もしかしたらこれは、映画見てとか、
こういう人に会ってみたいなポジティブなことも全然あり得ると思うんですが、
これは今日はどういうお話でしょうか?
はい、もうネガティブの塊ですな。
せっかくちょっとポジティブで振ったのに。
ネガティブ?
ネガティブきっかけで人生観が変わった。
そうですそうです。
どういうネガティブですか?
人生に変わる瞬間というか、
よく臨時体験をしたら変わるとか言うじゃないですか。
よくって言うか、そういうのはテレビでも聞きますね。
僕ね、人生で3回臨時体験してるんですよ。
え?ちょっとちょっと。
さすがにほぼ70のおっちゃんやとは言うね。
多いでしょ。
多いんですよ。
3回?
そのたんびに、あれ人生って何回なと思うシーンがあって、
具体的に言うと初回は高校2年生のときなんですよ。
そんな早いときに。
それは皆さんお友達と夏に海水浴行こうぜと日本海の方行ったわけですよ。
みんなで楽しく泳いでたと。
太平洋側というのは遠浅。
日本海側というのは結構いきなり深く岩場とかで。
そうですね。
高校時分なので元気よく遊び回っていました。
ある岩場からみんなが順番に飛び込んでたんですね。
当然僕も順番に来たらパーンと飛び込もうったときに、
今までみんな普通に飛び込んでいたのに、
かなり大きめの波が来たときに飛び込んじゃったんですよ。
あららら、タイミング悪かった。
飛び込んだ瞬間に大きな波がちょうど来ていて引く瞬間。
引いていく瞬間。
そのときって、コバちゃん溺れた経験ってある?
溺れかけて、わー怖いってなったことあるんですけど。
その程度。
これね、海で溺れる引き波っていうかな。
溺れるときってね、沖へ連れ去られるんじゃなくって、
斜め下に引きずり込まれるんですよ。
なるほどね。下側にもね。
45度の角度で下に入っていく。
うわ、怖い。
今ごめんなさいね、水苦手な人とかそういうのいるかもしれないけど、
怖いですね。
そこに入った瞬間にずぼーっと奥底の方へ引きずり込まれて、
普通このときってパニックになるじゃないですか。
なるなる。
で、上を見上げると5メートルか10メートルかわからないですけど、
そこに海面が見えてるけど、
でも全然届かないと。
波ですんで、一旦引き込まれて次また前行くじゃないですか。
今度最初に飛び込んだ岩場側にぶーっと押し戻される。
今度は斜め上に戻されるんですよ。
そういう流れになるんだ。
で、そのときに、あ、なんて綺麗なんだって思うんですよ。
綺麗なんだ。
海の様子とかね。
中から見た。
岩場とか海藻が揺れてるシーンだとか。
それどころじゃないでしょ。
だから極限を超えた瞬間に精神状態が変わるっていうかな。
綺麗なあ、あ、こういうことなんや。
いや、ちょっと想像でするな。
で、次もう一回引っ張り込まれて。
斜め下に。
斜め下で。
で、もう一回前行ったときに前に結構大きな岩が海底にあったりする。
で、これ岩にぶつかるなと思ったときに、
向こう辺りをガツンと岩にぶつけていててと。
で、困ったなと。
で、次もう一度引きずり込まれて。
結構これでもうどうなの。
15秒から30秒かかってるのかな。
で、あれこれ俺死ぬかもねと思ったんですよ。
そのタイミングで。
あーこれまずいな。
でもね、そう待とうってよく言うんじゃないですか。
よいます。
その感じで、人ってこんな感じで死ぬんやなーって冷静に思ってたんですよ。
ちょっと時間がゆっくり流れるような感じで。
で、まずいよなー。
まずいよなー。
次に持って行ったときに、斜め上に持って行かれたときに、ちょうど水面までちょっとギリギリやけどポンと顔出たんですよ。
そのときに上は大騒ぎで、川畑奈美に触らられたーってやったんですよ。
で、えらいこっちゃいったときに、そのわずかなタイミングで、友達の安本くんっていうのがいてるんですけど、その子が浮き輪を持って投げる準備をしてくれたんですよ。
で、僕が上に上がった瞬間に、パンと投げたのが見事に首にあの輪投げの状態で届いて。
ナイス安本くん。
で、それを掴んで、1秒取り止めたんですよ。
危なかったー。
ただね、そこで大事なのは、死ぬ瞬間ってこういうことねって理解したことなんですよ。
はいはい、それはそうですよね。死ぬ瞬間に立ち会ってるから、こんな感じかっていう理解は川畑さんはする。
あ、こんな感じなんやーって。後で考えて震えましたよ。
いやね、そうですよ。
その時は、あーそうなんやーぐらい。
うーん、あんな感じかー。
で、死ぬってこういうことねって体感的に理解したのが1回目。
やってみたい、好奇心ですわ。やってみたい。
珍しい。
痛くないですか?痛くないと。
ニュルニュルっとするから痛くない。
って言って、1週間後かな、検査に行って。
で、それこそお尻からファイバーみたいなの入れて。
で、入り口からちょっと入れた瞬間に、患者も映像を見れるんですよ。
僕の腸の中にね、きのこみたいなやつがね、腸を半分以上占領してるのが。
何それ。
7個も8個もガバガバって積み重なってるんですよ。きのこの頭みたいな。
一目見た瞬間に、あ、これがんやなと。
もうかかさんでも分かった?
あ、そうです。もう腸の半分ぐらい、こぼこぼしたね。きのこみたいなのが。
だから、お医者さんが非常に冷静な声で、あ、がんですねって言ってたんですよ。
そう、冷静な。
で、僕も、ですよねって。
いやいやいや、それどころちゃうよ。
いや、その時は、あ、そうですよね。
でも、その10秒、20秒経った瞬間に、え、これまずいレベルよねって思ったんですよ。
いや、そうでしょう、そうでしょう。
で、先生が、これはちょっと町の院やったんで、うちではできませんと。
で、総合病院、大学病院みたいなの紹介するんで、すぐそっち行ってくださいと。
で、行ったと。
で、そこからまた精密検査をして、手術をしましょうっていうことになったんですけど、
結論から言うと、ある程度の早期発見の一番後ろぐらい。
おー、ギリギリ。
早期ではないんやけど、命までは取られへんでしょうね、ぐらいのところ。
手遅れではないよと。
でも、わからないじゃないですか、あと手遅れだって多分言えへんやろから、ひょっとしたらこれ手遅れなの?
ちょっと甘めに言ってたかもしれないと。
で、いざ手術の時に、朝の10時から手術って言われたんですよ。
で、全身麻酔で手術しましたと。
こうちゃん、全身麻酔って経験ある?
ないですね。
面白いよ。
面白い、先生のばっかりやる。
なんかね、静脈注射。静脈に液体を入れるんですけど、
母さんわかりますか、今から数字数えますからね、5を数えますからねって、
1、2、3ぐらいで落ちてるんですよ。
ドラマで見たことある、そのまんまや。
マジで落ちるんですね。
で、それから実はね、僕8時間かかったらしいんですよ。
夕方の4時ぐらいに、ふわふわふわって麻酔が目が覚めた時に、
でもその間は完全意識飛んでるんで、時間がないんですよ、感覚が。
僕がうつらっとした時に、麻酔、まだ効いてませんみたいなこと言うんですよ。
実は手術は終わってるけど、本人としては意識がないんで、早く手術してくださいよみたいな。
一瞬目閉じただけかなっていう感覚。
これ病気の人の間でワープって言うんですけど。
嫌な業界用語。
実際8時間かかって。
手術自体は本人意識不明なんでわからないんですけど、実はその後が大変で、
目が覚めた、そこから集中治療室入れられたんかな。
そこでドタバタと看護さんとかいるのが始まって、音は聞こえるんだけど、もう顔とか動かない。
天井見てるんだ。
そこからまた別の部屋に移されるんですよ。
また意識が飛んじゃってて、今度目が覚めた時に薄暗い部屋に一人で寝かされてたんですよ。
それが黄色の電球。白の蛍光電池じゃなくて黄色っぽいオレンジの電球が1個ついて。
その時、あれ?これ霊案室?って思ったんですよ。
今目の前に本人いるから笑ってるけど。
マジでね、あれ?これ霊案室?俺死んだの?って思ったんですよ。
その辺の記憶が断片的すぎて。
でもなんとなくいろんなチューブが体つながれてる。
チューブつながれてる、変な話だけど下半身に液体がいっぱい流れてるんですよ。ダラダラダラ流れて。
でどうなったよ。でもこれは生きてるんかなと思って。
病院やったらナースコールがあるってこと。本人思い出したんですよ。
ナースコールのボタンが枕元にあるんやけど、それに手が届かないんですよ。
手が動かない。全身が。
頭で思ってても動かない。
なんとかちょっと動かしてナースコールまでやってボタンを押せたんですよ。
だーれも来ないんですよ。
なんで?
これね、後でダイバーとかから聞いたんですよ。
普通の入院になってから3日ぐらい。
すいません、コロナで人員が配置が変わってて。
こわ。
ほったらかしだった。
でその時に何時間も、夜?多分夜なんですけど何時間も黄色い電気を天井見上げながら体が一つも動かない。
でも麻酔が切れてきた。全身めちゃめちゃ痛い。切ってるからね。痛い。
でその時に何時間も見ながら、天井見ながら、今度はまた人が死ぬ瞬間っていうか、今度は瞬間じゃなくて死んでいくプロセスってこんな感じなんやなと。
その道中というか、サンズの川を渡ってるわ今みたいな。
そう。死ぬ時ってこんな感じで人が死んでいくんやなって時に、あ、これやっぱりちゃんと生きなあかんなって思ったんだけど。
やっとここにいたんですよね。
そう。だいぶ時間経ちましたね。
ずっと人生観が変わったね、変わる時って変わった時の話をしてほしいけど、そこでやっと。