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  2. #49 農×農協 中編
2024-07-31 24:46

#49 農×農協 中編

今回のテーマは 農×農協 中編 ゲストに全国農協青年組織協議会(全青協)前会長 

稲村政崇さんをお招きして、農業と農協についてお話頂きました。

★ゲスト紹介 稲村政崇 全国農協青年組織協議会(全青協)前会長 北海道石狩郡当別町で営農

現在42歳 

2004年3月 立命館大学 法学部卒業

2004年4月〜2013年3月 大同生命保険(株)勤務

2013年4月 営農開始

2021年4月 北海道農協青年部協議会 会長就任

2023年5月 全国農協青年組織協議会 会長就任

現在、各団体の顧問・参与に就任中

サマリー

会長時代の話を聞いた後、組織のメンバーや意見の受け入れについて話し合われます。また、農業者人口の減少や農協の課題、農業のビジョンについても議論されます。 農業と農協についての議論が展開され、地域の保護や農家の正当な報酬についての意見が交換されます。

組織メンバーと意見受け入れ
変でしたね。会長時代どうでした?
一旦会長の話を聞いて、後半に移りたいと思うんですけど。
ありがとうございます。私は幸い、周りにいるメンバーが協力的で。
周りにいるメンバーって何かっていうと、前選挙も会長がいて、副会長が2人いて、
理事と言われる人が、全国組織なんでいろんな方向、海道から1人とかって分けて6人いるので、
彼らとは本当に毎月打ち合わせをして顔をつけ合ってて、コミュニケーションが取れるので、
同じ方向を持ってやっていけるんですが、
そこからどんどんそれぞれの県とか地元の部員まで話を浸透させていくのには、人数が多いとなかなか難しい。
そして今、山浦さんがおっしゃられたとおり、下ろしていってから、逆に今度はすい上がって次の会議に上がってくるんですけど、
そういうときに声が大きい方の意見が、うちの県ではこんな意見がありましたとか、上がってくるわけですけど、
おそらくそれは聞いてて、ごく一部の意見だなということはわかるわけですよね。
でもせっかく出してくれた意見を無限にもできない。
そうなんですよ。一意見。一人の意見だけど意見として出た以上、対処しなきゃいけないっていうね。
なのでここで、全体メリットみたいなところを、この意見はわかるんだけれども、
全体の皆さんが受けられる利益を考えたら、
今年どころはここですね、みたいなことをどうしても組織としてしなければいけなくて、
大きくなればなるほど、平均を取りに行かなきゃいけなくなってしまうっていうのは、
やっぱり会長をやってるときに少し歯がゆい属面はありました。
これがちっちゃい地元密着の青年組織でやっていれば、もううちの地元はこれあるぞーで、
たぶん突き抜けられるんですけど。
地元レベルだとリーダーっていう存在感も明確になって、
たぶん他の組合員さんも認めた上でやってるから、
それで鶴の一声で動く部分も多い気がしますよね。
そんな二連馬を抱えながら活動しながらの会長時代ですね。
お疲れ様でございます。
いえいえ。どんなに。
やっぱり同じ農業組織として、あんまり言っちゃダメなんでしょうけど、
政治的な部分以外は大分近いの近いですね。
いや、そうだと思います。
だからこそ連携も今後は多少はかっていかないと、人数の確保自体も。
ぜひお願いします、本当に。
我々お互い、顧問と産業みたいなところがあるので。
そうですね。ダイレクトに言う立場ではないですね。
そういうことも考えていかなきゃいけない時期には来てるなと。
ありがとうございます。
いえいえ。
というところで、ちょっとこの辺から後半に行きたいんですけども、
農業者人口の減少と課題
じゃあ現在農協の、先ほどからだいぶ触れてはきてるんですけども、
やっぱり農家自体もものすごい勢いで減っていて、
あともう、ちょっと細かい数字を忘れましたけども、
二、三十年で20%切る、10%切るとそういう感じで言われてるじゃないですか。
でなったときに今後の農協組織としての、
もしくは全政協ということでもいいんですけども、
課題とこれからどういうふうにその価値を残していくか、
もしくは新たに作っていくかみたいなところでいくと、
今はね、もう会長という職は下りられたにしても、
会長自体でも今でも思うところがあればぜひちょっと聞きたいんですけども。
わかりました。まず農業者人口が減るのはこれも、たぶん間違いない。
おそらくこれは農業者、農業界に限らず、どの業界も人が減っていくわけですから、
等しく厳しい時代は迎えると。
農業の中で人が減っていくのが大変なのは、農業は農地という土台があって、
人が減ると、一般的に考えれば同じ面積が残っているとすると、
一人の引き受け面積が大きくなりますよね。
場合によってはもう作れないかなといって、農地ではなくなる。
豪作豪吉と言われてる作れないところが出たり。
そうすると、今すべてのものの値段が上がっている。
大きくなれば機械も買えなければいけないかもしれない。
そもそもその土地を買い取らなければいけない。
作るたびに大切な肥料とかいろんな資材も上がっている。
でもそんなに売る値段は上がってはいない。
どこまで若者が今の農地を引き受けられるんだ、
というのがおそらく農業界の共通認識の課題だと思っています。
解決するための方法って、もちろん私はわかっているわけではないというか、
農業のビジョンと課題解決
わかっていればやってるんですけども、
それができていないのが弱いところなんです。
ただ、ちょっとビジョンとしてあるのは、
やっぱり一人で大面積をやらなければなんともならない農業はじりぎんだなと思っていて。
これ実は国の考えている大規模化、スマート農業化と私の考えは少し違うんですけども、
小規模でもしっかりと収益が叶える農業を作っていかなきゃいけないなと思っています。
何が起こるかと言ったら、人を増やしたいんですよ。
農業って面白いなって、これぐらいの面積でこれぐらいの初期投資で、
3年後にはこれぐらいの生活ができるなっていう、
リアルなビジョンを外に公表しないと。
農業が何者でどういうふうな映像をされているかっていうのは、
一般人からしたら、田舎で自然の中でやる仕事みたいなイメージで突っ込んできて、
破れてどっか行くみたいな。
ですよね。しかも収支もきっとわからないで入ってくるんですよね。
何でもそうですけど、始めるときって勇気がいるじゃないですか。気持ちの面で。
チャレンジする勇気は、もちろんもう、俺はやるぞ、何にも関係なくって言う人はいいんですけども、
多くの人は、なんとなく大丈夫だなっていう情報ができてほしいはずなんですよ。
いや、絶対安心して入ってきたいですよね。
この安心材料ってオフィシャルにしていないので、
もっと言い換えると安心材料があまりないのかもしれないですけど、今は。
こういうことをしっかりと私たち若手は発信をしていって、
この土地でこれぐらいの面積でこういうものを作ると、
だいたい1年目はこれぐらいの収支になっていって、
これがうまく作れると、5年ぐらいでご家族で生活していく分にはなんとかなると思います。
みたいなビジョンをしっかりと発信をしていって、
だったらこの面積で農業をやってみようかなって思ってくれる人を増やす活動を僕たちはしないと。
崇高な理念で、私たちは国民の皆様に豊かな食と安全な食を提供し続けることを使命とします。
私もどうしても言うんですけど、崇高な使命だけでは……。
言葉が崇高ですね。
これは崇高な使命は私たちは真に絶対持ってるんですけども、
やっぱりお商売ですから、
やっぱり崇高な理念だけでやれる方と、
やっぱり収支がしっかりわかって取り込もうと思う方がいるので、
そういうことをしっかり私たちは発信をしていって、
よしちょっと農業やってみようという、今予測されている農業者の減り方をちょっと変えてあげないといけないなっていうのが私の考えかもしれない。
組織の考えではなくて。
あえてちょっと異論を投げかけようかなと思うんですけども。
僕個人的には、とにかく農水とか、小さくて強い農業っていうのは誰でしたっけ?
あの本の方。
ひさまつさんですね。
農家はもっと減っていいとか。
結構僕、ひさまつ信者でもあってですね、そういう部分においては。
農家はもっと減っていいみたいな本もすごく腑に落ちるというか。
ただやっぱ農水省は農水省とか、ちょっと農協さんの意見は僕の口から言えないのであれですけども。
農家が減ってやばい、地方農村がやばい。
これも実際そうなんですけど。
そういうのがある中で、それと同時に一つは法人の割合がだいぶ増えてきていて、
プラス、一方陣の工作面積自体もだいぶ広がっているっていうこと。
プラス、テクノロジーの発展において、
さまざま簡易的な農業の作業であったりとか、
きつい労働等も緩和されつつ、もう一つが外国人というところになってきた時に、
結局僕は農家は、正直監督だと思っていて、今の時代。
で、そこに作業員であったり機械であったりみたいな、
そこをどう割り振ってどうスケジュールしていくかみたいなところが大事になってくるなと思った時に、
まあ外国人も、外国にも選ばれなくなってくるような国に今なりつつあるんですけども。
単純に円安一つ置いてもっていうところで。
ってなった時に、
もちろん農家が増えることは必要ではあるけども、
結局、今の体制で技術が上がって、外国人も多少来ていただいて、
結局、組織になれば効率も、組織というか法人ですね。
団体で作業すればだいぶ効率も上がっていくと。
ってなってくると、さほど、減り方がえげつないんで、
なんていうか、危機感はもちろんあるんですけども、
農家自体が、
昔のように、今はたぶん30万人も切って100何万人とかだと思うんですけども、
何百万人もいる必要もないんじゃないかなとは思ってるんですけど、
その点いかがですかね。
いい議論ですね。
これはごめんなさい、誤解がないように徹底しておきたいんですが、
農業者というのが経営者とイコールと考えたとしたらですね、
私もその考え方は理解できてます。
大きな面積を持っている法人があって、そこに従業員がいる。
この仕組みは私は素晴らしいと思ってるんです。
とにかく大きい土地を機械一つで全部やりましょうという仕組みが、
僕は恐ろしいなと思っていて。
たぶんこれ考え方が違うから人それぞれだと思うんですが、
私はやっぱり田舎に住んでいて、
地方ローカルコミュニティが崩壊していくわけですよね。
人がいないんですよ。
一極集中型になって、例えば北海道で言えば人が増えているのは札幌市。
他の農村地域はどんどんお仕事がないから札幌に向かっていく。
日本全体で見れば首都圏ですよね。東京とか神奈川とか。
そこに向かっていく。
この仕組みは効率的なんですけど感覚的に寂しいんですよね。
おっしゃることはわかります。
感覚的に寂しいんです。
田舎にも分散したいなっていうのが、たぶんこれも私の田舎生まれの根本的なことで。
そこにいる人というか、その場にいてくれる人が経営者である小さい農家であっても、
法人の中にある従業員であっても、ここは実は私は遊ばなくて、
人がその町にいてくれるっていう仕組みは、農村地域は残したいなっていうのが、
私の考え方の根本だと思います。
去年か、農業基本法の一応審議にも入らせてもらったは議員ですけども。
ああ、そうですよね。
それは4・1の会長という肩書きでありがたい経験させてもらったんですけども、
そういった中で、どうしても人も減っていく、人も減っていくイコール税収入が減っていく。
だけども、過去のいい意味での発展の中で、日本中、世界で類を見ないほどインフラが伴っているこの国内のすべてを今後、
もう分かりやすい問題になってますけども、すべてのトンネルや橋やインフラを維持していくっていうのはかなり無理があるっていう中でいくと、
僕が審議の中で結構強く言ったのは、政治的な背景があるのはわかるし、
皆さんを守っていきたいっていうのはわかるけども、
それでもどこかを優先順位をつけて選んでいかないと、
すべての今現存、日本に現存する農村、仮想地域のインフラとその人たちを守るっていうのは、政治的には美しいけども、
本質的には現実的ではないなっていうのがあって、
なんで、もちろん感情的な部分っていうのはめちゃくちゃわかるんですよ。
僕も山の島の遠い中に住んでいるんで、もう本当に限界集落っていうほどでもないんですけど、
もううち以外は全員70以上みたいな、そういうところに住んでいると、
農業と農協についての議論
この地区を守っていくのはうちの子供たちなのか、もしくは今の世代だと私たちになるっていう中で、
でもそういう中でやっぱお年寄りの力が強く、新しい変革に対してはちょっとネガティブに捉えられるみたいな。
でも、ここまで変わっていくんだから変えていかないとみたいなところっていうのは、
これはまあ先ほどと同じ話、堂々巡りになるんですけど、
なかなかそっち側には勝てないっていうのがある中で。
たぶんですね、山浦さんのタイルの発言っていうのも私見聞きしているので、
おっしゃってる意味は実は理解できてます。
あらゆるところにすべてを分けると財源を考えれば難しいので、
やっぱり叱るべきところに土地をすべきだという発言。
おそらくそのときJグループはあらゆる形態を守る仕組みを作ってくださいという発言をしたというふうに理解をしてます。
これって言ってる意味が本当に違うのか、本質が一緒なのかっていうのを私も考えたんですけど、
たぶん本質はですよ、「ちゃんとやっている農家にはちゃんとしてください」が本質だと思う。
誤解をとれる理由ならば、農業者の中にも、ちゃんとやっていないけれども国からお金をもらっている人がたぶんいると思うんですね。
そういう人たちにお金が行き渡ると本気でやってる人が薄くなるから、
そこはちゃんとしようぜっていう考え方においては、たぶん僕同じこと言ってるんじゃないかなと思ったんですけど。
同じですね。僕も農協さんがおっしゃられたことも、たぶん結局守りたいんですよ。
守るからこそ突き詰めるというか、潜伏していかないとということなんですけども、今でもいいことを言っていただきました。
ちょっとそっちの話題にまた振りたいなと思うんですけども。
いきましょういきましょう。
要は、ちゃんとやってる、やってないの話とかになってくると、
例えば僕は前職、アグレスという高齢層の刃物を作ってる会社に行って、日本一の刃物産地でずっと農業していたのであれなんですけども、
やっぱり一つ目立つ課題だなと思うのは、やっぱ出荷調整みたいなところ。
農協さんはめちゃくちゃ便利で、ある程度の量は何かしらの値段付けで買ってくれるじゃないですか、基本的には。
だから僕がいたアグレスに関しては、農協さんと個別で契約で売るみたいな、卸すみたいなところは分けながら、
余剰部分であったりとか、合間の部分を農協さんにすべて担っていただいてバランスが取れるみたいな、リスク管理もできるみたいなのはすごいあったと思うんですけども。
ただ、それは法人であったからそういうことができたっていう部分と、昔から家族農家でずっと白菜とかレタスを出荷しているところを見ると、やっぱり市場でダブつくと、
じゃあ廃棄してくださいと。それに対して補助金が出ますよと。逆にダブつかなければいい値段になるか、通常の値段か。
一番農家さんに苦しいのはギリギリの箱1個作れるか、ダンボール台になるかならんかぐらいの値段で買われるのが農家さんが一番しんどかったと思うんですけども。
そういった実態を見たときに、結論的に言うと畑さえ埋めていれば生きていけるじゃないですか、今の話でいくと。
これ伝わるとは思うんですけど、でなったときに、これええ農家とか思っちゃうんですよね。
それはまあ、そういう意見を出される方たくさんおられると思うんですけども。
そういう人たちをちゃんとしている、ちゃんとしてないでいくと、僕の中ではちゃんとしていないというか、逆に昔の歴史の中で、それで成功体験がある中で、これでやってきたらこれでいけるだろう。
そういう方々が70、80まで営農研というか、権利をずっとやって、もう体調悪いからって言って50、60の息子に引き継いだところで、それ以外のやり方知らないから、
農協の存在価値と組織運営
よしここから俺の時代だって言って外に走り回ることは絶対しないじゃないですか。その年齢までいくと。
はいはい。
でなったときに、いい部分と、そういう何でも受け入れる土壌がある中で、ある農協さんも野菜もらって、出荷していただいて回してる部分あると思うのであれなんですけども。
それが結構僕の中で歯がゆいというか、農協さんもうちょっと何かできんかとか思っちゃうんですけど、その点どうですか。
おそらく先ほど言った農協の成り立ちが影響しているんですけども、
Jグループというのは弱い立場の人たちがもともとは集まって何とかしようと思ってきた団体なので、
どうしても作りとして出荷をしますと言われたら基本的にはすべて受けなければならないんですよね。
この原理原則なんですよね。
市場原理で、強いところは引き残り、弱いところが淘汰されるという市場原理と少しやっぱり違う成り立ちをしているので、
弱い方の分も強い方で補いつつみんなでやっていきましょうよ、というのがたぶんDNAの中にあるんですよ。
これをJグループという組織として崩すのは確かに難しいのかもしれないなとは思うんですが、
今山浦さんが言ってくれたとおり、とりあえずこの農地でこれ作っときゃどうなっても死なんという方がいるわけですよね。
そのときに一生懸命自分で努力をして工夫をして、
それが高く売れる方法、たくさん取れる方法、いいものが取れる方法を突き詰めていったけど、
適当に作っている人たちと合わさってフールされて、まとめて同じ価格で平均化されるのはどうなんだという感覚は、
これは私も農業者ですから大いに理解できます。
たぶんおっしゃるとおり。
だからこそ外に出る。最近の若手はね。
今は便利な時代になったっていうのはもちろんあるんですけどね。B2Cがやりやすくなったりとか、直接営業もしやすくなった時代なので。
だからセーフティーネットみたいな位置づけにJがなってるんですよね。
そうですね。
だからこのセーフティーネットと言われる立場、国がお金を出してとかとは全く別の。
自分たちが組合員としてやっている団体だけれども、どうしてもダメならちゃんと定価格だけの引き取るよとか、
事務的にはこうやればなんとか補助金出てくるから廃棄してこうしてくださいよってアドバイスをするとか。
そういう立場をJという組織は多分担っていて、
これがいらないかいるかという議論をもしするのであれば、すごく難しいんですよ。
僕も今、いらないとはもちろん言えないし、あったほうが助かる人もいるし。
僕もいらないっていう議論をしたいわけではなくて、逆に言えばいると思って、存在価値がめちゃくちゃ高いとは思っているんですけども、
それならそれでそっちに振った組織運営というか、上のやり方に振り切ったほうがいいんじゃないかなっていうのはちょっと思っていて。
セーフティーネットという意味での組織というか、その農協。
同時に、ごめんなさい、もうちょっと大丈夫ですか。
全然大丈夫ですよ。全然いいですよ。
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