TOKYOハイカルチャーインテリの概念
こんにちは、のらじおのmuroです。
こんにちは、かえです。
この間、ちょっと、Xで話題になっていた投稿があって、
もう今、消えなくなってるんですけど、
美術手帳のウェブ版の編集長の人が、自分の実家の写真とともに、
地元か、自分の地元の写真とともに、
巨大なイオンモールだけが、高校と明るい地方都市に帰省すると、
美術の美の字も見つけられないっていうツイートをしていて、
あ、これ、あれじゃんと思って、
murokoさんが1年ぐらいずっと喋ってる、TOKYOハイカルチャーインテリじゃんって思ったんですよね。
で、まだのらじおでこの話、してないと思って。
TOKYOハイカルチャーインテリの話、のらじおで、してないんですよね。
実は、このポストがバズった時、
TOKYOハイカルチャーインテリの、僕の連載でTOKYOハイカルチャーインテリの話したから、
僕の普段着としての名著っていう連載の記事を引用リツイートして、
これTOKYOハイカルチャーインテリの話じゃんって言ってる人いたんですよ、実は。
そうなんだ、すごい。
そう、作ってよかったこのアイデンティティ。
よかった、それだけでもすごい意味ありましたね。
先に会ってよかったですね。
先に会ってよかった。
先より先に。
名付けておいてよかった。
すごい。
ちゃんと使用されて、第三者に、ちゃんと名前として利用されて、すごい。
TOKYOハイカルチャーインテリっていうのは、どういうことかっていうと、
文化資本の格差
フランスの社会学者で、ピエールブリデューっていう人がいて、
その人が文化資本っていうことを考えついたんだよね。
それは経済資本、お金があるとか土地があるとか財産があるみたいなものが相続されて、
それが特権階級というか上流階級みたいなのを形成するように、
人間の社会っていうのは何か文化的な創業を持っているかどうかで、
ある階級に属せるかどうかが決まるところがあるみたいな議論なんだけれども、
それが資産のように使える。
家がハイソサイティな文化を持っていると、
子どももそのハイソサイティな創業を身につけて、
そのハイソサイティなものの中に入っていけるみたいな。
文化の中にはいろいろあるんだけど、
例えば日本で言うと茶の湯とか、日本舞踊とか、そういうものがあるんだっていう話。
ブリルの議論自体はこんなに簡単な話じゃなくて、もっと階という概念があって、
階って世界の階なんだけど、その文化資本が通用する集団があるみたいな話をしたりとか、
みんながやり始めると、それが資本として機能しなくなるみたいな。
だから初めは、家にピアノを買えるような上流階級の子だけがピアノを弾けたんだけど、
経済成長の後、みんなが中流階級とか過疎階級の人もピアノを買って、子どもにピアノを習わせるようになると、
ピアノを弾けること自体が上流階級の特権にはならなくなるんだよね。
で、その上流階級の人たちだけが持っている文化資本っていうのが、資本として役に立つようになるんだみたいな話でもあるんだけど、
東京って、なんていうかな、ある意味でその種の文化資本みたいなのが集中している街だから、
これ、特にアートとかだと、地方と全然違うというか、美術館があって美術が見れるみたいなのはあるんだけど、まず密度が違うんだよね。
僕の先生がよく言ってたんだけど、地方に、例えばウィン公共楽団とか、ニュー公共楽団とか、
そういう海外の楽団が来たときに、東京だけじゃなくて、例えば名古屋、大阪、福岡来るんだよね。
だけど、その地方でやるときは、お決まりのナンバーしかやらないらしいんだよ。
だからクラシックファンが好きなちょっとオツな曲とかは東京の公演だけでやるとか、なんかそういうことが起きるらしいんだよね。
でも、僕、あんまりクラシックすげえ詳しいわけじゃないから、僕とかだともうわかんないわけだよね。それが、それ自体が。
福岡の公演は手加減されてるみたいなこと自体がわからない。
だけど、なんかこの辺がわからないとかが文化資本が資本たるゆえなんだよね。
わかる人が東京にしかいないから、東京の公演だけでそれをやってるわけだよね。基本的には。
みたいな、そういうふうにワークし始めて、だからそれが多分絵画でもそうだし、大脳とか歌舞伎とか落語とか全部でそれが起きているんだよね。
東京の特権意識
東京に住んでる人たちはそれを無意識のうちで授業できるから、それがどれくらい特権的なことかっていうことがよくわかってないんだ、みたいな話があるっていう。
で、この文化格差みたいなものが地方と東京にあるよねっていうのは前々から言われていた話ではあると思うんだよね。
擦られすぎて、誰も喋らないぐらいのこともあるんだけど。
で、それを僕は東京ハイカルチャーインテリって名付けて、文化とかインテリさとかアカデミックさとかを東京にいる中で身につけて、
東京的価値観を世界の唯一の絶対の価値として持ち合わせて仲間うちを作り出している人のことを東京ハイカルチャーインテリといじわるな気持ちで名付けたわけだ。
で、これ面白いのは東京ハイカルチャーインテリって言い始めたら、この中のどれかの属性がある人から、「いや、とはいっても。」みたいな話をされるんだよね。
寺田 東京か、ハイカルチャーか、インテリってこと? そうそうそう。
寺田 その3つのうちのどれかが当てはまる人ってこと? 当てはまる人が、「いや、とはいっても。」みたいな。
私は東京生まれですけど、むろこしさんの方がインテリじゃないですか。とか、確かに私はインテリですけど、文化のことはむろこしさんの方が詳しいじゃないですか。とか言い始めるんだけど。
寺田 そうではないと言い始めるんだ。私はあなたの敵ではない。 以上の対象じゃないと言い始めて、別に僕はその人たちを嫌な気持ちにさせたくて作った言葉でもあるんだけど。
3つを持ち合わせた人もいるし、どれか1つしか持ってなくても、その自分の中の価値観みたいなのがあるじゃないですか、ワールドスタンダードというか、世界唯一の物差しみたいに思ってる人いるよなって思ってたっていう感じなんですよね。
そのさっきの美術ステ庁の人の話だと、炎上したポストを消して新しく投稿してるんだよね。で、新しく投稿してる方が、この東京ハイカルチャーインテリをすごく表していると思っていて。で、新しく投稿された分は、もう少し丁寧に言おう。
私はイオンモールしか知らない土地に育ち、美術というものを知らぬまま故郷を出た。私の家族は今も美術に何の関心もない。東京という、ここからが大事。東京という街、美術業界のど真ん中で生活していると、そういう場所への眼差しをつい忘れてしまう、いわば自制であるっていう。
これこそが東京ハイカルチャーインテリの、その、なんていうの、自我をすごく表しているというか。
ちょまど この文章の中で使われる、眼差しっていう言葉が一番イラっときますね。
もう他者だからね。自分の生まれ故郷のことを他者だと思ってるからこその眼差しだからね。自分自身は眼差せないからね。
ちょまど すごい。
で、東京をど真ん中、美術業界のど真ん中だと思っていて、自分のことを美術業界のど真ん中だと思っていて、
その何かを評価したりとか、何かを基準の中で配置できるというか、スケールの中に好き勝手に置けるっていう権力性にすごい無自覚であるみたいなのも、東京ハイカルチャーインテリに至るゆえんだなってすごい思うっていう感じですよね。
ちょまど 東京ハイカルチャーインテリ。
面白い。私、何か、もちろん東京でも東京ハイカルチャーインテリ、ふーんみたいな、構造の話として聞いたので、
村越さんがその話を直接聞いたこともあるけど、ふーんって感じで、何か私、東京と接点が全然ないから、何かピンとはあまりこない。
まあ、そういうことはあるだろうな、みたいな感じだから、何か面白いですね。
これが地方出身者が持ってるっていうのがすごいと思うんだよね。
村越 だから、それが結構不思議。私はもう地方出身で、東京には何も接点もなく、行こうと思ったこともなければ住んだこともないし、あれに行く場所みたいな感じ。
私の生活にあんまり直接関係があるような感じがしない。
この美術手帳の人は地方出身者としてすごく東京ハイカルチャーインテリというもののこだわりみたいなものを持っているのが、何かようわからんな、みたいな感じ。
ラジオでしたっけ?東京では謙遜してはいけないって言われた話。
村越 あれ、それはたぶんしてない。どうかな。
ポリタスでしたんだよね、その話。
村越 ああ、そうか。
で、東京では謙遜してはいけないって話をして、ポリタスでしたときは、津田さんは東京の人だし、
一緒に出させてくださった、僕をポリタスに出してくださった滝波ゆかり先生は、
北海道出身だけど、大学から東京に来てる人だと僕理解してるので、
ってなると、僕ね、大学で東京に出てきた人と就職で東京に出てきた人も結構違うと思っていて、
地方で一旦働いてからまた東京に出てきた人はまた違うと思ってる。
村越 また違う。
と思っていて、それがなぜかっていうと、この順番で東京の内面化の仕方が違う。
村越 ああ、それはそうでしょうね。
うん。で、僕が東京では謙遜してはいけないっていう話をしたときに、
津田さんも滝波さんもあまりピンと来てる感じではないなって思って、
謙遜みたいなことの方が、なんていうか、コミュニケーションに負荷をかけてよくないみたいな受け止めだったと思うんだよね。
村越 謙遜的なものからしたら全然違いますね。
全然違う。全然違う。え?って思って。
村越 立てるみたいなものがありますからね。
そう。だってこれしくじったら殴られるじゃん。
村越 相手を立てるみたいな文化ですからね、九州の人間関係は。
村越 男女にかかわらずね、男性同士でもヒエラルキーでも、相手を立てることで序列を確認するみたいなことありますよね。
あるかな。自分は一旦謙遜したらいけないし、謙遜した人は立てないといけないじゃないですか。
村越 なんかめんどくさいとかになるんだと思って、僕はその差を感じたんですけど、もしかしたら北海道ではそういう文化あんまないのかもしれないし。
ほとんどなんかそれも意識的にやるっていうよりは、コミュニケーションの型みたいな感じですよね。九州的コミュニケーションの型みたいな。
東京ハイカルチャーへの理解
村越 型だと思う。で、東京を内面化してる人って、これをやると普通に見下してくるんだよ。
へー。
村越 いやいや、たいしたことないんですって言ったら、あ、この人たいしたことないんだってなる。東京モンってバカなんだなって僕思ったんだけど、で最近僕九州出身の人と話していて、
で、その人もやっぱ東京に出てきて仕事をし始めたんだけど、東京モンとか、東京を内面化した人ばっかりのコミュニティで仕事してたから、その謙遜するとみんなが普通にバカにしてきてつらいみたいな話になって。
へー、同じだ。同じこと言ってる。
村越 なって、あ、やっぱ思うんだって思ったんだよね、僕。その話を聞いたときに。そりゃあそうやろなと思って。
へー。
村越 うん。で、なんていうのかな、それはもうその地域的なコミュニケーションの違いだから、しょうがないと思うんだけど、
その地方の人って東京でやっていこうと思うと、その東京のコミュニケーションを需要するしかないじゃないですか。
うんうん、そうですね。
村越 ってなると、この東京の序列感覚とか、東京のなんていうか、この競い合いっていうか、なんか僕からすると生きり合いに見えるような、この生きた方が勝ちみたいなやつ。
ゲームを制して、人肌の人間になっていくって感じなんですよ。だから、この美術手帳の方は、カッコつきのね、カッコつきの美術業界のど真ん中に行くために。
ああ、それをやってきたんだ。
村越 そう、この生きり合いゲームを制してきたと思うんですよ。
ああ、なるほどね。
村越 イオンしかない街をどのようにまなざすかという、東京ハイカルチャーインテリのものの見方みたいなものを内面化することによって、カッコつきの美術業界のど真ん中にやってきたんですよ、彼は、たぶん。
なるほど。
村越 だから僕は、彼を責めるのは、やっぱりちょこくかなと思ってて、彼をこのようにした東京という街があるよねって思ったんですよ。って思いましたって感じ。
なるほど。その、マジ、純度100%の東京ハイカルチャーインテリの中で、なんとかしていくためにはってこと?自分のそこに、そのルールに合わせて。
村越 だって、たぶん謙遜したり、相手を対等と見てたら勝てないゲームなんだもん。
そうか。それがもう染み付いているっていう状態なんだな。
村越 そうそうそう。それが、その文化を通した階級闘争の中で、価値ある文化みたいなものを集め続けなければいけないってやつだと思うんだよね。
価値ね。価値ってその、絶対的な価値じゃなくて、相対的な価値みたいな。
村越 みんなから評価される、その貨幣みたいなものの価値だよね。交換可能なものの価値っていうことだよね。それを集めなきゃいけない。資本を集めないといけないっていうやつなんだと思う。
そうね。それはわけわかんないな。知らないと。
村越 この仕草は、だから海外では、もう当たり前の仕草なんだと思うんだよね。それをツイッターで見つけられたというだけの話だ。
なるほどな。
村越 僕、田舎モノだから、うまく情報キャッチできないけど、例えば、文壇バーに行けば文壇バーで、その資本力の見せつけ合いがあるし、ポッドキャスターが集まるバーに行けば、ポッドキャスター同士のその資本力の見せつけ合いがあるんだ。
いろんな言語があるんだ、そこに。
村越 多分ね。業界ごとのね。
業界にはいない人にはわからない、どっちが上かっていう探り合いみたいなバトルみたいなのがあるんだ。言葉を知らなかったら何話してるかわかんないようなレベルの、そういうのがあるんだ。
大変、大変ですね。
村越 大変だと思うよ。この大変な戦いを地方に出てきて、何の経類もない、美術の美の字もない町からやってきて、これ戦い抜いて、手に入れた土地にいるんだから、そりゃ言っちゃうよっていう、思うよね。
地方ハードコアプレーヤーの魅力
大平 だからすごい、歴戦の元の美術界の中心をゲットしたみたいな感じなんだ。しかもなんか、装備ゼロから始めてみたいな感じなんだ。東京ハイカルチャー、インテリタチャーもうすでに装備を備えているけど、自分はゼロでみたいな。
そうそうそう。そうなんよ。
大平 ゼロから始めてみたいな。
そうなんよ。ここの喫茶店にはなんとかいう作家がよく来ててとか、ここのバーにはなんとかいう作曲家がよく来ててとか、このジャズはもともとなんとかいう、ジャズ作家がやり始めたこの技法をやってるところが良くてみたいなのを、よう知っとる。もう中学生とか、もうこないだ僕行ったんよ、あれに。
大平 あれ。
立教大学。立教大学で細野春尾美の展示を見に行ったんよ。
大平 なんの展示?
細野春尾美の青春時代に影響を受けたものを並べてあるみたいな展示。
大平 で作ったものとかじゃなくて、私物が置いてあるってことですか?
うん。私物も置いてあるし、多分もう無くなったものとかは、同じものをどっかから探してきて置いたりしてるんじゃないか、分かんないけどね。
大平 カルチャーが並んでるんだ。細野春尾美を作ったカルチャーが展示してある。
そうそうそう。で、このカルチャーに影響されて細野春尾美はこの曲作りましたみたいな。みんなが知ってるこのナンバー。
大平 それは。
元ネタこれとこれとこれなんだみたいな。
大平 激アツ。
激アツ。だからもうあの世代の、あれなんだっけ。
大平 ハッピーエンド?
イエローマジックオーケストラ?
大平 あーうんうん。
YMOが好きなおじさんたちいっぱいいて、もうすごい、僕なんかさすが東京だなって思ったんだけど、
60、70くらいのおじいさんが4、5人で連れ立ってやってきてて、みんなでこうやってTシャツをお互いにこうやってくっつけ合って、
おーこれ似合うじゃん、買ったらいいじゃんとか言ってて、なんかかわいいって思った。
だからすごいいいな、なんかこの年みんなでYMOで盛り上がるみたいな、めっちゃいいなと思って。
でもそれも、なんていうの、多分YMOがバチバチ最先端の音楽だった時に、YMOを需要したハイカルチャーな人たち、東京の人たちなんだと思うんだよね。
で、その細野晴海の東京ハイカルチャーインテリぐわいみたいなのを、もうまざまざと見せつけられて、
あー僕は田舎モンだなーって思ったよね。
18歳の細野晴海と18歳の僕がいて、文化的なことで細野晴海を勝目させるようなことできたかって言ったら、むずいやろうなーって思って。
全然ジャンルも違うしね。身を置いていた場所のっていうか。
でもほら、坂本隆一は細野晴海に勝目させたわけだから。
そういうふうに自分を異人と比べたことないからびっくりした。
傲慢かな。そうか。時々やっちゃう。
キリストは何歳でとか。
キリストは何歳でとか。
僕がいくつの時が、25の時に言われたんだよな。
カラタニ公人っていう有名なインテリがいるんだけど、その人が27歳の時にマルクスはその可能性の中心という本を書いて、それがバチバチいい本だって言われてたの、当時。
で、カラタニ公人が27歳でその本を書いたんだって僕指導許可に言われて、そうなんですかって。
僕今25ですけど、アレクサンドロスは25の時に世界を統一しましたからねってペルシャを破って。
地中海世界とメソポタミアの世界を統一して全世界の王になりましたからね、アレクサンドロスはって言ったら先生が、君ねアレクサンドロスは親父もいたし部下もいたし一人じゃないんだよ。
カラタニ公人は一人で書いたんだから、ロコシクも27歳までに頑張りなさいって言ってすぐに38歳だからね、一冊の本も書いてない。
みたいな比較の仕方はしますよ。
だから自分のこと凡人だなって思う。
まあいいんだけど別に凡人で。
非凡でありたいって思ってねえから。
私あまりにも東京ハイカルチャーインテリというものがあることも構造としてあって、文化資本みたいなのも、話はうんうんってわかるんだけど、
なんかピンとこなくて、ずっと最初からうんうんみたいな感じ。
何かなと思って、じゃあ逆何かなと思って、結構考えて。
東京ハイカルチャーインテリの逆は、地方ハードコアプレーヤーだなと思って。
じゃあダイヤモンスのこと。
そうそうそうそう、それもそうだし、それだったらすごくいくつもの顔が浮かぶんですよ。
地方ハードコアプレーヤー?
うんそう、めっちゃ浮かぶし、その何人もの人が私の憧れてきた人だって、このようになりたいと思う。
もうちょいゴリゴリ地方、地方から地方に移った地方民ですから、地方ハードコアプレーヤーがいるんですよ。
地方にはね。
地元でバンドを長くやってるっていうのも絶対そうだから、ダイヤモンスもきっとそうだし、
私たちお世話になった、ぐらいの学生のときお世話になった劇団もそうだし、
あ、福岡のね。
上海総面交場っていう劇団もそうだし、
私たちは僕とかえちゃんね。
だし、あとは、私が福岡でバンドやってたときに、海外のバンドも実際ライブハウスに呼んだりしてた、
もう亡くなられた藤井よしえさんっていうイベンターの人がいたその人もだし、いっぱいいるんですよ、そういう人。
地方に極上のエンタメ、極上の芸術を引っ張ってこれる、もしくは起こしてる、自分から起こしてるプレーヤーで、
もうプレーヤー、自分やってる人みたいなのがいっぱいいて、
そっちがいい、そっちだなあと思って、私そっちのほうが身近っていうか、なじみがあるなあと思って。
文化資本と自己の変化
姫路にもそういう人いるし、それですごく充足してるから、
全然その都市、国の中心みたいな、文化の中心みたいなものに全然魅力を特に感じないっていうか、だなあと思いました。
で、それがいつからかなって、でも考えて、
私がそういう地方ハードコアプレーヤー的な人たちを探したり、すごくそこに赴いたり、憧れたりし始めたのは、
高科で大学でバンドサークル入って、天神のライブハウスのイベントとかに入り浸りるようになってからやなあと思って、そこで多分大きく感覚が変わったんですけど、自分の。
高校生までは、たとえば将来何になりたいですかとか、夢は何ですかとか聞かれたら、職業で答えなくちゃいけないと思ってたんですよ。職業で答えるものだと思ってた。
たとえば弁護士とか、そういう職業。で、バンドサークル入って、天神の小さいライブハウスで、この人たち一体昼間はどこにいるんだろうというような人たちが集まって、自分たちが楽しいイベントを日々やってるのを見て、
なんか違ったって思ったんです、それが。人が生きる目的が何かになるためじゃなくていいんだってすごい思ったんですよ。職業とか地位とかじゃなくて、
この楽しい空間を持つための手段として仕事したりとか、生活するっていう生き方があるんだっていうことにすごいびっくりして、それからなんか、権威とか権力みたいなものと、文化みたいなものが私の中で離れたんですよね、たぶん。
みたいなことが始まりだなと思って、だから権威で語られる文化みたいなものに、なんかイマチピンとこない、わかんないのもあるけど、知らないのも一番大きいですけど、だから東京ハイカルチャーインテリみたいなものが全然ピンとこないなって思った。
こっちのほうが楽しいのにな、みたいな。
地方ハードコアプレイヤーのほうが。
うん、地方ハードコアプレイヤーのほうが楽しい。
うん、楽しいだろうね。競争じゃないからね、地方ハードコアプレイヤーは。
面白いかどうかみたいな感じだから。
そうなんだよな。だから地方ハードコアプレイヤーを面白おかしく消費してるのとかも、結構ムカついてて。
あー、東京が?
東京が。だからこないだのいいかねパレットのイベントは、結構そのムカつきを表現した、僕的には。
僕があのイベント?
うん、青柳さんたちとのイベント?
イベントで、なんかわかってほしかったのは、この人たちは地方ハードコアプレイヤーやぞっていう。
そうですよね。
いいかねパレットもそうですよね。
お前らなめとんとちゃうぞっていう気持ち?
うん。
だった。
うーん。
なんていうか、その、僕イベントの中で、なんか結構そのいろいろな話があったんだけど、
それを総括するコメントの中で、今日ここで語られたことこそが、人文地のど真ん中なんだ本当はっていう話をしたんですよ。
うーん。
それ多分聞いた人の中では、こうある種のおためこかしっていうか、なんかこう丸く納めようとして言ってる。
あーこじつけみたいな?
そうそうそうそうそう。と思われた人いると思うんだけど、本当にそうなんだよなと思っていて。
うんうんうん。
これが人間の地であるみたいなことがわからないと、その小難しい話っていうのはその向こう側というかにあるなと思っていて、
小難しい話っていうのは、自分が小難しい話ができるから、例えばそのアカデミックなタームを知っているから、それによってその生々しい現実の話をしている人を見下すための道具じゃねえんだよっていう話になって。
それは絶対そう。
うん。バカかと思っていて。
ちょっとごめん、怒ってるから。
まあアートでも、別にアカデミックなものでもなんでもいいんだけど、他人を見下すためのクイックなツールとして、それを需要している層がおり、その人たちに武器を常に供給し続けるみたいな、こう俗悪な中央がいるなと思っていて。
この俗悪な中央こそ東京ハイカルチャーインテリなんだっていう感じなんですよ、僕は。
ちゃうねんと、序列で見んなっちゃっていう話で。美は美やろうがいいっていう話で。
美術手帳の人はカッコつきの美って書いてるから、ちょっと難しいと思うんですけど、美というものと、ビューティーというものと、日本語で美術と訳されたアートというものはまた全然別の文脈じゃないですか。
美術と美みたいなものっていうのは、なんか関係のあるようでないものだから、言ってみれば。
だから、美術の美の字の美っていうのは、ひらがなとかカタカナとかで書かなきゃいけなかったと思うんだよね。
アートのAがないっていう話を彼はしたかったのであるから、美しさがないっていう話ではなくて。
でも、なんていうかな。で、みんななんでこの業界のど真ん中に行きたい、東京のど真ん中に行きたいかっていうと、自分が日本銀行になりたいっていう話なんだと思うんだよね。
通貨の発行権を持ちたいっていう。自分がいいと言えばそれがいいものになるし、自分がダメだと言えばそれがダメなものになる。
それによって序列を自由に支配できるようになるっていう。
権威ですね、権威。
そうそう、になりたいっていう話だから、そんなん、地の最も遠い、地の暗い人間のやることだから、と思ったっていう感じですよね。
で、これがある種のマネーゲームの発行みたいなものが、たぶんある程度うまくいったかな、2000年代から2020年代の今まで。
いろんな分野に転用が進んでるんだと思うんですよね。
で、それがアートもそうだし、民間もそうだし、人文地もそうで、いろんなものを通貨の発行権を持つみたいな、暗号通貨作るみたいな感じで、やってんねやろうなって思ってるって感じ。
一方、ハードコアプレイヤーのいいとこは、乱立してるのがいいんですよね。
うんうんうん。
全然統一されてない、福岡には福岡、姫路には姫路、尾向には尾向、久留米には久留米みたいな、独立した、そこだけの世界みたいな、乱立してるのがめっちゃ面白いじゃんって思うんですけどね。
そっちのほうが面白いじゃんって思うけど、そんな統一されたトップみたいなもんより、どっから湧いてきたかわからないみたいなやつのほうが、面白いのになみたいな感じですね。
そうね。
だから、自由度も高い部分があると思うんですよね。そういうののほうが、じゃないかなって思う。実際はわからないけど、見る側として見たときに、ここだからできる自由さみたいなのがあるだろうなって感じることもある。美術館とか文学館とかでも。
それが、しかもその瞬間、そこでしか見れないみたいなことも多くて、地方だと。東京だとアーカイブされたりとか、記録に残されたりとかすること多いと思うんですけど、今そこに一緒にいるしかなかったみたいなものが多くて、地方ハードコアプレイヤーの現場は。
はいはいはい。
それはすっごい贅沢な話だなと思いますね。
はいはいはい。贅沢でしょうね。
うん。ありがてえって感じ。
種も仕掛けもないもんな。その種も仕掛けもなさみたいなのが大事だなって思いますね。
そうですね。
いろいろな人がいろいろな仕方でいろいろなものを愛しているから、僕が東京ハイカルチャーインティと呼んだ人の中にもいろいろな人がいるんだとは思うし、別に特定の個人をどうこうしたいみたいな気持ちがあるわけではなくて、
このメカニズム自体が、あんまりおもろいことになってないっていう話だなと思っていて、
序列のための闘争にただなり続けているみたいな話だから、なんか世の中にもっとおもろいことあるのになあ、本当のことはあるのにって感じ。
うんうんうん。本当のことがありますね。
うん。本当のものを作っている本当のことがあるっていう。
現場の価値
中央銀行が出したのは紙くずやけんね。みんな目の前にある金とか宝石のほうが大事じゃないかっていう感じはする。
貨幣がある意味もあると思うんですよ。それが日本全体に流通するとか、より多くの人に知られるとか、それがあることの良さみたいなのも全然あるとは思うんだけど、
でもそれは利便性のための道具だから、道具に振り回されてどうするんだみたいなのはちょっと思いますよね。
そうですね。使わないとね、道具がね。
そうそうそうそう。
壊れたらダメですね。
そうそうそうそう。
だなーっていう。東京にはその魔力があるね。
あー。仲間入りしたいって思わせますか?
思わせるんじゃない?
うん。
なんか僕はほら、スタートダッシュが遅かったから、なんかもう周回遅れてダメだっていう気持ちがすごく強いので、
今から仲間に入れてもらえる気が全然せんねんっていう感じはするから、あれだけど。
もっと若い人とか。
もっと若い、夢も希望もある18歳とか22歳とかだったら、
全然ね、これから自分が何者会になるんだって思ってたら、その何者会になる方法がこれだって提示されてたら、そりゃやるよね。
もう今から僕は何者にもなれねえもん。
別に何を引き換えにしても。
自分であることからもう逃げられない。
プレイヤーですよ、プレイヤー。
プレイヤーですか?
うん。
そっか、地方クレイジープレイヤー。
クレイジープレイヤーもいいですね。
いますね。
いるよね、地方クレイジープレイヤー。
好き好き。
山の中に城みたいなの築いてる人。
うん、いるいる。
しがらき焼きのたぬきいっぱい持ってる人みたいな。
いるよね。
いるいるいる。
私もどっちかがいいな。
地方ハードコアプレイヤーか、地方クレイジープレイヤーか。
どっちでもいいけど、どっちか。
東京の概念
そこは近差だもんね。
紙一枚しかいない。
そうそう。
誰が決めるのかみたいな問題もありますからね。
そうね。
その違いを。
違いをね。
わずかな差で見てるよね。
自分はそう思ってても、みたいなとこもありますからね。
そうだね。
地方ハードコアプレイヤーも、自分のことは地方クレイジープレイヤーだと思ってる可能性あるからね。
あるあるある。ギャグもあるだろうし。
もっと言うと、普通の凡人だと思ってる。何者でもないと思ってる可能性もあるもんね。
あるあるある。
地方ハードコアプレイヤーの人。
いいですね。
俺何者でもなれなかったからなって。
しゅくしゅくとやることをやってるから、別に自分が何者かじゃなくてもいいからね。
東京のテレビとか見て、おーすげーなーって、俺何者にもなれなかったなーって思ってるけど。
思ってる。
あなたの作ってるもののほうが、すげーっすよ、みたいなのを。
あるある。
あるよね、かなって思いました。
はい。
不思議な街だね、東京。
東京ってなんていうかな、概念としての東京。
東京ハイカルチャーインテリっていう言葉を書いた時に、東京っていうのをローマ字にしたんだけど、良かったなと思ってて。
概念として。
東京の心の中のイメージ
実在のこの土地としての東京じゃないんだよね、たぶんね。
そうでしょうね。
みんなの心の中にある東京なんだよ、これ。
ねえんだ、そんなものはこの世に、東京なんてものはこの世に、たぶん。
みんなが東京だと思ってる。
思ってる。
お前たちの心の中にある、みたいなやつだと思うんだよね。
あー、なるほど。
だからこの美術生町の人も、ローマ字で書けば良かったのね。
美って?
東京という街って。
あー、東京という街、あー、あー、なるほどね。
美術もローマ字で書けば良かったのね。
東京という街、美術業界のど真ん中って。
確かにそこにお前はおるかもしれんっていう話になる。
あー、おもしろい。
そうやって、なんか人間を狂わせるだけの力があるよ、たぶんこの街には。
そうでしょうね。みんな狂わされてますからね、多くの人が。
それによって、生み出されて、牽引されてるものもあるだろうしね。
それによって、日本のGDPが作られてるみたいなものもあるだろうし。
そうですね。
よかれあしかれだとは思うんだけど、なーって思いましたね。
おもしろい話ですね、東京ハイカルチャーインテリ。もう1年ぐらい喋ってますよね、たぶん。
上京後の変化
東京ハイカルチャーインテリの話ね。
東京行ってからずっと行ってるもんね。
うん。東京ハイカルチャーインテリ居たっつって。
居た。
居たっつ。
今日も見た。
今日も見た。居るなーって。
最近はもう流石に落ち着いてきたっていうのね。
最初はもう興奮してました。
最初はもう。
本当に居たって。
落ち着いてきたのは、僕が上京したから、みんなが会ってくれてたから、上京してきたって。
でももう1年居ると、もう僕自身がもの珍しくないから、誰からも誘われないんで。
あ、そうなんだ。
もうなんか、あんま新しい人と会わないんですよ。
あ、そうですか。
今。もう飽きられてる。いろいろおもしろいことのある街ですから。
あ、すごい。1年ぐらいで。
もう僕なんか、あれですよ、旧作100円ですよ。
あ、いいたとえですね。
はい。
ただの、一番下の、一番端っこの方に入ってる旧作100円です。
はい。
ちょっと、もっと東京ハイカルチャーインデリー見たいな。
見たい?発見したい?
発見したい。
みんなで、Bとかについて語ってるの見たいな。楽しみ。
また見つけたら、教えてください。
はい。教えます。
こんな感じですかね。
はい。
はい、それではまたお会いしましょう。ごきげんよう。
ごきげんよう。