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2025-06-23 1:13:25

後藤護のこの洋書がヤバい! vol.5 特集:サン・ラー

Adilifu Nama / Black Space: Imagining Race in Science Fiction Film
https://utpress.utexas.edu/9780292717459/


Sun Ra "The Immeasurable Equation: The Collected Poetry and Prose"


https://books.google.co.jp/books/about/The_Immeasurable_Equation.html?id=tffvurF89-EC&redir_esc=y

宇宙こそ帰る場所──新訳サン・ラー伝
ジョン・F・スウェッド(著)鈴木孝弥(訳)
https://www.ele-king.net/books/009029/

Paul Youngquist"A Pure Solar World: Sun Ra and the Birth of Afrofuturism"
https://utpress.utexas.edu/9781477327289/


The Wisdom of Sun Ra: Sun Ra's Polemical Broadsheets and Streetcorner Leaflets
https://books.google.co.jp/books/about/The_Wisdom_of_Sun_Ra.html?id=M40XAQAAIAAJ&redir_esc=y

フリー・インプロヴィゼーション聴取の手引
ジョン・コルベット (著), 工藤 遥 (訳)
https://companysha.com/johncorbett

Pathways to Unknown Worlds: Sun Ra, El Saturn and Chicago's Afro-Futurist Underground, 1954-68

「宇宙時代のボーカリスト」ことヨカナン(Yochanan)。サン・ラーのSaturnレーベルより
https://youtu.be/rKVgrkF6uEE?si=HnY0BD8gNlRR0ySu

William Sites"Sun Ra's Chicago: Afrofuturism and the City"
https://press.uchicago.edu/ucp/books/book/chicago/S/bo59259312.html

Paul Garon"Blues and the Poetic Spirit"
https://citylights.com/city-lights-published/blues-the-poetic-spirit/

John Patrick Deveney "Paschal Beverly Randolph: A Nineteenth-Century Black American Spiritualist, Rosicrucian, and Sex Magician"
https://sunypress.edu/Books/P/Paschal-Beverly-Randolph

Ekow Eshun "In the Black Fantastic"
https://mitpress.mit.edu/9780262047258/in-the-black-fantastic/

"The Image of the Black in Western Art"
https://www.hup.harvard.edu/features/the-image-of-the-black-in-western-art

"Souls Grown Deep. African American Vernacular Art"

『フライボーイ2──ブラック・ミュージック文化論集』
グレッグ・テイト(著)山本昭宏、ほか(訳)
https://www.ele-king.net/books/009181/

『パスタで巻いた靴』
素潜り旬
https://www.minatonohito.jp/book/399/
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サマリー

今回のエピソードでは、サン・ラーに焦点を当て、彼の作品や影響について考察しています。また、彼の映画「スペース・イズ・ザ・プレイス」とその文化的意義についても触れています。このエピソードでは、サン・ラーの詩や音楽に関する分析が行われ、彼の独特な世界観や逆説的な思考について語られています。さらに、サン・ラーが影響を受けたオカルトや文学についても言及され、アフロフューチャリズムの視点からの考察が展開されています。 また、サン・ラーに関する書籍や彼の独特な詩のスタイルについても語られ、特に彼の文章のリズム感やシカゴという場所の影響が取り上げられています。様々な視点が掘り下げられ、彼の音楽的影響や文化的背景についても語られ、先祖やアメリカにおけるオカルトの広まり、さらにはサイケデリック文化との関係についても言及されています。 独自の視点が紹介され、西洋美術における黒人像の文化的意義や「ブラックスタディーズ」の重要性が語られ、サン・ラーの作品とアフロアメリカンアートとの関連に焦点が当てられています。最後に、サン・ラーの思想やアフロフューチャリズムについて探求し、過去と未来の関係について語られています。

サン・ラーの紹介
特集*カルチャープログラム、NOIZ NOIZ NOIZ FM、本日は後藤守さんをお迎えしまして、この洋書がヤバいをお送りいたします。
ということで、ただいま映っておりますアクスターの影にいるのが、暗黒ワクワク学者小学2年生の後藤守さんです。
私は死ぬ!君は死ぬ!よし、やりましょうか。
ということで、今日は何の話でしょうか。
死の話というのは嘘で、でもこの日野秀司先生のですね、有名な地獄編の君は死ぬを見せたことはですね、
半分茶番なんですが、これが実はサン・ラーにも関わってくるということが後々わかると思いますんで。
つまりテーマはサン・ラーですね。
サン・ラーですね。前回ラメルジーに続きまして、今回はサン・ラーということで。
やっぱりその、クソ暑いじゃないですか。
そうですね。
もうちょっとクソ暑いんで、最初にスーパードライを開ける儀をやっていいですか。
やりましょう、はい。
やっぱり見てる方たちもね、この音を聴いてください。
あ、あ。
いただきますね。
はい、じゃあ僕はちょっと麦茶で失礼します。
6月の前半でももう初日近いってことで。
ね、30度続きですよ。
こうなってくるともう土星に行くしかないっていうか。
なるほど。
もはや、さらば地球よって感じなんですよね。
もう土星に人類はアウタースペースで旅立つしかないんじゃないかなっていうことで。
サン・ラーももう先に行って待ってますからね。
そうですよね。
ハナ・ハジメと同じ年に土星に行きたんでしたけどね、あの人は。
あとオーネット・コールマンも同じだったような。
あ、ごめんなさい、オーネット・コールマンはね、ゴダールと同い年だったな。
ごめんなさい、ゴダールとハナ・ハジメとオーネット・コールマンが同い年なんだ。
サン・ラーはウィリアム・バローズと同い年ですね。
なるほど、はいはいはい。
そういう世代感っていうのも実は重要で。
だからマイルスとかビバップやってた人たちよりは結構上の世代の人になるってことですよね。
1914年生まれですから。
なるほど。
ほとんど19世紀の人に近いというか。
まあまあまあそういう感じでですね、サン・ラーをやっていこうと思うんですけれど。
サン・ラーの作品の再評価
なんか始まる前にね、大久保さんがサン・ラーのCDとかいっぱい見せていただいてましたけど。
いっぱいほどではないですが。
もう暑すぎて、今日大久保さんのターンからにしましょう。
早速見ましょう、それ。
そうですね、サン・ラーもね、やっぱりアウトサイダーアーティストの例に漏れず質量ともに膨大な作品数になるので。
まあこのくらいなんていうのはもう本当に門前の小僧くらいの分量なんですけど。
門前の小僧ですよね、確かにね。
失礼しました。
大変なことに。
やっぱりそれは土星から天罰が下ったとしか考えられない。
そうですね。
とにかくやっぱり、あれだけ作品数のある人だと、
何から聞いていいかわからないっていう方が多いとは思うんですけど。
一般的にはスペース・イズ・ザ・プレイスをまず聞こうみたいになってますよね。
そうですよね。あれがやっぱり、これですね。
それですね。
同名映画のサントラでもあるわけですけど、まずやっぱり何がいいってこれ、手に入りやすいっていう。
ちなみにそれは神酒ですか?
これは、いや、神酒じゃなくてデジパックのやつですね。
それはライナーとかなんか入ってるんですか?
一応これ輸入版ですけど、一応簡単なライナーというかクレジット程度ですね。
サイセンスみたいなのは入ってないかな。
やっぱりサントラって、ひと昔前まではこれ聞いて終わりみたいな扱いだったと思うんですけど、
どこくらいから再評価が来てんだろう。
まず大久保さんが始まる前にさっきちょこっと話してたのが、
90年代にちょこっとモンドっぽい流れで再評価があったってことですね。
やっぱり当時は、それこそ自称ドセイジンで、
珍妙な格好をしてピャーとか言いながら練り歩いてるキジンエンジンみたいな、
そういう扱いだったかなという気はしますね。
あとあれでしょうね。
やっぱり90年代に渋谷系とかいろいろあってですね、
理性カルチャーで再評価最低限の流れができてくるじゃないですか。
クラブの中でスピリチュアルジャズっていう国が出てくるんですよね。
そうですね。
それがたぶんでかくて、そのスピリチュアルジャズの中にサンラもいたわけで、
だからSpace is the Place以降のドセイジン的な表彰がもうバキバキに決まった後のサンラが、
たぶんDJ-in-loveなアイテムになっていって、
一つ目の再評価の流れがあったと思うんですよね。
たぶん、うかわさんとか、うかわ直英さん、ドミューンとかのが、
すごいサンラ大好きなので、その時代の流れを受けていて、
そこはちょっと外せないポイントですよね。
うん、そうですね。
で、あとはたぶん、デトロイトとも縁、ゆかりのある人なので、
デトロイトテックの流れで、アフロフューシャリズムの元祖みたいなね。
そういうあれもあったと思いますね。
そうですね。だからデトロイトだと、MC5のジョン・シン・クレアっていたじゃないですか。
マネージャーのね。
マネージャーの。あの人がサンラをデトロイトに呼んだんですよね。
そうですね。
で、MC5はでもヤギチンしかいなかったんで、
すげえ女の人とイッチなことしまくって、半分乱交みたいなことしてたらしいんですよ。
で、そのサンラ楽団たちが目の当たりにして、「うひょー、俺もー!」って行くのを、
せいせいせいってサンラが、「バカ、バカモノ、バカモノたままが!」って言って、
お前らはそういうことはしない、いかんのだ!って言ってね。
サンラはもう鬼軍装みたいな人ですからね。
鬼軍装ですよ。もう本当に抗がん発達障害ってものを抱えてたんですよね。
だからそれで平気、妖精的に平気拒否もするぐらいで、
つまり女性とか性的な行為に対する虚偽感があった人なんですよね。
わかんない、実際にはどの程度の。
こんなのはゲスの冠になっちゃうから、特にしたくはないんですが、
間違いなく、ヘルニアに近い抗がん発達障害みたいな病気が修正、狩りを苦しめていて、
それが体の不調みたいなのをずっと抱えてるのが、
あの人の気難しい哲学とか、バンドリーダーとしての唯我独尊状態とか、
それに結びついてるのは確かで、後々見せますけど、
彼が書いた詩とかも、すごいノンセンス極まりないというかね。
なんでこう、人とコミュニケーションを取る言葉にも思えるけれども、
ただ一人で遊んでるだけにも見える、こういう言葉ってどこから来てるのかって言ったら、
ひとつの要因として考えられるのはその病気なんですよね。
だから病石学として考える三羅みたいなのもあってですね。
いろいろですよね。
ちなみにその小久保さんが持っているCDの中で、
取り分け、これは見せとかん、取りかん、みたいなのがあるんですか?
そうですね。これね、なんかね、
後藤さんもドミューンで書けてたような気もしますけど、これとかね。
はいはいはい。これはあれですね、バックバンドをやってるやつですね。
そうそう。企画版的なやつだとは思いますけども、
三羅にしては珍しくすごいエレキギターがフィーチャーされているっていう。
たまに三羅って魂を売ったような仕事をするんですよね。
やっぱりこういうのを、これとか、
あとたとえばディズニーのダンボーを見て泣いたとか、
そういう三羅の残した黒歴史みたいなやつだけを挙げてっても面白いってのもあるんですよ。
確かに。
ダンボーは俺だって言った人ですからね。
やっぱ耳がでかすぎていじめられてるダンボー。
でも飛んで頑張る。これは俺だって思ったんですよね、三羅は。
他になんかありますし。
あとはまあ、これがね、打ち込みを大フィーチャーしたやつですね、ディスコ3000。
これも有名版ではありますか。
有名ですね。それがあれですよね、いわゆるさっき話した90年代ぐらいの文脈で一番評価されていたやつのひとつで。
そうだと思いますね。
チャラを化した三羅ですよね。ディスコに行っちゃった三羅みたいな。
そういうのもあるし、あとポストパンクみたいな文脈での再評価もあるかな。
ワイレコーズってところから、ニュークリア…何でしたっけか。
ニュークリアボムみたいな有名な曲があって、
それはポップグループがCD、レコードを出してるワイレコーズから出してるんですよね。
そういう感じでですね、若者向けなレーベルとの晩年はつながりもあったりしてですね。
映画とサン・ラーの影響
裁判年ぐらいまでちゃんとエッチなだった人には評価され続けた人で。
ただ今2025年を生きてる僕たちが一番記憶に新しいのは映画でしょうね。
そうですね。ほんの数年前にリバイバル上映された、
それこそさっきのサントラの元になっているスペース・イズ・ザ・プレイスですね。
まさにね、最初これ以下一番紹介しなくていいやと思った本から紹介しますね。
映画の話になったんで。ブラックスペースって本があるんですよ。
これは要するに、SF映画における黒人表彰について研究した本ですね。
すごいですよね。表紙のここにダースペーダーですよ。
ダースペーダーって真ん中あれですよ。マトリックスのモーガンアーリー。
この黒人の人、名前が出てこない。
モーガンなんとかって人だったと思いますけど。
SFにおける黒人表彰みたいな研究してる本なんですけど、
5、6ページくらいにわたってサンダーのスペース・イズ・ザ・プレイスが取り上げられてるんですね。
結構なページ数ありますね。
これは有名なラダピロイ荒野で、オーバーシアっていうポンビキですね。
ポンビキの男とカードゲームで対決してるっていう。
これはあれですよね。
実はこれね、寺山秀次のデイ・エネシスと同じ年に公開された映画なんですよ。
スペース・イズ・ザ・プレイスって。
デイ・エネシスでも田んぼのど真ん中で将棋刺すシーンがあるんですよ。
すげえ似てるんですよ、これ。
確かに言われてみれば。
野外で万丈遊戯をするシーンがあって、
どっちのシーンもベル・イマンの第7の封印から撮ってるんですけど、
野外で死神とチェスを刺すすごい有名なシーンがあるんですよ。
すごいアイコニックな。
そこから撮ってるんだけどね、
寺山秀次と三郎が共に同じ年にベル・イマンの引用をやったっていうのは非常に面白くてですね。
さらにこの1973年は渋沢達彦が《くるみの中の世界》っていう本を出した年でもあって、
それは要するにミクロコスモスとマクロコスモスが合体しちゃうってことですよね。
万丈遊戯でやってることが、たとえばサンランの映画だったら、
それが世界で動きを決定していくわけですよ。
子供の手のひらの中で遊ばれてるような世界像ですよね。
そんな本名を書いたのが、僕の《黒字音楽誌》という本でですね。
これですね。
ある意味で洋装ですよ、これ。
ある意味の洋装をわからない人が属してるみたいな。
まあそんなこんなでですね。
この本でまさにサンランに一生冴えてるから今日やってるわけですね。
ここにいますよね、サンランがね。
頭に電波みたいなのつけてるように。
まあそういうわけでですね。
映画の文脈でも非常に重要な人なんですけれども。
どこから行こうかな。
一番面白そうなところから行きますか。
The Sunrather Immeasurable Equation。
この本はですね、サンランの書いた詩集です。
詩集なんですけど、めっちゃ長いんですよこれ。
わかります?
この人ミュージシャンじゃないですか、一応。
そうですよね。
サン・ラーの詩の分析
ミュージシャンなんだけど、このレベルで分厚い料理になるぐらい詩を残した人であって。
ある意味でサンランをずらくしてる一つの理由として、ここがあるわけですよね。
余儀としてやったと言うには、ちょっと分量が異常っていうことだと。
これに関しては、国字音楽誌ってさっき言った本の中で、一番この本を活用しましたね。
要するにサンランの詩の分析をやったんですよ、僕は。
そうでしたね、あれは。
そこでナッシングって言葉が多用されていて、それは何なんだってことをいろいろ書いたんですけど。
いやこれがね、もう本当にね、訳しづらいって言ったら悩むわけです、これ。
もう今見てますけど、いろいろ。
ちなみにこれ、ハートムート・ゲイヤケンっていう人が編集してるんですけど、
この人はサンランをエジプトに初めて連れてった人みたいですね。
カンパニー社の工藤さんがそう言ってました。
すげえ詐欺師みたいな人だって言ってましたね。
イタリアとかで最もうさんくさいレーベルのところから、この人もCD、レコード出したりしてるから、
すごいうさんくさいやつで、エジプトにサンランを連れてたけどやっぱり金欠とかになってたらしいんですよね。
そんなこんなでですね、やっぱり土星人の周りにやってくる人は、うさんくさいやつが多いっていう。
なるほど。
なぜ、こんなサンランが上目遣いをしてるわけわからない写真を使ったのかということですね。
やっぱ土星に思いを馳せてるんですかね。
かもしれないですね。
ちなみにさっきナッシングって言いましたけど、
この本に書いてあったと思うけど、前書きだから。
サンランが、どっかの駅のホームでヘッドホンで音楽聴いてたんですって。
それで会った人が、何聴いてるのサンランって言ったらさ、ヘッドホンを履いて、そのヘッドホン開けたらさ、何も音が流れてなかったんですって。
何を聴いてるのかって答えに、ナッシングって言って、ニヤッと笑ったっていう話があって。
ヘッドホンをつけて、ナッシングを聴いてたサンラン。
なるほど。
やばい、やばい人ですね。
ニヤッとするのもやばいですよね。
そういう逸話だらけですよ、ほんとに。
ちなみにピーバインから、宇宙こそ我が故郷でしたっけか。
えーっとー。
何でしたっけ、タイトル。
なんだっけな。宇宙こそ帰る場所だったかな。
そんな感じだったと思うけど、要するに、
この番組の1回目に紹介したジョン・スウェットさんですね、ハリー・スミスの評伝会。
あの人のサンラの評伝が翻訳されてるんですよね。
そうですね、評伝が。
あの中にサンラの面白いエピソードがいっぱい載ってるんで、
今みたいな、ナッシング聴いてるんです的なのがウケる人はですね、
評伝を読むと爆笑に次ぐ爆笑だと思うんで、ぜひぜひって感じで。
その刺繍と合わせて紹介しなきゃいけない本がありまして、
これはですね、ポール・ヤング・クイストさんという人が書いた、「A Pure Solar World」。
この本はですね、本題が「A Pure Solar World」で、
サブタイトルが「サンラ&The Birth of Afrofuturism」。
アフロフューチャリズムの研究書なんですが、
ポール・ヤング・クイストっていう人がね、イギリスのロマン派の研究者なんですよ。
ウィリアム・プレイクとかが専門なんですよ。かなり変わり種ですよね。
そうですね、たしかに。
イギリスのロマン派。つまり、ウィリアム・プレイクとかも要するに典型を受けちゃって。
なるほど、ビジョナリーというか。
そう、ビジョネールですよ。
つまり、普通の人には見えない世界を検出しちゃってる人に、この人はすごい興味があるんですよ。
なるほど。
だからこの人はとにかくプレイクとサンラは似てるって言い続けてるんですよね。
この本は面白かった。だからもう凄ましい付箋の数になったんですよ。
この本はね、国字本学誌で一番使った本のひとつですね。めちゃくちゃ面白い、この本は。
サン・ラーとアフロフューチャリズム
ドイツロマン派の人が注目したサンラってことで、何を意味してるかっていうと、
純粋なブラックミュージックとかブラックスタディーズをやってる人では、
なかなか対処しづらい相手ってことですよね。
サンラっていうのは、例えばオカルトだけで言っても、
ルネサンス時代のヨーロッパのオカルト学も勉強してるし、
新地学とか、あるいはグルジェフのマニアでもあったし、
ヨーロッパの諸々のオカルトの勉強はまずしないといけないですよね。
この人の言ってることを理解するには。
なるほど。
だから、そこがやっぱりサンラが90年代にモンドとして授業されちゃったひとつの理由というか。
表装だけを取ると、一瞬変身なんだけど、実はものすごいこの人勉強家だったんで。
特にこの人は聖書の読み込みをしたんだよね。
聖書は暗号って書かれてるとか言ってですね。
だから暗号解読みたいなことをずっとやってたんですよ、この人。
最終的に至った結論が、聖書は逆から読むのが正しいって言ったんですよね。
最初に黙示録があったんだっつって、最後に創世記が起こるんだっつって。
やっぱこれですよね。逆のことしか言わないんですよ、この人。
だから俺、逆張りとか今よく言いますけどね。逆張りってすごい嫌われるじゃないですか。
ただ、人生のすべてが逆張りになった人は神なんですよ。
ああ、徹底するとね。
そうそう。つまりそれは逆説って呼ばれるんだ。それはパラドックスって呼ばれる。それはそういう精神なんですよね。
一個二個、覆すようなことを言ってる用事はやっぱりガキんちょいだよね。
なるほど。ナッシングにこだわるのもパラドックスの流派ですもんね。
だからこの人って、江戸川乱法が実は憧れの人だったんですよ。
これちょっとサンダーの独特なところで、あの人はアラバマ出身なんですよね。つまりアメリカの南部です。
かなり黒人差別が激しかった地帯ですよ。
しかも彼は1914年生まれだから特に激しい頃でしょうね。まだまだ激しい頃ですよね。
公明権運動なんてずっと先の時代ですよ。
その時代に江戸川乱法、江戸川乱法っていうのは有名ですけどものすごい黒人差別主義者でした。
それのファンだっていうのはちょっとおかしい。
なおかつサンダーは黒人だったから、図書館で本を借りたくても表からすら入れてもらえなかったんですよ。
だからどうやってサンダーは本を読んだかというと、
サン・ラーの哲学と逆説
図書館にいる政総府かなんかわかんないけど働いてる黒人のアフロアメリカンから裏口から借りるみたいなさ。
どういうことをして弁学に励んだんですよね、この人。
ここらへんがやっぱり今の日本のクソみたいな学者と違うところですよね。
親は大学教授だ?医者だ?何言ってんだって話ですよね。
だから僕はサンダーを応援してるんですけど、役所の息子としてですね。
やっぱり黒人英語は東北弁で訳されますから。
ほら、ほら、だ、だ、何だって言うんですから。
僕黒人ですから、だから。
東北陣と考えてください、黒人は。
僕もやっぱり図書館に行ってもいまだに表から入れてもらえませんから。
言われたことはないと思います。
差別され続けてます。
黒眼鏡は表から来いと。裏から来いと。
まあそれ嘘で。
なんでポーの話をしたかっていうと、
ポーっていうのは、何て言ったかなあれ。
えっとね、後世の哲学だったかな。
とても有名な一誓があって、それは何を言ってる本かっていうと、
ポーの一番有名な詩の中に大ガラス、ザ・レイグンっていうやつがあって、
あれは最後にネバーモアっていう単語で終わるんですよ。
そうですね。
それがものすごい感動的な言葉で、当時読んだ人みんなそこで号泣するみたいな。
みんなもうエモーションが刺激されちゃって、
ポー先生どうやってこんな素晴らしい詩を書いたんですかって聞いたら、
逆から書いたっすねーっつって。
つまり皆さん、ネバーモアって最後聞いたら感動するんじゃないかなって思って。
ネバーモアって書いて、そこから逆算する感じで、ここら辺で泣くんじゃないかなとか。
やりましたっつって。
つまり何のエモーションもなく書いてるんですよね。
オチから書いたみたいな話ですね。
要するに、今そういうメソッドで書く人とかもいますけど、
それのもう元祖みたいな人がポーなんですよね。
だからゴシック好きな人に一番嫌われてるゴシシストっていう、
結構不名誉な位置にいる。
なるほど。
ゴシックっていうのは感性の発露だと。
はいはい、エモーションのね。
そうそう。つまり知性がすごい重要視された時代に反知性でいったのに、
ポーっていうのは知性でしか書いてないっていうね。
だからある意味で高山博史が、僕の先生の高山博史先生、マニエリスムの研究者ですよね。
その人がなんでポーだけ未だに興味を持ってんのかっていうことはすごい説明になると思いますよ。
なるほど。
マニエリスムっていうのは、やっぱり知性のもので、ゴシックが感性のもので、
その知性のマニエリストだったポーに憧れてたさんらってことで、
当然アフロマニエリスト的な素養があるわけですよね。
さんらもいろんな逆説はあるんですけれど、
このポーとのつながりというのが一番面白いでしょうね。
なるほど。
はいはい。
いやーすごい頑張って読んでるな、俺これな。
いやちょっとね、たぶん3年前くらいに、
あ、見てくださいこれ。
これ伏線貼ってるんですけど、
ゴッて一言書いてある。
ファンラーのなんか鹿なんか引用されてるところに伏線貼って、
すっごって書いてますね、一言。
ただの言語遊戯ですね、今見ると。
good,better,best.
better,better,is.
あ、クイズだって。
前回のラベル寺につながる部分を偶然見つけてしまいました。
good,better,best.ってね、比較対像級ってありますけど、
betterのところにカッコが振ってあって、
ディレイシャムズのカッコベータって書いてありますね。
betterの後にベータって書いてありますね。
なるほど。
完全にラベル寺ですね。
そうですね。
better,better,is to,to,is to,to,is ought,ought,is ought,or ought.
これもうね、言ってる意味わかんないと思うんですけど、
全部続きが変わってるんですよ。
似たような言葉でコロコロコロコロ。
better,is to,to,is to,to,is ought,ought,is ought,or ought.
should,of,should,should,is name of the ancient pre-Christian worldって書いてあります。
意味はわかんないです。
まあそういう感じです。
こういう本もありますよという感じで。
今意味不明なことを言いましたけど、
意味わかんないことばっか言ってる本がありますね。
The Wisdom of Sanra。
これはですね、
サンラっていうのはアラバマ生まれって言いましたけど、
その後にシカゴに行くんですよね。
そのシカゴで公園があって、
そこでサンラって辻説法みたいなのをしてたんですよ。
そのときにアジビラみたいなのを配って、
そのアジビラを集めた本ですね。
ああ、当時配ってたもの。
そうそう。
全部大文字なんですよね。
サン・ラーの詩の特徴
実はこの本、またカンパニー社の工藤さんからもらった本なんですけど。
これね、なんでかって言うとね、
ごとうさんこれ訳してくださいって言われたの。
言われたのが6年ぐらい前ですね。
結構経ちましたね。
結構経ちました。
心の準備がね、そろそろかなという感じはしてるんですけど。
例えばどういう漢字のことが書いてあるか。
スポデオデ、ホックウェイ。
ジョンドゥイズジョンワンノート。
ドゥオドゥドゥ、オドゥドゥオドゥ、ドゥドゥオドゥ。
スポデオデデ、スポデオデデ、スポデオデ。
オドゥイズドゥ、オドゥイズドゥ。
ドゥイズオドゥ、オドゥイズオドゥ。
オドゥオドゥイズドゥ、スポデオデ。
どう訳しましょうか。
どう訳せばいいんですかね。
全部大文字ですよ。
いきなりこの後にエレミア書曰くとかいきなり出てくるわけですよ。
こういうのばっかりですよ。
まず、聖書を完璧に読み込んでないとダメ。
この言語有理で、他のどういうワードとつながってるのかも全部理解してないと訳せない。
ってなってくると難しくて。
僕ね、マルオスエヒドさんとかを英語に翻訳してるライアンホームバーグさんって人がいて、
その人となんか喫茶店で話す機会があったんですよね。
その人すごい知識のある方で、
いやこれちょっと訳すみたいな話あるんですよねって言ったらさ、
無理でしょって言われて。
無理でしょって真顔で言われて。
これ、アメリカ人もわからないよって言われて。
まあわかんないでしょうね。
ドゥ・オドゥ・ドゥとかね、オデュ・オデュ・オデュとか言われてもね。
The Great Whore、偉大なる娼婦という詩の中で、
味文の中ではね、ミステリー・クエスチョン・テン・テン・テン・イコール・エニグマ・テン・テン・テン・リドル・イコール・パズル・イコール・ミステリー・イコール・アンノウン・エックス・イコール・ミステリー・バビオン・
The Great Whore・The Mother…もうわからないです、ほんとに。
なんかもうイコールで全部繋がってました、今。
なんかもうほとんど上言ですね。
そうですね。ただね、意味がわからなくても、
サンラも書いてる文章ってリズム感がめちゃくちゃいいんですよ。
だからさっき話したポール・ヤング・クイストは、
テプノマティックとかそういう単語で言ってたけど、催眠効果がすごいの。
つまり、実はサンラの詩とか文章って簡単な単語しかないんですよ。
辞書を引いて調べなきゃいけないような単語って一個もないんですよ。
なるほど。
それで、非常に単調な言葉をグングングングン積み重ねていく感じでリズムを作っていく感じなんで、
わけわかんないんだけど、ラメルジーのわけわかんなさとは違うんですよ。
あー、そのなんかめちゃくちゃな造語とかするわけではなくて。
そうそうそう、造語壁は一切ないんです、この人。
非常にシンプルな言葉で、催眠効果的なところを狙っていく。
言葉をどんどんシャッフルさせていったりして、
厳格効果を作っていくみたいなのがサンラのやり方ですね。
だから、実を言うとラメルジーよりかは翻訳しやすいかもしれないですね。
ジョン・コルベットとサン・ラー
なるほど。
そういう感じの本がありますと。
これちなみにね、ジョン・コルベットさんという人がまとめてるんですけど、
この人はシカゴに住んでるんですよね。
サンラもシカゴにいたから資料集めやすかったみたいで。
なるほど。
このジョン・コルベットさんはね、カンパニー社から一冊翻訳出てますね。
フリーインプロビゼーションの聞き方だってかね。
長者の手引き。
あれ、カンパニー社の一番最初に出した本だったと思いますけど、
あれの著者です。
なるほどね。
その人がこうやってサンラについて書いていて。
これもコルベットさんなのかな。
ちなみにこれもカンパニー社の工藤さんからもらった本ですけど。
パスウェイズ・トゥ・アンノーン・ワールズっていう本。
これもサンラのアフロフューチャリズムに絞った本で。
裏側にもサンラいますけど、まだ覚醒する前のサンラって書いてある。
まだ普通の帽子かぶってる頃の。
ビッグバンドのリーダー全頭はしてますけど。
そうですよね。
この本なんかも、あ、すごい。
ほら、サンラのサターンレコードから出すレコードの下書きみたいなのがありますね。
へー、デザインの。
そうそう。
今俺、「へー!」って初めて見たようにびっくりしてる。
てか初めて見たこと今。恐ろしいことに。
めちゃくちゃこれ図版いいですね。図版だらけの本ですね。
もうカタログの、これも落書きみたいなやつですけど、
これちょっとラメルジーっぽいインベーサーですね。
あー、なるほど。ちょっとロボっぽいっていうか、飛行機みたいなのがあったりして。
ちょっとアウトサイダー、アート感と言いますか、ちょっと病院感があると言いますか。
今、「うん!」って言ったので大久保さんのせいにしますけど。
いえいえ、何らかのストーリーがありそうな感じというかね。
そうですよね。でもやっぱりさっきウィリアム・ブレイクの名前出しましたけど、
すごいこれ。ネバー・ユーズドのカバーデザインって書いてあるから、
これ未使用に終わっちゃったデザイン案なんですけど、めちゃくちゃウィリアム・ブレイクですね。
あー、確かにそうですね。
びっくりした。ウィリアム・ブレイクそのものですね、これ。
これとかもやっぱりウィリアム・ブレイクっぽいよね。
あー、確かに。
たぶんだからポール・ヤング・クイストはこういうのを見てるうちに思いついてたと思うんだけど。
あ、これすごい。20世紀の中小モダンアートみたいなのもある。
あー、なるほど。
ごめんなさい、僕は持ってないんだけど、
サンラード、サターンから出したアルバムのジャケットだけ集めた本がありますよね。
あー、なんか出てますね。
あれはカンパニー社の駆動さんが持ってますね。1万円ぐらいすんだよね。
あー。
ちなみに、確かマット・リブが推薦してましたね。
マット・リブってやっぱりサンラードの弟子みたいなところがあって、
マット・リブはサンラードとフランク・ザッパーを尊敬してるんですよね。
マット・リブのアルバムの中にね、フランク・ザッパーを尊敬するあまり、
なんかね、ザッパーが見つけたワイルド・マンフィッシャーっているじゃないですか。
ジャケットにワイルド・マンフィッシャーちっちゃく書いたりしてるんですよ、マット・リブって。
そうなんだ。
すごいですよね。ワイルド・マンフィッシャーって最強の騎士街ですけどね。
ザッパーがレコードデビューさせてあげたんだけど、
ブルースとシカゴ
結局ザッパーの家に呼んだら、メイドさんのことをぶん殴ってそのまま行方不明になったっていう伝説がある人です。
サンラードもそれに近いアウトサイダーアーティストを一人発掘してるんですよね。
ごめんなさい、名前どう忘れちゃったんだけど、
自称宇宙時代のボーカリストみたいなことを名乗ってるヒジン・ヘンジンみたいなやつをその辺の飲みやり見つけて、
サターンでレコードデビューさせてるんですよ。
そしたらジョン・ギルモアが、才能が1ミリもないウジ虫野郎みたいな言葉を残してますね。
寄生虫野郎みたいな言葉を残して。
YouTubeでその人の音源聞けます。
あ、あるんだ。なるほど。
あとでリンク貼っときますわ、その人の。
ウジ虫野郎の。
ウジ虫野郎のね。
やっぱりそのサンダラは、
あんまり新人を見る目がなかったっていう。
なんかいい加減なやつを発掘してしまう悪劇があったっていう。
ごめんなさい、なんか俺。
ちなみに若い頃のサンダラキャン見ましょう。
おーはい。
おーへー。
誰って感じですよね。
誰って感じですね。
誰って感じですよ、ほんとに。
なんかこうなんだろうな。
PQリズム&ブルース歌手みたいな雰囲気の写真が。
いやほんとに。
やっぱり初期はね、ちゃんとしたビッグバンドでしたからね。
まあそうですね。
どうしよっかな。
これも一応見せとくか。
さっきシカゴの名前出しましたけど、
まさにサンラのシカゴ時代だけに絞ったサンラズシカゴって本も出てますね。
ほー。
アフロフューチャリズム&ザ・シティって副題で、
すごいよこれ。
都市論を書いてる人の名前がウィリアム・サイツ。
サイトって場所って名前ですよね。
あーすごいな。
すごいな。
サイト、場所って名前なんすか。場所について書くんだみたいな。
ゲーなって思って見てましたね。
まあまあまあ、こういう感じでですね。
シカゴってやっぱりすごい重要な場所っていうか、
なんでかっていうと、ここはシカゴ・ブルースがすごい強かった場所ですよね。
そうですね。
大久保さん、ブルースの話をしてください、ちょっと。
ブルースの話。
まあだからシカゴっていうのは結局南北戦争があったりみたいなので、
南部から黒人が割と移住先として結構人気のあったところというか、
まあそういうのもあって、
ブラックミュージックの初期段階では、
ブルースに限らず重要な拠点になってた町なわけですよね。
そうですね。
だからいわゆるデルタ・ブルースからアーバンブルースへってやつですよね。
ちょうど、「住人たち」って映画があるじゃないですか。
その映画がまさにデルタ・ブルースを描いてる映画なんですけど、
シカゴから戻ってきた話なんだよね。
主人公の兄弟たちが、シカゴでちょっと人儲けして、
その関係で19条人党を始めますみたいな話で。
20年代ぐらい、1931年ぐらいが舞台でしたけど、
まあそういう感じで、シカゴっていうのはやっぱりブルースにおいてすごい重要な場所でして、
特に僕が注目してるのは、シカゴシルエリアリストグループってのがあったんですよ。
ちょっとマイナーなんですけど。
え、名前なんて言ったかな。
ごめんなさい、名前忘れちゃったんだけど。
ちょっともう見せちゃう本があったわ。
緊急だから、袋に入ってますね、ちゃんと。
何を今から見せるかっていうとですね、
シカゴのシカゴシルエリアリストグループっていうところが、
いわゆるアンドレ・ブルトンに始まるヨーロッパのシルエリアリスムの文脈っていうか、
視点でブルースを論じるみたいなことをやってたんですよ。
リビング・ブルースっていう雑誌もあったんですけど、シカゴに。
そのリビング・ブルースの創始者の一人であるポール・ガロンって人がいて、
その人はシカゴシルエリアリストグループの創設者でもあるんですよ。
つまり、シカゴのブルース研究雑誌と、シカゴのシルエリアリストグループは繋がってるんですよ。
そのポール・ガロンさんって人が、ブルース&ザ・ポエティック・スピリットって本を書いてて、
これ、重要な本すぎて2冊持ってるんですけど、
この後ずっとこのままにしようかっていう。
なんで、本面白くてね。
ブルースの本なのに、このエピグラフってあるじゃないですか。
最初に文章が出てくる。
引用文みたいなのが載るとこですね。
ブルースの歌詞で、トード・フロック・ブルースの歌詞が引用されてて、
もしカエルに翼があったら、こういうのが引用されてる下に、マルキド・サドとか出てくるんですね。
やばいっすよね。
マルキド・サドのエロ小説とかがいきなり引用されるってあたりがもう主流なんですけど。
サン・ラーの文化的影響
あった。ここにサドの名前見えるかな。見えないかな。
一瞬見えましたね。サドって書いてありますね。
でね、この時点でも結構驚いてたんですけど、読み進めていくとですね、
バケモノ自治体で見たブルースマンの絵とかが出てきて、ワクワクが止まらなくなっていって、
さらに読み進めていくとですね、いきなり錬金術の絵とかが出てきて、
要するにブルース錬金術論とかやり始めるんですよ。
この本ね、あと猫ちゃんとかね。
要するにこれね、ブルースの中に出てくる変なモチーフってヘビーが出てくるじゃないですか。
ヘビーって錬金術でも重要ですよね。
つまり人間の何らかの無意識のモチーフなんですよね。
ヘビーとか、あるいはクモですよね。
だからフロイトの絵とかも出てきますけど、
無意識のレベルで、ブルースの種類解析でも実は同じものを扱ってるんじゃないかってことで、
理論を進めていく、ある種シンボル論としてやっていくってことですよね。
だからね、結構僕、超重技がブルースっていう賞を黒字音楽史に書きましたけど、
この本ちょっと影響ありますね。
スパイダーマン・ブルースの絵とかやばいっすよ、これ。
やばいっすよね。
要するにだから、サンラーがいたシカゴっていうのは、こういうわけわかんないグループもいたわけですよ。
シルリアリズムとブルースがくっついちゃうような変な地場があった。
ここにサンラーがいた?
サンラーがそのグループと接触があったのかどうかはちょっとわかんない。
たぶんサンラーよりも後の時代だと思うんで、
あんま接触がなかったかもしれないけど、
ある種の精神的な整理というか、テイフは出してると思いますよ。
オカルトと音楽
なるほど。
そんな感じで今ちょっとアドリブ的に紹介しました。
サンラーの先祖の話でもしますか。
先祖、はい。
要するにさっきルネサンスの研究とか、
新地学とかめっちゃ詳しいんだ、この黒人なのにって話しましたけど、
アメリカで初めてアレイスター・クローリーのセックスマジックをやった人って黒人なんですよ。
それがパスカル・ビバリー・ランドルフって人で、
ちょっと白人の血が結構入ってる人だと思う。
写真だけ見るとあんまり黒人っぽくないですね。
ただブラックアメリカンなんだよね、この人。
自由黒人の人で、
セックスマジックを最初にやった人プラス、
バラ十字団の思想もアメリカに初めて広めた人ですね。
アメリカにオカルトを広めた人って黒人だったっていう。
やばいですよね。こんなバカでかい本が出てくる。
これ、4冊目の本の博覧狂気の怪物誌で、
このパスカル・ビバリー・ランドルフに一生捧げようと思ったんですけど、
もう読む時間ないんであきらめました。
無理無理、こんなの。もう読んでらんないですよ、こんなの。
確かにね。
宿題。オカルトで一冊書くんだとしたら読みます、これ。
なるほど。
これね、後ろのほうで推薦文書いてんのがね、あの人あの人。
あれ、名前がないぞ。
日本で一番有名なジョスリン・ゴドビンっていう、
たぶんヨーロッパオカルトの研究してる人だったら誰でも知ってる、
いわゆるオクスポール大学出版とかみたいなところからオカルト本出せるぐらいの、
超ペイン的な人がいるんですけど、この人が推薦してる本ですね。
海外ではこのパスカル・ビバリー・ナンドルフもちょっとずつ知られてるんですけど、
日本だと紹介してる人がほぼ皆無で、俺しかいねえだろうなって思ってたんですよ。
なるほど。
思ってたら、国書観光会から霊的再生生に立てって本があったじゃないですか。
武田須賢さんと横山志業さんが共著で書いてらっしゃる。
あれの中でパスカル・ビバリー・ナンドルフ取り上げられてきましたね。
おー、さすがだな。
サイケデリック文化の影響
さすがですよね。
やっぱりあの二人はね、やっぱりただものではないですよね。
たぶん持ってると思いますよ、この本。
うーん、でしょうね。
これ。
要するにだからこれ、三羅の先達ですよね。
うーん、そうなりますね、なるほどね。
ちょっとね、探しても部屋の中から発掘できなかったんですけど、
ハーレム・ルネサンスって運動があったじゃないですか。
モダニズム、二十年代の時代に黒人のモダニストたちが起こした運動があって、
あれの一派の中に、あそこの一派の人たちって実はグルジェフマニアだったんですよね、みんな。
グルジェフの思想とかを、実はブラックの人たちがかなり研究してたっていうことが明らかになってて、
この本も出てて、ごめんなさい、名前忘れちゃったんだけど、
サトウキビっていう有名な小説を書いてるアフロアメリカンの作家がいて、
その人もグルジェフの主義者の人で、
どうじゃないですか、サトウキビって。
サトウキビってタイトルの本を書いてる人が、ボカルティストってどんなんやんやねんとか思ったんですけど、
ここらへんからやっぱりワクワクが止まらなくなった。
なるほど。
サンラーっていうのは、得意な現象だと思ってたんだけど、
意外とアフロアメリカンの並列を見ていくと、
ところどころに簡潔的に吹き出てるヨーロッパオカルティズムとぶつかった変な黒人っているんですよね。
なるほど、はいはい。
それって全然傾向下げてない。
だから僕、黒人音楽史でちょこっとだけ見せたのはそれですよね。
その辺りもね、多分、今からいろいろと研究は進んでいくと思うんですけど。
なるほど。
なんか喋るの疲れたな、大鯨さんサンラーの思い出を。
サンラーの思い出って。
あのね、僕がですね、これ99年とかだったかな。
サンラー自身はもうなくなってるんですけど、
アーケストラの皆さんは活動を続けてた頃でですね、
大学を出たてくらいの時にニューヨークに旅行に行ったことがあったんですけど、
そしたら、ニューヨークのクラブで週一でサンラーアーケストラが演奏してるっていうので、
それは行くしかないとか思って、行ったらたまたま今週はないんだみたいなこと言われて見られなかったっていう残念な思い出がありますね。
週一でやってるってすごいヒントじゃん。
毎週木曜日、しかも2ステージやるみたいな。
ごめんなさい、場所どこでしたっけ?
ニューヨークのね、ちょっと店の名前は忘れましたけど。
うーん、そうなんだなぁ。
いやーすごい。
なんかあれですよね、ジョン・ギル・モア、アーケストラにいたジョン・ギル・モアが、
なんか去年ぐらいに新譜出してましたよね、なんかね。
あー。
もう今年だったかもしれないね。
ジョン・ギル・モアでしたっけ?
なんかあの、マーシャル・アレンのソロアルバムってね。
あ、ごめんなさいごめんなさい。マーシャル・アレン、マーシャル・アレン。
マーシャル・アレンが出してた。
うーん。
まあ途中まで聴いていいかなと思ったんですけど。
まあまあまあ、あのね、100歳を超えて初めてのソロアルバムですからね。
すごいっすよね。
ボブ・ディランとかもう子供みたいなもんですから。
え、ギガンキー今何歳なんすかね?
あの人82とかじゃないかな。
あーまあ、ガキんちょですよね、ほんとに。
もう毛も生えてないガキですよ。
そうそうそう、やっぱあのね、ちょっと前にロックは70からだなって話をしてたんですけど、やっぱりもうジャズ名はやっぱり。
誰とそんな話をしてたんですか?
あのーなんか、フォーク・ウィンドの来日講演を見に行った時に、あのー。
フォーク・ウィンドっていつ来たんですか?
えっとね、コロナ前、わりと最近来ましたね。
6年前とかかな。
あー、レミィーナさん。
ちょい前かも。
だからまあ、デイブ・ブロックのフォーク・ウィンドですね。
たまたまフォーク・ウィンドの名前出ましたけど、まさにそのサイクリティック・ムーブメントのそのときにサンラってフックアップされたんで。
うん、あーそうですね。
そういうスペーシーなロックンロールが流行った時期に、サンラももう一回蘇ったみたいなところがあって。
いわゆる60年代最初のリバイバルがあったんですよね。
つまりサイクデリック・カルチャーに評価されたサンラ。
うずれ、ヒッピーの奴らが、なんか頭おかしい黒人のおっさんいるから呼ぼうぜみたいな感じで。
あとやっぱり、なんやかんやモンドなんだよね。
なんやかんや。60年代も90年代もモンド。
さっきのMC5の名前も出ましたけど、まあそういう流れですよね。
そうそう。だからイギーポップ…デリック・ジャーマンじゃねえや、ジム・ジャムシュがステュージーズのイギーポップの映画撮ってましたよね。
ありましたね、うん。
あれの中でイギーポップが、シカゴ時代どんなの聴いてたかって話したときに、
サンラとかも聴いてライブ行ったみたいな話をしてた気がするね。
だからまさにガレージとかサイケデリック・ロックとか、
あそこらへんの文脈の人たちもサンラにやっぱりすごい影響を受けてるんで。
そこはやっぱりかなり無視できないところですよね。
そうですね。
僕よりも、カンパニー社の工藤さんがサンラの日本で最大の研究者なんだけど、
あの人はね、確かね、工藤さんから聞いた話だと、
アンディ・ウォーゴルがやってたさ、ボルベッツとかが出てた舞台なんて言いましたっけ。
えーと…。
なんかダギ・ハリーの舞台にもなった。ちょっとだけ出てくる。
サーカス、エレクトリックサーカスみたいなのあるじゃないですか、ニューヨークに。
その舞台が。ものすごい照明、サイケデリックが照明をやってる舞台。
エレクトリックサーカスとかそんなのだったと思うけど、そこにサンラも出てるんですよね。
だからもう本当にサイケデリック・ショー、ベルベットアンダーグランドの次、はいサンラさんみたいな感じで出てたらしいんですよね。
なんかね、僕は持ってないけど、サンラアーケストラが出たライブの情報?
どういう曲やったかとか、どういうパーソネルだったかとかみたいな情報だけ書いてあるでっかい本ですよ。
工藤さんが持てた。すげーと思って。
そこで、いやー実はウォーゴルとやってるんですよね、サンラとか言って。
うわー、工藤さん神だわって思ってね。
今、工藤さんに喋ってる間にアルコールを入れて元気になりました。
ソワスイイけど。
これ最近届いた本なんですけど、In the Black Fantastic。
黒人がカメハメハする時代なんですよね。
カメハメハしてない黒人なんてありえないみたいな感じで。
これはですね、エコー・エッシュンっていう人が……
エッシュンって確か兄弟だと思いますけど、イギリスの黒人の。
まさにエッシュン兄弟の片割れがまとめた、MITでやったズロークなんですよ。
アフロフューチャリズムともマジックリアリズムとも違う、
ブラックファンタスティックっていうよくわからないジャンルを作ったんですよ。
おー、新概念を。
そうそう。
これ結構ね、すごいいいズロークで、もちろんサンラも出てくるんですけど、
面白いよね。長って思いません?これ。
長いっすね。
少女漫画に出てくる18頭身の人ですよね。
少女漫画の基本は18頭身ですから。
18頭身ないやつは人間じゃないですからね。
少女漫画家キャプテン翼ですね。
やばいっすよね。
僕この本面白いなと思ったのは、アフロフューチャリズムだとあんまりフックされないんだけど、建築が出てくるんですよね。
黒人のファンタスティック建築。
なるほど。
これって結構見過ごされてきたジャンルなんじゃないかな。
サン・ラーの作品とその影響
これとか。
おお、なんかすごい。
本当に届いたばっかりだから、いまいち本の詳細ってよくわかってないんですが、
ジョーダンピールとかも入ってて、
当然サンラも入ってて、
サンラは図版はあんまり出てこないんだけど、名前はいっぱい出てくるって感じでした。
MFドゥームもやっぱり出てきましたね。
ちょっとお見せしたいページ。
これね、やっぱりエコーエーションって人は本当に……あ、サンラあった。
マリオ。
ああ、まさにそのスペース・イズ・ア・プレイスの。
まさにここですよね。
このテーブルの上に砂時計置いてあるってあたりがもう渋沢和彦ですよね。
そうそうそう。
えっとね、やっぱりこれ、図版の構成が見事としか言いようがなくてですね。
あ、フライングローダスもありますね。
おー、なるほど、はいはい。
加護慎太郎先生ですね。僕はもう友人に近い立ち位置になったと思いますけど、
加護先生には。ちょっと僕ね、詳細は言えませんけど、
一緒に仕事をしましょうというオファーをしましたんで。
すごいよね。フライングローダスの表紙描いた人とまさか知り合えると。
ジョーダンピーグのゲットアウトの中で、おばちゃんから精神分析されて、
催眠術かけられてドヨーンと沈んでいくシーンを覚えてます。
はい、ありましたね。
あれをね、見てるやつを集めてる。
ほー。
そう。
ほうほうほう。
神走神経に降りていく黒人みたいなものを、見開き一枚で一つのを作ってるわけで、
こういう見せ方が上手い本でしたね。
やっぱこれ新しいセンスの本きたなーっていうか、
なんか非常にMITっぽい本だなーって感じですね。
そうそう、これおすすめですね。
表紙がいいよね。
そうですね。
はいはいはい。
そうそう。
いやー、こういう本もありますから。
まあ、こちらにしますか。
The Image of the Black in Western Artって本ですね。
ほー、はい。
これね、めっちゃくちゃでかいでしょ。
黒人像と文化の関連
でかいですね。顔よりでかい、はい。
顔よりでかい。多分、両津寛吉の顔よりでかいと思うんですけど。
しかもすごいでかくて分厚い本なんですけど、これ10冊あるうちの1冊ですね。
10冊シリーズです、これ。
シリーズで、なるほど。
これね、まあ、短的に言ってしまうと、
西洋美術の中に出てくる黒人像だけを集めた本です。
めちゃくちゃすごいです。
つまり、サンラーのIt's After the End of the Worldっていうレコードがあって、
それってジャケットがヒエロニムス・ボスの快楽の園なんですよ。
サンラーが好きだったんでしょうね、快楽の園が。
で、俺なんでなんだろうって思ってたんですよ。
まあ確かに、ボスの快楽の園っていうのは、
たしかに終末論的な映像だから、
まさにサンラーがそのタイトルに合わせて選んだとも思えるんですけど、
これね、この本の中で、まさに快楽の園が出てくるんですけど、
これ実は黒人の人がいるんですよ。
ああ、なるほど。
こういう感じ。
まあこれとかね。
つまりこういう感じで、西洋の名画って呼ばれていたものの中から、
黒人の人が映っているところを抽出して、
それは文化史的にいかなる意味が、みたいなね。
ところをやって、非常にセンスのいい本なんですよ。
なるほど。
これを見て非常に納得しましたね。
あ、なんでサンラーが快楽の園をジャケットに選んだのか、みたいなこと。
とてもよくわかって。
この本の全10巻のうち、黒人が主体のアーティストになっていくのは最後の2巻ぐらいですよ。
ああ、なるほど。
これまでは壮大に描かれる被写体でしかない主体。
やっぱりまあまあ、それは負の歴史で。
とはいえね、やっぱり黒人が出てくるっていうことの意味というのは問わなきゃいけなくて、
これは非常に重要で。
あともう一つ重要なのは、これを編集したのが、
ブラックスタディーズのカリスマって呼ばれてるヘンリー・ルイス・ゲイツ・ジュニアって人ですね。
日本だとシグニファイング・モンキーって本が翻訳されてますね。
これは大和田俊之さんが有名にしましたね。
シグニファイングっていうのはモジュールみたいな意味なんだけど、
もともとシグニファインって記号化するみたいなぐらいの意味でしかないはずなんだけど、
ブラックの英語だと特殊な意味を持ってるんですよね。
茶化すみたいな変な意味があって、
悪人の言ってる言説みたいなのをちょっと変化させて茶化す。
それがブラックカルチャーの本質だってことを、アフリカ神話のエシュっていう神、ヨーロッパでいうヘルメス神ですね。
ブラックカルチャーの魂は何か、ヘルメス、つまりエシュのいたずら心だっていうことで、
それがヒップホップから何まで全部説明しちゃったんですよ、ヘンリー・グリス・ゲイツ・ジュニア。
だからヒップホップを研究してる人の中でも神様扱いですね。
その人が、ちなみに大和田さんの師匠の辰巳孝之先生がお友達ですね。
あ、そんなんですね。
アメリカだとすげー有名な研究者で、テレビとかにもワンワン出る。
めっちゃ露出度の高い人で、その人が編集してるんですよ。
いわゆるアフロアメリカンの研究をするんだったら絶対に避けては通れない、中の大石学。
アフロアメリカンアートの重視
その人が出ると。
これが最後なんですけど、
もう今の声がわかったでしょ。
でかいよ。もっとでかいよ。
今日紹介する本ででかい。
ソウルズ・グローン・ディープっていう本です。
あー重い。
はー疲れた。
真っ赤なハードカバーの。
これはですね、ソウルズ・グローン・ディープっていう本はですね、
アフロアメリカンのビジュアルアーティストの芸術を集めた本なんですよ。
サムラと関係ないじゃないかって思うかもしれないんですけど、
アラバマ州出身のアーティストが大々的にフューチャーされてるんですよ。
つまりサムラと同じ場所から出てきた人ですよね。
これがですね、ソントン・ダイヤルっていう人ですね。
ほー。
ソントン・ダイヤル。
ほー。この人ですね。
あーはい、なるほど。
おいお前だよって指さしてる人ですね。
おいお前だよと。
ちょびヒゲのハイ。
そうそうそう。
大久保さんのヒゲの方が立派でしたね。
三浦純さんのいうヒゲラルキーに関しては大久保さんが上ですね。
なるほど。
だからおいお前だよって感じだったんでしょうね。
俺よりヒゲを生やすなっていう。
なるほど。
この若相が。
おー。お前たちは死ぬみたいな感じで。
そうですね。たまたま今日は指さす人が多いっていう。
指さす人で始まって指さす人で終わるという。
この人のアートで特に注目すべきなのが、この人ってね、
いわゆるハイザイ、ジャンクですよね。
ハイザイを集めてアートを作ってた人で、
たとえばこれハイザイで作ったような椅子とか。
おー。はい。
見えます?
見えます見えます。はい。
とか。
あるいはですね、もっとハイザイっぽいのねえかな。
これとかね。
おーなるほど。はい。
こういうのをアラバマで、サンラの生まれ故郷で作ってた人で。
だから、これもまたピーバインなんだけど。
グレッグ・テイトっていう人の本が出ましたよね。
フライボーイ2ですね。
そうそう。
あのフライボーイ2の中でこの本を紹介されてて、
なんでかっていうと、ロニー・ホリーっていうミュージシャンがいるんですよ。
そのロニー・ホリーって人は、アラバマ出身なんですけど、
黒人のアウトサイダーアーティストで、すげえ変な歌いっぱい出してる人なんですけど、
そのロニー・ホリーについて論じてる文章の中で、
ソウルズ・グローン・ディープを引っ張ってきて、
アラバマ州っていうのがブラックカルチャーにどれだけ重要な場所なのかってことを書いてるんですよ。
聴覚文化論的にはすごい注目されるんだけど、
いやいや、黒人の芸術ってのはビジュアル・カルチャーもすごい大切なんだってことをブレック・テイトは言っていて、
まさにさっき見せたソントンダイアルがいると。
だからロニー・ホリーだって、すごい変な廃材使ったアートも作ってるんですよ。
だからサンラーの変テカな衣装とかなんとかも、ある種そういう伝統の中で見なきゃいけないんじゃないかみたいなことをブレック・テイトは言っていて。
だからそういう、ある意味でサンラーっていうのは、純音楽的に評価しづらいですよね。
うーん、まあやっぱりね、いろんな要素が家でも目に入ってくるというか。
あそこを色物だと切っちゃう見方もあるんだけれど、僕はそれは正しくないと思ってて。
彼の作ってる衣装とか、彼の書いてる詩とか味文とか全部を評価していかないと絶対全体像にならないんで、彼らはそれを余儀だと思ってないんですよ。
まあ余儀だったらね、思ってないでしょうね。
ほとんど同じぐらいのレベルで大切だと思っていて、もちろん音楽が一番上ですよ。
だけど、それはやっぱり総合芸術としてあったと思うんで、当然こういう価値観も重要になってくるというような感じでですね。
サンラーの金魂を、それこそ僕の知り合いというか知人の相模倉俊さんという方がですね、
パスタで巻いた靴って詩集を出してて、その中にサンラーの金魂見つけたって詩を書いてらっしゃるんで、そちらも要チェックというか。
なるほど、はい。
やっぱりサンラーの金魂みたいな回でしたね。
そうですね。
サンラーの金魂の裏側みたいな汗が出てますね、ちょっと。
暑いですからね。
暑い暑い。金魂みたいな汗ですね。
最後見せていただいたジャンクで作ったアートみたいなのは、やっぱりWGにもちょっと通じる雰囲気もありましたね。
だからまあまあブリコラージュですよね。
だからブラックアーティストの中のアウトサイダーの系譜の中に流れてるブリコラージュ精神のことを僕はアフロマニリズムって呼んでね。
なるほど。
国人音楽史の中でちょっと系譜化してみせて、それはもうアフリカ時代からあるんですよね。
僕の本の中ではルカサっていう記憶版のことを紹介しましたけど、
アフリカの民族は変な板っきりに真珠とかビーズとかいっぱい貼り付けて、変な記憶版を作ったんですよ。
それはグリオとかちょっと特殊な能力を持った人しか読み込めない暗号になったんですよね。
それが代々読み継がれていく。ある種のブック、本だったわけよ。
ある種ブリコラージュしたものの中に記憶を宿らせていくっていうか、
国人の共同体の記憶をそこに全部込めていくっていう。
それはね、例えば、国人の人たちが、床屋文化って特殊なものがあるじゃないですか。
ありますね。
ちょっと俺は語らなかったんだけど、床屋って、国人の人たちにやってるバーバーショップって、壁中にいろんなものを貼ったんですよ。
国人の人の家もそうなんだけど、部屋中にベタベタ貼るんですよね。
だからなんていうかね、実はブラックの人たちっていうのは、もともとコラージュがすごい好きな人たちなんですよね。
なるほど。
だから実を言うと、ヒップホップのサンプリングとか、ヒップホップっていう音楽が生まれたことって必然だと僕は思ってるんですよ。
こんなにコラージュ好きな民族いなくねっていう。
なるほど。
アフロマニアリズムで言いたかったのはそこですね。
なんて究極的に言うと、リベラリズムの究極のメタファーってコラージュだと思うんで、
サン・ラーとアフロフューチャリズム
異質なものを並べちゃうってことですよね。
絶対に合わないものを並べるってことがリベラルでしょ、本当のと。
なるほど。
というような感じで、本日は産卵についていろんな要素を見せていただいてきたわけなんですけども。
最後一個だけ忘れるか。これ出した意味わかんないじゃないですか、マジで。
ああ、そうですか。
なぜかというと、これは要するにサンダーが過去のことを英語でパストって言いますよね。
死んだ人のこと、死者のことを英語で動詞で通り過ぎることをパスって言いますけど、
パスにEとDがついて過去形になる。
発音としてはドじゃなくてトになるんで、パストって同じ発音になるんですよ。
死者と過去って同じ発音になる。
去ったものってことですね。
そうです。
なのでサンダーは言語遊戯で、過去に縛り付く人間は死者になる。
パストはパストになるって言ってたんですけど。
サンダーってそこらへんもあってアフロフューチャリズムの元祖とか言われるんですけど。
未来思考っていうね。
だから過去の栄光とかに縛り付いてるやつはこれですよ。
君は死ぬと。
これサンダーだと思ってください、この人。
なるほど。サンダーがこちらを指差して、君は死ぬと言っていると。
はい。だから皆さんね、過去も大切ですけど、大切なのはあなたたちの未来なんで。
というような感じで、お知らせとかを聞こうかなと思ったんですが、なんかありますか。
あれからさっき映画秘宝の話をしたからとりあえずそんなとこでいいですかね。
そうですね。特にないと思いますんで。
あ、そうだ。でもちょっと先になっちゃいますけど、8月4日ぐらいだったと思いますけど、
中村隆之さんって方がいて。
はい、ブラックカルチャーの岩波新書の著者ですね。
そうです。あの方がブラックカルチャーって本を出して、僕ね、8月の8日だったと思いますけど、
ブーサンゴっていうアフリカ文学とかに特化した飲み屋みたいなとこがあって、
そこで中村さんと僕で対談やります。
へー。
これは僕もすごい楽しみです。中村さんとは結構やりとりがあって、もともと。
ご挨拶行きますねとか言ってるうちに、先延ばしずっとなってて、とうとうお話できるということで。
中村さんのブラックカルチャー、ブラックカルチャーだよね。
ブラックカルチャーですね。
あの本のサンラードが出てくるんで、いろいろお話するんで、今日の話に興味持った人とかはぜひ。
なるほど。いいですね。
って感じで。
詳細はまた後藤さんのツイッターなどをチェックしていただいてということで。
そうですね。宣伝を出すのが7月期期間で、相当フライングしてますけど、誰も見てないと思うんでいいと思うんで。
まあまあまあ。ここまで見てる人は相当なマニアですから。
そうですよね。たぶん誰もいないと思うんで。お願いします。
はい。本日も後藤守のこの要所がやばいサンラー編をお送りしてまいりました。
ということで、この動画が面白いと思った方はチャンネル登録、高評価などもお願いできればと思います。
ということで、どうも後藤さんありがとうございました。
01:13:25

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