西日本新聞Podcast
西日本新聞 鉄ガクの旅
ご乗車ありがとうございます。
この番組では、西日本新聞のノリ鉄記者が、鉄道旅の魅力について、広く深くマニアックに語っていきます。
ご案内します車掌は宮下正太郎、旅人は中原岳さんです。
中原さん、今回もよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
今回のお話のテーマは何でしょうか?
今回はですね、普通の旅じゃありません。
タイムトラベルをしてみようと思います。
実はですね、私は佐賀出身なんですけども、祖父も祖祖父もみんな佐賀ゆかりの人なんですけど、
祖父がですね、2016年に亡くなりまして、その遺品の中からですね、たくさん写真のネガというか、カラー写真のネガが出てきたんですけども、
それをですね、遺品片付けてる時に、光に透かして一個一個見てたんですけど、
その中にですね、昔の佐賀駅らしき写真が写ったコマがいくつかあって、
これもしかしてと思って、家電量販店にですね、そのネガを持ち込んだんですね。
家電量販店の中にはそのネガをですね、電子化してスマートフォンに画像として入れてくれるサービスやってるところもあって、
そこで頼んでやってみたらやっぱそうだったんですよ。
ただ今の佐賀駅と祖父が取った時代の佐賀駅って場所が変わってるんですよ。
なので今回は、今と昔を定点比較しながら、約50年前のですね、佐賀駅を振り返ってみようと思います。
佐賀駅というのはですね、ご承知の通り佐賀県の県庁所在地を代表する駅なんですけども、開業時代は結構古くてですね、
1891年の8月に九州鉄道、今のJR九州さんなんですけども、九州鉄道の鳥栖駅と佐賀駅が開通した時に開業したということで、
九州で初めて鉄道が開通したのが1889年なので、その2年後には佐賀まで鉄道ができてたというところになります。
それ以来の歴史があるんですけども、そのうち明治時代に、後に長く使われる駅舎ができて、
その祖父が撮影した写真にはですね、明治時代に建てられた駅が写ってました。
それがですね、こちらです。
YouTubeをですね、ご覧いただいてる方にはですね、お示しできてるんですけれども、
昔の佐賀駅はですね、平屋というかですね、屋根がですね、台形のような屋根をつけた古い木造の駅舎だったんですね。
この佐賀駅はですね、当時の今から50年以上前、明治時代から昭和の前半までのですね、
佐賀駅は今の駅から南に約200メートルほどのところにあったので、駅自体がちょっと移転してるんですよね。
その移転前の駅はこのような形で、木造のですね、台形のような屋根を乗っけて、
入り口のですね、ファサードのところには佐賀駅っていうような白い看板が掛かってるんですけども、
ただ当時のこの佐賀駅前の広場が面白いなと思うんですよね。
車たくさん停まってるんですけど、このなんていうか適当な止め方というかですね、
この奥の方に停まってる車はどうやって道路に出るんだろうかと思うぐらい感じなんですけどね。
これはいつ頃の写真かっていうのはわかっているんですか?
おそらくですね、これあの写真撮影時期がわからないんですけど、
ただ別のカットを見るとちょうど佐賀駅が移転して新しくなった頃のコマが別コマに映ってたんで、
その佐賀駅がですね、1976年に約200メートル移転して、今の場所に高架化されて移転してるので、
おそらく1976年頃、今から約50年前の写真と思われます。
その頃のですね、佐賀の街をこんな感じでカラーで撮ってた祖父は何者だったのかと思うんですけども。
この写真そのものもカラーなんですか?
もともとカラーだったんですよね。
おそらく色褪せてしまって少し発色が悪くなってるんですけど、ただタクシーのですね、オレンジの色とか、
軽自動車のような車の緑色とかはわかりますよね。
祖父はもともと学校の先生だったんですけども、ただ写真撮影は好きだったんですよ、カメラを持ってですね。
だからたくさんのネガが残ってて、たぶん別に家族の出迎えとかで行ったわけじゃなさそうで、
たぶん好奇心で、多分佐賀駅が変わるからという、そういう動機でですね、たぶん撮りに行ったんだろうなと思います。
家は争えないということですね。
私もそういう記録マニアなところがあるので、一緒なんだなっていうのは思いましたけども。
でですね、この佐賀駅がですね、昔の佐賀駅の写真がいろんなカットがあるんですけども、
今2枚目の写真は少し1枚目から左側に視点を移したものなんですけども、
この写真もよく見るとですね、駅の左側が少し吹き抜けのようになってるんですけども、
その奥の方でですね、黄色い重機のようなものが見えたりするので、
たぶんもう駅の構内を一部壊すような作業が始まってた頃なんじゃないかなというふうに思います。
車もやっぱり雑然と並んでるんですけども、結構ですね、国鉄の労働組合への横断幕が掛かってたりとか、
矢野台サーカスっていうサーカスの看板があったりとか、やっぱり時代を感じさせるなというふうに思いますね。
この場所が今どうなってるのかというとですね、重機が映ってるようなところがあるんですけれども、
この重機が映っているこの吹き抜けがですね、実はこの直後、この撮影から間もない頃だと思うんですけども、
屋根ごと破壊されてるんですよね。破壊されて道路輪のようになってて、タクシーが通ってるんですよ。
なのでですね、本当古い佐賀駅がですね、新しい佐賀駅に移る瞬間の頃を撮影したものなんだろうなというふうに思います。
さらにですね、移転した後の佐賀駅が古い方の駅舎を壊した後の先の奥の方に少し見えててですね。
ここが今もですね、道路になっていて、その写真は最近撮ったんですけども、ご覧のようにですね、今もほぼ同じ位置に現在の駅舎が映っているというところになります。
現在はですね、古い佐賀駅があったところは現在の朝日生命のビルのあたりだったようなんですね。
なのでこうやって定点比較すると、今は全然もう昔の駅は跡形もないなというふうに思います。
この写真は中原さんが先ほどの写真と同じ画角というか、同じ場所から撮ったみたいなイメージ。
そうですね、同じ場所を探して撮ったというものですね。
一方でですね、また別のカットは、今度は古い方の佐賀駅をですね、東側、佐賀市役所側に視点を移した写真もそこは撮っててですね。
その写真にはですね、右奥の方に佐賀市役所が映ってて、この佐賀市役所は今も使われてるんですよね。
でですね、この佐賀市役所の最上階の上に出っ張りのようなペントハウスなんでしょうかね、あるんですけども。
これもですね、今の写真、つい最近撮った写真と比較すると、確かに今も同じ位置にですね、佐賀市役所の建物が一部見えてるんですけど。
ただその後ですね、この佐賀駅の周りにもたくさんビルが建ってしまった関係で、今佐賀市役所はほとんど隠れて見えてないんですけども、
一部その屋根の上の出っ張りの部分だけはわかって、角度的にも多分合ってると思うんですけども。
なのでやはりこの交差点が当時の佐賀駅前の広場だったんだなという、駅前交番西っていうところですかね。
この交差点が昔の佐賀駅前の広場だったんだなっていうのがわかるというところになります。
そういうふうにですね、さらにいろんな写真他にも撮っててですね。
この古い方の佐賀駅が使われなくなって、その駅の一部をですね、ぶち抜く形で道路ができてるんですけども、
その道路から佐賀駅のホーム側を見ている、ホームがある方をですね、見ている写真を撮ってるんですけども、
まだ道が全然整備されてなくて、砂利の上を人とか車が歩いているような写真が写ってたんですけども、
これもですね、おそらくこの場所だろうというところを特定しまして、
これがですね、今のルートインっていう、佐賀駅前にルートインっていうホテルがありますけども、
そこから南側を見た写真だったようなですね。
この今の写真、現在の写真の左奥の方にですね、先ほど言った朝日生命のビルが映ってるんですけども、
そこに当時駅舎が、古い方の佐賀駅の駅舎があったというふうに思われます。
さらに祖父はですね、現在も使われている新しい方の佐賀駅が開業したばっかりの頃のですね、写真も撮ってまして、
確かにこの佐賀駅の、新しい方の佐賀駅の入り口にはですね、新駅開業2月18日ですかね、
長生きて書かれてるので、本当に新駅開業の頃に撮りに行ったんだろうなというふうに思います。
だから本当は多分祖父はそれほど深く考えずに撮ったんだろうと思うんですけど、結果的にはこんな形でですね、時代の記録になってるなっていう。
話を聞いてるのはNHKの有名人の方がブラブラするような散歩の番組のような。
そうですね、有名人の方がですね、福岡ゆかりの方が出てらっしゃるですね。
ここのですね、新駅がなったばっかりの頃のこの写真は割と特定がしやすくて、