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2025-03-25 11:10

12|日本刀は本当に戦いに使ったの?【後編】/こども記者質問箱 教えて!九博の学芸員さん③

西日本新聞のこども記者やその卒業生が身近な話題から専門家へのインタビューまでさまざまなトピックで番組をお届けします。こども記者とは、毎年8月から1年間の任期で取材・執筆活動をする公募の小学4年生から中学3年生です。

2025年で20周年を迎える九州国立博物館を見学したこども記者卒業生が、学芸員のみなさんに質問をするシリーズ「こども記者質問箱 教えて!九博の学芸員さん」。今回は、五つに分かれている九博の「文化交流展示室」の中でも特にテーマ3「遣唐使の時代」とテーマ4「アジアの海は日々これ交易」にフォーカス。どうして昔の人は仏様の教えを書いた経典を地中に埋めたの? 日本刀は本当に戦いに使っていたの?など展示品にまつわる質問を投げかけます。その答えを聞いたら、今すぐにでも九博に足を運びたくなるのではないでしょうか。

◆出演:望月規史(九州国立博物館企画課主任研究員)/浦川莉子(第10期こども記者)/八幡原万貴(第12期こども記者)/中野慧(MC/こどもタイムズ編集部)/音声編集:中富一史(販売部)/映像編集:井上知哉(ビジネス開発部)

◆収録日:2025年2月2日

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サマリー

日本刀は平安時代に武士が現れたことに伴い、戦いのための実用的な武器として使用されていますが、次第に贈答品としての価値も高まっています。現代においても、その美しさと価値は引き継がれており、刀剣の手入れが続けられています。九州国立博物館では日本刀の展示が行われており、国宝の刀剣が紹介されています。また、文化交流展示のテーマ3・4では、興味深い宗教や日本経済に関する話題も取り上げられています。

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西日本新聞Podcast
西日本新聞子ども記者Podcast
この番組は、西日本新聞の子ども記者や、その卒業生が中心になっておしゃべりをするPodcastです。
子ども記者とは、毎年8月から1年間の任期で活動する、高校の小学4年生から中学3年生の子どもたち、現在は15期74人が元気に活動中です。
子ども記者は年間を通して各地に取材に出向き、記事を書いて長官の子どもタイムズ名にその成果を掲載しています。活動は今年で15年になり、卒業生は計837人になります。
こんにちは。西日本新聞子どもタイムズ編集部の中野恵衣です。
さて、今回も子ども記者質問箱 教えて九博の学芸員さんと題したシリーズをお届けします。
今回も前回に引き続き、スタジオには九州国立博物館学芸員の餅月のりふみさんと、子ども記者卒業生の浦川さんや畑原さんに来ていただいています。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
では早速ですが、浦川さんから質問をお願いできますか。
日本刀の歴史と価値
日本刀は家に飾ってあるというイメージがあるのですが、実際は戦いに使われていたのですか。また、日本刀の価値は今と比べて当時の方が高かったのですか。
そうですね。日本刀はですね、そもそもでいくと戦いで使うための実用的な武器なんです。
これは平安時代の後期、12世紀と言われていますが、いわゆる世の中に武士というものが登場するのに合わせるような形でちょうど出てきたものです。
当初は合戦とかで戦いで使われるものだったんですけれども、その後はですね、実は単に武器としてだけではなくて、いわゆる贈り物というか贈答品というか、そういうものとして非常に価値があるものだというふうに使われるようになっていったようです。
特に室町時代ぐらいになってくるとですね、それぞれの刀剣を鑑定する人というのが登場するようになって、その刀剣がどういうふうな価値を持っているということをランキング付けするというようなことが結構行われるんですね。
実は今に至るまで日本刀の価値の基準とかランキングみたいなものというのは、その影響というのは今でも受けていて、昔と今とどっちが高いかと言われるとなかなか答えに難しいところではあるんですけど、その価値付けというか、そういったものというのは昔からずっと今にまで引き継がれているというものになります。
博物館にあったように、日本刀の鋭さや色の綺麗さなどが魅力で、今までも受け継がれてきたのではないかなと思いました。
そうですね。その美しさとかそういう魅力というのが何によって裏打ちされているかということだけ少しお話をさせてください。
日本刀って要は鉄の塊なんですよね。鉄って皆さんご存知のとおり錆びるんですよ。錆びないたびにどうするかというと、普段使わないときはお手入れをするんです。
どうお手入れするかというと、鉄の周りに油を敷いて空気と鉄が触れないようにするんですよね。
それを前提にちょっと考えてもらうと、例えば平安時代とか鎌倉時代とかに作られた刀というのは、作られてからだいたい700年とか800年とか経っているわけなんですけれど、700年間誰かが必ず手入れをしていることになるんですよね。
今皆さんが博物館で見ている刀剣の美しさとか、そういったものというのは700年間誰かが必ず手入れをしているからこそ守られているものだということをぜひ知ってもらえると嬉しいかなと思います。
もちろん今も手入れをされているということですよね。
そうですね。たまたま今21世紀に例えばうちの博物館にいる刀は私が手入れをしているだけの話ですけど、私の後も誰かがやるでしょうし、私がやるまでに誰かもやっていたという物語になります。
ありがとうございます。では八幡原さんから次の質問をお願いします。
再現文化財と貨幣の展示
再現文化財と書かれている展示品があったと思うんですけど、実物も同じようにきれいな状態で発掘されているんですか。
なるほど。これはよく展示をご覧になっているなと私は今思いました。
この再現文化財というのは結構重要なものでありまして、まず今実物がきれいな状態で発掘されるのかという話があったと思うんですけど、遺跡から発掘されたものというのは基本的にはもう捨てられているものというふうなものに近いので、壊れていたりとか色が合わせていたりだとか、
要は使われていた当時の姿から非常に大きく変わってしまっているというのが普通なわけなんですよね。
例えば地面の中に埋まっていた刀だったらもうボロボロに錆びているとかということがあるわけなんですけれども、再現文化財というのは実はそういうものに対して様々な学術的な検知に基づいて調査とか研究をやって、それが本来どういう姿だったのか。
製作された当時の姿というのはどういうものだったかというのを表しているものになるわけなんですよね。
例えばこう割れてしまっているものとか、錆びてしまって何が何とか分からなくなってしまっているものというのを展示室の中でご覧になっても、それが具体的に何だったのかというのはなかなか分かりづらいと思うんですが、
そういうものを再現文化財というものを通じて、当時はこういう姿だったんだということが分かる。
こういうふうなもので、実は再現文化財というものはすごく意味のあるものになっています。
いわゆる単なるコピーではなくて、オリジナルのものと同じ素材から作られた技法とか素材とかといったものを実物に合わせた形で、限りなく本物に近いくく製品というふうに考えてもらったらいいかなと思いますね。
はい、ありがとうございます。続いて萌え畑原さんから質問、いいですか。
はい、簡易通貨という工家、お金が展示されていました。そこにはそれまで国内で工家は駐造しなかったというふうに説明があったのですが、それはなぜですか。
はい、簡易通貨というのは、主に江戸時代の日本の経済を支えた非常に重要な貨幣、通貨だったんですけれども、それより前の時代でも実は貨幣というものは実は作られてはいたんですよね。
必ずしも簡易通貨以前の日本には貨幣がなかったというわけではありません。
ただし、それは使う人々であるとか地域というのがかなり限られていたということがありまして、むしろ日本で作られた、当時流通していたものというと、例えば銀のインゴット、銀の塊だったりだとか、あるいは中国で作られた貨幣なんかがですね、主には流通していたということが言われています。
当館でも今ずっと展示を続けているものがあるんですけれども、こういう地面の中に埋まっていた中世の貨幣があるんですね。
これは福岡県の被災山町というところの久原というところから出土したお金なんですけれども、いわゆる貨幣が10万枚収まった壺が見つかったんです。
日本刀の展示と文化交流
その銭を見てみると全部中国、ほとんどが中国のお金になっていて、当時どのぐらいたくさんのお金が中国からもたらされてきたのかというのが、こういう展示からもわかるかなというふうに思います。
国産では銭をなかなかされず、いっぱい中国から持ってきていたというのは何か理由が考えられるのでしょうか。
そうですね。いろんな理由があると思うんですけど、一つはやっぱり中国の銭を使った、たくさん中国でお金を作っていたので、それを使った方がコストがかからないというか安上がりだったという理由が一つあると思います。
もう一つは、お金じゃなくても当時の日本の経済がある種回っているというか、そこまで日本全国どこ行ってもお金を使えば使えるという経済の状況ではなかったということが一つ大きいのかなというふうに思いますね。
そんなに今ほど絶対ないといけないものというものではなかったかもしれない。
そうですね。お金とか物々交換とかもまだ当時はされていたところもあったりはしたようなので、そうだと思います。
どうですか、八田原さん。
今の時代においては、高価だったり紙幣というのを使うのが普通なんですけど、昔はそれが当たり前じゃなかったというのも驚きですし、今は国ごとにお金が違うと思うんですけど、昔は中国からコストがかからないという理由で流通していたというのはすごくびっくりしました。
そうですね。ありがとうございます。今日はここまで文化交流展示室のテーマ3・4ですね。5つあるテーマのうちの3・4について質問をさせていただきましたが、浦川さんいかがでしたか。
はい。私は再現文化財のお話が特に印象に残りました。これまで見つかった破片とかを自力でくっつけて再現しようとしているというふうに思っていたんですが、再現文化財はサイズや色だけでなくて素材まで同じように見せているということを知り、その技術が素晴らしいなというふうに思いました。
はい。ありがとうございます。八田原さんはいかがでしたか。
はい。私はすごい宗教の話に興味があって、仏教をどれだけ大切にしていたかというのがお経を支柱に埋めるという話とかを通じて、日本人が仏教を大切にしている理由というのもすごく分かりましたし、これから宗教関係について自分も調べたいというふうに思っているので、仏教がどのように今後大切にされていくか、仏教がどんな感じで伝わっていくかというのがすごく気になります。
はい。ありがとうございます。展示を見てまた興味が湧いて、何か学びたいと思えるのはすごく楽しいですよね。
はい。
はい。ありがとうございます。では最後に、のちづきさんよりおすすめの展示をご紹介いただけますでしょうか。
はい。当館の4階の文化交流展示というのは、1テーマから5テーマまで5つのテーマで分かれています。実はですね、年間約200回ぐらいの展示会をやっているんですよね。
ですので、ちょっと気が湧いてきていただいたら、都度都度必ず何か新しいものが展示されているということになります。
私の分野に引き付けて言うとですね、例えば日本刀だったら日本刀が必ずいつ行っても、何かしらの日本刀が必ず展示されているという形になるんですけど、
そうですね。2025年の3月までは、今展示しているのがですね、当館が誇る国宝の刀剣を展示しています。
雷九二三という非常に美しい形なんですけれども、こちらを展示していますので、ぜひ見に来ていただければありがたいかなというふうに思っております。
はい。ありがとうございます。九州国立博物館学芸員ののちづきさん、子供記者卒業生の八幡原さん、村川さん、ありがとうございました。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
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